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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年7月4日読了 8 分8 分8 分

不動産登記法 第89条(抵当権の順位の変更の登記等)

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  1. 抵当権の順位の変更の登記の申請は、順位を変更する当該抵当権の登記名義人が共同してしなければならない。
  2. 2.前項の規定は、民法第三百九十八条の十四第一項ただし書の定めがある場合の当該定めの登記の申請について準用する。

この条文の基本情報

抵当権の順位の変更の登記等とは何ですか?

定義抵当権の順位の変更の登記等とは、不動産登記法第89条に定められた規定で、「抵当権の順位の変更の登記の申請は、順位を変更する当該抵当権の登記名義人が共同してしなければならない。」と規定しています。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 不動産登記法第89条(抵当権の順位の変更の登記等)は、日本の不動産登記法に含まれる条文です。
  2. 不動産登記法第89条の条文原文は「抵当権の順位の変更の登記の申請は、順位を変更する当該抵当権の登記名義人が共同してしなければならない。」で始まります。
  3. 不動産登記法第89条は第三節 権利に関する登記に置かれています。
  4. 不動産登記法の公布日は平成16年6月18日です。
  5. 不動産登記法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
  6. 不動産登記法第89条の前の条は不動産登記法第88条です。
  7. 不動産登記法第89条の次の条は不動産登記法第90条です。
  8. 不動産登記法第89条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)第89条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/416AC0000000123
  • 本サイト収録不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)第89条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/416AC0000000123/89

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点不動産登記法89条は、抵当権の順位変更の登記を、順位が変わる抵当権の登記名義人全員が共同して申請すべきものと定める。1人でも欠ければ登記されず、順位も動かない。

Q · 抵当権の順位を入れ替えるとき、登記は誰が申請するの?

順位が変わる抵当権者全員の共同申請が必要です

不動産登記法89条1項により、抵当権の順位の変更の登記は、順位を変更する当該抵当権の登記名義人が共同して申請します。登記権利者と登記義務者が対立する通常の共同申請(同法60条)ではなく、当事者全員が申請人として同じ側に並ぶ合同申請です。1人でも欠けると登記は実行されず、民法374条2項により順位も一切動きません。転抵当権者などの利害関係人がいる場合は、その承諾が順位変更の合意そのものの有効要件となります。

解説

登記は対抗要件、そう習った記憶があるなら、抵当権の順位変更はその記憶が通用しない例外だと覚え直したほうがいい。民法374条2項は、順位の変更は登記をしなければ効力を生じないと定める。全銀行が合意書に押印しても、法務局で登記が完了するまで1番は1番のまま、3番は3番のままだ。そして不動産登記法89条1項は、その申請を「順位を変更する当該抵当権の登記名義人が共同して」行えと命じる。通常の登記権利者と登記義務者が向かい合う共同申請ではなく、全員が同じ側に並ぶ合同申請と呼ばれる特殊形態である。誰が得をして誰が損をするかが一義的に決まらないため、勝ち負けの構図を作らず全員を申請人にした。だから1人が翻意すれば、その日まで積み上げた交渉は白紙に戻る。2項は、根抵当権の共有者が優先弁済の割合を独自に決めた場合の登記にも、同じ全員一致の構造を持ち込んでいる。

法的な位置づけ

不動産登記法89条は、抵当権の順位の変更の登記における申請人適格を定める規定である。第1項は順位を変更する当該抵当権の登記名義人が共同して申請すべき旨を定め、第2項は根抵当権の共有者が民法398条の14第1項ただし書の定めをした場合における当該定めの登記の申請について、第1項を準用する。

手順・フロー

AI による整理。効力は条文原文が基準です

手順

  1. 1.登記簿で順位変更の当事者を全員洗い出す 登記事項証明書を取得し、順位に変動が生じる抵当権者を全員特定する。1名でも合意が得られなければ登記は実行できないため、この段階で実行可能性を判定する
  2. 2.利害関係人の有無と承諾見込みを先に確認 各抵当権に転抵当・質権・差押えなどが付いていないかを確認し、該当する権利者の承諾見込みを取る。承諾は民法374条1項ただし書により順位変更の合意の有効要件であるため、合意書の作成より先に確定させる
  3. 3.順位変更契約書(合意書)を作成し全員が押印 変更後の順位を特定した合意書を作成し、順位を変更する抵当権者全員が押印する。承諾書と印鑑証明書が揃う見込みが立ってから日付を入れ、合意から登記までの空白期間を最小化する
  4. 4.登記申請書を作成し登録免許税を計算 登記の目的を「○番、○番、○番順位変更」とし、申請人として当事者全員を記載する。登録免許税は抵当権の件数1件につき1,000円が基本(登録免許税法別表第一、最新の改正状況を確認)
  5. 5.管轄法務局へ申請し登記完了まで案件を閉じない 不動産所在地を管轄する法務局へ申請する。民法374条2項により登記完了まで順位は動かないため、登記完了証・登記事項証明書で新順位を確認するまで案件完了として扱わない

よくある質問 AI による整理

Q1抵当権の順位変更登記とは何ですか?

