不動産登記法 第35条(地番)
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登記所は、法務省令で定めるところにより、地番を付すべき区域(第三十九条第二項及び第四十一条第二号において「地番区域」という。)を定め、一筆の土地ごとに地番を付さなければならない。
この条文の基本情報
地番とは何ですか?
定義地番とは、不動産登記法第35条に定められた規定で、「登記所は、法務省令で定めるところにより、地番を付すべき区域(第三十九条第二項及び第四十一条第二号において「地番区域」という。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 不動産登記法第35条(地番)は、日本の不動産登記法に含まれる条文です。
- 不動産登記法第35条の条文原文は「登記所は、法務省令で定めるところにより、地番を付すべき区域(第三十九条第二項及び第四十一条第二号において「地番区域」という。」で始まります。
- 不動産登記法第35条は第二款 土地の表示に関する登記に置かれています。
- 不動産登記法の公布日は平成16年6月18日です。
- 不動産登記法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 不動産登記法第35条の前の条は不動産登記法第34条です。
- 不動産登記法第35条の次の条は不動産登記法第36条です。
- 不動産登記法第35条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)第35条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/416AC0000000123 - 本サイト収録
不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)第35条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/416AC0000000123/35
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点不動産登記法35条は、登記所が地番区域を定め、一筆の土地ごとに地番を付すと定める。地番は登記所が付す番号であり、市区町村が定める住居表示とは一致しない。
Q · 登記簿に載っている地番と、家の住所って同じものですか?
別番号です。地番は登記所が一筆ごとに付します
不動産登記法35条により、登記所は地番区域を定め、一筆の土地ごとに地番を付します。地番は登記記録上の土地を特定するための番号であり、市区町村が住居表示に関する法律に基づいて定める「○番○号」の住居表示とは別系統です。したがって住民票の住所を書いて法務局に申請しても、登記事項証明書は原則として発行されません。地番は固定資産税納税通知書、権利証、法務局備付けのブルーマップなどで確認します。
解説
住所と地番は別物である。この一行を知っているかどうかで、不動産取引の場面であなたが踏む地雷の数が変わる。不動産登記法35条は、登記所が「一筆の土地ごとに地番を付さなければならない」と定める。ここで押さえるべきは、地番は登記所(法務局)が土地の単位ごとに振る番号であり、市区町村が郵便配達のために振る「住居表示」とはまったく別系統だという点だ。あなたの家の玄関にある「○○町三丁目5番12号」は住居表示、登記簿に載っている「○○町三丁目125番3」が地番である。番号が一致しないのが普通だ。だから法務局で登記事項証明書を取ろうとして住所を書いても、窓口では出てこない。相続で土地を調べるとき、借地の範囲を確認するとき、隣地との境界を争うとき、あなたが最初に手にすべき鍵は住所ではなく地番だ。そしてその地番は、登記所が「一筆」という単位で切った区画にしか対応しない。
法的な位置づけ
不動産登記法35条は地番の付番を定める規定であり、登記所が法務省令の定めるところにより地番を付すべき区域(地番区域)を定め、一筆の土地ごとに地番を付す義務を負う旨を規定する。地番は登記記録上の土地を一意に識別するための番号であり、住居表示に関する法律に基づく住居表示とは別個の体系として機能する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.住所から地番を割り出す 固定資産税納税通知書の課税明細、権利証(登記識別情報通知)、法務局備付けのブルーマップのいずれかで地番を確認する。手元に資料がなければ法務局窓口で住居表示を伝えて照会する
- 2.公図を取得して筆の構成を確認 判明した地番で公図(地図または地図に準ずる図面)を取得し、対象地が何筆で構成されているか、隣接地の地番、道路・水路との接し方を確認する。見た目の一区画が複数筆であることは珍しくない
- 3.筆ごとに全部事項証明書を取得 確認した全ての地番について全部事項証明書を取得し、所有者、地目、地積、抵当権など担保の有無を筆単位で突き合わせる。一筆だけ他人名義、一筆だけ地目が農地といった分断がここで見つかる
- 4.図面と現地を照合し、ズレは専門家へ 地積測量図の有無を法務局で確認し、公図・測量図と現地の形状を照合する。境界が食い違う場合は土地家屋調査士に相談し、隣地との筆界そのものが争いになるなら筆界特定制度(不動産登記法123条以下)を検討する
よくある質問 AI による整理
Q1地番区域とは何ですか?
登記所が地番を付す単位として定める区域のことです。不動産登記法35条が根拠で、通常は市区町村内の町・字の範囲に対応します。区域が違えば同じ番号の地番が存在し得ます。
Q2一筆の土地とはどういう意味ですか?
登記上、一個の土地として扱われる単位です。物理的に見える一区画とは一致せず、一つの敷地が複数筆であることも、道路を挟んだ土地が一筆であることもあります。
Q3公図と14条地図の違いは何ですか?
14条地図は測量に基づく精度の高い地図で、公図(地図に準ずる図面)は明治期の図面を引き継いだもので精度が粗い場合があります。どちらも地番で土地を表示します。
Q4地番と家屋番号は違いますか?
