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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年7月4日読了 8 分8 分8 分

不動産登記法 第118条(収用による登記)

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  1. 不動産の収用による所有権の移転の登記は、第六十条の規定にかかわらず、起業者が単独で申請することができる。
  2. 2.国又は地方公共団体が起業者であるときは、官庁又は公署は、遅滞なく、前項の登記を登記所に嘱託しなければならない。
  3. 3.前二項の規定は、不動産に関する所有権以外の権利の収用による権利の消滅の登記について準用する。
  4. 4.土地の収用による権利の移転の登記を申請する場合には、当該収用により消滅した権利又は失効した差押え、仮差押え若しくは仮処分に関する登記を指定しなければならない。この場合において、権利の移転の登記をするときは、登記官は、職権で、当該指定に係る登記を抹消しなければならない。
  5. 5.登記官は、建物の収用による所有権の移転の登記をするときは、職権で、当該建物を目的とする所有権等の登記以外の権利に関する登記を抹消しなければならない。第三項の登記をする場合において同項の権利を目的とする権利に関する登記についても、同様とする。
  6. 6.登記官は、第一項の登記をするときは、職権で、裁決手続開始の登記を抹消しなければならない。

この条文の基本情報

収用による登記とは何ですか?

定義収用による登記とは、不動産登記法第118条に定められた規定で、「不動産の収用による所有権の移転の登記は、第六十条の規定にかかわらず、起業者が単独で申請することができる。」と規定しています。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 不動産登記法第118条(収用による登記)は、日本の不動産登記法に含まれる条文です。
  2. 不動産登記法第118条の条文原文は「不動産の収用による所有権の移転の登記は、第六十条の規定にかかわらず、起業者が単独で申請することができる。」で始まります。
  3. 不動産登記法第118条は第三節 権利に関する登記に置かれています。
  4. 不動産登記法の公布日は平成16年6月18日です。
  5. 不動産登記法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
  6. 不動産登記法第118条の前の条は不動産登記法第117条です。
  7. 不動産登記法第118条の次の条は不動産登記法第119条です。
  8. 不動産登記法第118条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)第118条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/416AC0000000123
  • 本サイト収録不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)第118条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/416AC0000000123/118

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点不動産登記法118条により、収用による所有権移転の登記は起業者が単独で申請でき、収用で消滅した権利や失効した差押えの登記は登記官が職権で抹消する。

Q · 土地が収用されたら、そこに付いている抵当権や差押えの登記はどうなりますか?

登記官が職権で抹消します。権利者の同意は不要です

不動産登記法118条4項により、土地の収用による権利移転の登記を申請するときは、収用で消滅した権利や失効した差押え・仮差押え・仮処分の登記を指定し、登記官が職権でこれを抹消します。建物の場合は5項により所有権等以外の権利に関する登記が職権抹消され、6項では裁決手続開始の登記も職権で消えます。担保権者の同意も申請も要件ではありません。担保価値は補償金へ物上代位(民法304条、372条)で追及できますが、補償金が払い渡される前に差し押さえる必要があります。

解説

道路拡幅やダム建設で土地を強制的に取られる、いわゆる土地収用。そのとき登記実務は普段のルールを丸ごと捨てる。通常、所有権移転の登記は売主と買主が二人一組で申請する(不動産登記法60条の共同申請主義)。だが収用の場合、あなたの署名も押印も委任状もいらない。起業者(道路を作る事業者や自治体)が単独で申請でき、国や自治体なら官公署が登記所に嘱託するだけで登記が動く。さらに恐ろしいのは4項から6項だ。あなたが設定していた抵当権、あなたが差し押さえた仮差押え、それらは登記官が職権で消す。誰も同意を求めてこない。つまりあなたが土地の担保を取っていた債権者だった場合、ある日突然、自分の抵当権が登記簿から消えている。収用は所有者だけの話ではなく、その土地に権利を持つ全員の権利を一斉に切断する制度であり、登記法118条はその切断を実行する刃である。

