不動産登記法 第36条(土地の表題登記の申請)
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新たに生じた土地又は表題登記がない土地の所有権を取得した者は、その所有権の取得の日から一月以内に、表題登記を申請しなければならない。
この条文の基本情報
土地の表題登記の申請とは何ですか?
定義土地の表題登記の申請とは、不動産登記法第36条に定められた規定で、「新たに生じた土地又は表題登記がない土地の所有権を取得した者は、その所有権の取得の日から一月以内に、表題登記を申請しなければならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 不動産登記法第36条(土地の表題登記の申請)は、日本の不動産登記法に含まれる条文です。
- 不動産登記法第36条の条文原文は「新たに生じた土地又は表題登記がない土地の所有権を取得した者は、その所有権の取得の日から一月以内に、表題登記を申請しなければならない。」で始まります。
- 不動産登記法第36条は第二款 土地の表示に関する登記に置かれています。
- 不動産登記法の公布日は平成16年6月18日です。
- 不動産登記法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 不動産登記法第36条の前の条は不動産登記法第35条です。
- 不動産登記法第36条の次の条は不動産登記法第37条です。
- 不動産登記法第36条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)第36条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/416AC0000000123 - 本サイト収録
不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)第36条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/416AC0000000123/36
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点不動産登記法36条は、新たに生じた土地や表題登記がない土地の所有権を取得した者に、取得の日から一月以内の表題登記の申請を義務付ける。正当な理由なく怠れば10万円以下の過料の対象となる。
Q · 相続した土地が登記されていなかったら、いつまでに何をすればいいの?
取得の日から一月以内に土地家屋調査士へ表題登記を依頼
不動産登記法36条により、新たに生じた土地または表題登記がない土地の所有権を取得した者は、取得の日から一月以内に表題登記を申請しなければなりません。相続の場合の起算点は被相続人の死亡日で、未登記だと気付いた日ではありません。申請を代理するのは土地家屋調査士で、その後の所有権保存登記(74条)が司法書士の業務です。期限後も申請自体は受理されますが、正当な理由なく怠れば10万円以下の過料(164条1項)の対象となります。
解説
日本の土地がすべて登記簿に載っていると信じているなら、その前提から崩しておいた方がいい。海を埋め立ててできた土地、明治以来一度も登記簿に姿を現さない山林や畦畔、河川の付け替えで陸になった部分。こうした土地の所有権を手にした者に、不動産登記法36条は「一月以内に表題登記を申請せよ」と命じる。足をすくわれるのは起算点だ。世間で知られた相続登記の義務化が「相続を知った日から3年」であるのに対し、36条は「所有権の取得の日から一月」。あなたが未登記の土地を相続したなら、時計は被相続人が亡くなったその日から回り始めており、遺産分割の話し合いをしている間に期限は静かに過ぎている。そして表題登記がなければ所有権保存登記もできず、売ることも担保に入れることもできない。登記簿に存在しない土地は、あなたの資産として一歩も動かせない。
法的な位置づけ
不動産登記法36条は土地の表題登記の申請義務を定める規定であり、埋立てなどで新たに生じた土地、又は登記記録が存在しない土地の所有権を取得した者に、所有権の取得の日から一月以内の申請を義務付ける。表題登記は所有権保存登記(74条)の前提であり、これを欠く土地では権利の登記ができない。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.登記記録が存在しないことを確認する 法務局で登記事項証明書と公図を請求し、該当なしであることを確認する。市町村の名寄帳・固定資産課税台帳と突き合わせ、対象となる土地の範囲と課税上の面積を特定する
- 2.取得原因から一月の起算日を確定する 相続なら被相続人の死亡日、売買なら所有権移転の効力が生じた日、埋立地なら竣功認可の告示の日(公有水面埋立法24条1項)を起算日とする。取得原因が決まらなければ申請義務者も決まらない
- 3.土地家屋調査士に表題登記を依頼する 表示に関する登記の申請代理は土地家屋調査士の業務(土地家屋調査士法3条)。司法書士に依頼しても表題登記は進まない。相談時に表示の登記と権利の登記の総額見積りを求める
- 4.境界確認の立会いと地積測量図を作成する 隣地所有者の立会いを取り付け、境界を確認して地積測量図を作成する(不動産登記規則77条)。連絡先の調査や所在不明者への対応で数か月かかることを前提に日程を組む
- 5.表題登記を申請し、続けて所有権保存登記へ進む 表題登記が完了すると表題部所有者が記録される。その後、司法書士に所有権保存登記(74条)を依頼して初めて売買・抵当権設定の登記が可能になる
よくある質問 AI による整理
Q1表題登記とは何ですか?
