要点保険法 67 条は、第三者を被保険者とする傷害疾病定額保険は被保険者の同意がなければ効力を生じないと定める。死亡のみを給付事由とする契約では例外なく本人同意が必要となる。
Q · 自分に黙って掛けられた傷害保険って、そのまま有効になっちゃうの?
同意がなければ効力を生じず保険金は出ません
保険法 67 条により、契約当事者以外の第三者を被保険者とする傷害疾病定額保険は、被保険者本人の同意がなければ効力を生じません。取消しを待つまでもなく初めから効力がなく、給付事由が起きても保険金は一円も支払われません。被保険者自身が受取人であれば同意は不要ですが、給付事由が死亡のみの契約は 2 項によりこの例外が使えず、相続人が受取人でも本人の同意が必須です。払い込んだ保険料は不当利得として契約者へ返還されます。
勤務先が従業員全員に傷害保険を掛けている。その事実をあなたは知らない。受取人は会社だ。保険法 67 条は、この構図に一本のブレーキを踏む。契約の当事者(保険会社と契約者)以外の第三者を被保険者にする傷害疾病定額保険は、被保険者本人の同意がなければ効力を生じない。無効ではなく「効力を生じない」、つまり給付事由が起きても保険金は一円も出ない。例外はある。被保険者自身が保険金受取人であるとき(死亡給付なら被保険者またはその相続人)は同意不要だ。しかしここに第二のブレーキがある。2 項は、給付事由が傷害疾病による死亡のみの契約には、この例外を使わせない。相続人が受取人でも、死亡だけを狙った契約なら本人の同意が要る。理由は身も蓋もない。相続人が被保険者の死を望む動機を、法が正面から想定しているからだ。あなたの体に値札を付ける権限は、あなた以外の誰も持っていない。
保険法 67 条は、傷害疾病定額保険における被保険者の同意を定める規定であり、契約当事者以外の第三者を被保険者とする契約は、被保険者本人の同意がなければ効力を生じない旨を規定する。被保険者自身が保険金受取人である場合は同意を要しないが、給付事由が死亡のみの契約はこの例外の対象外となる。
AI 輔助整理,以條文原文為準
契約者・保険会社に契約内容と同意書の開示を書面で請求します。代筆や無断契約なら保険法 67 条により効力を生じず、その旨を内容証明郵便で通知するのが有効です。
出ません。第三者を被保険者とする契約は被保険者の同意がなければ効力を生じないため(保険法 67 条)、給付事由が起きても保険会社は支払義務を負いません。
入社時に受け取った書類一式や、勤務先の人事・総務が保管する申込書類で確認できます。同意欄が紛れ込んでいるため、書類を捨てずに保管しておくことが重要です。
保険法 67 条は方式を書面に限定しておらず、明示の同意なら口頭でも成立しえます。ただし包括的・黙示の同意では足りず、実務では立証のため書面同意が取られます。
他人を被保険者にする傷害保険は、その本人が同意しなければ無効という規定です。死亡だけを給付とする契約は、相続人が受取人でも本人同意が必ず必要です。
刑罰の対象ではありませんが、無断で被保険者にした契約は保険法 67 条により効力を生じません。動機によっては公序良俗違反(民法 90 条)や犯罪の疑いも生じます。
けがや病気という給付事由が生じた場合に、実損額ではなく契約で定めた一定額を支払う保険です。入院日額保険や傷害保険が典型で、保険法 66 条以下が規律します。
契約が効力を生じないため、保険料は不当利得として払込みをした契約者に返還されます(民法 703 条)。被保険者本人に戻るわけではない点に注意が必要です。
保険法 67 条は同意の方式を書面に限定していないため、法律上は明示の意思表示があれば口頭でも成立しうる。ただし包括的・黙示の同意では足りないと解されている。業界裏話ヒント:実務では保険会社が例外なく書面同意を取るが、それは法定要件だからではなく、事故後に同意の存在を立証する側が保険会社と受取人だからだ。立証責任がどちらにあるかを知っていると、同意書が見つからない時点で勝負が決まっていると分かる
被保険者である従業員が同意していれば、受取人が会社でも 67 条上は有効だ。同意なしなら効力を生じない。業界裏話ヒント:入社書類の束に同意欄を紛れ込ませる運用は広く行われている。同意の有効性を争う際、説明の有無と書面の一体性が争点になる。入社時に受け取った書類一式を捨てずに保管している人だけが、後から「何に同意させられたか」を再現できる
済まない。1 項ただし書の例外は、給付事由が傷害疾病による死亡のみである契約には適用されない(同条 2 項)。死亡のみの契約は、相続人が受取人でも本人同意が必須だ。業界裏話ヒント:この 2 項は、相続人が被保険者の死を望むモラルリスクを立法者が正面から想定した条文だ。同じ発想は生命保険の被保険者同意(保険法 38 条)にも流れている。ただし書だけを覚えて 2 項を読まない募集人が、後の無効判断を生む
契約が効力を生じない以上、保険会社が受け取った保険料には法律上の原因がなく、払込みをした契約者へ不当利得として返還される(民法 703 条)。被保険者に戻るのではない。業界裏話ヒント:ここが被保険者にとって重要な非対称だ。無断で保険を掛けられた被保険者は、契約を無効化しても金銭を得ない。得るのは「自分の死や怪我に賭ける契約が消える」という結果だけ。金銭目的で争うのではないと理解した瞬間、交渉の姿勢が変わる
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 対象契約 | 傷害疾病定額保険(けが・病気の定額給付) | — |
| 同意がない場合 | 契約全体が効力を生じない | — |
| 被保険者が受取人なら | 同意不要。ただし死亡のみ契約は 2 項で例外不適用 | — |
| 趣旨 | モラルリスク防止と身体への自己決定 | — |
ログインすると、他の読者と一緒にこの条文へメモを残せます。
ログインして共同ノートを始める以下は各文が単独で意味の通る客観的事実です。引用は e-Gov法令検索を基準としてください。