法的な位置づけ

不動産登記法118条は、収用に伴う登記手続の特則を定める規定である。収用による所有権移転の登記は起業者の単独申請(1項)又は官公署の嘱託(2項)により行われ、所有権以外の権利の消滅登記にも準用される(3項)。収用により消滅した権利、失効した差押え・仮差押え・仮処分の登記、及び裁決手続開始の登記は、登記官の職権で抹消される(4項から6項)。

手順・フロー

AI による整理。効力は条文原文が基準です

手順

  1. 1.登記事項証明書で「裁決手続開始の登記」を確認 対象不動産の登記事項証明書を取得し、甲区の所有者より先に乙区の担保権・用益権と、裁決手続開始の登記の有無を確認する。この登記があれば、その土地は収用手続の射程内にある
  2. 2.自分の立場(所有者・担保権者・用益権者)を確定する 所有者なら裁決の効力と補償額、担保権者なら補償金への物上代位、賃借権者・地上権者なら自己の権利に対する補償と、動くべき戦場が全く異なる。登記簿上の自分の順位と権利の種類を先に特定する
  3. 3.担保権者は補償金請求権を払渡し前に差し押さえる 抵当権は118条4項で職権抹消され無担保債権に転落するため、権利取得裁決の直後、補償金が従前所有者に払い渡される前に補償金請求権を差し押さえる(民法304条、372条の物上代位)
  4. 4.所有者は補償額・裁決の効力を別ルートで争う 登記手続を止めることと補償額を争うことは別の戦場である。裁決書を受領したら、審査請求や損失補償に関する訴えの出訴期間(土地収用法・行政事件訴訟法の定め)を確認し、期間内に手続を選択する
  5. 5.起業者側は4項の指定リストを漏れなく作成する 収用により消滅する権利、失効した差押え・仮差押え・仮処分を登記簿から洗い出し、指定に漏れがないよう一覧化する。漏れた登記は抹消されずに残り、後の土地処分の障害になる

よくある質問 AI による整理

Q1収用による登記とは何ですか?

土地収用の裁決により所有権等が移転・消滅した場合に行う登記です。不動産登記法118条により、共同申請主義(60条)の例外として起業者の単独申請または官公署の嘱託で行われます。

Q2収用の登記は誰が申請しますか?

起業者が単独で申請します(118条1項)。国又は地方公共団体が起業者のときは、官公署が遅滞なく登記所に嘱託しなければなりません(2項)。所有者の申請も押印も不要です。

Q3土地を収用されると抵当権はどうなりますか?

収用により消滅し、その登記は118条4項の指定に基づき登記官が職権で抹消します。担保権者は補償金に物上代位(民法304条、372条)できますが、払渡し前の差押えが必要です。

Q4裁決手続開始の登記はいつ消えますか?

118条6項により、収用による所有権移転の登記をするときに登記官が職権で抹消します。この登記は、その不動産が収用手続の対象となっていることを公示するものです。

Q5収用で所有権が移るのはいつですか?

登記の時点ではなく、権利取得裁決で定められた権利取得の時期に法律上移転します(土地収用法)。118条の登記は、その移転を登記簿に反映させる手続にすぎません。

Q6収用された土地の賃借権の登記も消えますか?

所有権以外の権利の消滅登記にも1項・2項が準用され(3項)、建物では5項により所有権等以外の権利に関する登記が職権抹消されます。賃借人は収用手続内で補償を主張すべきです。

Q7収用の登記を止めることはできますか?

できません。単独申請・嘱託で進むため、登記手続の場で争う余地はありません。争うべきは裁決の効力や損失補償の額であり、審査請求や訴訟という別の土俵になります。

Q8補償金の差押えはいつまでにすればよいですか?

補償金が債務者(従前の所有者)に払い渡される前です(民法304条ただし書)。裁決から支払までの期間は短いため、裁決が出た直後に差押えの準備を始める必要があります。

この条文についての質問 AI による整理

Q1収用されるって聞いたんですけど、私がハンコを押さないと登記は動かないですよね?