違います。地番は土地に付す番号(35条)、家屋番号は建物に付す番号です。多くは地番に対応して付されますが一致しない場合もあり、建物の証明書には家屋番号が必要です。
Q5分筆すると地番はどうなりますか?
元の地番に枝番が付き、「125番3」のように分かれます。分筆・合筆の登記は不動産登記法39条以下が定め、番号の決定権は登記所にあります。
Q6地番のない土地はありますか?
国有の道路・水路など、いわゆる無番地の土地が存在します。地番が付されていない土地は登記記録がないため、払下げなどの手続で表題登記から始める必要があります。
Q7登記事項証明書はオンラインで取れますか?
取得できます。ただし登記情報提供サービスも登記・供託オンライン申請システムも、検索には地番の入力が必須で、住居表示の住所では検索できません。
Q8地番は固定資産税の課税単位と同じですか?
固定資産課税台帳も地番で土地を特定するため対応関係がありますが、課税は所有者ごとの合算で行われます。納税通知書の地番は登記上の地番を確認する手がかりになります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1住所しか分からないんですが、地番ってどうやって調べるんですか?
最短は固定資産税の納税通知書です。所有者であれば毎年届き、地番が記載されています。手元にない場合は法務局備付けのブルーマップ(住居表示と地番の対照地図)を閲覧するか、法務局の窓口で住所を伝えて調べてもらえます。実務のポイント:登記情報提供サービスをオンラインで使うときも地番入力が必須で、住所では検索できません。不動産業者が現地調査でまず公図を取るのは、地番の切り方を見れば土地の来歴(分筆されたか、道路を挟んでいるか)が読めるからです
Q2うちの敷地、一つに見えるのに登記簿が2通出てきました。何かおかしいんですか?
おかしくありません。35条は一筆ごとに地番を付すと定めており、見た目の一区画が登記上は複数筆であることは普通にあります。過去の分筆、相続時の分割、道路提供などが原因です。実務のポイント:複数筆のまま売買すると、抵当権や地目が筆ごとに違うリスクが残ります。合筆(複数筆を一つにまとめる登記)には所有者・地目・担保状況が同一であることなど要件があり、担保が付いていると原則できません。売却前に合筆したいなら、抵当権抹消の順番を先に考える必要があります
Q3地番って、自分で好きな番号に変えられないんですか?
できません。35条は地番を付す主体を登記所と定めており、所有者に選択権はありません。分筆すれば「125番3」のように枝番が付き、合筆すれば地番が統合されますが、いずれも登記手続の結果として決まります。実務のポイント:住居表示の実施で見た目の住所が変わっても、地番は変わりません。町名変更の通知が来たときに「登記も自動で直る」と思い込むと、登記簿上の表示と実際の住所がズレたまま放置されます。売却や相続の直前に慌てるのはこのパターンです
間違えやすい点 AI による整理
- 住所と地番が違うことは何となく知っている人でも、その差が実務でどこまで効くかを知らない。地番を間違えたまま申請した所有権移転登記は却下されうるし、地番を誤記した売買契約書は物件の特定を欠く。「だいたい合っていれば通じる」という日常の感覚が、登記の世界では一切通用しない。ここが深刻度の見誤りやすい部分だ
- 「一つの土地には一つの地番」と考えている人が多いが、法律上の単位は「一筆」であって、目に見える一区画ではない。あなたが庭も駐車場も含めて一つの敷地だと思っている場所が、登記上は複数筆かもしれないし、逆に道路をまたいだ離れた土地が一筆かもしれない。物理的な見え方と法律上の単位はズレる
- 「地番は自分で選べない番号だから、自分には関係ない」と思うかもしれないが、問いの立て方が逆である。地番は登記所が付ける。だから地番を確認しないまま動くと、あなたが誰と何を取引しているのか、登記所の側から見て一意に定まらない。関係ないのではなく、あなたの側に決定権がないからこそ、確認する義務が生じる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の対象 | 35条:登記所が地番区域を定め、一筆ごとに地番を付す | 34条:土地の表示に関する登記事項(所在・地番・地目・地積) 39条:分筆・合筆の登記(筆の単位そのものを変動させる) |
| 誰が動くか | 登記所(職権)。所有者に番号の選択権はない | 登記所が登記記録に記録する事項を定める枠組み 原則として所有者の申請(登記所の職権による場合もある) |
| 実務で効く場面 | 証明書・公図の取得、契約書の物件表示、境界の議論の前提 | 登記記録の表題部に何が載るかの確認 敷地の一部売却、担保設定範囲の調整、合筆による整理 |
| 制約 | 地番区域が異なれば同一番号が併存し得るため、所在と併せて特定が必要 | 表示の登記は権利の登記と別建てで、対抗力の議論とは層が違う 合筆は41条の制限(地番区域の同一性、担保の有無等)で不可の場合がある |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は郷鎮市区の下に「段・小段・地号」で土地を特定する。日本統治期の土地調査事業で整備された地籍を引き継いだ体系で、地号が日本の地番に対応する
