要点不動産登記法 81 条の 2 は、配偶者居住権の登記事項として、59 条各号のほか存続期間と第三者への使用収益許諾の定めを掲げる。存続期間は延長できない。
Q · 配偶者居住権を登記すると、登記簿には何が書かれるんですか?
登記されるのは存続期間と使用収益許諾の定めの二つです
不動産登記法 81 条の 2 により、配偶者居住権の登記には、第 59 条各号の共通事項に加えて、存続期間と、第三者に居住建物の使用又は収益をさせることを許す旨の定めがあるときはその定めが記録されます。存続期間は延長も更新もできないとされ、登記された期間が満了すれば権利は消滅します。使用収益許諾の定めが登記されていなければ、建物を貸すには所有者の承諾が必要です(民法 1032 条 3 項)。
夫が亡くなり、家の所有権は先妻の子に渡った。それでも妻はその家に住み続けられる。2020 年 4 月に動き出した配偶者居住権という仕組みだ。ただしこの権利は、登記して初めて建物の新しい買主に対抗できる。そして本条が命じる追加の登記事項は、たった二つ。存続期間と、第三者に使用又は収益をさせることを許す旨の定めである。この二行が、あなたの残りの人生の条件を決める。存続期間を「10 年」と決めて登記すれば、10 年後に延長する手段はない(立法担当者の解説でも延長・更新は認められないとされている)。終身と登記すれば死ぬまで住める。もう一つ、施設に移って空いた家を貸したくなったとき、「第三者に使用収益させることを許す定め」が登記されていなければ、建物所有者の承諾が要る(民法 1032 条 3 項)。所有者が代替わりしていたら、その人に頭を下げることになる。登記してあれば、誰が所有者になろうと関係ない。
不動産登記法 81 条の 2 は、配偶者居住権の登記に固有の登記事項を定める規定である。権利に関する登記に共通する第 59 条各号の事項のほか、存続期間、及び第三者に居住建物の使用又は収益をさせることを許す旨の定めがあるときはその定めを、登記事項として掲げる。
AI 輔助整理,以條文原文為準
不動産登記法 81 条の 2 が定める登記事項です。59 条各号の共通事項に加え、存続期間と、第三者に居住建物の使用又は収益をさせることを許す旨の定めがあるときはその定めが記録されます。
配偶者が登記権利者、建物所有者が登記義務者となる共同申請です(不動産登記法 60 条)。所有者には登記に協力する義務があります(民法 1031 条 1 項)。
設定登記自体に法定の申請期限はありません。ただし第三者が先に所有権移転登記を経ると対抗できなくなるため、実質的な期限は相手方が建物を処分するまでです。
存続期間は必要的な登記事項で、終身の場合も配偶者の死亡時までである旨が記録されます。期間を定めなければ原則は終身です(民法 1030 条)。
できません。登記できるのは居住建物のみで、敷地の利用は建物所有者が持つ土地利用権に依存します。土地だけが第三者に売られた場合の扱いは解釈が分かれる論点です。
法律上は売却できますが、買主は居住する配偶者を退去させられないため、実務上は市場性が大きく落ちます。この点が遺産分割の交渉材料になります。
登記事項の追加には建物所有者の協力が必要で、事後の同意取得は難航しがちです。遺産分割協議書の作成段階で定めを入れておくのが現実的です。
登記自体はできますが、先順位の抵当権には対抗できません。競売で買い受けた人からの明渡請求には応じざるを得ず、登記の先後で結論が変わります。
遺産分割で取得すれば建物所有者本人には主張できる。だが登記がないと、その所有者が建物を売った先の買主には対抗できない(民法 1031 条 2 項による 605 条準用)。買主から明渡しを求められれば負ける。所有者には登記に協力する義務がある(民法 1031 条 1 項)。業界裏話ヒント:司法書士は遺産分割協議書を作る段階で、配偶者居住権の登記委任状まで同時に取る。協議成立日と申請日が離れるほど、翻意と売却のリスクが跳ね上がると知っているからだ
延ばせない。配偶者居住権の存続期間は延長も更新もできないというのが立法担当者の説明であり、実務の取扱いでもある。存続期間が登記事項とされている(本条 1 号)のは、期間満了で権利が確定的に消えることを第三者に公示するためでもある。業界裏話ヒント:期間を区切りたいと言い出す動機は、たいてい他の相続人が「いずれ家を売りたい」からだ。それなら期間を削るより、配偶者居住権の評価額を下げて代償金で調整する方が、配偶者側は安全に着地する
登記に「第三者に居住建物の使用又は収益をさせることを許す旨の定め」(本条 2 号)があれば貸せる。なければ建物所有者の承諾が必要で(民法 1032 条 3 項)、無断で貸すと是正の催告を経て配偶者居住権を消滅させられる(同条 4 項)。業界裏話ヒント:施設入居は配偶者居住権を使う人の典型的な将来像なのに、この定めを協議書に入れる例は驚くほど少ない。入れて登記しておけば、所有者が誰に代わろうと賃料収入の道が残る
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 登記できるか | 配偶者居住権は登記でき、存続期間と使用収益許諾が登記事項(不登法 81 条の 2) | — |
| 第三者対抗力の源 | 登記により対抗力を得る(民法 1031 条 2 項が 605 条を準用) | — |
| 存続期間 | 原則は配偶者の終身。期間を定めれば満了で消滅し、延長・更新はできない | — |
| 第三者への使用収益 | 登記に許諾の定めがなければ所有者の承諾が必要(民法 1032 条 3 項) | — |
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