1番と2番など既存の抵当権の優先順位を、当事者の合意と登記によって入れ替える登記です。不動産登記法89条が申請人を、民法374条が実体要件を定めます。

Q2順位変更の登記は誰が申請しますか?

順位を変更する当該抵当権の登記名義人が共同して申請します(不登法89条1項)。登記権利者・登記義務者に分かれない合同申請という特殊な形態です。

Q3合同申請と共同申請の違いは何ですか?

共同申請は登記権利者と登記義務者が対立する構造(不登法60条)ですが、合同申請は当事者全員が同じ立場の申請人として並ぶ形態で、順位変更登記がその代表例です。

Q4順位変更の登記は付記登記ですか?

順位変更の登記は主登記で実行され、変更後の順位が登記簿上に公示されます。付記登記で処理される順位の譲渡・放棄(民法376条)とはこの点が異なります。

Q5利害関係人の承諾がないとどうなりますか?

民法374条1項ただし書により、転抵当権者などの承諾は順位変更の合意そのものの有効要件です。承諾がなければ登記が却下される以前に、合意自体が成立しません。

Q6順位変更の登録免許税はいくらですか?

抵当権の件数1件につき1,000円が基本です(登録免許税法別表第一)。3件の抵当権の順位を変更するなら3,000円が目安ですが、最新の改正状況の確認が必要です。

Q7根抵当権の共有者の優先弁済の定めも登記が必要ですか?

必要です。民法398条の14第1項ただし書の定めをした場合、その登記の申請には不登法89条1項が準用され、共有者全員が共同して申請します。

Q8順位変更の登記に期限はありますか?

申請期限の定めはありませんが、登記完了まで順位は動かないため、差押えや破産手続開始が入れば旧順位で配当されます。実質的な期限は第三者が現れる前という点にあります。

この条文についての質問 AI による整理

Q1全員のハンコが要るって、1人でも反対したら終わりなんですか?

終わりである。89条1項は順位を変更する抵当権の登記名義人が共同して申請せよと定めており、1名でも欠ければ登記は実行されず、民法374条2項により順位も動かない。実務のポイント:反対者を説得し続けるより、目的が特定の一者への配当調整なら順位の譲渡・放棄(民法376条)に切り替える。当事者が2者に減り、付記登記で処理できる

Q2合意書は作ったけど登記はまだです。もう順位は変わってますよね?

変わっていない。抵当権の順位変更は登記が効力発生要件であり(民法374条2項)、登記が完了するまで旧順位のまま配当される。合意書は当事者間の債務を生むだけである。実務のポイント:実務では承諾書と全員分の印鑑証明書が揃ってから合意書に日付を入れる。合意日を先行させると、その空白期間に差押えが入った場合の責任を誰が負うかで揉める

間違えやすい点 AI による整理

  • 「順位変更の登記では、どちらが登記権利者でどちらが登記義務者になるのか」という問いを立てた時点で、すでに道を外れている。順位変更に権利者と義務者の対立構造はない。順位変更の当事者となる抵当権者の全員が申請人として同じ側に並ぶ「合同申請」であり、不動産登記法60条の共同申請原則に対する例外として89条1項が置かれている
  • 利害関係人の承諾が必要だということは、多くの実務担当者が知っている。知られていないのはその重さだ。この承諾は登記申請の添付書類として求められているだけでなく、民法374条1項ただし書により順位変更の合意そのものの有効要件である。承諾が取れなければ、登記が却下されるのではなく、順位変更という法律行為が最初から成立していない
  • 当事者から見れば「銀行同士が合意すれば順位は入れ替わった」という感覚になる。だが法から見れば、登記が完了するまで順位は一切動いていない(民法374条2項)。この落差が危険なのは、合意から登記までの空白期間に差押え・仮差押え・破産手続開始が入った瞬間、旧順位で配当が確定してしまう点にある
比較の観点この条文ほかの条文
申請人の構造不登法89条:当事者となる抵当権者全員の合同申請不登法60条:登記権利者と登記義務者の共同申請
民法376条(順位の譲渡・放棄):当事者2者の共同申請
効力発生時期登記が効力発生要件(民法374条2項)、登記完了まで順位は不動登記は原則として対抗要件(民法177条)
当事者間の合意で効力発生、登記は対抗要件
登記の形式と効力範囲主登記、順位変更は絶対的効力で全員の順位が組み替わる登記の種類により主登記・付記登記
付記登記、当事者間の相対的効力にとどまる
交渉コスト全員一致が必要、1名の翻意で不成立権利者・義務者の2者
譲渡人・譲受人の2者、成立確率が高い

