不動産登記法 第82条(採石権の登記の登記事項)
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- 採石権の登記の登記事項は、第五十九条各号に掲げるもののほか、次のとおりとする。
- 一存続期間
- 二採石権の内容又は採石料若しくはその支払時期の定めがあるときは、その定め
この条文の基本情報
採石権の登記の登記事項とは何ですか?
定義採石権の登記の登記事項とは、不動産登記法第82条に定められた規定で、「採石権の登記の登記事項は、第五十九条各号に掲げるもののほか、次のとおりとする。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 不動産登記法第82条(採石権の登記の登記事項)は、日本の不動産登記法に含まれる条文です。
- 不動産登記法第82条の条文原文は「採石権の登記の登記事項は、第五十九条各号に掲げるもののほか、次のとおりとする。」で始まります。
- 不動産登記法第82条は第三節 権利に関する登記に置かれています。
- 不動産登記法の公布日は平成16年6月18日です。
- 不動産登記法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 不動産登記法第82条の前の条は不動産登記法第81条の2です。
- 不動産登記法第82条の次の条は不動産登記法第83条です。
- 不動産登記法第82条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)第82条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/416AC0000000123 - 本サイト収録
不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)第82条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/416AC0000000123/82
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点不動産登記法82条は、採石権の登記事項として、59条の共通事項に加え存続期間、および採石権の内容・採石料・支払時期の定めがあるときはその定めを登記すると定める。
Q · 採石権の登記簿には、何が書かれているんですか?
存続期間と、定めがあれば採石料・支払時期が記載されます
不動産登記法82条により、採石権の登記には、59条各号の共通事項(順位番号、登記の目的、登記原因、権利者の氏名住所など)に加えて、存続期間が記録されます。さらに、採石権の内容、採石料、その支払時期について当事者の定めがあるときは、その定めも登記されます。登記事項証明書の権利部乙区を見れば、その土地であと何年、いくらの採石料が発生するのかを第三者でも確認できます。逆に登記されていない定めは、土地が売却された後の新所有者には主張しにくくなります。
解説
山を持っている、あるいは山を持つ人と取引をする。そのとき「石を掘る権利」は土地の所有権とは完全に別の登記になる。不動産登記法82条は、採石権を登記するときに何を書き込むかを定めた条文だ。59条の共通事項(順位番号、登記原因、権利者の氏名住所など)に加えて、存続期間、そして採石権の内容や採石料、その支払時期に定めがあればその定めを書く。ここであなたが握るべき事実は二つある。第一に、これらは「定めがあるとき」に登記されるものであり、登記されなければ第三者に対抗できない。土地が売られた瞬間、新所有者に「そんな採石料の約束は知らない」と言われる余地が生まれる。第二に、存続期間は20年を超えられない(採石法5条)。契約書に30年と書いても、その部分は登記できない。あなたが採石業者側でも、山林を相続した地主側でも、登記簿の「権利部乙区」に何が書かれているかが、数十年分の収入と負担を決める。
法的な位置づけ
不動産登記法82条は、採石権の登記事項を定める規定である。第59条各号の一般的登記事項のほか、存続期間を登記事項とし、採石権の内容、採石料またはその支払時期について当事者の定めがある場合には、その定めを登記事項とする。採石法上の物権である採石権を、地上権(78条)・賃借権(81条)と並ぶ用益的権利の登記類型として位置付ける規定である。
手順
- 1.登記事項証明書を取得して乙区を開く 法務局の窓口またはオンライン(登記・供託オンライン申請システム)で対象地の全部事項証明書を取得し、所有者が載る甲区ではなく、用益権・担保権が載る権利部乙区を先に確認する
- 2.存続期間・採石料・支払時期の三点を読み取る 乙区の採石権欄で、82条により登記された存続期間の始期と終期、採石権の内容、採石料の金額と支払時期の定めを書き写す。存続期間が既に満了しているのに抹消されていない登記かどうかも日付で判別する
- 3.登記に現れない定めを設定契約書と突き合わせる 採石料の改定条項、原状回復義務、採取量の上限など、登記事項ではない合意は登記簿に載らない。設定契約書の原本を取り寄せ、登記簿の記載と契約内容の乖離部分を一覧化する
- 4.取引条件または請求方針に反映する 買主側なら残存期間と採石料を価格・引渡条件に反映し、満了済み登記があれば抹消登記の負担を売主に求める。地主側なら登記された支払時期を根拠に、期日経過分を内容証明郵便で請求する
よくある質問 AI による整理
Q1採石権とは何ですか?
採石法に基づき、他人の土地で岩石や砂利を採取できる物権です。土地所有権とは別個の権利として登記され、譲渡や相続の対象になります。
Q2採石権の登記は誰が申請するのですか?
