不動産登記法 第92条(根抵当権当事者の相続に関する合意の登記の制限)
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民法第三百九十八条の八第一項又は第二項の合意の登記は、当該相続による根抵当権の移転又は債務者の変更の登記をした後でなければ、することができない。
この条文の基本情報
根抵当権当事者の相続に関する合意の登記の制限とは何ですか?
定義根抵当権当事者の相続に関する合意の登記の制限とは、不動産登記法第92条に定められた規定で、「民法第三百九十八条の八第一項又は第二項の合意の登記は、当該相続による根抵当権の移転又は債務者の変更の登記をした後でなければ、することができない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 不動産登記法第92条(根抵当権当事者の相続に関する合意の登記の制限)は、日本の不動産登記法に含まれる条文です。
- 不動産登記法第92条の条文原文は「民法第三百九十八条の八第一項又は第二項の合意の登記は、当該相続による根抵当権の移転又は債務者の変更の登記をした後でなければ、することができない。」で始まります。
- 不動産登記法第92条は第三節 権利に関する登記に置かれています。
- 不動産登記法の公布日は平成16年6月18日です。
- 不動産登記法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 不動産登記法第92条の前の条は不動産登記法第91条です。
- 不動産登記法第92条の次の条は不動産登記法第93条です。
- 不動産登記法第92条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)第92条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/416AC0000000123 - 本サイト収録
不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)第92条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/416AC0000000123/92
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点不動産登記法92条により、根抵当権の合意の登記は、相続による移転登記または債務者の変更登記を先に完了させた後でなければできない。合意の登記の期限は相続開始から6か月である。
Q · 根抵当権の相続って、6か月以内に合意の登記をすればいいだけなんですか?
先に相続による移転登記か債務者変更登記を済ませないと、合意の登記は受理されません
不動産登記法92条により、民法398条の8第1項・第2項の合意の登記は、相続による根抵当権の移転の登記または債務者の変更の登記を完了した後でなければ申請できません。合意の登記の期限は相続開始から6か月です(民法398条の8第4項)。つまりこの6か月の中で、前提登記と合意の登記という二段階を両方終わらせる必要があります。期限を過ぎると元本は相続開始の時に確定したものとみなされ、死亡後に実行された融資は担保されない状態になります。
解説
父が亡くなって半年目に、取引銀行から「合意の登記、間に合いましたか」という電話が入る。この一本の意味が分かる相続人は少ない。民法398条の8は、根抵当権の債務者や根抵当権者が死亡したとき、今後も誰が借り続けるか(指定債務者・指定根抵当権者)を設定者との合意で決められると定める。ただし相続開始から6か月以内にその合意を登記しなければ、元本は死亡時に確定したものとみなされる。そこへ不動産登記法92条が条件を重ねる。合意の登記の前に、相続による根抵当権の移転登記または債務者の変更登記を済ませておけ、と。つまり与えられた6か月は、二段構えの登記を両方終わらせる時間である。遺産分割で相続人の実印が揃わない、設定者が親族でなく協力を渋る。そんな理由で前提登記が止まれば、合意の登記は物理的に受理されない。期限を落とした瞬間、その根抵当権は死亡時点の残債しか担保しない普通の抵当権へ変わり、後継者の運転資金の枠が消える。
法的な位置づけ
