不動産登記法 第39条(分筆又は合筆の登記)
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- 分筆又は合筆の登記は、表題部所有者又は所有権の登記名義人以外の者は、申請することができない。
- 2.登記官は、前項の申請がない場合であっても、一筆の土地の一部が別の地目となり、又は地番区域(地番区域でない字を含む。第四十一条第二号において同じ。)を異にするに至ったときは、職権で、その土地の分筆の登記をしなければならない。
- 3.登記官は、第一項の申請がない場合であっても、第十四条第一項の地図を作成するため必要があると認めるときは、第一項に規定する表題部所有者又は所有権の登記名義人の異議がないときに限り、職権で、分筆又は合筆の登記をすることができる。
この条文の基本情報
分筆又は合筆の登記とは何ですか?
定義分筆又は合筆の登記とは、不動産登記法第39条に定められた規定で、「分筆又は合筆の登記は、表題部所有者又は所有権の登記名義人以外の者は、申請することができない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 不動産登記法第39条(分筆又は合筆の登記)は、日本の不動産登記法に含まれる条文です。
- 不動産登記法第39条の条文原文は「分筆又は合筆の登記は、表題部所有者又は所有権の登記名義人以外の者は、申請することができない。」で始まります。
- 不動産登記法第39条は第二款 土地の表示に関する登記に置かれています。
- 不動産登記法の公布日は平成16年6月18日です。
- 不動産登記法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 不動産登記法第39条の前の条は不動産登記法第38条です。
- 不動産登記法第39条の次の条は不動産登記法第40条です。
- 不動産登記法第39条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)第39条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/416AC0000000123 - 本サイト収録
不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)第39条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/416AC0000000123/39
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点不動産登記法39条は、分筆・合筆の登記を申請できる者を表題部所有者と所有権の登記名義人に限り、地目分離や地番区域の相違が生じた場合は登記官が職権で分筆すると定める。
Q · 土地を分けたり一つにまとめたりする登記は、誰が申請できるの?
申請できるのは表題部所有者と所有権の登記名義人だけです
不動産登記法39条1項により、分筆・合筆の登記を申請できるのは表題部所有者又は所有権の登記名義人に限られます。売買契約中の買主も抵当権者も借地人も自分の名前では申請できず、名義人から委任を受けた代理人として動くほかありません。相続登記が未了なら、まず相続登記を済ませて自分が登記名義人になることが出発点です。なお2項は地目の分離や地番区域の相違が生じた場合の職権分筆を登記官の義務とし、3項は14条1項の地図作成のため必要な場合に、異議がないときに限り職権登記を認めています。
解説
土地を二つに切る(分筆)、隣り合う土地を一つにまとめる(合筆)。この登記の鍵を握る人は、39条1項で厳しく絞られている。表題部所有者(登記簿の表題部に最初に載っている所有者)と所有権の登記名義人、その二者以外は申請できない。売買契約を済ませた買主も、抵当権者も、借地人も、自分の名前では動かせない。「決済前に半分だけ分筆しておいて」と頼まれても、申請人になれるのは売主だけである。ところが同じ条文の2項と3項は、正反対の力を登記官に渡している。一筆の土地の一部が別の地目になったとき、地番区域をまたいだときは、申請がなくても職権で分筆しなければならない。さらに14条1項の地図(法務局が備え付ける精度の高い地図)を作るために必要なら、あなたの異議がない限り、職権で分筆も合筆もできる。土地の輪郭は、所有者の意思だけで決まっているわけではない。
法的な位置づけ
不動産登記法39条は、土地の分筆及び合筆の登記の申請適格と登記官の職権発動要件を定める規定である。申請できる者を表題部所有者又は所有権の登記名義人に限定する一方、一筆の一部の地目分離又は地番区域の相違が生じた場合には職権による分筆を義務づけ、14条1項の地図を作成するため必要な場合には異議がないことを条件に職権登記を認める。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.登記事項証明書で申請適格を確認する 法務局またはオンラインで登記事項証明書を取得し、所有権の登記名義人が本当に自分かを確認する。相続未登記で被相続人名義のままなら、先に相続登記を済ませないと39条1項の入口に立てない。買主・抵当権者・借地人は名義人からの委任状が必要になる
- 2.合筆なら41条の制限事由を一つずつ潰す 合筆を希望する場合、相互の接続、地目と地番区域の同一性、名義人と持分の同一性、所有権の登記の有無、所有権以外の権利の登記の有無を確認する。抵当権が付いていれば原則合筆できないため、金融機関との調整が先になる
- 3.土地家屋調査士に委任し測量と境界確認を行う 分筆には地積測量図が必要で、作成できるのは土地家屋調査士である。司法書士ではない点に注意する。隣接地所有者の立会い日程を早い段階で押さえる。ここが工程全体で最も詰まりやすく、隣人が非協力だと数か月停止する
- 4.申請情報と添付情報を整えて法務局に申請する 分筆後の各土地の地番・地目・地積を記載した申請情報に、地積測量図と代理権限証明情報を添付して管轄法務局に提出する。オンライン申請も可能。分筆に伴い権利が一部の土地について消滅する場合は40条の権利消滅の登記も併せて検討する
- 5.職権登記の照会が届いたら2項か3項かを見分ける 法務局から職権登記の照会が届いたら、まず根拠が2項か3項かを確認する。3項の地図作成目的なら異議を述べれば実行されないが、2項の地目分離・地番区域変更による分筆は登記官の義務で異議では止まらない。返信期限を先に確認する
よくある質問 AI による整理
Q1分筆とは何ですか?
