要点不動産登記法119条は、何人も手数料を納付すれば登記事項証明書の交付を請求できると定める。利害関係や理由の説明は不要だが、6項の申出があれば住所は非表示となる。
Q · 他人が住んでいる家の登記事項証明書を、赤の他人が取ることはできますか?
誰でも取れる。理由も利害関係も不要
不動産登記法119条1項により、何人も手数料を納付すれば、他人名義の不動産でも登記事項証明書の交付を請求できます。目的も利害関係も問われず、5項により物件所在地を管轄しない登記所でも請求できます。記載されるのは所有者の氏名・住所、取得の原因、抵当権の債権額、差押えの有無などです。ただし6項の申出をした自然人については、住所に代わる事項が記載されます。理由の疎明が要求されるのは附属書類の閲覧(121条)のほうです。
不動産登記法119条1項の主語は「何人も」である。所有者でも、親族でも、利害関係人でもない。日本中の誰でも、手数料を払えば、他人が住む家の登記事項証明書を受け取れる。理由を聞かれることはなく、身分証の提示も原則として要らない。そこには所有者の氏名と住所、いつ取得したか、いくら借りているか(抵当権の債権額)、差押えが入っていないかまで並んでいる。この徹底した公開が、日本の不動産取引の安全を支えてきた。だが同じ制度は、加害者が被害者を探し当てる最短ルートでもあった。だから令和6年(2024年)4月から6項が動いている。生命または身体に危害が及ぶおそれがある人は、申出をすれば、住所に代わる事項を記載してもらえる。押さえるべきは二つ。取引の前に自分の手で最新の証明書を取ること、そして危険にさらされている側なら、住所を隠す制度がすでに用意されていること。
不動産登記法119条は、登記事項証明書等の交付請求権を定める規定である。1項は何人も手数料を納付して登記記録の記録事項の全部又は一部を証明した書面の交付を請求できるとし、2項は概要書面について同様に定める。手数料額は政令に委任され、6項は自然人の住所非表示措置を規定する。
AI 輔助整理,以條文原文為準
登記記録に記録された事項の全部または一部を登記官が証明した書面です。不動産登記法119条1項が根拠で、所有者、抵当権、差押えなどの権利関係を公的に証明します。
物件の地番・家屋番号を特定し、登記所の窓口、郵送、または登記・供託オンライン申請システムで請求します。手数料を納付すれば、誰でも即日で交付を受けられます。
書面請求は600円程度、オンライン請求はこれより低額とされます。額は登記手数料令で定まり改定されるため(119条3項)、請求前に法務局の最新案内で確認してください。
取れます。119条5項により、物件の所在地を管轄する登記所以外の登記所でも請求できます。相続で全国に散らばる不動産を調べるときに交通費が丸ごと不要になります。
法律上の有効期限はありません。ただし金融機関や官公署への提出では発行から3か月以内を求める運用が広く、決済実務では当日中の取得が求められます。
対象物件を管轄する登記所に、不動産登記規則所定の様式で申出ます。DV等支援措置の決定通知や保護命令の写しなど、危害のおそれを示す疎明資料の添付が必要です。
抵当権の債権額・債務者・設定日が乙区に記載され、住宅ローン等の借入の骨格が読めます。共同担保目録から他の所有不動産にたどれる場合もあります。
請求は住居表示ではなく地番・家屋番号が基本です。ブルーマップ、登記所の備付地図、市区町村の照会などで地番を特定してから請求します。
違法ではない。119条1項は請求権者を「何人も」と定めており、目的も利害関係も問われない。ただし取得した住所を使って接触すればストーカー規制法違反や不法行為の問題になる。業界裏話ヒント:制限がかかるのは登記申請書や添付書類(附属書類)の閲覧で、こちらは121条により正当な理由が必要。証明書と附属書類でハードルが全く違うことを、多くの人は区別していない
登記情報提供サービス(電気通信回線による登記情報の提供に関する法律に基づく)で取れるPDFは閲覧用の情報で、登記官の認証文も印もない。裁判所や金融機関に出す証明としては使えない。手数料は数百円程度と証明書より安い(最新の改正状況をご確認ください)。業界裏話ヒント:調査段階はサービスで安く広く見て、提出が必要になった物件だけ証明書を取る。この使い分けをしていないと、調査費用が何倍にも膨らむ
6項は「人の生命若しくは身体に危害を及ぼすおそれがある場合又はこれに準ずる程度に心身に有害な影響を及ぼすおそれがある場合」として法務省令で定める場合に限られ、疎明資料が要る。ストーカー被害や重大な犯罪被害も対象になりうる。業界裏話ヒント:住民票の支援措置決定を先に取っておくと、それが疎明資料としてそのまま使える。順番を逆にすると手戻りする
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 対象となる情報 | 119条:登記記録に記録された事項(登記事項証明書・概要書面) | — |
| 請求できる者 | 何人も(理由・利害関係の疎明は不要) | — |
| プライバシー配慮の仕組み | 6項の申出により自然人の住所に代わる事項を記載 | — |
| 実務での使いどころ | 取引前の権利関係調査、資産調査、決済当日の最終確認 | — |
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