不動産登記法92条は、根抵当権の相続に関する合意の登記の前提要件を定める手続規定である。民法398条の8第1項または第2項に基づく指定根抵当権者・指定債務者の合意の登記は、相続による根抵当権の移転の登記または債務者の変更の登記が完了した後でなければ申請することができない。登記記録上の権利者および債務者を先に確定させることで、公示の連続性を確保する趣旨である。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.死亡日から6か月後をカレンダーに固定し、内部期限を1か月前に置く 起算点は相続開始(被相続人の死亡日)。6か月後の日付を関係者全員で共有し、その1か月前を司法書士への書類提出の内部デッドラインとする。補正が一度入るだけで数週間が飛ぶため、年度末・月末の法務局混雑期を避けて申請日を組む
- 2.登記事項証明書で根抵当権の有無・極度額・債務者・設定者を確認 法務局またはオンラインで登記事項証明書を取得し、根抵当権の元本が未確定か、債務者は誰か、設定者が被相続人以外(物上保証人)かを確認する。設定者が第三者の場合、合意の登記に必要な協力の難易度が跳ね上がるため、この段階での判別が最重要
- 3.前提登記(相続による移転登記または債務者の変更の登記)を先に申請 不動産登記法92条の要求どおり、合意の登記より先に前提登記を申請する。根抵当権者の死亡なら相続による移転登記(不動産登記法63条2項により相続人の単独申請が可能)、債務者の死亡なら債務者の変更の登記を行う。相続人全員の戸籍・除籍・印鑑証明の収集が実務上の律速段階になる
- 4.設定者から合意の登記への協力(実印・印鑑証明)を取り付ける 合意の登記は共同申請(不動産登記法60条)であり、設定者の実印と印鑑証明が必須。関係が悪化していない葬儀直後に印鑑証明を先に確保しておくのが実務的な保険。設定者が物上保証人の場合は、合意により後継者の将来債務まで担保が続く点を説明し、極度額の据置きなどの条件交渉も想定しておく
- 5.前提登記の完了を確認してから合意の登記を申請 前提登記が完了し、登記記録上の権利者・債務者が更新されたことを確認したうえで、指定債務者または指定根抵当権者の合意の登記を申請する。付記登記として実行される。申請は相続開始から6か月以内に行う(期間内の申請で足りるかどうかは実務上の解釈が分かれるため、余裕を持った申請が安全)
- 6.期限に間に合わないと判断したら、元本確定を前提とした再構築へ切り替える 書類が揃わないことが明らかになった時点で、合意の登記を追うのをやめ、元本確定の登記(不動産登記法93条)と、確定債務の弁済・債務引受の整理、そして後継者を債務者とする根抵当権の再設定へ方針転換する。切替判断が遅いほど、無担保期間と登録免許税の負担が積み上がる
よくある質問 AI による整理
Q1根抵当権の合意の登記とは何ですか?
根抵当権者や債務者が死亡したとき、今後も誰が取引を続けるか(指定根抵当権者・指定債務者)を設定者との合意で定め、その内容を登記するものです。相続開始から6か月以内に登記する必要があります。
Q2不動産登記法92条の前提登記とは何ですか?
合意の登記より先に済ませておくべき、相続による根抵当権の移転の登記または債務者の変更の登記を指します。これが未了のままでは、合意の登記は受理されません。
Q3根抵当権の相続6ヶ月はいつから数えますか?
相続開始、つまり被相続人が死亡した日から起算します。遺産分割協議を始めた日でも金融機関から通知が来た日でもありません。前提登記の準備期間も含めて逆算する必要があります。
Q4相続による根抵当権の移転登記は相続人だけでできますか?
相続を原因とする権利の移転登記は相続人が単独で申請できます(不動産登記法63条2項)。一方、合意の登記は設定者との共同申請となるため、設定者の協力が欠かせません。
Q5設定者が親族以外だと合意の登記はできない?
できないわけではありませんが、共同申請主義(不動産登記法60条)により設定者の実印と印鑑証明が必要です。協力が得られなければ、期限内の合意の登記は事実上不可能になります。
Q6合意の登記をしないとどうなりますか?
元本は相続開始の時に確定したものとみなされます(民法398条の8第4項)。死亡後に実行された融資は担保されず、根抵当権は死亡時点の残債だけを担保する状態になります。
Q7根抵当権の移転登記と債務者変更登記、どちらが必要ですか?
根抵当権者が死亡した場合は相続による移転登記、債務者が死亡した場合は債務者の変更の登記が前提となります。どちらのケースかで、申請人も必要書類も変わります。
Q8合意の登記の登録免許税はいくらですか?
合意の登記は付記登記として実行され、不動産1個につき1,000円が目安です。期限を落として根抵当権を設定し直す場合は極度額の0.4%となり、負担が大きく変わります(最新の税率は要確認)。
この条文についての質問 AI による整理
Q16か月って、申請すればいいんですか、それとも登記が終わってないとダメなんですか?
