不動産登記法 第69条(死亡又は解散による登記の抹消)
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権利が人の死亡又は法人の解散によって消滅する旨が登記されている場合において、当該権利がその死亡又は解散によって消滅したときは、第六十条の規定にかかわらず、登記権利者は、単独で当該権利に係る権利に関する登記の抹消を申請することができる。
この条文の基本情報
死亡又は解散による登記の抹消とは何ですか?
定義死亡又は解散による登記の抹消とは、不動産登記法第69条に定められた規定で、「権利が人の死亡又は法人の解散によって消滅する旨が登記されている場合において、当該権利がその死亡又は解散によって消滅したときは、第六十条の規定にかかわらず、登記権…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 不動産登記法第69条(死亡又は解散による登記の抹消)は、日本の不動産登記法に含まれる条文です。
- 不動産登記法第69条の条文原文は「権利が人の死亡又は法人の解散によって消滅する旨が登記されている場合において、当該権利がその死亡又は解散によって消滅したときは、第六十条の規定にかかわらず、登記権…」で始まります。
- 不動産登記法第69条は第一款 通則に置かれています。
- 不動産登記法の公布日は平成16年6月18日です。
- 不動産登記法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 不動産登記法第69条の前の条は不動産登記法第68条です。
- 不動産登記法第69条の次の条は不動産登記法第69条の2です。
- 不動産登記法第69条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)第69条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/416AC0000000123 - 本サイト収録
不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)第69条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/416AC0000000123/69
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点不動産登記法69条は、死亡または解散で権利が消滅する旨が登記されている場合、登記権利者が単独で抹消を申請できると定める。共同申請主義(60条)の例外である。
Q · 亡くなった人の地上権が登記簿に残っています。相続人を全員探さないと消せませんか?
登記簿に消滅事由の記載があれば、あなた一人で抹消できます
不動産登記法69条により、「権利が人の死亡または法人の解散によって消滅する」旨が登記されている場合、その死亡・解散が実際に生じたときは、登記権利者が単独で抹消登記を申請できます。共同申請主義(同法60条)の例外であるため、相続人の探索も同意取得も不要です。ただし要件は「消滅事由が登記されていること」であり、実際に死亡していても登記記録にその旨がなければ本条は使えず、共同申請または判決による単独申請(同法63条)に戻ります。
解説
祖父が亡くなり、実家の登記簿を取り寄せたら、見慣れない「地上権」や「配偶者居住権」が残っていた。しかも権利者はとうに死んでいる。普通なら登記を消すには権利者側と義務者側が二人揃って申請する共同申請主義(不動産登記法60条)が壁になる。相手が死んでいるなら相続人全員を探して協力してもらうしかない、そう思い込んで諦める人が多い。だがこの69条は、その壁を正面から外す。「この権利は権利者の死亡(法人なら解散)で消滅する」と登記簿に書き込まれている場合に限り、あなたは単独で抹消を申請できる。鍵は登記簿に消滅事由が記録されているかどうかであって、実際に死んだかどうかだけではない。つまり、権利を設定した何十年も前の当事者が、この一行を登記簿に入れておいたかどうかが、今のあなたの手間を数か月分左右している。
法的な位置づけ
不動産登記法69条は、権利の消滅事由として人の死亡または法人の解散が登記されている場合に、その事由の発生により消滅した権利の登記について、登記権利者が単独で抹消を申請できる旨を定める規定である。共同申請主義を定める同法60条の例外であり、登記記録上の公示が登記の真実性を担保する根拠となる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.登記事項証明書で消滅事由の登記を確認 管轄法務局またはオンラインで登記事項証明書を取得し、権利部(乙区)に「権利者の死亡により消滅する」「法人の解散により消滅する」旨の記載があるかを確認する。この一行の有無で単独申請ルートに乗れるかが決まる
- 2.死亡または解散を証する情報を収集 個人なら戸籍謄本・除籍謄本、法人なら閉鎖登記事項証明書を取得する。登記記録上の権利者と死亡した人物の同一性が証明できるよう、住所の沿革をつなぐ書類(除票、戸籍の附票)も併せて用意する
- 3.抹消登記申請書を作成し登録免許税を計算 登記権利者を申請人とする抹消登記申請書を作成する。登記の目的、原因(年月日死亡による消滅など)、抹消する権利の受付年月日・受付番号を特定して記載し、登録免許税(不動産1個につき1,000円)分の収入印紙を貼付する
- 4.管轄法務局へ提出し完了を確認 不動産所在地を管轄する法務局へ窓口・郵送・オンラインのいずれかで提出する。補正の連絡に備え連絡先を明記し、完了後に登記事項証明書を再取得して当該権利が抹消されているかを目で確認する
よくある質問 AI による整理
Q1不動産登記法69条とは?
権利が人の死亡または法人の解散で消滅する旨が登記されているとき、その事由が実際に生じれば登記権利者が単独で抹消登記を申請できると定める規定です。共同申請主義の例外にあたります。
Q2登記の単独申請ができるのはどんな場合?
