いじめ防止対策推進法 第16条(いじめの早期発見のための措置)
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- 学校の設置者及びその設置する学校は、当該学校におけるいじめを早期に発見するため、当該学校に在籍する児童等に対する定期的な調査その他の必要な措置を講ずるものとする。
- 2.国及び地方公共団体は、いじめに関する通報及び相談を受け付けるための体制の整備に必要な施策を講ずるものとする。
- 3.学校の設置者及びその設置する学校は、当該学校に在籍する児童等及びその保護者並びに当該学校の教職員がいじめに係る相談を行うことができる体制(次項において「相談体制」という。)を整備するものとする。
- 4.学校の設置者及びその設置する学校は、相談体制を整備するに当たっては、家庭、地域社会等との連携の下、いじめを受けた児童等の教育を受ける権利その他の権利利益が擁護されるよう配慮するものとする。
この条文の基本情報
いじめの早期発見のための措置とは何ですか?
定義いじめの早期発見のための措置とは、いじめ防止対策推進法第16条に定められた規定で、「学校の設置者及びその設置する学校は、当該学校におけるいじめを早期に発見するため、当該学校に在籍する児童等に対する定期的な調査その他の必要な措置を講ずるものとする…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- いじめ防止対策推進法第16条(いじめの早期発見のための措置)は、日本のいじめ防止対策推進法に含まれる条文です。
- いじめ防止対策推進法第16条の条文原文は「学校の設置者及びその設置する学校は、当該学校におけるいじめを早期に発見するため、当該学校に在籍する児童等に対する定期的な調査その他の必要な措置を講ずるものとする…」で始まります。
- いじめ防止対策推進法第16条は第三章 基本的施策に置かれています。
- いじめ防止対策推進法の公布日は平成25年6月28日です。
- いじめ防止対策推進法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- いじめ防止対策推進法第16条の前の条はいじめ防止対策推進法第15条です。
- いじめ防止対策推進法第16条の次の条はいじめ防止対策推進法第17条です。
- いじめ防止対策推進法第16条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
いじめ防止対策推進法(平成二十五年法律第七十一号)第16条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/425AC1000000071 - 本サイト収録
いじめ防止対策推進法(平成二十五年法律第七十一号)第16条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/425AC1000000071/16
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点いじめ防止対策推進法16条は、学校と設置者に定期的なアンケート等によるいじめの早期発見措置と、児童・保護者・教職員が使える相談体制の整備を求める規定。罰則はない。
Q · 学校のいじめアンケートって、法律で決まっているものなの?
法律に基づく早期発見措置で、学校が勝手にやめてよいものではない
いじめ防止対策推進法16条1項は、学校の設置者と学校に対し、在籍する児童等への定期的な調査その他の必要な措置を講ずるよう求めています。いじめアンケートはこの早期発見措置の代表例です。罰則のない「講ずるものとする」型の規定ですが、学校の任意の取組ではありません。また3項は、児童等・保護者・教職員が相談できる体制の整備も求めています。
解説
学校で配られるいじめアンケートは、学校が善意でやっているサービスではない。いじめ防止対策推進法16条は、学校の設置者(公立なら教育委員会、私立なら学校法人)と学校に、在籍する児童生徒への定期的な調査など、いじめを早く見つけるための措置を求めている。「講ずるものとする」という書き方なので罰則はない。それでも、学校が自分の判断でやめてよいものでもない。つまりあのアンケートは法律が置いた早期発見の仕組みで、子どもが書いた一行は「学校が知ることができた」記録として残る。3項は、相談できる人として子ども本人と保護者に加え「教職員」まで書いている。担任が動かないとき、担任以外に相談を広げることは条文そのものが想定している。4項は、相談の仕組みが子どもの教育を受ける権利を守る方向に働くよう求める。相談した子が学校に行けなくなるような運用は、本条の趣旨に反する。
法的な位置づけ
いじめ防止対策推進法16条は、いじめの早期発見のための措置を定める規定である。学校の設置者及び学校には在籍児童等への定期的な調査等の措置と相談体制の整備を、国及び地方公共団体には通報・相談の受付体制の整備を求め、相談体制の整備にあたっては家庭・地域社会等と連携し、いじめを受けた児童等の教育を受ける権利その他の権利利益の擁護に配慮すべきことを定める。
手順
- 1.兆しを記録して保存する 子どもの発言、日付、壊された持ち物、SNSの画面などを時系列で記録し、スクリーンショットや写真で保存する。確証を待たず、兆しの段階で残すことが16条の早期発見の流れに沿う
- 2.学校に書面またはメールで相談する 担任だけでなく学年主任や管理職あてにメールで相談内容を送り、受領の返信をもらう。学校がいつ事実を知ったかが記録として固定される
- 3.学校いじめ対策組織での共有を求める 22条の学校いじめ対策組織で扱うよう明示的に依頼し、アンケート原本の保存と、子どもの記入への対応状況の回答を求める
- 4.学外の相談窓口を使う 学校が動かない場合、教育委員会や24時間子供SOSダイヤルなど16条2項に基づく学外窓口に相談する。私立なら都道府県の私学担当部署も相談先になる
よくある質問 AI による整理
Q1いじめ防止対策推進法16条とは?
