不動産登記法 第120条(地図の写しの交付等)
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- 何人も、登記官に対し、手数料を納付して、地図、建物所在図又は地図に準ずる図面(以下この条において「地図等」という。)の全部又は一部の写し(地図等が電磁的記録に記録されているときは、当該記録された情報の内容を証明した書面)の交付を請求することができる。
- 2.何人も、登記官に対し、手数料を納付して、地図等(地図等が電磁的記録に記録されているときは、当該記録された情報の内容を法務省令で定める方法により表示したもの)の閲覧を請求することができる。
- 3.第百十九条第三項から第五項までの規定は、地図等について準用する。
この条文の基本情報
地図の写しの交付等とは何ですか?
定義地図の写しの交付等とは、不動産登記法第120条に定められた規定で、「何人も、登記官に対し、手数料を納付して、地図、建物所在図又は地図に準ずる図面(以下この条において「地図等」という。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 不動産登記法第120条(地図の写しの交付等)は、日本の不動産登記法に含まれる条文です。
- 不動産登記法第120条の条文原文は「何人も、登記官に対し、手数料を納付して、地図、建物所在図又は地図に準ずる図面(以下この条において「地図等」という。」で始まります。
- 不動産登記法第120条は第五章 登記事項の証明等に置かれています。
- 不動産登記法の公布日は平成16年6月18日です。
- 不動産登記法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 不動産登記法第120条の前の条は不動産登記法第119条の2です。
- 不動産登記法第120条の次の条は不動産登記法第121条です。
- 不動産登記法第120条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)第120条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/416AC0000000123 - 本サイト収録
不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)第120条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/416AC0000000123/120
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点不動産登記法120条は、何人も手数料を納付して、地図・建物所在図・地図に準ずる図面(公図)の写しの交付と閲覧を請求できると定める。利害関係の疎明は不要である。
Q · 隣の土地の公図って、自分が所有者じゃなくても取れるんですか?
誰でも手数料を払えば法務局で取れます
不動産登記法120条は、何人も登記官に対し手数料を納付して、地図・建物所在図・地図に準ずる図面(いわゆる公図)の写しの交付を請求でき(1項)、閲覧も請求できる(2項)と定めます。土地の所有者である必要も、利害関係を疎明する必要もありません。地図等が電磁的記録に記録されている場合は、記録された情報の内容を証明した書面が交付されます。手続については同法119条3項から5項までが準用されます。
解説
隣の家との境界杭が、いつの間にか数十センチずれている。塀を建て直したいが、どこまでが自分の土地か確信が持てない。このとき多くの人は「登記簿を取ればわかる」と考えるが、登記簿(登記事項証明書)には面積と地番しか書いていない。土地の形と位置を示すのは別の図面、法務局が備える「地図」(14条地図)または「地図に準ずる図面」(公図)である。不動産登記法120条は、その図面を誰でも、手数料さえ払えば写しの交付も閲覧も請求できると定める。土地の所有者でなくても、利害関係を説明する必要もない。あなたが買おうとしている土地、隣人が越境してきている土地、相続で揉めている実家の土地、どれも今日この瞬間に法務局または登記情報提供サービスで図面を手にできる。境界紛争の交渉テーブルで、図面を持っている側と持っていない側では、話の重みがまるで違う。
法的な位置づけ
不動産登記法120条は、登記所に備え付けられた地図、建物所在図及び地図に準ずる図面(地図等)について、何人も手数料を納付して写しの交付又は閲覧を請求できる旨を定める規定である。請求権者は所有者や利害関係人に限定されない。地図等が電磁的記録に記録されている場合は、記録された情報の内容を証明した書面が交付される。手続には同法119条3項から5項までが準用される。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.対象土地の地番を特定する 住居表示(○丁目○番○号)と地番は別物である。ブルーマップ、登記所備付けの地番検索用資料、または窓口照会で正確な地番を確定させる。ここを間違えると別の土地の図面を手にすることになる
- 2.地図等の写しの交付または閲覧を請求する 不動産登記法120条1項により、法務局の窓口・郵送・オンラインで手数料を納付して地図等の写しの交付を請求する。所有者であることも利害関係の疎明も不要。証拠として使うなら閲覧(2項)ではなく交付を選ぶ
- 3.14条地図か「地図に準ずる図面」かを見分ける 交付された図面が不動産登記法14条1項の地図(現地復元性が高い)か、地図に準ずる図面(公図、明治期測量が原型で誤差がある)かを最初に確認する。この見分けが、以降の判断の精度をすべて決める
- 4.地積測量図・登記事項証明書と三点照合する 同法121条の地積測量図と、登記事項証明書(面積・所有者)を併せて取得し、図面の形状・登記面積・現況の三点を突き合わせる。乖離があればその箇所を写真と実測で記録しておく
- 5.乖離があれば協議、決着しなければ筆界特定へ 現況と図面に食い違いがあれば、記録を示して隣地所有者に協議を申し入れる。合意に至らない場合は、訴訟の前に同法123条以下の筆界特定制度の申請を検討する。費用と期間の負担を抑えられる場合がある
よくある質問 AI による整理
Q1公図とは何ですか?