動きます。不動産登記法118条1項は60条の共同申請主義を明文で外し、起業者の単独申請を認めています。国や自治体が起業者なら2項の嘱託で登記所に直接手続が入ります。実務のポイント:登記を止めることで補償交渉を有利にしようとする発想は、収用手続では機能しません。抵抗の場を登記から裁決・補償金の争いへ移した方が実益がある、と実務家は最初に判断します

Q2うちの土地に抵当権を付けている銀行には、誰か連絡してくれるんですか?

登記官が職権で抹消する仕組みであり、担保権者の同意も申請も要りません(118条4項、5項)。銀行は収用手続の関係人として扱われますが、あなたが期待するほど手厚い個別通知が制度上保証されているわけではありません。実務のポイント:金融機関は補償金への物上代位に慣れています。あなたが先に相談すれば、一括返済でなく残債の付け替えで話がまとまることもある。黙っていると一括返済の通知が先に来ます

Q3登記簿に「裁決手続開始の登記」って書いてあったら、もう買わない方がいいですか?

その土地は収用手続の射程内にあるという公示です。取得しても収用裁決が出れば所有権は起業者へ移り、6項によりこの登記自体が職権抹消されます。実務のポイント:この登記を見落として売買契約を結ぶと、買主は補償金を受け取る立場にはなれても、当初の利用目的は完全に失われます。決済前の登記簿再取得を省略しない、それだけで防げる事故です

間違えやすい点 AI による整理

  • 「収用されても登記には自分の印鑑が要るはずだ」という前提そのものが誤っている。118条1項は60条の共同申請主義を明文で外している。あなたの協力は登記の要件ではなく、拒否しても登記は進む。争うべきは登記手続ではなく、裁決の効力または補償金の額である
  • 抵当権が職権抹消されることは知っていても、その深刻度を見誤る人が多い。抹消は担保の消滅であり、あなたの債権は無担保債権に落ちる。物上代位で補償金を押さえられるのは、それが債務者に払い渡される前だけ(民法304条ただし書)。裁決から支払までは短く、気付いたときには金は流れている
  • 所有者から見れば「土地を売った」感覚だが、法律から見れば収用は原始取得に近い性質を持ち、起業者は従前の権利の負担が付いていない土地を取得する。この落差が、担保権者や賃借人を無防備なまま置き去りにする
比較の観点この条文ほかの条文
申請の構造118条:起業者の単独申請、又は官公署の嘱託60条:登記権利者と登記義務者の共同申請
63条:確定判決等に基づく登記権利者の単独申請
相手方の関与登記名義人の承諾・押印・委任状は一切不要登記義務者の協力が絶対条件、拒否されれば登記不能
判決手続を経ることで相手方の協力を代替
他人の権利の登記の処理4項・5項・6項により登記官が職権で抹消(同意不要)抹消は別途、権利者との共同申請または承諾が必要
判決の主文の範囲でのみ登記が可能、職権抹消はない
登記が動く原因収用裁決という行政処分(土地収用法)売買・贈与等の私人間の法律行為
裁判所の確定判決・和解調書等

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
土地徵收條例第26条・土地法第208条以下

台湾も徴収機関が補償費の発給完了後に登記機関へ嘱託する構造を採り、土地所有者の申請を要しない点は日本と共通する

韓国
부동산등기법 제99조(수용으로 인한 등기)