相続による所有権移転、判決による登記(63条)、除権決定による抹消(70条)などのほか、69条の死亡・解散による権利消滅の抹消が代表例です。いずれも法律が個別に認めた場合に限られます。
Q3配偶者居住権の登記は死亡後どうやって消す?
配偶者居住権は配偶者の死亡により消滅します。登記記録に存続期間や消滅事由が公示されていれば、建物所有者が死亡を証する情報を添えて単独で抹消登記を申請できます。
Q4抹消登記に必要な書類は?
登記申請書、死亡を証する情報(戸籍謄本・除籍謄本、法人なら閉鎖登記事項証明書)、登記識別情報または登記済証が原則必要です。事案により追加書類を求められる場合があります。
Q5抹消登記の登録免許税はいくら?
権利の抹消登記は不動産1個につき1,000円です。同一の申請で不動産が20個以上になる場合は2万円が上限となります。土地と建物は別個の不動産として数えます。
Q6解散した会社の抵当権は消せる?
「法人の解散によって消滅する」旨が登記されていれば、閉鎖登記事項証明書を添えて69条により単独で抹消できます。その旨の登記がない場合は清算人との共同申請や別の手続が必要です。
Q7抹消登記はどこに申請しますか?
不動産の所在地を管轄する法務局(登記所)に申請します。オンライン申請も可能です。管轄は法務局のウェブサイトで確認でき、管轄外に出すと却下されます。
Q8相続登記の義務化と関係ありますか?
関係します。2024年4月施行の相続登記義務化(76条の2)で登記簿を開く機会が増え、古い終身の権利が残っている事例の発見が増加しています。抹消は69条で処理する場面が多くなります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1権利者が死んだのに、なんで登記が残ったままなんですか?
登記は誰かが申請して初めて動く仕組みだからである。実体法上は権利が消滅していても、抹消申請がない限り記録は残る。通常は60条の共同申請が必要だが、消滅事由が登記されていれば69条で単独申請できる。実務のポイント:司法書士は権利設定の段階で、将来この一行があるかないかで何十万円もの差が出ることを知っている。設定時に消滅事由を登記記録へ入れておくかどうかは、次世代へのコストの付け替えである。
Q2相続人が誰か分からない場合でも単独で消せますか?
消滅事由が登記されていれば、相続人の関与自体が不要である。60条の共同申請が原則であるところ、69条はその例外として登記権利者単独での申請を認めるため、相続人の探索も同意取得も要らない。実務のポイント:相続人不明を理由に不在者財産管理人や相続財産清算人の選任申立てを勧められることがあるが、69条が使える事案ならその予納金(数十万円規模)は丸ごと不要になる。提案を受けたら、まず登記記録の消滅事由の有無を確認したいと伝えるとよい。
Q3登記簿に消滅する旨が書いてなかったら、もう打つ手なしですか?
本条は使えないが、道は残る。登記義務者(権利者の相続人)と共同で申請する、それが不可能なら抹消登記手続を求める訴えを起こし、確定判決に基づいて単独申請する(不動産登記法63条)というルートになる。実務のポイント:相続人が多数で全員の協力が現実的でない場合、あえて訴訟を選ぶ方が早く安いことがある。全員のハンコを追いかけて一年費やすより、判決を取りに行く方が期日管理できる分、見通しが立つ。
間違えやすい点 AI による整理
- 「権利者が死んだのだから登記は自動的に消える」と思われがちだが、実体法上の権利消滅と登記の抹消は別の話である。権利は消えても登記記録はそのまま残り続け、放置すれば売却や融資の場面で必ず引っかかる。誰かが申請しない限り、登記簿は勝手にきれいにならない
- 共同申請主義が原則であることは知っている人でも、その例外が持つ実務的な重さを見誤っている。相続人が十数人に散らばった案件で、全員の協力を取り付けるコストは弁護士・司法書士報酬を含めて数十万円規模になり、一人でも反対すれば訴訟である。69条はその全部を回避しうる条文であって、単なる手続の簡略化ではない
- 「死亡さえ証明すれば単独抹消できる」と問いを立ててしまう人がいるが、その問いの立て方が違う。条文が要求しているのは、権利が死亡・解散で消滅する旨があらかじめ登記されていることである。実際に死亡していても、その旨の登記がなければ本条は使えず、原則どおり共同申請または訴訟による判決取得の道に戻る
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 適用場面 | 69条:死亡・解散による権利消滅が登記されている場合 | 60条:原則すべての権利に関する登記 63条:登記手続を命じる確定判決を得た場合 |
| 申請人 | 登記権利者が単独で申請 | 登記権利者と登記義務者が共同で申請 判決を得た者が単独で申請 |
| 相手方の関与 | 不要(相続人の探索・同意も不要) | 必須(相続人全員の協力が要る) 訴訟の被告として関与するが同意は不要 |
| 主なコスト | 戸籍等の収集費用と登録免許税のみ | 相続人調査・交渉・ハンコ代・専門家報酬 訴訟費用と弁護士費用、審理期間 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も登記の抹消は原則として権利者と義務者の共同申請だが、権利の存続期間満了や法定の消滅事由が登記されている場合には単独申請を認める運用がある。日本69条と発想は同じで、公示されている事由が単独申請の根拠となる
