民法第三百九十八条の十九第二項又は第三百九十八条の二十第一項第三号若しくは第四号の規定により根抵当権の担保すべき元本が確定した場合の登記は、第六十条の規定にかかわらず、当該根抵当権の登記名義人が単独で申請することができる。
要点不動産登記法93条は、民法398条の19第2項等により根抵当権の元本が確定した場合の登記を、根抵当権の登記名義人が単独で申請できると定める規定である。
Q · 銀行から元本確定請求の書面が届いたら、登記はこちらの押印なしで入ってしまうのですか?
根抵当権者が自ら請求した確定なら単独で登記できます
不動産登記法93条により、民法398条の19第2項(根抵当権者からの確定請求)で元本が確定した場合、根抵当権の登記名義人は60条の共同申請原則にかかわらず単独で確定の登記を申請できます。設定者の押印は不要です。398条の20第1項3号・4号(競売手続の開始・差押え・破産手続開始決定)による確定も単独申請は可能ですが、ただし書により根抵当権又はこれを目的とする権利の取得の登記と併せて申請しなければなりません。設定者側から請求した確定(同19条1項)は本条の対象外で、60条の共同申請に戻ります。
根抵当権は、元本が確定するまで被担保債権と切り離された器のままだ。銀行が債権を譲渡しても、根抵当権は付いていかない(民法398条の7)。確定した瞬間、その器は普通の抵当権に近づき、随伴性が生まれ、あなたの側にも極度額の減額請求(民法398条の21)や消滅請求(同398条の22)という反撃手段が開く。ところが、この決定的な変化は登記記録の表面には何も現れない。93条はその確定を登記に刻む条文だが、本当に見るべきは申請の形式だ。登記は原則として権利者と義務者が二人で申請する(60条)。本条はその例外として、根抵当権者自身が確定を請求した場合(民法398条の19第2項)に限り、根抵当権の登記名義人が一人で申請できるとする。自分に不利な確定を自分から言い出した以上、相手の関与は要らないという理屈である。設定者であるあなたの側から請求した確定(同条1項)は、この単独申請の対象外だ。
不動産登記法93条は、根抵当権の元本確定の登記に関する単独申請の特則である。民法398条の19第2項又は398条の20第1項3号・4号により元本が確定した場合、共同申請の原則を定める60条にかかわらず、当該根抵当権の登記名義人が単独で申請することができる。3号・4号による場合は、根抵当権又はこれを目的とする権利の取得の登記と併せて申請することを要する。
AI 輔助整理,以條文原文為準
根抵当権が担保する元本が確定した事実を登記記録に反映する登記です。不動産登記法93条が単独申請の特則を定めており、確定後にしかできない登記の前提になります。
登記した時ではなく、実体法上の確定事由が生じた時です。根抵当権者の確定請求は到達時、破産手続開始決定はその決定時に確定します(民法398条の19、398条の20)。
原則は根抵当権者と設定者の共同申請ですが、民法398条の19第2項・398条の20第1項3号・4号による確定は、根抵当権の登記名義人が単独で申請できます。
登記申請書のほか、確定事由を証する登記原因証明情報が必要です。確定請求なら配達証明付内容証明郵便、破産なら破産手続開始決定を示す書面が中心になります。
確定期日が登記されており、その期日の経過で確定が登記記録から読み取れる場合は、元本確定登記を経ずに確定後の登記を申請できるのが実務の扱いです。
権利の変更の登記として、不動産1個につき1,000円が原則です(登録免許税法別表第一)。不動産の個数が多いほど積み上がるため、事前に個数を確認してください。
被担保債権が特定され、随伴性が生じて債権譲渡に伴って移転します。設定者側には極度額の減額請求(民法398条の21)や消滅請求(同398条の22)が開きます。
確定後にしかできない登記、たとえば債権譲渡に伴う根抵当権移転や抹消が前提を欠いて申請できません。売却・借換えの決済直前に手続が止まる典型パターンです。
確定は実体法上すでに生じており、登記は効力要件ではない。だが確定後にしかできない登記、たとえば債権譲渡に伴う根抵当権移転や抹消を申請するとき、登記記録から確定が読み取れなければ、前提として本条の登記を要求される。確定期日の登記があれば省略できる。業界裏話ヒント:司法書士が根抵当権の抹消でまず見るのは極度額ではなく確定期日欄だ。そこで手続が一つ増えるかどうかが決まる。
単独申請が認められるのは、根抵当権者が自ら確定を請求した場合(民法398条の19第2項)である。自分に不利な確定を自分で選んだ以上、設定者の関与は要らないという理屈で、止める筋合いがない。398条の20第1項3号・4号なら、ただし書きにより根抵当権の取得の登記と併せてしか申請できない。業界裏話ヒント:この「併せて」は、確定が後から覆る可能性を封じる装置だ。単独申請が通っていれば、確定はもう動かないと読める。
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 申請の形式 | 93条:根抵当権の登記名義人が単独で申請できる | — |
| 単独申請を正当化する理由 | 確定により不利益を受ける根抵当権者自身が申請するため、真実性の担保が働く | — |
| 手続上の制約 | 398条の20第1項3号・4号の場合は権利取得の登記と併せて申請しなければならない | — |
| 対象外になる場面 | 民法398条の19第1項(設定者からの確定請求)は対象外で60条に戻る | — |
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