登記記録がない土地について、所在・地番・地目・地積といった物理的な状況を初めて登記簿に記録する手続です。権利の登記ではなく表示の登記で、土地家屋調査士が申請を代理します。
Q2表題登記の一月はいつから数えますか?
所有権の取得の日からです。相続なら被相続人の死亡日、売買なら所有権移転の効力が生じた日、埋立地なら竣功認可の告示の日であり、未登記だと気付いた日ではありません。
Q3新たに生じた土地とはどんな土地ですか?
公有水面の埋立てで竣功認可を受けた土地や、河川の付け替えなどで新たに陸地となった部分を指します。登記記録がまだ存在しないため、36条の表題登記が最初の登記になります。
Q4表題登記に必要な書類は何ですか?
地積測量図、土地所在図、所有権を証する情報(竣功認可書、相続を証する戸籍関係書類など)、隣地との境界確認に関する資料が基本です。事案により追加資料が求められます。
Q5表題登記と所有権保存登記の違いは何ですか?
表題登記は土地の物理的状況を記録する表示の登記(36条)、所有権保存登記は最初の所有権を記録する権利の登記(74条)です。表題登記が先で、これがなければ保存登記はできません。
Q6未登記の土地は売れますか?
契約自体は可能ですが、表題登記がなければ所有権保存登記も移転登記もできず、買主は対抗要件を備えられません。金融機関の担保にも入らないため、実務では先に表題登記が必要です。
Q7表題登記は自分で申請できますか?
本人申請は可能ですが、地積測量図の作成と隣地所有者との境界確認が必要で、専門の測量技術を要します。実務では土地家屋調査士に依頼するのが通常です。
Q8表題登記の費用はどれくらいですか?
土地の面積、境界確認の相手方の人数、測量の難易度で大きく変わるため定額ではありません。表示の登記(調査士)と権利の登記(司法書士)は別費用なので、通しの総額で見積りを取ります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1登記がない土地って、そもそも自分のものだと言えるんですか?
所有権は登記がなくても成立する。登記は第三者に対抗するための要件(民法177条)にすぎない。ただし表題登記がなければ所有権保存登記(74条)ができず、売買も抵当権設定も登記できないため、事実上は動かせない資産になる。実務のポイント:固定資産税を払ってきた事実は所有権の証明そのものではないが、表題登記に添付する「所有権を証する情報」の一つとして使えることがある。古い納税証明や課税台帳の写しほど価値があるので、捨てないこと
Q2一月なんて絶対に無理なんですが、過ぎたらどうなりますか?
期限後でも申請は受理される。制裁は正当な理由なく怠った場合の10万円以下の過料(164条1項)で、登記官が管轄地方裁判所へ通知し、裁判所が判断する仕組みだ。実務のポイント:表示に関する登記の過料は、実務上ほとんど発動されてこなかったとされる。ただし相続登記の義務化以降、法務局が申請義務の履行に向ける目は明らかに変わってきている。「昔から誰も気にしていない」を前提に判断しないこと(最新の運用状況をご確認ください)
Q3土地家屋調査士と司法書士、どっちに頼めばいいんですか?