学校と設置者に、定期的な調査などによるいじめの早期発見措置と相談体制の整備を求める条文です。国と自治体には通報・相談窓口の整備を求めています。
Q2いじめアンケートは義務ですか?
16条1項は定期的な調査その他の必要な措置を「講ずるものとする」と定めています。罰則はありませんが、法律が学校に求める措置であり、学校の任意ではありません。
Q3いじめアンケートは何回実施すればいい?
法律に回数の定めはありません。国の基本方針は定期的な実施と結果の活用を求めており、実施後に記述を追跡しない運用は早期発見の目的を果たしていないと指摘されえます。
Q4いじめアンケートは無記名でもいい?
条文は記名・無記名を定めていません。無記名は書きやすい反面、本人の特定や後の追跡が難しくなるため、学校ごとに方式を組み合わせて運用されることがあります。
Q5いじめ相談 学校以外の窓口は?
16条2項に基づき国と自治体が相談体制を整えています。24時間子供SOSダイヤル(0120-0-78310)や自治体の教育相談窓口が代表的です。
Q6教員もいじめを相談できる?
できます。16条3項は相談できる者に児童等と保護者だけでなく教職員も含めています。担任や学年で止まった情報を別ルートで上げることを条文が想定しています。
Q7幼稚園や大学にもいじめ防止対策推進法は適用される?
適用されません。本法の「学校」は学校教育法1条の小・中・義務教育学校、高校、中等教育学校、特別支援学校(幼稚部を除く)です。私立の小中高は対象です。
Q8いじめアンケートの結果はどう使われる?
気になる記述は22条の学校いじめ対策組織で共有され、事実確認(23条)につながります。重大事態(28条)の調査では原本が重要な一次資料になります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1学校のいじめアンケートって、親が中身を見せてもらうことはできますか?
自分の子が記入した分は、公立なら個人情報の保護に関する法律76条、私立なら同法33条に基づく開示請求の対象になりうる。他の児童が書いた部分は黒塗りになるのが普通だ。実務のポイント:重大事態の調査ではアンケート原本が中心的な資料になる。問題が大きくなる前に「原本を保存してください」と書面で一言伝えておくと、後で紛失を理由にされにくい
Q2担任に言っても「様子を見ましょう」で終わるんですが、それって法律的にアリなんですか?
23条2項は、学校がいじめの通報などを受けたら速やかに事実を確認し、結果を設置者に報告するよう求めている。22条は複数の教職員などで構成する組織の設置を義務づけている。担任一人の判断で止めてしまうのは、この仕組みが想定していない。実務のポイント:「学校いじめ対策組織(22条)で扱ってください」とはっきり頼むと、管理職まで情報が上がる可能性がぐっと高くなる
Q316条違反で学校を訴えることってできるの?
16条は罰則のない義務規定で、違反だけを理由に直接賠償を求められる条文ではない。ただ、公立なら国家賠償法1条、私立なら安全配慮義務違反などを問う訴訟で、学校がアンケートなどの兆しをどう扱ったかが過失を判断する材料になることがある。実務のポイント:勝ち負けを分けるのは「学校が知ることができたか」という点だ。兆しが記録に残っているかどうかで、訴訟の土台が決まる
Q4子どもが担任には絶対言うなって言うんですけど、どこに相談すれば?
