保険者は、保険の目的物の全部が滅失した場合において、保険給付を行ったときは、当該保険給付の額の保険価額(約定保険価額があるときは、当該約定保険価額)に対する割合に応じて、当該保険の目的物に関して被保険者が有する所有権その他の物権について当然に被保険者に代位する。
要点保険法 24 条は、保険の目的物の全部が滅失し保険給付が行われたとき、給付額の保険価額に対する割合に応じ所有権その他の物権が当然に保険者へ移ると定める。これを残存物代位という。
Q · 全損で保険金をもらったら、焼け跡の鉄くずや廃車はもう自分の物じゃなくなるの?
全部滅失で保険金を受け取ると、残存物の所有権は割合に応じ保険会社へ移ります
保険法 24 条により、保険の目的物の全部が滅失し保険者が保険給付を行うと、給付額の保険価額に対する割合に応じて、所有権その他の物権が当然に保険者へ移ります。登記も引渡しも意思表示も要りません。ただし二点に注意が必要です。第一に、これは割合的代位で、一部保険なら移るのは付保割合分だけです。第二に、24 条は 26 条の片面的強行規定の対象外の任意規定であり、多くの約款は代位を排除・修正しています。約款を読むまで、焼け跡や廃車の所有者は確定していません。
車両保険で全損認定を受け、保険金が口座に振り込まれた。その瞬間、レッカー置き場に横たわる車体は、法律上もうあなたの物ではない。保険法24条は、保険の目的物の全部が滅失し保険者が保険給付を行ったとき、その給付額の保険価額(約定保険価額があればその額)に対する割合に応じて、被保険者が持つ所有権その他の物権が「当然に」保険者へ移ると定める。登記も引渡しも、移転の意思表示すら要らない。法律が自動で動かす。押さえるべきは二点。第一に、これは割合的代位である。保険価額1000万円の建物に600万円しか付保していなければ、移るのは10分の6であって全部ではない。第二に、24条は片面的強行規定(26条)の対象から外れている。つまり特約で自由に排除できる。だから約款を読むまで、焼け跡の鉄骨や廃車の所有者が誰なのかは、確定していない。
保険法 24 条が定める残存物代位とは、保険の目的物の全部が滅失し保険者が保険給付を行った場合に、その給付額の保険価額に対する割合に応じて、被保険者の有する所有権その他の物権が当然に保険者へ移転する制度をいう。意思表示も引渡しも要さず、法律上当然に生じる割合的な物権移転である。利得禁止原則を物権面で担保する規律として機能する。
AI 輔助整理,以條文原文為準
全損で保険給付を行った保険者が、残った目的物の所有権その他の物権を割合に応じて当然に取得する制度です。保険法 24 条が根拠で、被保険者の二重利得を防ぎます。
保険者が保険給付を行った時点で、当然に移ります。登記も引渡しも意思表示も不要です。ただし約款で代位が排除・修正されている場合はその内容が優先します。
給付額の保険価額に対する割合に応じて移ります。保険価額 1000 万円に給付 600 万円なら 10 分の 6 が移り、残り 4 割は被保険者に残ります。
できます。24 条は 26 条の片面的強行規定の対象外の任意規定です。多くの約款は「保険会社が取得する意思表示をしたときに限り取得する」と修正しています。
条文の「全部が滅失」は物理的滅失を指すため、修理費が時価を超える経済的全損には当然には及びません。この場面は約款の全損条項が埋めています。
全損後の瓦礫や残存物の撤去・解体費用を別建てで補償する費用保険金です。24 条は撤去義務を移さないため、この特約の有無が自腹負担を左右します。
永久抹消登録をしなければ登録名義人に納税義務が残ります。24 条で私法上の所有権が移っても、行政上の名義は自動では動きません。
任意規定なので、保険金請求前に書面で放棄や代位不行使を合意する余地があります。換価価値のある残存物では支払前の一往復が手取りを左右します。
盗難が24条の「全部が滅失した場合」に当たるかは、実務上、解釈が分かれている論点である。物理的には存在しているからだ。そのため自動車保険の約款は、発見された場合の車両の帰属や保険金返還を別途定めているのが通例。業界裏話ヒント:約款上「保険金を返せば車を返してもらえる」と読める条項が入っていることが多い。時価が上がる旧車や希少車なら、返還を選ぶ方が得になる場合がある。担当者は積極的にその選択肢を提示しない
24条が移すのは所有権その他の物権であって、撤去義務を移す条文ではない。しかも24条は26条の片面的強行規定の対象外で、約款により代位を行使しない設計になっていることも多い。業界裏話ヒント:損害保険各社は残存物の処分コストを嫌い、代位せずに「残存物取片づけ費用保険金」を上乗せ支払する運用を採ることがある。この費用保険金の存在を知らずに自腹で解体業者を呼ぶ人が、毎年一定数いる
持っていかれない。24条は「当該保険給付の額の保険価額に対する割合に応じて」代位すると定める。保険価額1000万円に対し給付が600万円なら、移転するのは10分の6である(一部保険の給付額算定は保険法19条)。業界裏話ヒント:この割合の分母は保険金額ではなく保険価額であり、約定保険価額(評価済保険、保険法18条2項)があればそちらが分母になる。評価額を高く合意しておくと、代位される割合が下がる方向に働く
できる。保険法26条が被保険者に不利な特約を無効とするのは17条2項と25条1項の関係であり、24条はその列挙に含まれていない。つまり24条は任意規定であり、特約や約款で排除・修正できる。業界裏話ヒント:実際の約款は「保険会社が取得する旨の意思表示をしたときに限り取得する」と書き換えている例が多い。条文だけを読んで「自動で移るはずだ」と主張すると、目の前の契約の実態と食い違う。争う前に約款の該当条項を先に開くこと
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 保険法 24 条:残存物(目的物)の所有権その他の物権 | — |
| 発動要件 | 目的物の全部滅失 + 保険給付 | — |
| 効果 | 給付額の保険価額に対する割合で物権が当然移転 | — |
| 共通の趣旨 | 利得禁止原則(二重利得の防止) | — |
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