表題登記は土地家屋調査士の業務(土地家屋調査士法3条)、その後の所有権保存登記(74条)は司法書士の業務。順番は調査士が先で書士が後、逆はありえない。実務のポイント:多くの事務所は互いに提携しているので、どちらに相談しても片方を紹介してくれる。ただし費用は別建てになる。最初の相談で「表示と権利を通しで総額いくらか」と聞くと、他所の見積りと比較できる形で数字が出てくる
間違えやすい点 AI による整理
- 「登記されていない土地なんて今どきあるのか」という問いの立て方自体が的を外している。表題登記がない土地は全国に相当数存在し、法務局が備える精度の高い地図(不動産登記法14条地図)の整備率も全国で半分程度にとどまるとされる(最新の整備状況は法務省の公表資料をご確認ください)。問うべきは「あるか」ではなく「自分が関わる土地のどれが該当するか」である
- 表題登記が必要だという知識はあっても、それが司法書士ではなく土地家屋調査士の業務であることまでは意識されていない。権利の登記(所有権保存・移転)が司法書士、表示の登記(表題登記・地積の更正)が土地家屋調査士。依頼先を取り違えると、話が一歩も進まないまま一月が過ぎる
- 「一月を過ぎたらもう申請できない」と受け取られがちだが、期限後でも表題登記の申請は受理される。失われるのは申請権ではなく、正当な理由なく怠った場合に10万円以下の過料(164条1項)を負うリスクを抱え込む点だ。ただし実務上、表示に関する登記の過料が実際に科された例は極めて少ないとされ、その緩さが放置を招いてきた(最新の運用状況をご確認ください)
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 対象 | 36条:新たに生じた土地・表題登記がない土地 | 47条:新築した建物・表題登記がない建物 37条:既に登記された土地の地目・地積の変更 |
| 申請義務者 | 所有権を取得した者 | 所有権を取得した者(新築なら建築主) 表題部所有者または所有権の登記名義人 |
| 期限 | 所有権の取得の日から一月以内 | 所有権の取得の日から一月以内 変更があった日から一月以内 |
| 怠った場合 | 10万円以下の過料(164条1項)、所有権保存登記(74条)ができない | 10万円以下の過料(164条1項)、建物の権利登記ができない 10万円以下の過料(164条1項)、登記簿と現況の不一致が残る |
他国ではどう定めているか 6 か国
台湾は地籍測量後に国家主導で土地総登記を行う建付けで、未登記地の解消は行政側の手続として設計されている。私人に一月の申請義務を課す日本とは負担配分が逆方向
韓国は新たに生じた土地について、所有者に事由発生から60日以内の新規登録申請を義務付ける。地籍公簿(지적공부)と登記簿の二元構造で、日本の表題登記に相当する部分が地籍法制側にある
土地は国家または集団所有であるため、私人が土地の表題登記義務を負う場面がない。建物・建設用地使用権の首次登記が機能的に近い
ドイツは区域内の全ての土地を登記簿に編成する義務を登記所側に課し、Liegenschaftskataster と連動させる。網羅性を国家が担保する設計で、取得者に期限付き申請義務を課す日本と対照的
フランスは cadastre と不動産公示(publicité foncière)が並立し、沖積地など新たに生じた土地の帰属は民法典の規定で処理される。表題登記に相当する期限付き申請義務は置かれていない
米国は登記(recording)が任意の対抗力確保手段であり、申請義務も期限も原則存在しない。新生地の帰属は accretion / avulsion のコモンロー法理で判断される
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、遺産の中から祖父名義ですらない山林が出てきたとしたら? 登記事項証明書を請求しても該当なし、手元にあるのは市役所の名寄帳だけ。この瞬間、あなたの一月はとっくに走り出している。起算点は被相続人が亡くなった日であって、その存在に気付いた今日ではない
- 埋立事業者から一区画を買った。前の所有者の登記が当然あると思っていたが、竣功認可の告示で生まれたばかりの土地には登記記録そのものが存在しない。売主も買主も、誰も表題登記を出していなかった