設定契約の当事者、つまり土地所有者(登記義務者)と採石権者(登記権利者)が共同で申請します(不動産登記法60条)。一方だけでは原則申請できません。
Q3採石権の存続期間は最長何年ですか?
採石法5条により20年が上限で、更新する場合も1回につき20年以内です。契約書に30年と書いても、超過部分は登記に反映されません。
Q4採石権が設定された土地は売却できますか?
売却自体は可能です。ただし登記された採石権は買主を拘束するため、買主は残存期間中の採石を受忍することになり、価格交渉で減価される要因になります。
Q5採石権の登記は義務ですか?
登記自体は義務ではありませんが、登記しなければ土地の新所有者など第三者に権利を主張しにくくなります。実務では設定と同時の登記が基本です。
Q6採石権と鉱業権の違いは何ですか?
鉱業権は鉱業法に基づき鉱区単位で鉱物を掘採する権利、採石権は採石法に基づき他人の土地の岩石を採取する権利です。根拠法も登記・登録の仕組みも異なります。
Q7採石権の登記に必要な書類は何ですか?
採石権設定契約書などの登記原因証明情報、土地所有者の登記識別情報と印鑑証明書、代理申請なら委任状が基本です。存続期間や採石料の定めも申請情報に記載します。
Q8採石料が登記されていない場合はどうなりますか?
当事者間では契約に基づき請求できますが、土地が第三者に譲渡されると新所有者に対して採石料の定めを主張しにくくなります。契約書と入金履歴での立証が必要になります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1採石権って、地上権とか賃借権と何が違うんですか?
採石権は採石法に基づく物権で、他人の土地で岩石を採取する権利です。地上権が工作物や竹木の所有を目的とするのに対し、採石権は岩石の採取そのものが目的で、登記事項も本条82条により存続期間と採石料の定めに特化しています。実務のポイント:採石権が登記されている土地は、金融機関の担保評価で大きく減価されます。融資を受ける前に、乙区の存続期間があと何年残っているかを銀行より先に把握しておくと、評価交渉の材料になる。
Q2採石料の金額を登記簿に書くと、他人に見られてしまいますよね?
登記事項証明書は誰でも取得できるので、採石料の定めは公開情報になります。それでも登記する実益は第三者対抗力にあります。登記がなければ、土地が売却された際に新所有者へ採石料を主張できない可能性が高い(不動産登記法177条の対抗要件の考え方)。実務のポイント:金額を知られたくないという理由で登記を省く当事者は実際にいます。ただし省いた側は、相手方が土地を第三者に売った瞬間に立場を失う。秘密保持と対抗力のどちらを取るかは、相手が土地を手放す可能性の高さで判断する。
Q3登記に書いてある存続期間が過ぎたら、自動的に権利は消えますか?
存続期間の満了により採石権は消滅しますが、登記自体は自動的には抹消されません。抹消登記を申請しない限り、登記簿には記載が残り続けます。土地の売買や担保設定の場面で障害になります。実務のポイント:期間満了済みの採石権登記が放置されている山林は珍しくありません。買主側から見れば、この抹消手続の負担を売主に負わせるか、その分の値引きを求めるかの交渉材料になる。登記簿の日付を計算するだけで見つけられる。
間違えやすい点 AI による整理
- 「採石権は土地の所有者が持っている権利の一部だ」と考える人が多いが、採石法上の採石権は他人の土地に設定される独立した物権であり、登記すれば所有権とは別に売買・相続の対象になる。地主が土地を売っても採石権は消えず、新所有者を拘束する。
- 採石料の登記は「金額を証明するため」だと理解されているが、本質はそこではない。登記の機能は第三者対抗力にある。同じ120万円という金額でも、登記されていれば土地の新所有者にも主張でき、されていなければ元の契約当事者にしか主張できない。金額を知っているかどうかではなく、誰に対して言えるかが違う。
- 「存続期間は当事者が自由に決められる」という前提で契約書を作ると、そこで躓く。採石権の存続期間は採石法5条により20年を超えることができず、更新も20年が上限。契約書に長期間を書いても、その超過部分は登記に反映されない。問いを「何年にするか」ではなく「20年の枠内でどう更新設計するか」に立て直す必要がある。
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 根拠となる登記事項の条文 | 不登法82条:採石権(採石法上の物権) | 不登法78条:地上権 不登法81条:賃借権 |
| 必ず登記される固有事項 | 存続期間 | 地上権の目的(工作物・竹木の所有等) 賃料 |
| 対価の登記 | 採石料・支払時期は「定めがあるとき」に登記 | 地代・支払時期は「定めがあるとき」に登記 賃料は必要的登記事項 |
| 期間の上限 | 採石法5条により20年以内(更新も20年以内) | 民法上、地上権の存続期間に一般的な上限規定なし 民法604条により賃貸借は最長50年 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は採石を独立の物権登記ではなく行政許可を中心に規律する。土地上の他項権利としては地上権や租賃権の登記で処理され、日本の採石権のように専用の登記事項規定は置かれていない