韓国も収用による登記を単独申請とし、収用により消滅した権利の登記を職権抹消する構造で、日本法と極めて近い

ドイツ
GBO § 38・BauGB § 117

ドイツは行政庁の嘱託(Ersuchen)により登記所が登記を実行する仕組みを採る。収用決定の執行に伴う登記簿の更正も官庁主導で行われる

アメリカ
Declaration of Taking Act, 40 U.S.C. § 3114

米国連邦の収用手続では、収用宣言と補償見積額の供託により権原が政府へ移転し、既存の負担は補償金へ転嫁される。州法ごとの手続差が大きい

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • 実家の土地の一部が県道拡幅にかかった。あなたは補償交渉に集中していたが、裁決が出た後、登記簿を取ると所有権はすでに県に移り、あなたが知らないうちに手続は完結していた。単独申請だから、あなたに登記手続の連絡は来ない
  • 友人に金を貸して土地に抵当権を付けていた。ある日その土地が収用され、抵当権登記が職権で抹消された。慌てる必要はないが、動くべき先が変わる。担保は消えるが、代わりに補償金に物上代位(民法304条、372条)できる。ただし補償金が債務者に払われる前に差し押さえなければ間に合わない
  • もし裁決手続開始の登記がついた土地を、それと知らずに買ってしまったらどうなる? 6項でその登記は最後に職権抹消されるが、それは収用が完了した証であって、あなたが所有者になれたという意味ではない。登記簿の「裁決手続開始の登記」は、この土地は収用の射程内という警告灯である
  • 補償金の額に納得できず、あなたは争うつもりだった。だが権利取得裁決の日が来れば所有権は法律上移り、登記も起業者が単独で入れる。残された時間は裁決書を受け取ってから6か月(損失補償に関する訴えの出訴期間、行政事件訴訟法および土地収用法の規定を確認のこと)。登記を止めることと金額を争うことは、別々の戦場である
  • あなたが起業者側の担当者だとしたら、収用裁決を得た後に消したい登記を4項の指定で漏らすと、消えるはずの差押えが登記簿に残り、後の土地処分でつまずく。指定は事務作業ではなく、権利関係の掃除リストである

取るべき行動

被害を受けた側:1. 土地に権利(所有権、抵当権、賃借権、差押え)を持つなら、まず登記事項証明書を取り「裁決手続開始の登記」の有無を確認する2. 所有者なら補償金額と裁決の効力を争う手続(審査請求、損失補償に関する訴え)を検討、登記手続を止める争いとは別筋である3. 担保権者・差押債権者なら、補償金が債務者に払い渡される前に補償金請求権を差し押さえる(民法304条、372条の物上代位)4. 賃借人・地上権者は自らの権利に対する補償を収用手続内で主張する

訴えられた側:起業者側の場合:1. 権利取得裁決を得たら118条1項により単独申請、国・地方公共団体なら2項の嘱託で進める2. 4項の指定において、収用により消滅する権利・失効する差押え・仮差押え・仮処分を漏れなく列挙する。漏れは登記簿上のノイズとして残り、後の処分の障害になる3. 建物収用の場合は5項により所有権等以外の権利に関する登記が職権抹消されるため、指定範囲との重複と欠落を事前に整理する

時効(請求できる期限):本条自体に固有の期間制限はない。ただし収用手続側の期間が実質的な時限となる:権利取得裁決に対する審査請求や損失補償に関する訴えの出訴期間(土地収用法および行政事件訴訟法の定めによる。最新の改正状況をご確認ください)、および物上代位における「払渡し前の差押え」という時間的制約(民法304条)

学説

通説:収用による起業者の取得は原始取得に近い性質を有し、従前の権利の負担を承継しないと解される。本条4項から6項の職権抹消は、この実体法上の効果を登記簿に反映させるための技術的手当てであり、権利者の手続関与を制度上省略する根拠とされる。

実務(登記実務):4項の指定は単なる事務作業ではなく、収用により消滅・失効する権利の網羅的な洗い出しである。指定漏れがあると当該登記は抹消されずに残り、後の処分や再収用の際に権利関係の障害として顕在化する。

改正沿革 AI による整理

改正の年表

  1. 1.明治32年(1899年) 新設:旧不動産登記法(明治32年法律第24号)が制定され、官庁・公署の嘱託による登記および収用に伴う登記の枠組みが整備される
  2. 2.平成16年(2004年) 改正:不動産登記法の全部改正(平成16年法律第123号)。オンライン申請の導入とともに条文が全面的に再編され、収用による登記の特則が現行118条として整理された

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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

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