登記所に備え付けられた「地図に準ずる図面」の通称です。明治期の地租改正時の測量を原型とし、地番と土地の大まかな形状を示しますが、14条地図と比べて位置や形に誤差があります。
Q2公図の取り方は?
対象土地の地番を特定したうえで、法務局の窓口・郵送またはオンラインで、手数料を納付して地図等の写しの交付を請求します。不動産登記法120条1項により誰でも請求できます。
Q3公図はオンラインで取れますか?
登記情報提供サービスで図面情報を取得できる場合があります。ただし提供範囲は図面の種類や登記所によって異なるため、証明力のある書面が必要なら法務局への交付請求が確実です。
Q4公図の手数料はいくらですか?
120条は手数料の納付を要件としますが、額は登記手数料令で定められ改定されます。書面請求かオンライン請求かでも異なるため、法務局の最新の案内で確認してください。
Q5地番がわからないときはどうすればいいですか?
住居表示と地番は別物です。ブルーマップ、登記所備付けの地番検索用資料、窓口照会で地番を特定してから請求します。地番を取り違えると、まったく別の土地の図面が交付されます。
Q6建物所在図とは何ですか?
建物の敷地内での位置関係を示す図面で、120条の交付・閲覧の対象に含まれます。ただし全国的な備付けは限られており、実際には交付を受けられない登記所も少なくありません。
Q7地図等の閲覧と写しの交付は何が違いますか?
1項の交付は写し(電磁的記録なら内容を証明した書面)を持ち帰れるもの、2項の閲覧はその場で確認するだけのものです。交渉や訴訟の資料にするなら交付請求を選びます。
Q8遠方の土地の公図も最寄りの法務局で取れますか?
地図等の写しの交付請求は、最寄りの登記所で全国の物件について行えます。閲覧は取扱いが異なる場合があるため、事前に管轄登記所へ確認しておくのが確実です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1公図って、そんなに当てにならないものなんですか?
「地図に準ずる図面」(公図)は明治期の地租改正時の測量を原型とするもので、形状・位置に誤差があります。これに対し不動産登記法14条1項の「地図」は現代の測量に基づき、現地復元性があります。実務のポイント:不動産のプロは図面を見た瞬間に、それが14条地図か公図かを確認します。公図しかない地域の土地は、売買時に境界確定測量が必要になる確率が高く、その費用は数十万円。この一点を知っているだけで、購入時の価格交渉材料になります
Q2隣の家の土地の図面を勝手に取ったら、相手に知られますか?
知られません。120条は「何人も」請求できると定めており、請求者の氏名が対象土地の所有者に通知される仕組みはありません。利害関係の証明も不要です。実務のポイント:これは裏を返せば、あなたの土地の図面も誰かがすでに見ている可能性があるということです。相続予定の実家や、売却を検討している土地について、近隣の業者が先に調べているのは日常茶飯事。情報の非対称は、先に動いた側に傾きます
Q3境界がずれているとわかったら、すぐ裁判ですか?