韓国は鉱業権を광업원부に登録し、山地の土石採取は산지관리법の許可で規律する。日本の採石権に相当する独立した登記類型は明確でない
ドイツでは石材等は grundeigene Bodenschätze として土地所有権に含まれ、第三者の採取権は Grunddienstbarkeit や Nießbrauch として Grundbuch に登記される。鉱業法上の Bergwerkseigentum は別枠の物権
米国は mineral estate を surface estate から分離できる法制をとり、quarry lease や severed mineral deed を郡の登記所に record することで後続の買主に対抗する。登記事項の法定列挙はなく、契約書全文が記録される点が日本と大きく異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 祖父から山林を相続した。登記簿を取り寄せると乙区に見慣れない「採石権」の文字。存続期間はあと8年、採石料は年額120万円と登記されている。この登記があるおかげで、あなたは業者に「聞いていない」と言われずに採石料を請求できる。逆に登記されていなければ、口約束の金額を証明する作業から始まる。
- 採石業者として、地主と20年の採石権設定契約を結んだ。契約書には採石料の改定条項も入れた。だが登記申請では存続期間と採石料の定めしか記載できない。もし地主が土地を売却したら、買主に対して何を主張できるのか。あなたは設定契約書と登記簿の乖離が、そのまま将来のリスクの大きさになることを理解しておく必要がある。
- 山林の購入を検討している。重要事項説明で「採石権が設定されています」と言われたが、それが何年残っているのか、いくらの採石料が発生するのか、説明が曖昧だった。登記事項証明書を自分で取れば、82条により存続期間と採石料の定めが記載されているはずだ。決済まであと10日。今日中に法務局で乙区を確認しないと、あと12年間掘られ続ける山を買うことになる。
- もし、採石権の登記に存続期間だけあって採石料の記載がなかったら? それは無償の合意なのか、それとも当事者が登記を怠っただけなのか。登記簿の沈黙は「定めなし」を意味するとは限らない。この一点が、土地取得後の紛争の火種になる。
取るべき行動
被害を受けた側:1. 法務局で対象地の登記事項証明書(全部事項)を取得し、乙区の採石権欄で存続期間・採石料・支払時期の記載を確認する2. 採石料が登記されていれば、土地の新所有者に対しても支払を請求できる。請求書と内容証明郵便で支払時期からの遅延を明示3. 登記されていない定めがある場合は、設定契約書・入金履歴・やり取りの記録を揃え、当事者間の債権として請求する4. 存続期間満了後も採石が続いているなら、無権原の土地使用として不当利得返還請求(民法703条)または損害賠償を検討する
訴えられた側:1. まず自分の採石権が登記されているか、存続期間内かを確認する。登記された存続期間内であれば、土地の新所有者に対しても採石を継続できる2. 採石料の増額を求められた場合、登記された定めの内容を根拠に、合意なき一方的変更を拒否できる3. 存続期間の満了が近いなら、更新交渉は満了の相当前から始める。採石法5条の上限(20年)内で更新登記を申請する4. 採石の実施自体には採石法上の岩石採取計画の認可が別途必要であり、登記があるだけでは掘れない点に注意
時効(請求できる期限):本条自体に固有の期限はないが、採石権の存続期間は採石法5条により20年が上限(更新も20年以内)。登記された採石料債権は、一般の消滅時効(民法166条、権利行使できることを知った時から5年、または権利行使できる時から10年)にかかる。支払時期の定めがあれば、その各支払期日ごとに時効が進行する(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:採石権は採石法4条により物権とされ、不動産に関する規定が準用される。したがって82条の登記は民法177条の対抗要件として機能し、登記された存続期間および採石料の定めは土地の譲受人にも及ぶと解される
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和25年(1950年) 新設:採石法の制定により採石権が物権として創設され、登記可能な権利として不動産登記制度に組み込まれた
- 2.平成16年(2004年) 改正:不動産登記法の全部改正(平成16年法律第123号)。オンライン申請と登記記録の電子化を前提とした条文構成に再編され、採石権の登記事項は本条82条に整理された
- 不動産登記法 第59条権利に関する登記の共通登記事項
- 不動産登記法 第78条地上権の登記事項、対比される用益権登記の型
- 不動産登記法 第81条賃借権の登記事項、同章内の並列規定
- 不動産登記法 第3条採石権が登記できる権利であることの根拠
- 不動産登記法 第60条共同申請主義、採石権設定登記の申請構造
- 民法 第177条不動産物権変動の対抗要件としての登記
- 採石法 第33条岩石採取計画の認可、登記とは別の操業要件
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