韓国不動産登記法にも、権利が特定人の死亡により消滅する旨が登記されている場合に登記権利者が単独で抹消を申請できる規定が置かれている。日本法を母法とする継受の典型例
ドイツでは権利者の死亡によって消滅する権利(用益権など)について、登記官が死亡の証明に基づき抹消できる仕組みがある。公信力を伴う登記制度のため、抹消の要件審査は日本より登記官の役割が重い
米国は登録主義ではなく記録(recording)制度であり、life estate は権利者の死亡により当然に終了して remainder が完全所有権となる。記録簿の整理は死亡証明書の記録提出や title company の調査で処理され、日本のような抹消登記申請の類型はない
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 相続した土地の登記簿に、亡くなった大叔父の終身の地上権が付いたままだった。買主は「この権利が消えないと買わない」と言う。相続人を全国から探して実印をもらう作業は不要、消滅事由の登記があれば戸籍謄本一式と申請書で単独抹消できる
- 配偶者居住権を設定して夫を看取った後、その建物を売ろうとした相続人。配偶者居住権は配偶者の死亡で消滅する(民法1036条、597条3項準用)。登記記録上も存続期間や消滅事由が公示されているため、69条による単独抹消の典型場面になる
- 解散した会社名義の抵当権や地上権が残っていて、清算人も所在不明。「法人の解散によって消滅する」旨が登記されていれば、閉鎖登記事項証明書を添付して単独で消せる。会社が消えたから永久に手が付けられない、は誤解である
- もし、決済日の3週間前に登記簿の残存権利に気付いたとしたら? 共同申請ルートなら相続人調査だけで数か月、決済は確実に飛ぶ。69条ルートなら死亡を証する情報を揃えて数日から数週間。どちらのルートに乗るかを判断できるかどうかで、取引そのものの生死が決まる
- 登記義務者側の立場に立つこともある。あなたが権利を設定した側の相続人で、他人から単独抹消されたと通知が来た。共同申請でないから無効だと騒ぐ前に、69条の要件を満たしていれば適法である点を先に確認すべきである
取るべき行動
被害を受けた側:1. 登記事項証明書(権利部乙区)を取得し、当該権利に「権利者の死亡により消滅する」等の記載があるか確認する2. あれば死亡を証する情報(戸籍謄本、除籍謄本、法人なら閉鎖登記事項証明書)を収集3. 登記権利者としてあなた単独で抹消登記申請書を作成し、管轄法務局へ提出4. 記載がない場合は共同申請または訴訟(判決による単独申請)へ切り替え、相続人調査を並行して開始する
訴えられた側:1. 単独抹消された旨の通知を受けたら、まず登記記録に消滅事由の登記があったかを確認する2. 要件を満たしていれば適法な抹消であり、争っても覆らない3. 消滅事由の登記がないのに抹消されている、または死亡の事実自体に誤りがあるなら、更正登記の申請または抹消回復登記の請求、争いが残るなら訴訟を検討する4. 添付情報の写しは法務局で閲覧請求できるため、まず事実関係を押さえる
時効(請求できる期限):本条による抹消申請自体に特定の期間制限はない。ただし相続により不動産を取得した場合は、取得を知った日から3年以内の相続登記申請義務がある(不動産登記法76条の2、2024年4月1日施行)。抹消回復や更正を求める争いは一般の消滅時効(民法166条、権利行使できることを知った時から5年または権利行使できる時から10年)が問題になりうる(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:本条は共同申請主義の例外であり、単独抹消を正当化する根拠は登記記録上に消滅事由が公示されている点にある。したがって要件は形式的・厳格に解され、実体上権利が消滅していても消滅事由の登記を欠く場合には本条を類推適用できないと理解されている。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成16年(2004年) 改正:不動産登記法の全部改正(法律第123号)。オンライン申請と登記識別情報制度を導入し、条文構成を再編。死亡・解散による権利消滅の単独抹消は旧法の趣旨を引き継ぎ、現行69条として整理された
- 2.令和2年(2020年) 改正:民法改正により配偶者居住権が施行され、配偶者の死亡で当然に消滅する権利が登記される場面が生まれた。本条自体の文言改正ではないが、実務上の適用場面が大きく拡大した
- 不動産登記法 第60条共同申請主義の原則、本条はその例外
- 不動産登記法 第63条判決による単独申請、本条が使えない場合の代替ルート
- 不動産登記法 第69条の2買戻特約の登記の単独抹消、同種の例外
- 不動産登記法 第70条除権決定等による登記の単独抹消
- 不動産登記法 第61条登記原因証明情報の提供義務
- 民法 第1036条配偶者居住権の消滅、本条の典型適用場面
- 民法 第268条地上権の存続期間、終身地上権の根拠
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