不動産登記法 第91条(共同抵当の代位の登記)
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- 民法第三百九十三条の規定による代位の登記の登記事項は、第五十九条各号に掲げるもののほか、先順位の抵当権者が弁済を受けた不動産に関する権利、当該不動産の代価及び当該弁済を受けた額とする。
- 2.第八十三条及び第八十八条の規定は、前項の登記について準用する。
この条文の基本情報
共同抵当の代位の登記とは何ですか?
定義共同抵当の代位の登記とは、不動産登記法第91条に定められた規定で、「民法第三百九十三条の規定による代位の登記の登記事項は、第五十九条各号に掲げるもののほか、先順位の抵当権者が弁済を受けた不動産に関する権利、当該不動産の代価及び当…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 不動産登記法第91条(共同抵当の代位の登記)は、日本の不動産登記法に含まれる条文です。
- 不動産登記法第91条の条文原文は「民法第三百九十三条の規定による代位の登記の登記事項は、第五十九条各号に掲げるもののほか、先順位の抵当権者が弁済を受けた不動産に関する権利、当該不動産の代価及び当…」で始まります。
- 不動産登記法第91条は第三節 権利に関する登記に置かれています。
- 不動産登記法の公布日は平成16年6月18日です。
- 不動産登記法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 不動産登記法第91条の前の条は不動産登記法第90条です。
- 不動産登記法第91条の次の条は不動産登記法第92条です。
- 不動産登記法第91条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)第91条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/416AC0000000123 - 本サイト収録
不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)第91条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/416AC0000000123/91
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点不動産登記法91条は、共同抵当の代位の登記について、59条各号のほか、先順位抵当権者が弁済を受けた不動産に関する権利・その代価・弁済額の三点を登記事項と定める。
Q · 先順位の銀行が別の物件から全額回収したら、私の二番抵当はもう終わりですか?
終わりません。代位が生じ、登記で第三者にも主張できます。
終わりません。民法392条2項により、後順位抵当権者は先順位抵当権者に代位し、その抵当権を同じ順位のまま行使できます。不動産登記法91条は、この代位を登記簿に刻む際の登記事項を定めており、59条各号に加えて、先順位者が弁済を受けた不動産に関する権利、その代価、弁済を受けた額の三点を記録します。ただし代位できる枠の上限は自分の債権額ではなく、同時配当であれば他の不動産から回収できたはずの割付額です。
解説
A 銀行が甲土地と乙建物の両方に一番抵当権を設定し、B 信金は乙建物だけに二番抵当権を持っている。A が乙建物だけを競売して全額を回収したら、B の取り分は消える。ここで B を救うのが民法392条2項後段の代位であり、その代位を登記簿に刻み込む手続を定めたのが不動産登記法91条だ。この登記は先順位抵当権の登記に付記される形で入り、記録されるのは通常の登記事項に加えて、A が弁済を受けた不動産に関する権利、その不動産の代価、実際に弁済を受けた額の三点。つまり甲土地の登記簿を開けば、先順位者がいくら回収し、代位の枠がどれだけ残っているかを第三者も読める状態になる。この付記がないまま甲土地が第三者に渡ると、あなたの代位をその第三者に主張できるかは実務上、解釈が分かれており、回収不能のリスクを自分で抱え込むことになる。
法的な位置づけ
不動産登記法91条は、民法393条の規定による代位の登記の登記事項を定める規定である。共同抵当の異時配当により後順位抵当権者が先順位抵当権者に代位する場合、59条各号の登記事項に加え、先順位抵当権者が弁済を受けた不動産に関する権利、当該不動産の代価、当該弁済を受けた額を記録する。83条および88条が準用される。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.共同担保目録で他の目的不動産を全部特定する 先順位抵当権の登記事項証明書を共同担保目録付きで取得し、同一の抵当権が設定されている他の不動産をすべて洗い出す。代位の対象範囲はここで確定する
- 2.民法392条2項の割付計算で代位枠を算出する 各不動産の代価の割合に応じて先順位債権額を割り付け、同時配当だったら他の不動産から回収できたはずの額を計算する。この額が代位の上限であり、自分の債権額ではない
- 3.配当期日前に先順位抵当権者へ登記協力を書面で要請する 代位の意思と登記協力の依頼を書面で通知する。配当が終わった後の依頼に応じる動機は相手にゼロだが、手続進行中なら担当者は面倒を避けて協力する確率が高い
- 4.91条1項の三つの登記事項を確定し共同申請する 先順位抵当権者が弁済を受けた不動産に関する権利、当該不動産の代価、当該弁済を受けた額を配当表と照合して確定し、登記権利者(後順位抵当権者)と登記義務者(先順位抵当権者)の共同申請で付記登記を申請する
- 5.先順位抵当権の抹消登記が入る前に完了させる 競売の配当期日から抵当権抹消の嘱託登記までの数週間が実務上の窓。抹消されれば付記すべき主登記自体が消え、その物件からの回収は事実上困難になるため、逆算した日程管理を行う
よくある質問 AI による整理
Q1共同抵当の代位の登記とは何ですか?