韓国は地籍公簿(지적공부)を国土交通部系統で管理し、登記簿と地籍を二元管理する。지번が日本の地番に対応するが、地籍と登記の所管が分かれる点が日本と異なる
ドイツは土地登記簿(Grundbuch)と地籍(Liegenschaftskataster)を連動させ、Flurstück 単位に番号を付す。登記簿上の土地の表示は地籍の公的目録に依拠する点で日本の構造に近い
米国は連邦統一の地番制度がなく、郡(county)の recorder が証書を人名索引で管理する州も多い。APN は主に課税目的の番号で、権利の公示単位としての性格は日本の地番より弱い
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 親が亡くなり、実家の土地を相続することになった。登記事項証明書を取ろうと法務局に行き、住民票の住所を書いて申請したら「この住所では出せません」と返される。住居表示と地番が違うためだ。ブルーマップ(住居表示と地番の対照地図)を法務局で閲覧するか、固定資産税の納税通知書に載っている地番を確認するのが最短ルート
- 隣人から「うちの塀はあなたの土地に入っていない」と言われた。登記簿を見ると隣地は3筆に分かれており、そのうち1筆だけが接している。地番の単位を把握しないまま境界を議論すると、話が噛み合わない。筆界特定制度(不動産登記法123条以下)を使う前提として、どの地番とどの地番の間の筆界かを特定する必要がある
- もし、あなたが買おうとしている「一つの敷地」が、登記上は4筆に分かれていたら? 抵当権が1筆にだけ設定されている、1筆だけ地目が違う、1筆だけ他人名義が混じっている、そういう事態が現実に起こる。売買契約書の物件表示は地番で書かれる。パンフレットの住所だけ見て契約すると、何を買ったのか自分で説明できない
- 融資実行まであと5日。金融機関から「対象地の全部事項証明書を全筆分」と言われたが、あなたは1筆分しか用意していなかった。残りの筆の地番が分からず、公図を取り寄せるところからやり直しになる。地番の把握が遅れるだけで、決済日がずれる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 対象地の地番を特定する。固定資産税納税通知書、権利証(登記識別情報)、法務局備付けのブルーマップのいずれかで確認2. 地番が分かったら全部事項証明書と公図を取得、筆が何本あるか、地目、所有者、担保の有無を筆ごとに確認3. 境界が問題なら、公図と現地の形状を照合し、ズレがあれば土地家屋調査士に相談4. 隣地との筆界そのものが争いになるなら、訴訟の前に筆界特定制度(不動産登記法123条以下)を検討、費用も期間も訴訟より軽い
訴えられた側:1. 相手から「あなたの建物・塀が越境している」と言われたら、まず相手の主張が地番ベースか現況ベースかを確認する2. 自分側の全部事項証明書、公図、過去の測量図(地積測量図)を揃え、筆の範囲を客観資料で押さえる3. 公図は精度が粗い場合があるため、公図だけで結論を出さず、地積測量図の有無を法務局で確認4. 長期間の占有がある場合は取得時効(民法162条)の主張が成り立つ余地もあるため、いつから使っているかの資料も集める
時効(請求できる期限):本条自体に特定の期限や時効はない。ただし関連する場面では期限が動く。相続登記は取得を知った日から3年以内が義務(不動産登記法76条の2、2024年4月1日施行)、境界に関する所有権主張は取得時効の10年または20年(民法162条)が関わる。一般の債権については消滅時効(民法166条、5年または10年)
学説
通説:地番は登記所が職権で付する公法上の番号であり、所有者に選択権はない。地番が特定する範囲(筆界)も当事者の合意で自由に動かせる私法上の境界とは区別され、筆界の変更は分筆・合筆の登記を経て初めて生じるとされる。
実務通説(登記実務):外形上一体の土地であっても登記上の単位は一筆であり、物理的な区画と法律上の単位のズレは制度上当然に生じ得る。したがって物件の特定は所在と地番の組合せで行い、住居表示による特定は補助的な位置づけにとどまる。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.明治32年(1899年) 新設:旧不動産登記法が制定され、ドイツ土地登記制度を範として一筆の土地ごとに登記記録を設ける枠組みと、地番による土地の特定が採用された
- 2.平成16年(2004年) 改正:不動産登記法の全部改正(平成16年法律第123号)。オンライン申請対応と登記記録の電子化に伴い規定を再編し、地番の付番に関する規律を現行35条に整理した
- 不動産登記法 第34条土地の表示登記事項、地番を登記事項とする根拠
- 不動産登記法 第39条分筆・合筆登記、地番の変動を生む手続
- 不動産登記法 第41条合筆登記の制限、地番区域の同一性要件
- 不動産登記法 第14条地図及び公図の備付け、地番と図面の対応
- 不動産登記法 第123条筆界特定制度、筆の範囲をめぐる紛争処理
- 住居表示に関する法律 第2条生活上の所在表示を地番と別系統で定める
- 国土調査法 第2条地籍調査による筆界・地番情報の整備
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