- 親から引き継いで20年耕してきた農地のうち、畦畔部分だけが登記簿にない。売却の話が出て司法書士に相談したら、まず土地家屋調査士による表題登記が必要で、境界確認には隣地所有者5人の立会いが要ると告げられる。連絡先を掴むまでに半年、そのうち一人は行方が分からない。買主の融資審査には期限がある
- 友人が「実家の裏の土地、どうも登記がないらしい」と相談してきた。あなたが最初に聞くべきは、いつ、どういう原因でその土地の所有権を取得したのか。取得原因と取得日が決まらなければ、一月の起算点も、誰が申請義務者なのかも決まらない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 法務局で登記事項証明書と公図を請求し、記録が存在しないことを確認する。市町村の名寄帳・固定資産課税台帳と突き合わせて土地の範囲を特定2. 取得原因ごとに起算日を確定する。相続なら被相続人の死亡日、売買なら所有権が移転した日、埋立地なら竣功認可の告示日3. 依頼先は土地家屋調査士、司法書士ではない4. 隣地所有者の立会いと地積測量図の作成が要るため、着手から完了まで数か月を見込んで動く
訴えられた側:1. 過料は登記官が管轄の地方裁判所へ通知し、裁判所が科す仕組み。まず問われるのは遅れた理由なので、境界紛争、相続人の所在不明、災害といった客観的事情を「正当な理由」(164条1項)として整理する2. 過料を恐れて放置するのが最悪手で、期限後でも申請は受理される3. 売主として未登記であることを告げずに売却した場合、契約不適合責任(民法562条以下)を別途問われうる。表題登記の費用と手続を誰が負担するかを契約書で先に決めておく
時効(請求できる期限):所有権の取得の日から1月以内(36条)。起算点は取得原因で決まり、相続なら被相続人の死亡日、売買なら所有権移転の効力が生じた日、埋立地なら竣功認可の告示の日(公有水面埋立法24条1項)。期限後も申請自体は可能だが、正当な理由なく怠れば10万円以下の過料(164条1項)。世間で知られた相続登記の申請義務(76条の2、知った日から3年)は登記名義人がいる土地の制度であり、表題登記すらない土地では36条の1月が先に走る
学説
通説:36条の申請義務は登記簿の網羅性という公益のために課された公法上の義務であり、義務違反は私法上の所有権取得自体を左右しない。したがって期限経過後も申請は適法に受理され、制裁は過料に限られると理解されている。
実務的理解:表題登記は表示に関する登記として土地家屋調査士の業務領域に属し、権利に関する登記(74条の所有権保存登記)と手続・専門職・費用のいずれも分離される。両者の順序は不可逆であり、表題登記なくして権利の登記はできない。
改正沿革 AI による整理
- 平成16年(2004年)不動産登記法全部改正 旧不動産登記法(明治32年法律第24号)を全部改正して現行法が成立し、旧法下の「表示の登記」が「表題登記」の語に整理されたうえで本条に置かれた。オンライン申請の導入と現代語化が同時に行われている
- 令和3年(2021年)改正 本条の文言自体は改正されていないが、過料の根拠である164条が再編され、相続登記の申請義務(76条の2)違反と同じ10万円以下の過料の枠に並べられた。所有者不明土地対策の中で、表題登記の申請義務の位置づけが実質的に重くなっている
改正の年表
- 1.平成16年(2004年) 改正:旧不動産登記法(明治32年法律第24号)を全部改正して現行法が成立。旧法下の「表示の登記」が「表題登記」の語に整理され、本条に置かれた。オンライン申請の導入と現代語化が同時に行われた
- 2.令和3年(2021年) 改正:本条の文言自体は改正されていないが、過料の根拠である164条が再編され、相続登記の申請義務(76条の2)違反と同じ10万円以下の過料の枠に並べられた。所有者不明土地対策の中で表題登記義務の位置づけが実質的に重くなった
- 不動産登記法 第34条土地の表示に関する登記事項を規定
- 不動産登記法 第37条地目・地積変更登記、同じ一月の申請義務
- 不動産登記法 第47条建物の表題登記、本条の建物版
- 不動産登記法 第74条所有権保存登記、表題部所有者が前提となる
- 不動産登記法 第164条申請を怠った場合の過料の根拠
- 民法 第177条登記の対抗力、表題登記は権利登記の前提
- 公有水面埋立法 第24条竣功認可の告示日に埋立地の所有権を取得
- 土地家屋調査士法 第3条表示登記の申請代理は調査士の業務
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