共同抵当の異時配当で後順位抵当権者が先順位抵当権者に代位したことを、先順位抵当権の登記に付記して公示する登記です。実体的根拠は民法392条2項・393条、登記事項は不動産登記法91条が定めます。
Q2不動産登記法91条の登記事項は何ですか?
59条各号の一般的登記事項に加え、先順位抵当権者が弁済を受けた不動産に関する権利、その不動産の代価、実際に弁済を受けた額の三点です。さらに83条・88条が準用され、債権額や利息なども記録されます。
Q3代位の登記に必要な書類は何ですか?
共同申請のため先順位抵当権者側の登記識別情報と印鑑証明書、代位の内容を裏づける配当表など弁済額と代価の資料、共同担保目録付きの登記事項証明書が実務上の中心になります。具体的な添付書面は管轄法務局で確認してください。
Q4代位の上限額は自分の債権額と同じですか?
同じではありません。上限は自分の債権額ではなく、同時配当であれば先順位抵当権者が他の不動産から回収できたはずの割付額です(民法392条2項)。この前提を誤ると請求額そのものが崩れます。
Q5代位の登記をしないとどうなりますか?
代位の効果自体は法律上生じますが、登記がないまま対象不動産が第三者に渡ると、その第三者に代位を主張できるかは実務上、解釈が分かれ、回収不能のリスクを自分で抱えることになります。
Q6共同担保目録はどこで確認できますか?
法務局で登記事項証明書を請求する際に「共同担保目録付き」を指定するか、登記情報提供サービスで取得できます。共同抵当の他の目的不動産を洗い出す最初の一手がここです。
Q7物上保証人所有の不動産でも代位できますか?
債務者所有の不動産と物上保証人所有の不動産が混在する共同抵当では、単純な割付どおりに代位が認められるとは限らず、扱いに議論があります。個別事案では専門家の検討が必要です。
Q8抵当権移転登記と代位の登記は違いますか?
違います。抵当権移転は債権譲渡や代位弁済で抵当権者そのものが交代する登記、91条の代位の登記は共同抵当の異時配当により後順位者が先順位抵当権を一定枠で行使できる地位を公示する付記登記です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1この代位の登記って、自分ひとりで申請できるんですか?
原則として共同申請です。代位する後順位抵当権者が登記権利者、先順位抵当権者が登記義務者となります(不動産登記法60条)。登記事項は91条1項の三点に加え、83条・88条の準用で債権額や利息なども記録されます。実務のポイント:先順位抵当権者は協力しても一円の得もないため、配当が済むと途端に連絡が付かなくなる。配当要求の段階で担当者名と決裁ラインを押さえた側だけが、後で書類を出させられる。
Q2先順位の抵当権が抹消されたら、もう代位は諦めるしかないですか?
付記すべき先順位抵当権の登記が消えれば91条の登記を入れる器がなくなり、その物件からの回収は実務上きわめて困難になります。代位の実体的効果と登記の要否の関係は解釈が分かれていますが、抹消後に第三者が現れた場面での主張は苦しい。実務のポイント:配当期日と抹消の嘱託登記の間には通常数週間の隙間がある。この隙間に動く段取りを司法書士と事前に組んである金融機関だけが、実際に回収できている。
間違えやすい点 AI による整理
- 代位できること自体は知っていても、代位の中身が「先順位者の抵当権をその順位のまま引き継ぐ」ものである点、そして引き継げる枠の上限が自分の債権額ではなく、先順位者が同時配当だったら他の不動産から取れたはずの額である点(民法392条2項)まで押さえている人は少ない。この割付計算を誤ると、請求額の前提そのものが崩れる。
- 「代位の登記をしないと代位できないのか」という問いの立て方自体がずれている。代位の効果は法律上当然に生じ、登記は第三者に対して主張し続けるための手当てだと解するのが一般的で、付記登記の効力の位置付けについては実務上、解釈が分かれている。問うべきは「代位できるか」ではなく「誰に対して、いつまで主張できるか」だ。
- 91条は登記事項の列挙だから形式的な条文だと思われがちだが、記載を求められる三点(弁済を受けた不動産に関する権利、その代価、弁済を受けた額)は、代位の枠を計算するための材料そのものである。ここが誤記や不備のまま登記されれば、後日その枠の大きさを争われたとき、自分から立証手段を捨てることになる。
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 定める内容 | 91条:民法393条による代位の登記に固有の登記事項 | 59条:権利の登記に共通する一般的登記事項 88条:抵当権の登記事項(91条2項で準用) |
| 固有に記録される事項 | 弁済を受けた不動産に関する権利・その代価・弁済を受けた額 | 順位番号、登記の目的、受付年月日、登記名義人など 債権額、利息、損害金、債務者の氏名・住所など |
| 登記の形式 | 先順位抵当権の登記に対する付記登記(順位は主登記による=4条) | 主登記・付記登記の双方に共通 原則として主登記 |