いきなり訴訟に行く必要はありません。不動産登記法123条以下の筆界特定制度を使えば、登記官が筆界(公法上の境界)を特定します。訴訟より費用・期間の負担が軽い場合が多いです。実務のポイント:筆界(公法上の境界、当事者の合意では動かせない)と所有権界(私法上の境界、合意で動かせる)は別物です。この二つを混同したまま「話し合いで境界を決めた」つもりでいると、後で登記との食い違いが表面化します。実務上、両者の関係の整理は土地家屋調査士の専門領域です
間違えやすい点 AI による整理
- 「公図を取れば正確な境界がわかる」という前提そのものが誤っている。法務局に備わる図面には二種類あり、不動産登記法14条1項の「地図」は現代の測量に基づき精度が高いが、全国での整備は道半ばである。多くの地域では「地図に準ずる図面」(いわゆる公図)しかなく、これは明治期の地租改正時の測量を原型とするもので、形状や位置に誤差がある。何を手にしているかを取り違えると、判断を誤る
- 「所有者や利害関係人でないと図面は取れない」と思われがちだが、120条は「何人も」と書いている。あなたが隣人でも、購入検討者でも、まったくの第三者でも、手数料を払えば請求できる。逆に言えば、あなたの土地の図面も、誰でも見られる状態にある
- 地図の閲覧制度は「不動産のプロが使うもの」と考えられているが、深刻なのはその逆である。プロは必ず取る。取らないのは一般人だけで、その情報格差のまま境界交渉や売買契約の席に着いている。同じテーブルの相手はすでに図面を見ている
- 「法務局まで行かないと取れない」と思って諦めている人が多いが、実際は登記情報提供サービスでオンライン取得できる図面もあり、また交付請求自体は最寄りの法務局で全国の物件について行える(管轄外でも可)。物理的距離は、もはや障壁ではない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 取得できるもの | 120条:地図・建物所在図・地図に準ずる図面(土地の形と位置) | 119条:登記事項証明書(権利関係・面積・所有者) 121条:登記簿の附属書類(地積測量図・建物図面等) |
| 請求できる人 | 何人も。利害関係の疎明は不要 | 何人も。利害関係の疎明は不要 図面以外の附属書類は、閲覧について理由の記載など一定の要件が課される場合がある |
| 精度・証明力 | 14条地図なら現地復元性が高い。地図に準ずる図面(公図)は誤差がある | 権利関係の公示として高い証明力。ただし土地の形状は分からない 地積測量図は測量に基づくが、作成時期と立会いの有無で信頼度が変わる |
| 実務での使いどころ | 境界・越境・接道の当たりを付ける最初の一手 | 所有者の特定、抵当権など権利負担の確認 境界確定測量や筆界特定の前提資料 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も地籍図謄本を広く申請可能とし、地政事務所の窓口およびオンラインで取得できる。地籍図重測の進捗によって精度が地域差を持つ点は、日本の14条地図と公図の関係に近い
韓国は地籍公簿を登記簿と別体系で管理し、地籍図の閲覧・謄本発給も広く認められる。登記と地籍が二元的である点が日本と異なる
ドイツは土地登記簿の閲覧に「正当な利益(berechtigtes Interesse)」の疎明を要求し、誰でも見られる日本の120条とは公開度が大きく異なる。なお地籍(Liegenschaftskataster)は各州法が規律する
米国は郡単位で parcel map や plat map を公開し、多くの郡がオンライン GIS で無償公開している。連邦統一法はなく、州法・郡条例により運用が分かれる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 中古住宅の内見で気に入った物件があるが、業者は「境界は確定済みです」としか言わない。契約前に自分で公図と地積測量図を取れば、隣地との境界がどう記録されているか、そもそも14条地図があるのか公図しかないのかが3日以内にわかる。公図しかない地域なら、境界は「だいたい」でしかない可能性が高い
- 隣人が「うちの土地だ」と主張して勝手に駐車を始めた。あなたは法務局で地図等の写しを取り、地番と形状を確認する。相手が誰であっても、相手の同意がなくても請求できるのがこの条文の力である