民法398条の8第4項は「六箇月以内に登記をしないとき」と書いており、期間内の申請で足りるとする扱いが一般的だが、この点は実務上、解釈が分かれている。しかも不動産登記法92条で前提登記が必要なため、補正や却下が入ると連鎖で崩れる。実務のポイント:司法書士は期限の1か月前を内部デッドラインに置く。補正が一度入るだけで数週間飛ぶので、法務局が混む年度末や月末を外して申請日を組む
Q2間に合わなかったら、もう打つ手はないんですか?
元本は相続開始時に確定したとみなされ、合意の登記はできなくなる(民法398条の8第4項)。残る道は、確定した債務を弁済または債務引受で整理したうえで、後継者を債務者とする根抵当権を新たに設定し直すことになる。実務のポイント:新規設定の登録免許税は極度額の0.4%、債務者変更の付記登記は不動産1個につき1,000円。極度額5,000万円なら20万円が現金で出ていく(最新の改正状況をご確認ください)
間違えやすい点 AI による整理
- 「6か月以内に司法書士へ依頼すれば間に合う」という問いの立て方そのものがずれている。92条が求めるのは、合意の登記の前に相続による移転登記または債務者変更登記が完了していること。カウントすべきは依頼日ではなく、相続人全員の戸籍・印鑑証明と設定者の協力が揃う日だ
- 期限を過ぎれば元本が確定する、そこまでは知られている。だが確定の効力が「相続開始の時」に遡る点まで意識している人は少ない。死亡後に後継者が引き出した運転資金は、最初から担保されていなかったことになり、金融機関は無担保債権を抱えたことに後から気付く
- 相続人から見れば根抵当権は当然に引き継がれた財産に見える。だが登記記録の上では被相続人名義のまま止まっており、金融機関の稟議では「担保未整備」として処理される。この落差があるかぎり、追加融資の審査は前に進まない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 登記の目的 | 不動産登記法92条:合意の登記(指定債務者・指定根抵当権者を定める) | 不動産登記法63条:相続による権利の移転登記 不動産登記法93条:元本確定の登記 |
| 申請の構造 | 共同申請(設定者の実印・印鑑証明が必要) | 相続人による単独申請が可能(63条2項) 確定事由により単独申請が認められる場合がある |
| 時間的な位置づけ | 前提登記の完了後、かつ相続開始から6か月以内 | 合意の登記の前提として先行させる必要がある 6か月を徒過し元本が確定した後の受け皿 |
| 失敗したときの帰結 | 受理されず、6か月徒過で元本が相続開始時に確定 | 前提登記が止まれば合意の登記も物理的に不可能 根抵当権は死亡時の残債のみを担保する普通抵当類似の状態へ |
他国ではどう定めているか 6 か国
台湾は2007年の物権編改正で最高限額抵押權を明文化したが、債務者の死亡を確定事由とし6か月以内の合意登記で継続を認める日本型の制度は置かれていない。相続登記の前提として被相続人名義の整理を要する点は共通する
韓国の근저당は戦前日本の根抵当慣行を受け継ぐが、相続時に指定債務者を合意で定める6か月ルールに相当する規定はなく、当事者間の契約と登記実務で処理される
最高額抵押の債権確定事由は法定されているが、自然人の死亡を起点とする合意継続制度はない
ドイツは登記申請にあたり被影響者が先に登記されていることを要求する Voreintragungsgrundsatz を一般原則として置き、相続人については § 40で例外を認める。本条の『前提登記が先』という発想と最も近い
フランスの publicité foncière は effet relatif の原則により、前主の権利が公示されていなければ後続の公示ができない。順序強制の構造は本条と同型
米国は future advance mortgage の承継について、記録上の chain of title を維持するため modification agreement の記録を要する運用。期限付きの法定確定制度はない