| 欠けたときの影響 | 代位の枠が公示されず、第三者への主張可否が実務上不安定になる | 登記そのものが受理されない 担保の内容が特定できず対抗力に影響 |
他国ではどう定めているか 4 か国
2007年の担保物権編改正で共同抵押の異時拍賣における後次序抵押權人の代位を明文化。日本民法392条2項と同じ構造をとるが、登記手続は土地登記規則側に置かれている
共同抵当の異時配当で後順位抵当権者が先順位抵当権者に代位できる旨を規定。日本民法392条2項とほぼ同一の設計で、登記手続は부동산등기법側に置かれる
Gesamthypothek において一つの土地から弁済がされた場合の抵当権の移転・調整を規律。日本の共同抵当と代位の制度的な源流にあたる考え方
成文の代位登記制度ではなく、複数の担保財源がある場合に先順位債権者の回収先を衡平法上調整する法理として機能する。登記簿による公示という発想は薄い
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし先順位の銀行が共同担保のうち一件だけを競売にかけ、来週その抵当権の抹消登記が入るとしたら? 残された物件に対するあなたの代位は、書類の準備が間に合うかどうかで生死が決まる。登記義務者となる先順位抵当権者の担当者を捕まえ、印鑑と登記識別情報を出させるまでの時間は、実質数日しかない。
- あなたは競売物件を安く落札した側だ。登記簿を見ると一番抵当は消えている。だが共同担保目録に残る別物件の記録から、後順位者の代位が飛んでくることがある。
- 地方工場を担保に融資した信用金庫の担当者として、同じ債務者の本社ビルにも同じ銀行の一番抵当が付いていることを見落とした。先に本社ビルが処分され、一番抵当の都市銀行は全額回収。工場の担保余力は残っているのに、代位登記を検討した記録が稟議書のどこにもない。回収不能の責任はあなたの査定に跳ね返る。
取るべき行動
被害を受けた側:1. 先順位抵当権の共同担保目録を取得し、代位の対象になる他の不動産を全部特定する2. 民法392条2項の割付計算で代位できる上限額を算出(自分の債権額ではない) 3. 先順位抵当権者に代位の意思と登記協力を書面で通知、配当期日前に着手4. 配当表など弁済額と代価の証拠を確保し、91条1項の三つの登記事項を埋めて共同申請5. 先順位抵当権の抹消登記が入る前に付記登記を完了させる
訴えられた側:1. 共同担保の一部を取得する立場なら、決済前に他の共同担保物件の登記簿と競売の進行状況を必ず確認2. 代位の付記登記が既に入っていれば、記載された代価と弁済額から残枠を計算し、購入価格に織り込む3. 先順位抵当権者として協力を求められた側なら、登記事項の記載が実際の配当額と一致しているか照合してから押印する4. 割付計算に誤りがあれば、代位の範囲そのものを争う余地がある
時効(請求できる期限):本条自体に固有の期間制限はない。ただし付記の対象となる先順位抵当権の登記が抹消されると、この登記は事実上できなくなるため、競売の配当期日から抵当権抹消の嘱託登記までの数週間が実務上の勝負どころとなる。代位により行使する債権自体は一般の消滅時効(民法166条、権利を行使できることを知った時から5年または権利を行使できる時から10年)に服する。
学説
通説:民法392条2項の代位は法律上当然に生じ、不動産登記法91条の登記は代位の内容を公示して第三者との関係を安定させる手当てと解される。もっとも付記登記の効力の位置付けについては実務上、解釈が分かれている
登記実務上の理解:本条の登記は先順位抵当権の登記への付記登記として実行され、順位は主登記による(不動産登記法4条)。先順位抵当権の登記が抹消されると付記すべき主登記が失われるため、時間的制約が実務の中心論点となる
改正沿革 AI による整理
- 平成16年(2004年)不動産登記法全部改正 明治32年法律第24号の旧不動産登記法を全部改正して現行法が成立し、オンライン申請と登記識別情報の制度が導入された。共同抵当の代位の登記に関する規律も、この全部改正の中で現行91条として整理された。個別条文としての新設か旧法規定の承継かの評価、および平成16年以降の改正の有無は人的検証を要する
改正の年表
- 1.平成16年(2004年) 改正:明治32年法律第24号の旧不動産登記法を全部改正して現行法(平成16年法律第123号)が成立し、オンライン申請と登記識別情報の制度が導入された。共同抵当の代位の登記に関する規律もこの全部改正の中で現行91条として整理された。個別条文としての新設か旧法規定の承継か、および平成16年以降の改正の有無は人的検証を要する
- 不動産登記法 第59条権利の登記に共通する登記事項
- 不動産登記法 第83条担保権の登記事項を準用(2項)
- 不動産登記法 第88条抵当権の登記事項を準用(2項)
- 不動産登記法 第4条付記登記の順位は主登記による
- 不動産登記法 第60条登記権利者と義務者の共同申請原則
- 民法 第392条異時配当における代位の実体的要件と割付計算
- 民法 第393条本条の登記を認める実体法上の直接の根拠
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