日本国憲法 第17条
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何人も、公務員の不法行為により、損害を受けたときは、法律の定めるところにより、国又は公共団体に、その賠償を求めることができる。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 日本国憲法第17条は、日本の日本国憲法に含まれる条文です。
- 日本国憲法第17条の条文原文は「何人も、公務員の不法行為により、損害を受けたときは、法律の定めるところにより、国又は公共団体に、その賠償を求めることができる。」で始まります。
- 日本国憲法第17条は第三章 国民の権利及び義務に置かれています。
- 日本国憲法の公布日は昭和21年11月3日です。
- 日本国憲法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 日本国憲法第17条の前の条は日本国憲法第16条です。
- 日本国憲法第17条の次の条は日本国憲法第18条です。
- 日本国憲法第17条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
日本国憲法(昭和二十一年憲法)第17条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/321CONSTITUTION - 本サイト収録
日本国憲法(昭和二十一年憲法)第17条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/321CONSTITUTION/17
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点憲法17条は、公務員の不法行為で損害を受けた者が、法律の定めにより国又は公共団体に賠償を求められると定める。具体的要件は国家賠償法が規律する。
Q · 役所や警察の違法な対応で損をしたら、国に賠償させられる?
はい。憲法17条と国家賠償法で国や自治体に請求できます
憲法17条により、公務員の違法な公権力行使で損害を受けた人は、加害公務員個人ではなく国又は公共団体に賠償を請求できます。具体的要件は国家賠償法が定め、1条は公務員の故意・過失を要件とし、2条は公の営造物の設置管理の瑕疵について無過失責任を課します。被告は資力のある国や自治体なので、勝訴判決が回収不能になる心配がほとんどありません。
解説
交通取り締まりで警官に不当に拘束された、市役所の窓口で誤った指導をされて損をした、税務署の違法な処分で財産を差し押さえられた。こうしたとき、あなたが相手取るのは担当した公務員個人ではない。国そのもの、または都道府県や市町村という公共団体だ。憲法17条はそう保障している。本当に知っておくべきは戦前との断絶である。明治憲法下では「国家無答責」という法理があり、役所が公権力の行使で市民に損害を与えても、原則として一切賠償されなかった。泣き寝入りが当たり前だった。17条はこの壁を真正面から壊した。ただし条文は「法律の定めるところにより」と書く。具体的な要件は国家賠償法が定める。つまり17条が権利の入口を開き、国家賠償法がその通路の幅を決める。さらにあなたにとって決定的なのは、賠償を求める相手が資力のある国や自治体であり、勝訴判決が紙切れになる心配がほぼないという点だ。
法的な位置づけ
憲法17条は国家賠償請求権を定める規定であり、何人も公務員の不法行為によって損害を受けたとき、法律の定めるところにより国又は公共団体に賠償を求めうる旨を保障する。明治憲法下の国家無答責の法理を否定し、具体的な要件と手続は国家賠償法に委ねられている。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.被害の瞬間から記録を残す 対応した公務員の氏名・部署、日時、対応内容を記録し、可能なら録音する。役所の違法性立証はこの記録が命綱になるため、その場でメモを取り始める
- 2.1条か2条かを見極める 公務員の過失を問うなら国賠法1条、道路の陥没や遊具事故など公の営造物の瑕疵を問うなら無過失責任の2条で構成する。ここを取り違えると勝てる事件を自分から難しくする
- 3.情報公開請求で内部文書を入手する 情報公開法に基づき行政文書の開示請求を行い、役所内部の判断経緯・決裁文書・通達を入手する。職務上の注意義務違反を裏づける決定的証拠が眠っていることが多い
- 4.取消訴訟との併合を検討して提訴する 違法な処分が絡むなら取消訴訟(行政事件訴訟法)と国家賠償訴訟を併合して提起し、処分の取消しと金銭回収を一度に取りに行く。被告は加害公務員個人ではなく国又は該当自治体とする
よくある質問 AI による整理
Q1国家賠償とは何ですか?
公務員の違法な公権力行使や公の営造物の瑕疵によって損害を受けた人が、国や公共団体に賠償を求める制度です。憲法17条が権利を保障し、国家賠償法が要件を定めます。
Q2国家賠償法1条と2条の違いは?
1条は公務員の故意・過失を要件とする過失責任、2条は道路や公園など公の営造物の設置管理の瑕疵に課す無過失責任です。2条は落ち度の立証が不要で立証のハードルが低くなります。
Q3国家賠償の時効はいつまでですか?