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 父の町工場を継ぐつもりでいたのに、遺産分割協議が兄と平行線のまま4か月が過ぎたとしたら、どうなる? 相続による根抵当権の移転登記が入らない限り、指定債務者の合意の登記は受理されない。残り2か月で兄の実印を取るか、元本確定を受け入れて根抵当権を設定し直すか、二択を迫られる。設定し直す側を選んだ瞬間、登録免許税は桁が変わる
- あなたが自宅を担保に差し出した物上保証人で、借主だった義弟が急死した。相続人から合意の登記への協力を求められている。あなたが実印を押すか押さないかで、あなたの自宅が後継者の新規借入まで担保し続けるかどうかが決まる
- 銀行から「まず相続による根抵当権移転が先です」と言われた。司法書士に電話したら、相続人全員の戸籍と印鑑証明が要ると返ってきた。死亡から、すでに3か月
取るべき行動
被害を受けた側:1. 死亡日を起算点に6か月後の日付をカレンダーへ記入、その1か月前を内部期限に置く2. 登記簿謄本を取得し、根抵当権の有無・極度額・債務者・設定者が誰かを確認(設定者が被相続人以外なら難易度が跳ね上がる) 3. 相続人全員の戸籍・印鑑証明を集め、相続による根抵当権移転登記または債務者変更登記を先に申請(不動産登記法92条の前提) 4. 並行して設定者から合意の登記への協力を取り付ける5. 遺産分割が長引きそうなら、合意の登記を優先して部分的に合意する道を司法書士と検討
訴えられた側:1. 協力を求められた設定者・物上保証人は、押印の前に自分の責任範囲がどう変わるかを確認、合意すれば後継者の将来債務まで自宅が担保し続ける2. 継続に納得できないなら、元本確定後の極度額減額請求(民法398条の21)や消滅請求(同398条の22)という選択肢を先に検討3. 継続に応じる場合は、極度額の据置きや期限を条件に交渉できる4. 金融機関から急かされても、6か月の期限はあなたの交渉材料であって義務ではない
時効(請求できる期限):相続開始(死亡)から6か月以内に合意の登記をしないと、元本は相続開始の時に確定したものとみなされる(民法398条の8第4項)。不動産登記法92条により、その6か月の中で前提となる相続による根抵当権移転登記または債務者変更登記を先に完了させる必要がある。なお条文上「六箇月以内に登記をしないとき」とあり、期間内の申請で足りるか登記完了まで要するかは実務上、解釈が分かれている
学説
登記実務上の一般的な取扱い:民法398条の8第4項の「六箇月以内に登記をしないとき」について、期間内の申請で足りるとする取扱いが実務上一般的とされる。もっとも不動産登記法92条により前提登記が先行して完了している必要があり、補正や却下が入れば連鎖的に期限を割り込むため、余裕を持った申請が求められる。
改正沿革 AI による整理
- 平成16年(2004年)不動産登記法全部改正 明治32年法を全面的に改めた現行不動産登記法(平成16年法律第123号、2005年施行)において、根抵当権の相続に関する合意の登記の前提登記を求める規律が本条として整理された。実体法上の根拠である民法398条の8は昭和46年(1971年)の根抵当権規定新設に由来する
改正の年表
- 1.平成16年(2004年) 新設:明治32年法を全面的に改めた現行不動産登記法(平成16年法律第123号、2005年施行)において、根抵当権の相続に関する合意の登記の前提登記を求める規律が本条として整理された。
- 2.昭和46年(1971年) 改正:実体法上の根拠である民法398条の2以下の根抵当権規定が新設され、398条の8に相続の場合の合意と6か月の期限が置かれた。本条はその手続面を支える。
- 不動産登記法 第63条相続による権利移転登記の単独申請
- 不動産登記法 第66条権利の変更登記の付記登記による実行
- 不動産登記法 第88条根抵当権の登記事項、債務者の記録根拠
- 不動産登記法 第93条元本確定の登記、期限徒過後の受け皿
- 不動産登記法 第60条共同申請主義、設定者の協力が要る根拠
- 民法 第398条の8本条が手続面を支える実体規定
- 民法 第398条の9合併の場合の対応規定、相続との対比
- 民法 第398条の21確定後の極度額減額請求、期限徒過の裏効果
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