一筆の土地を二筆以上に分ける登記です。分けた各土地に新しい地番が付き、以後は売買・担保設定・課税の単位が別々になります。根拠は不動産登記法39条です。
Q2合筆できない土地の条件は?
41条が制限を列挙します。相互に接続していない、地目や地番区域が異なる、名義人や持分が異なる、所有権の登記の有無が違う、所有権以外の権利の登記がある場合は合筆できません。
Q3分筆登記は誰に依頼するのですか?
測量と地積測量図の作成を伴うため土地家屋調査士に依頼します。所有権移転などの権利の登記は司法書士の領域で、担当者が異なる点に注意が必要です。
Q4分筆登記にかかる期間はどのくらい?
測量、隣接地所有者の立会いによる境界確認、書類作成、法務局の処理を経るため数週間から数か月かかります。隣人が非協力だとここで長期間止まります。
Q5職権分筆とは何ですか?
所有者の申請がなくても登記官が自ら行う分筆です。39条2項の地目分離・地番区域の相違の場合は登記官の義務、3項の地図作成目的の場合は異議がないときに限られます。
Q6相続した土地は分筆できますか?
登記名義が亡くなった方のままでは申請できません。先に相続登記を済ませて相続人が所有権の登記名義人になってから、分筆登記を申請する順序になります。
Q7抵当権が付いた土地は合筆できますか?
原則できません。41条は所有権以外の権利の登記がある土地の合筆を制限しています。受付年月日や登記原因まで同一の担保権など、例外に当たるかを個別に確認します。
Q8分筆登記に隣の土地の同意は必要ですか?
同意そのものが条文上の要件ではありませんが、実務では隣接地所有者の立会いによる境界確認がほぼ必須で、地積測量図の前提になります。ここが最も詰まる工程です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1土地の半分だけ売りたいんですが、買主が分筆の手続をやってくれると言っています。それで問題ないですか?
申請人になれるのは所有権の登記名義人である売主だけです(39条1項)。買主が費用を出しても申請人にはなれないので、実務では売主が土地家屋調査士に委任し、費用は買主負担と契約で取り決めます。実務のポイント:分筆には隣接地所有者の立会いによる境界確認がほぼ必須で、隣人が非協力だと数か月止まります。売買契約に「分筆が完了しない場合の解除条項」を入れてあるかどうかで、決済不能になったときの損害が全く変わります
Q2法務局から地図を作るので分筆すると通知が来ました。断れるんでしょうか?
3項の地図作成のための職権分筆・合筆は「異議がないときに限り」行われるので、異議を述べれば実行されません(39条3項)。ただし2項の、一部が別の地目になった場合や地番区域をまたいだ場合の職権分筆は登記官の義務であり、異議では止まりません。実務のポイント:異議で止めても、地籍調査(国土調査法)の成果が送られてくれば別ルートで登記は更新されます。止めること自体より、図面上の境界線が実際の使用状況と合っているかを現地で確かめる方が実益は大きい
間違えやすい点 AI による整理
- 売買契約を結んだ買主なら分筆を申請できると思われているが、1項は表題部所有者と所有権の登記名義人以外を全部排除する。買主も抵当権者も借地人も、売主から委任を受けて代理人として動く以外に道はない。費用を出す人と申請できる人は、この条文では一致しない
- 職権分筆という仕組みがあること自体は知っていても、その波及の深さを知らない人が多い。一筆が二筆になれば、固定資産税の課税明細の単位、抵当権の目的物の表示、農地転用の許可申請の単位が全部ずれる。登記簿の記載が一行増えるという事実は、税務・金融・行政許認可の三方向に同時に効いてくる
- 「分筆や合筆は所有者の自由」という前提そのものが誤っている。41条は合筆に厳しい制限(相互に接続していない、地目または地番区域が異なる、名義人や持分が異なる、所有権の登記の有無が違う、所有権以外の権利の登記がある)を置いており、まとめたくてもまとめられない土地は大量にある。問うべきは「分けられるか」ではなく「41条の禁止リストに引っかからないか」である
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 39条:分筆・合筆の申請適格と登記官の職権発動 | 41条:合筆の登記の制限事由の列挙 37条:地目・地積の変更登記の申請義務 |
| 動かす主体 | 表題部所有者・所有権の登記名義人、又は登記官(職権) | 登記官が制限事由に当たるかを審査し却下 表題部所有者・所有権の登記名義人(義務者) |
| 期限の有無 | 条文上の申請期限なし(職権登記の異議は通知記載の期限内) | 期限の定めなし(制限事由が消えるまで合筆不可) 変更があった日から1か月以内 |