- 亡くなった父の実家の土地を相続することになった。現地に行ったが、どこからどこまでが実家の敷地かわからない。公図を取ると、家が建っている場所と地番の形が明らかに食い違っていた。何十年も前の増築で隣地に食い込んでいた可能性がある
- あと10日で土地の売買決済。買主から「越境物があるので境界確認書を出してほしい」と言われた。まず公図と地積測量図で現況と登記の乖離を把握しないと、隣地所有者との協議さえ始められない
- もし、あなたが購入した土地の地図が「地図に準ずる図面」(公図)しかなかったとしたら? 公図は明治期の地租改正時の測量が原型で、精度が現代の測量とはまるで違う。売買前にこれを知っているかどうかで、境界確定測量の費用(数十万円)を売主・買主どちらが負担するかの交渉が変わる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 対象土地の地番を特定する(住居表示と地番は別物、ブルーマップまたは法務局備付けの地番検索で確認) 2. 最寄りの法務局で地図等の写しを交付請求、手数料は登記手数料令に基づく(金額は最新の改定状況をご確認ください) 3. 併せて地積測量図(不動産登記法121条)と登記事項証明書も取得、図面・面積・所有者を三点照合4. 現況と図面に乖離があれば、写真と実測を記録したうえで隣地所有者に協議を申し入れる。合意できなければ筆界特定制度(不動産登記法123条以下)へ
訴えられた側:1. 越境や境界侵害を主張された場合、まず自分でも地図等と地積測量図を取り、相手の主張が図面と整合するか検証する2. 公図しかない地域であれば、公図の精度の限界を前提に協議すべきと指摘できる3. 相手が測量図を根拠にする場合、その測量が誰の立会いで、いつ作成されたものかを確認する。片側の立会いだけの測量図は決定力が弱い4. 訴訟の前に筆界特定制度を使えば、費用と期間を大幅に抑えられる場合がある
時効(請求できる期限):地図等の交付・閲覧請求そのものに期限はない(何人も、いつでも請求できる)。ただし取得した図面をもとに争う権利には期限がある。所有権に基づく妨害排除請求権は消滅時効にかからないが、損害賠償請求は民法724条の期間制限(知った時から3年、行為時から20年)に服する。隣地の占有が長期化すると取得時効(民法162条、20年または善意無過失で10年)が完成し、土地そのものを失う
学説
通説(登記実務):120条の請求権者を「何人も」としたのは、土地の形状と位置の公示が取引の安全と紛争予防に不可欠な公共インフラだからであり、地図等が示すのは土地の形と地番であって所有者の生活情報ではないため、公開の便益がプライバシーの負担を上回ると解される。
通説(境界法):地図に準ずる図面(公図)は現地復元性を欠くため、それ自体で筆界を確定する資料にはならず、地積測量図・現況測量・占有状態等と併せて総合的に判断すべきとされる。公図の線をそのまま境界とする扱いは実務上支持されない。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.明治32年(1899年) 新設:旧不動産登記法が制定され、登記所における不動産の権利公示制度が整備される。地図の備付けと公開の枠組みはこの系譜に連なる
- 2.平成16年(2004年) 改正:不動産登記法が全部改正され、現行法(平成16年法律第123号)が成立。オンライン申請の導入と登記情報の電磁的記録化に対応し、地図等が電磁的記録の場合は記録された情報の内容を証明した書面を交付する旨が明示された
- 不動産登記法 第14条地図及び地図に準ずる図面の備付義務
- 不動産登記法 第119条登記事項証明書の交付、本条が準用する手続規定
- 不動産登記法 第121条登記簿の附属書類(地積測量図等)の写しの交付
- 不動産登記法 第123条筆界特定制度、図面で判明した境界問題の解決手続
- 不動産登記法 第118条登記所における事務の取扱いの原則
- 国土調査法 第20条地籍調査の成果が14条地図として備え付けられる経路
- 宅地建物取引業法 第35条重要事項説明における土地の状況の調査義務の前提
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