損害と加害者を知った時から3年(生命・身体の侵害は5年)、行為の時から20年で消滅します(民法724条等を国賠法4条で準用)。様子見しているうちに期限を越えないよう注意が必要です。
Q4国家賠償の被告は誰になりますか?
加害公務員個人ではなく、国又は該当の都道府県・市町村です。最高裁判例で個人の対外的責任は否定されており、被告を間違えると入口で却下されます。
Q5国家賠償と損失補償の違いは?
国家賠償は違法な公権力行使に対する賠償(17条・国賠法)、損失補償は適法な公権力行使による特別な犠牲に対する補償(憲法29条3項)です。違法か適法かで土俵が分かれます。
Q6公立学校の事故は国家賠償の対象ですか?
対象になり得ます。教師の過失なら国賠法1条、遊具やゴールなど設備の瑕疵なら無過失責任の2条で争えます。設置管理者である自治体が被告になります。
Q7行政指導で損害を受けても国家賠償できますか?
行政指導自体は処分性がなく取消訴訟の対象になりませんが、指導が違法で損害が生じたなら国家賠償の対象になり得ます。問うべきは「取り消せるか」ではなく「賠償させられるか」です。
Q8国家賠償の慰謝料はどのくらいですか?
事案により大きく異なり一律の相場はありません。誤認逮捕の勾留日数、後遺障害の程度、財産的損害などを基礎に算定され、弁護士費用の一部も損害として認められる場合があります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1国を相手に裁判なんて、個人が勝てるわけないですよね?
決して無謀ではありません。国家賠償法1条・2条の要件を満たせば、相手が国でも勝てます。特に2条(公の営造物の瑕疵)は無過失責任で、管理者の落ち度を立証する必要がなく、瑕疵と損害の因果関係だけで足ります。実務のポイント:道路の陥没、ガードレールの不備、公園の遊具事故などは2条で争うのが定石です。1条(公務員の過失)より立証が格段に楽。弁護士はまず「これは1条か2条か」を見極めますが、本人はここを取り違えて、勝てる事件を自分から難しくしがちです
Q2誤認逮捕されたら、必ず国家賠償がもらえるんですか?
必ずではありません。逮捕時点の証拠で合理的な嫌疑があったなら、後に無罪でも逮捕自体は適法とされることが多い(最高裁判例)。違法といえるのは、捜査機関の判断に職務上の注意義務違反があった場合です(国賠法1条)。実務のポイント:無罪判決と国賠の勝訴は別物です。一方で刑事補償法による補償(憲法40条)は、無罪が確定すれば過失の有無を問わず受けられます。この国賠と刑事補償の二つを使い分けるのが、回収を最大化する鍵です
Q3担当した職員個人に、直接弁償させることはできないんですか?
原則できません。最高裁は、公務員個人は被害者に対して直接の賠償責任を負わないと判断しています(国賠法1条)。被害者が訴えられるのは国や自治体だけです。実務のポイント:これは被害者保護の仕組みでもあります。資力のある国や自治体が必ず支払うので、取りはぐれがない。個人を訴えたい感情は分かりますが、法的には国を相手にする方が確実に回収できます。なお故意・重過失があれば国が後で職員に求償する(1条2項)ので、職員が完全に免責されるわけではありません
間違えやすい点 AI による整理
- 「悪いことをした公務員を訴える」と思っている人が多いが、国賠法1条では加害公務員個人を直接訴えることはできない(最高裁判例で確立)。被告は国または公共団体だ。個人を訴えても請求は棄却される。入口で被告を間違えると、中身を争う前に躓く
- 「違法なことをされたから当然に賠償される」は半分しか正しくない。17条は「法律の定めるところにより」と書く。職務行為性、違法性、故意過失、損害、因果関係という国家賠償法の要件を、立証する責任はあなたの側にある。違法だと感じることと、法廷で違法性を立証できることの間には深い溝がある。多くの人はこの溝の深さを知らない
- 「行政指導に従って損をしたから取り消してもらう」という問いの立て方そのものが躓きやすい。行政指導は処分性がなく、それ自体は取消訴訟の対象にならない。だが指導が違法で損害が生じたなら、土俵は国家賠償に移る。問うべきは「取り消せるか」ではなく「賠償させられるか」だ
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 救済の性質 | 違法な公権力行使に対する損害賠償(国家賠償) | 無罪確定者への無過失補償(刑事補償) 適法な公権力行使による特別犠牲への補償(損失補償) |
| 公権力の適法性 | 違法(不法行為)であることが前提 | 抑留・拘禁後の無罪(過失の有無を問わない) 行為は適法であることが前提 |