| 違反・不作為の効果 | 申請適格を欠く申請は却下される | 制限事由に該当する合筆申請は却下される 怠れば164条により10万円以下の過料 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も申請人を所有権登記名義人側に限る構造を採り、分割には地籍測量が前提となる。日本の職権分筆に相当する場面は地籍図重測の成果に基づく更新として現れる
韓国は日本の登記法制を出発点としつつ、地籍(지적)行政と登記が別系統で運用される。合筆制限の発想は日本41条と共通する
ドイツは複数の土地の合一(Vereinigung)や付従的併合(Zuschreibung)を所有者の申請と登記により行い、権利関係の錯綜を避けるため登記所が制限を審査する点で日本41条に近い
米国は分筆を私法上の登記問題としてよりも都市計画上の許認可(subdivision approval)として扱う傾向が強く、職権による区画変更という発想は乏しい
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 決済まであと10日。買主から「土地の半分だけ買いたいので、先に分筆しておいてほしい」と言われたら、実際に動けるのは誰か? 申請人になれるのは所有権の登記名義人である売主だけ。買主が自分で土地家屋調査士に依頼しても、申請人欄に自分の名前は書けない。売主から委任状を取るところが出発点になる
- 畑の一角を埋め立てて資材置場にした。地目が分かれた部分は、申請しなくても登記官が職権で切り離す(2項)。翌年の固定資産税の課税単位も、それに合わせて動く
- 法務局から「地図作成のため分筆したいが異議はないか」という照会が届いた。専門用語だらけの書面なので、多くの人は返信せず放置する。だが3項の職権分筆は「異議がないときに限り」できる仕組みで、黙っていることは同意と同じ効果を持つ。一筆が二筆に割れれば、将来の売却単位も担保設定の単位も変わる
- 相続した実家の土地を兄弟三人で分けようとした。ところが登記名義はまだ亡くなった父のまま。相続登記を先に済ませて自分たちが登記名義人にならない限り、分筆申請の入口にすら立てない。遺産分割協議の期限だけが先に迫ってくる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 分筆や合筆をしたいなら、登記事項証明書で所有権の登記名義人が本当に自分かを確認。相続未登記なら相続登記が先で、これを飛ばすと入口に立てない2. 合筆希望なら41条の制限(接続、地目と地番区域、名義人、持分、所有権登記の有無、他の権利の登記)を一つずつ潰す3. 測量と地積測量図の作成依頼先は土地家屋調査士であり、司法書士ではない4. 隣接地所有者の立会い日程を先に押さえる、ここが最も詰まる
訴えられた側:1. 職権登記の通知を受けたら、まず2項か3項かを見分ける。3項の地図作成目的なら異議で止められるが、2項の地目分離・地番区域変更による分筆は義務なので異議では止まらない2. 止める実益より、示された境界線の位置に納得できるかを検討する方が重要3. 既に登記が実行された後は、登記官の処分に対する審査請求(156条)や更正の申出を検討4. 自分の抵当権や借地権の及ぶ範囲が変わるなら、40条の権利消滅の登記の有無を確認する
時効(請求できる期限):39条自体に申請期限はない。ただし地目または地積の変更を伴う場合、表題部の変更登記は変更があった日から1か月以内が申請義務(37条)で、怠れば10万円以下の過料(164条)。職権登記の照会に対する異議は通知書記載の期限内(実務上2週間前後が多い、最新の運用をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
- 平成16年(2004年)不動産登記法全部改正 オンライン申請導入を含む全部改正により現行法が成立し、分筆・合筆の申請適格と登記官の職権発動要件が現行39条として整理された。申請できる者を表題部所有者と所有権の登記名義人に限定する構造、地目分離・地番区域変更の場合の職権義務、地図作成目的の職権登記における異議権が同条に集約された
改正の年表
- 1.平成16年(2004年) 改正:不動産登記法の全部改正により現行法が成立。オンライン申請の導入とともに、分筆・合筆の申請適格を表題部所有者と所有権の登記名義人に限定する構造、地目分離・地番区域変更の場合の登記官の職権義務、地図作成目的の職権登記における異議権が、現行39条として一箇条に整理された
- 不動産登記法 第14条地図の備付け、3項の職権登記の目的
- 不動産登記法 第37条地目・地積変更の1か月申請義務
- 不動産登記法 第40条分筆に伴う権利消滅の登記
- 不動産登記法 第41条合筆の登記の制限事由の列挙
- 不動産登記法 第156条登記官の処分に対する審査請求
- 国土調査法 第20条地籍調査成果に基づく登記の更新
- 土地区画整理法 第107条換地処分に伴う一括登記の特則
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