16条2項に基づいて国と自治体は通報・相談の窓口を整えている。文部科学省の24時間子供SOSダイヤル(0120-0-78310)は夜間や休日も受け付けている。自治体の教育相談窓口やスクールカウンセラーも選択肢になる。実務のポイント:学外の窓口に話した内容が学校に伝わるかどうかは、窓口ごとに運用が違う。最初に「学校に伝えるかどうかは自分で決めたい」と言っておけば、子どもの信頼を失わずに済む
間違えやすい点 AI による整理
- 「いじめがあったと証明できなければ学校は動かない」という前提がそもそも誤っている。16条が求めるのは早期発見、つまり確証がつかめる前に兆しを拾うことだ。証拠がそろってから相談しようと待つ時間は、条文が想定している流れと逆になっている
- アンケートが法律に基づく措置だということは知られていても、その記録がどれだけ重いかは知られていない。後で重大事態(28条)の調査が始まると、アンケートの原本や聴き取りメモが最も重要な一次資料になる。学校側がそれを捨てたりなくしたりすれば、そのこと自体が調査報告で厳しく指摘される
- 保護者から見れば相談窓口は「話を聞いてもらう場所」だ。しかし法律の目で見ると、学校がいつ事実を知ったかを確定させる記録の仕組みになる。口頭で軽く伝えただけだと、後で「相談は受けていない」と言われる余地が残る。この見え方の違いが、後になって効いてくる
- 私立や大学も同じ扱いだと思われがちだが、本法でいう「学校」は学校教育法1条の小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校(幼稚部を除く)である。幼稚園と大学は対象外で、私立の小中高は対象に入る
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律する段階 | 16条:兆しを拾う早期発見の段階(定期調査・相談体制) | 23条:通報を受けた後の事実確認・設置者への報告 22条:情報を共有・判断する学校内組織の設置 |
| 義務の主体 | 学校の設置者・学校(2項は国・地方公共団体) | 学校の教職員・学校 学校 |
| 保護者が使える場面 | アンケート・相談窓口で兆しを伝え記録に残す | 相談後に速やかな事実確認と報告を求める 担任止まりの情報を組織で扱うよう求める |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は法律の委任に基づく教育部の準則で、学校の防制・通報・調査手続を定める。法律本体で早期発見措置を規定する日本とは法形式が異なる
韓国は学校暴力全般を対象とする単独法で、予防・対応の体制を学校と教育行政に課す点で日本と目的を共有する
中国は未成年者保護法の中で学校に学生欺凌の防止・制御制度の構築を求める
米国は連邦統一法がなく、州法と学区の方針で通報・調査手続を定める
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 子どもが「学期末のアンケートに、からかわれてるって書いた」と打ち明けた。それから三週間、担任からは何の連絡もない。アンケートの原本が学校に残っているうちに、何を書いたか、学校がどう対応したかを書面で問い合わせる。時間がたつほど「覚えていない」で済まされやすくなる
- 学校が「うちはアンケートを年1回しかやっていません」と言ったら、それは違法なのか? 回数は法律に書かれていない。ただ国の基本方針は、定期的に実施して結果を活かすことを求めている。実施しただけで中身を追いかけないなら、16条の「早期に発見するため」という目的を果たしていないと主張できる
- あなたは担任で、アンケートに気になる記述を見つけた。学年主任には「様子見でいい」と言われた。国の基本方針は、教職員がいじめの情報を一人で抱え込まず、22条で設置される学校の組織で共有することを求めている。記録を残さずに黙っていれば、後で重大事態の調査が始まったとき、記述を見た本人として説明を求められる
- LINEグループから外されたのは「いじめじゃない」と担任に言われた。2条の定義は、ネット上の行為も含め、本人が心身の苦痛を感じていればいじめに当たるとしている。
- 自分の子がアンケートで名指しされたと学校から電話が来た。すぐに否定する前に、何がどう書かれていたのか、誰がどんな手順で聴き取りをするのかを確認する。アンケートはいじめを見つける入口で、いじめがあったと決める結論ではない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 子どもの言葉、日付、壊されたり汚されたりした持ち物、LINEの画面を記録して保存する2. 担任だけでなく学年主任や管理職あてに書面かメールで相談し、22条の組織で共有されたかを確認する3. アンケートの実施時期と、子どもの記入に学校がどう対応したかを問い合わせる4. 学校が動かなければ、教育委員会や24時間子供SOSダイヤル(0120-0-78310)など16条2項の学外窓口に相談する。私立なら都道府県の私学担当部署も使える
訴えられた側:加害を指摘された側の保護者なら、まず書かれた内容と調査の手順を確認し、子どもからも話を聴いて記録する。いきなり全面否定したり、相手の家庭に直接連絡したりすると事態は悪化しやすい。学校や教員の立場なら、アンケートは原本ごと保存し、気になる記述は一人で判断せず22条の組織に上げ、対応の経過を時系列で残す。後の調査で最も厳しく問われるのは記録の空白である
時効(請求できる期限):16条そのものに期限はない。学校の対応不備で損害を受けたとして賠償を求める場合、公立なら国家賠償法4条で民法の規定が適用され、損害と加害者を知った時から3年(生命・身体の侵害は5年、民法724条・724条の2)、不法行為の時から20年で時効となる。私立に対して不法行為として請求する場合も同じ期間である。アンケート原本の保存期間は自治体などの文書管理規則によって異なるため、実務上は早めに保存を求めることが事実上の期限になる(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
- 平成25年(2013年)制定 大津市の中学生いじめ自殺事件(2011年)をきっかけに議員立法として成立し、同年9月28日に施行された。本条は制定時から置かれており、条文の改正は確認されていない(最新の改正状況をご確認ください)
改正の年表
- 1.平成25年(2013年) 新設:いじめ防止対策推進法(平成25年法律第71号)の制定に伴い新設。議員立法として成立し、同年9月28日に施行された
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