| 根拠法・条文 | 憲法17条 → 国家賠償法1条・2条 | 憲法40条 → 刑事補償法 憲法29条3項 → 土地収用法等の個別法 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も憲法24条で国家賠償を保障し、1980年制定の国家賠償法が具体化する。日本法の強い影響を受けている。
韓国憲法29条が国家賠償請求権を保障し、日本法を継受した国家賠償法を持つ。軍人等への制限規定の合憲性が論点となってきた。
ドイツは公務員個人の職務責任を国家が引き受けるAmtshaftung構造をとり、日本17条の母法的系譜にあたる。
米国は主権免責を原則としつつ、連邦不法行為請求法(FTCA)により連邦政府の不法行為責任を限定的に認める。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、防犯カメラの解析ミスで別人と取り違えられ、無実なのに3日間勾留されたら? 釈放後に国家賠償を請求できる余地がある。ただし逮捕時点で合理的な嫌疑があれば逮捕自体は適法とされやすく、勝負どころは捜査機関の判断に「職務上の注意義務違反」があったと立証できるかどうか(国賠法1条)。ここを押さえられれば、慰謝料と弁護士費用が国の財布から出る
- 公立中学のサッカーゴールが固定不良で倒れ、子どもが下敷きになった。これは公務員の過失(国賠法1条)ではなく、公の営造物の設置管理の瑕疵(国賠法2条)の問題だ。2条は無過失責任で、管理者の落ち度を立証しなくても、瑕疵と損害の因果関係だけで賠償が認められる。立証のハードルが段違いに低い
- あなたが現場の公務員で、上司の指示どおりに行政処分を出したところ、それが後に違法と認定された。被害者は国を訴えるが、あなた個人が直接賠償を払うわけではない。ただし故意または重過失があれば、国はあなたに求償できる(国賠法1条2項)。「指示に従っただけ」が免罪符にならない場面がある
- 違法な行政処分で損をしたと気づいてから、賠償請求権には時間の壁がある。損害と加害者を知った時から3年、行為の時から20年(民法724条を国賠法4条で準用)。役所相手だからと様子見しているうちに3年を越えれば、請求権は消える。残り時間を数え始めるのは今夜からだ
- ワクチンの集団接種後に重い後遺症が出た。公的接種なら国家賠償や予防接種健康被害救済の射程に入りうる。窓口で「個人の体質」と言われても、諦めるのは早い
取るべき行動
被害を受けた側:1. 被害の瞬間から記録を残す。担当公務員の氏名と部署、日時、対応内容、可能なら録音。役所の違法性立証はこの記録が命綱2. 情報公開法で内部の判断文書や通達を入手し、職務上の注意義務違反を裏づける3. 違法な処分が絡むなら、取消訴訟(行政事件訴訟法)と国家賠償訴訟の併合を検討する4. 被告は加害公務員個人ではなく、国または該当の都道府県・市町村。被告を間違えると入口で却下される
訴えられた側:1. 公務員として職務行為を問われた場合、まず被告はあなた個人ではなく国や自治体であることを確認する。個人が直接賠償責任を負うのは例外2. ただし故意または重過失があれば、国や自治体から求償される(国賠法1条2項)。上司の指示に従ったか、裁量の範囲内だったかが分かれ目3. 職務行為性、違法性、過失の有無を、処分時の法令解釈や通達に照らして整理する4. 組織として決裁文書や判断経緯を保全し、注意義務を尽くした証跡を示す
時効(請求できる期限):損害および加害者を知った時から3年(人の生命または身体を害する場合は5年、民法724条・724条の2を国家賠償法4条で準用)。不法行為の時から20年で消滅。なお国や自治体に対する金銭債権では会計法・地方自治法上の消滅時効が問題となる場合もあるため、最新の改正状況をご確認ください
学説
通説:憲法17条は国家賠償請求権を保障し、その具体化が国家賠償法である。1条は過失責任、2条は無過失責任とされる。明治憲法下の国家無答責の法理は否定されており、立法による賠償責任の過度な制限は17条違反となり得る。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和21年(1946年) 新設:日本国憲法の公布により国家賠償請求権を新設。明治憲法下の国家無答責の法理を否定し、国・公共団体の賠償責任を憲法上の権利とした。
- 2.昭和22年(1947年) 新設:憲法施行と同年に国家賠償法を制定し、17条が委ねた具体的要件(1条の過失責任・2条の無過失責任・4条の民法準用)を定めた。
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