他国ではどう定めているか 3 か国

台湾
土地登記規則第116條・民法第870條之1

台湾も抵押權次序變更登記について、次序變更の当事者である抵押權人が会同して申請することを求め、中間次序の他項權利人がいる場合の同意を要件とする点で日本の構造に近い

ドイツ
BGB § 880(Rangänderung)・GBO § 19

ドイツも順位変更には当事者の合意と登記(Eintragung)を要し、中間順位の権利者に不利益が及ぶ場合はその同意を要する。登記が効力要件である点で日本法と同型

アメリカ
Mortgage Subordination Agreement

米国では順位の入替えは主に劣後合意(subordination agreement)で行われ、各州の recording act に従って記録される。合意は当事者間で有効に成立し、記録は主に第三者対抗のためという点で日本と異なる

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • もし、順位変更の合意書に全員が押印した翌日、後順位抵当権者の債務者に対して差押えが入ったとしたら? 登記が未了なら順位は1ミリも動いていない。配当は旧順位のまま計算される。合意から申請までに空けた数日が、そのまま数千万円の差になって戻ってくる
  • あなたは順位を下げてくれと頼まれた1番抵当権者の融資担当だ。稟議では「実害なし」と書いた。だが自分の抵当権に転抵当や質権が設定されていれば、その権利者の承諾まで揃わない限り、あなたの押印は何も生まない。承諾は添付書類の問題ではなく、順位変更そのものが成立するかの問題である(民法374条1項ただし書)
  • 住宅ローンの借換えを申し込んだら、既存のリフォームローンの抵当権が邪魔だと言われた。抹消ではなく順位変更で処理できる場面もある。ただし相手の金融機関が首を縦に振らなければ、その選択肢は最初から存在しないのと同じだ

取るべき行動

被害を受けた側:順位を下げる側、または承諾を求められた利害関係人になったとき。1. 自分の抵当権に転抵当・質権・差押えが付いていないか登記簿で確認、付いていればその権利者の承諾がなければ順位変更自体が成立しない2. 順位低下による回収見込みの減少額を担保評価から試算し、承諾の対価(金利条件、追加担保、期限の利益)を交渉材料にする3. 承諾書は登記申請直前に交付し、印鑑証明書の有効期限と申請時期を合わせる

訴えられた側:順位変更を実行したい側になったとき。1. 順位に変動が生じる抵当権者を登記簿で全員洗い出し、1人でも欠ければ実行不能である前提で工程を組む2. 利害関係人の承諾を先に確定、そのうえで合意書を作成する3. 登録免許税は抵当権の件数1件につき1,000円(登録免許税法別表第一、最新の改正状況をご確認ください) 4. 全員一致が現実的でないなら、順位の譲渡・放棄(民法376条)に切り替えて当事者を絞る代替案を並走させる

時効(請求できる期限):順位変更そのものに特定の時効はないが、合意しただけでは効力が生じない(民法374条2項)ため、実質的な期限は「登記完了までに第三者の差押え・破産手続開始が入らないこと」である。関連する債権や不当利得の請求権には一般消滅時効(民法166条、権利行使できると知った時から5年または権利行使できる時から10年)が適用される。なお登記申請に添付する印鑑証明書は作成後3か月以内のものが求められる

学説

登記実務・通説:順位変更登記は、当事者間に登記権利者・登記義務者の対立構造が生じないため、全員を申請人とする合同申請とされる。共同申請原則(不登法60条)の明文上の例外であり、申請人適格を欠く申請は却下される。

通説:順位変更は関係当事者全員の順位を絶対的に組み替える効力を持つため主登記で公示され、当事者間の相対的効力にとどまり付記登記で処理される順位の譲渡・放棄(民法376条)と区別される。

改正沿革 AI による整理

  • 平成16年(2004年)不動産登記法全部改正 旧不動産登記法(明治32年法律第24号)の全部改正により現行法が成立し、オンライン申請の導入とともに条文が全面的に再編された。順位変更の登記に関する申請人適格の規定も現行の条番号に整理されたが、旧法のどの条文からの承継かおよび新設か改正かの区別は要検証

改正の年表

  1. 1.平成16年(2004年) 改正:旧不動産登記法(明治32年法律第24号)の全部改正により現行法が成立し、オンライン申請の導入とともに条文が全面的に再編された。順位変更登記の申請人適格に関する規定も現行の条番号に整理された(旧法のどの条文からの承継かは要検証)

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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

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