権利が人の死亡又は法人の解散によって消滅する旨が登記されている場合において、当該権利がその死亡又は解散によって消滅したときは、第六十条の規定にかかわらず、登記権利者は、単独で当該権利に係る権利に関する登記の抹消を申請することができる。
要点不動産登記法 69 条は、死亡または解散で権利が消滅する旨が登記されている場合、登記権利者が単独で抹消を申請できると定める。共同申請主義(60 条)の例外である。
Q · 亡くなった人の地上権が登記簿に残っています。相続人を全員探さないと消せませんか?
登記簿に消滅事由の記載があれば、あなた一人で抹消できます
不動産登記法 69 条により、「権利が人の死亡または法人の解散によって消滅する」旨が登記されている場合、その死亡・解散が実際に生じたときは、登記権利者が単独で抹消登記を申請できます。共同申請主義(同法 60 条)の例外であるため、相続人の探索も同意取得も不要です。ただし要件は「消滅事由が登記されていること」であり、実際に死亡していても登記記録にその旨がなければ本条は使えず、共同申請または判決による単独申請(同法 63 条)に戻ります。
祖父が亡くなり、実家の登記簿を取り寄せたら、見慣れない「地上権」や「配偶者居住権」が残っていた。しかも権利者はとうに死んでいる。普通なら登記を消すには権利者側と義務者側が二人揃って申請する共同申請主義(不動産登記法 60 条)が壁になる。相手が死んでいるなら相続人全員を探して協力してもらうしかない、そう思い込んで諦める人が多い。だがこの 69 条は、その壁を正面から外す。「この権利は権利者の死亡(法人なら解散)で消滅する」と登記簿に書き込まれている場合に限り、あなたは単独で抹消を申請できる。鍵は登記簿に消滅事由が記録されているかどうかであって、実際に死んだかどうかだけではない。つまり、権利を設定した何十年も前の当事者が、この一行を登記簿に入れておいたかどうかが、今のあなたの手間を数か月分左右している。
不動産登記法 69 条は、権利の消滅事由として人の死亡または法人の解散が登記されている場合に、その事由の発生により消滅した権利の登記について、登記権利者が単独で抹消を申請できる旨を定める規定である。共同申請主義を定める同法 60 条の例外であり、登記記録上の公示が登記の真実性を担保する根拠となる。
AI 輔助整理,以條文原文為準
権利が人の死亡または法人の解散で消滅する旨が登記されているとき、その事由が実際に生じれば登記権利者が単独で抹消登記を申請できると定める規定です。共同申請主義の例外にあたります。
相続による所有権移転、判決による登記(63 条)、除権決定による抹消(70 条)などのほか、69 条の死亡・解散による権利消滅の抹消が代表例です。いずれも法律が個別に認めた場合に限られます。
配偶者居住権は配偶者の死亡により消滅します。登記記録に存続期間や消滅事由が公示されていれば、建物所有者が死亡を証する情報を添えて単独で抹消登記を申請できます。
登記申請書、死亡を証する情報(戸籍謄本・除籍謄本、法人なら閉鎖登記事項証明書)、登記識別情報または登記済証が原則必要です。事案により追加書類を求められる場合があります。
権利の抹消登記は不動産 1 個につき 1,000 円です。同一の申請で不動産が 20 個以上になる場合は 2 万円が上限となります。土地と建物は別個の不動産として数えます。
「法人の解散によって消滅する」旨が登記されていれば、閉鎖登記事項証明書を添えて 69 条により単独で抹消できます。その旨の登記がない場合は清算人との共同申請や別の手続が必要です。
不動産の所在地を管轄する法務局(登記所)に申請します。オンライン申請も可能です。管轄は法務局のウェブサイトで確認でき、管轄外に出すと却下されます。
関係します。2024 年 4 月施行の相続登記義務化(76 条の 2)で登記簿を開く機会が増え、古い終身の権利が残っている事例の発見が増加しています。抹消は 69 条で処理する場面が多くなります。
登記は誰かが申請して初めて動く仕組みだからである。実体法上は権利が消滅していても、抹消申請がない限り記録は残る。通常は 60 条の共同申請が必要だが、消滅事由が登記されていれば 69 条で単独申請できる。業界裏話ヒント:司法書士は権利設定の段階で、将来この一行があるかないかで何十万円もの差が出ることを知っている。設定時に消滅事由を登記記録へ入れておくかどうかは、次世代へのコストの付け替えである。
消滅事由が登記されていれば、相続人の関与自体が不要である。60 条の共同申請が原則であるところ、69 条はその例外として登記権利者単独での申請を認めるため、相続人の探索も同意取得も要らない。業界裏話ヒント:相続人不明を理由に不在者財産管理人や相続財産清算人の選任申立てを勧められることがあるが、69 条が使える事案ならその予納金(数十万円規模)は丸ごと不要になる。提案を受けたら、まず登記記録の消滅事由の有無を確認したいと伝えるとよい。
本条は使えないが、道は残る。登記義務者(権利者の相続人)と共同で申請する、それが不可能なら抹消登記手続を求める訴えを起こし、確定判決に基づいて単独申請する(不動産登記法 63 条)というルートになる。業界裏話ヒント:相続人が多数で全員の協力が現実的でない場合、あえて訴訟を選ぶ方が早く安いことがある。全員のハンコを追いかけて一年費やすより、判決を取りに行く方が期日管理できる分、見通しが立つ。
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 適用場面 | 69 条:死亡・解散による権利消滅が登記されている場合 | — |
| 申請人 | 登記権利者が単独で申請 | — |
| 相手方の関与 | 不要(相続人の探索・同意も不要) | — |
| 主なコスト | 戸籍等の収集費用と登録免許税のみ | — |
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