日本国憲法 第40条
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何人も、抑留又は拘禁された後、無罪の裁判を受けたときは、法律の定めるところにより、国にその補償を求めることができる。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 日本国憲法第40条は、日本の日本国憲法に含まれる条文です。
- 日本国憲法第40条の条文原文は「何人も、抑留又は拘禁された後、無罪の裁判を受けたときは、法律の定めるところにより、国にその補償を求めることができる。」で始まります。
- 日本国憲法第40条は第三章 国民の権利及び義務に置かれています。
- 日本国憲法の公布日は昭和21年11月3日です。
- 日本国憲法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 日本国憲法第40条の前の条は日本国憲法第39条です。
- 日本国憲法第40条の次の条は日本国憲法第41条です。
- 日本国憲法第40条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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- 正式書式
日本国憲法(昭和二十一年憲法)第40条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/321CONSTITUTION - 本サイト収録
日本国憲法(昭和二十一年憲法)第40条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/321CONSTITUTION/40
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点日本国憲法40条は、抑留・拘禁の後に無罪の裁判を受けた者が国に刑事補償を請求できると定める。捜査機関の過失を問わない無過失補償で、無罪確定から3年以内の請求が必要である。
Q · 冤罪で勾留されて無罪になったら、国がお金を払ってくれるの?
請求すれば補償される。ただし無罪確定から3年で権利は消える
日本国憲法40条により、抑留又は拘禁された後に無罪の裁判を受けた者は、国に刑事補償を請求できます。捜査機関の故意・過失を問わない無過失補償で、無罪確定と身柄拘束の二つの事実だけで請求できる点が、違法性の立証を要する国家賠償との根本的な違いです。刑事補償法では拘束1日あたり1,000円以上12,500円以下(最新の改正状況をご確認ください)。ただし「求めることができる」という請求主義であり、無罪の裁判をした裁判所に自分で請求しなければ一円も支払われず、無罪確定から3年で権利が消滅します。
解説
痴漢の冤罪で20日間勾留され、公判でようやく無罪を勝ち取った。だが失った20日、その間に失った職、家族にかけた心労、それを国は自動的には一円も補償しない。憲法40条はこう定める。「何人も、抑留又は拘禁された後、無罪の裁判を受けたときは、法律の定めるところにより、国にその補償を求めることができる」。鍵は「求めることができる」という言葉だ。国が気を利かせて払うのではない、あなたが請求して初めて制度が動く。しかも決定的なのは、警察官や検察官に故意・過失があったかを一切問わない点だ。無罪が確定した、その前に身柄拘束があった、この二つの事実だけで国に金銭補償を請求できる。違法性と過失の立証を被害者に負わせる国家賠償とは、ここが根本的に違う。刑事補償法では拘束1日あたり1,000円以上12,500円以下(最新の改正状況をご確認ください)。20日勾留なら最大25万円。そしてこの権利は、無罪確定から3年で静かに消える。
法的な位置づけ
日本国憲法40条は刑事補償請求権を定める規定であり、抑留又は拘禁された者が後に無罪の裁判を受けた場合に、法律の定めるところにより国へ金銭補償を請求できる旨を保障する。捜査機関の故意・過失を要件としない無過失補償であり、違法性を要件とする国家賠償(憲法17条)とは法的性質を異にする。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.無罪確定日を正確に記録する 無罪判決が確定したら、まず確定日を正確に記録する。判決言渡日ではなく確定日が刑事補償法7条の3年の起算点になるため、ここを取り違えないことが最重要
- 2.身柄拘束の全日数を確定する 逮捕日から釈放日まで、留置・勾留・拘置の日数をもらさず積算する。拘束の種類ごとに期間を整理し、その間に生じた収入減や精神的損害の資料も併せて準備する
- 3.無罪の裁判をした裁判所へ刑事補償を請求する 無罪の裁判をした裁判所に対し刑事補償請求書を提出する(刑事補償法6条)。弁護人がいるなら同じ流れで依頼し、事件記録がその裁判所にあるうちに動くと認定がスムーズに進む
- 4.違法捜査があれば国家賠償も並行準備する 自白の強要・別件逮捕・見込み捜査など捜査に違法があったかを検証し、あれば刑事補償(無過失・確実な下限)とは別に国家賠償(民法709条、国家賠償法1条)を二段構えで準備する
よくある質問 AI による整理
Q1刑事補償とは何ですか?
無罪が確定した人が、身柄拘束を受けた日数に応じて国に金銭補償を求める制度です。憲法40条が根拠で、刑事補償法が具体的な金額や手続を定めています。
Q2刑事補償はいつまでに請求できますか?
無罪の裁判が確定した日から3年以内です(刑事補償法7条)。起算点は判決言渡日ではなく確定日。期間を過ぎると補償を受ける権利自体が消滅します。
Q3刑事補償と国家賠償の違いは何ですか?
刑事補償は捜査機関の過失を問わない無過失・定額の補償、国家賠償は違法な捜査の立証を要する制度です。違法捜査があれば両方を併用して請求できます。
Q4不起訴になった場合でも補償は受けられますか?
憲法40条の「無罪の裁判」には当たりませんが、嫌疑なし・嫌疑不十分での不起訴なら被疑者補償規程に基づき検察庁へ補償を求める道があります。
Q5刑事補償はどこに請求すればいいですか?
無罪の裁判をした裁判所に対して請求します(刑事補償法6条)。判決直後、事件記録がその裁判所にあるうちに動くと拘束日数の認定がスムーズです。
Q6再審で無罪になった場合も刑事補償の対象ですか?
対象です。長年の拘束に対し、刑事補償法の1日上限額に拘束日数を掛けて算定されます。冤罪事件で報じられる国家補償は、この制度が根拠です。
Q7死刑執行後に再審で無罪になったらどうなりますか?
刑事補償法は、死刑が執行されていた場合に3,000万円以内の加算を認めています。拘束日数に応じた補償に加えて、執行に対する加算が行われます。
Q8補償の対象になる拘束日数はどう数えますか?
逮捕日から釈放日まで、留置・勾留・拘置の日数をもらさず積算します。日数 × 1日あたりの単価(1,000〜12,500円)で概算できます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1無罪になったら、こっちから言わなくても国がお金を払ってくれるんですよね?
いいえ、自動では一円も払われません。憲法40条は「求めることができる」と定めており、あなたが無罪の裁判をした裁判所に刑事補償を請求して初めて手続が動きます(刑事補償法第6条)。請求しないまま無罪確定から3年が過ぎると、権利ごと消えます。実務のポイント:無罪判決の場で裁判官が「補償請求できますよ」と親切に教えてくれることは、ほとんどありません。弁護人にも刑事補償まで視野に入れている人とそうでない人がいる。判決が出た瞬間に自分から請求の意思を口にするかどうかで、数十万円が手元に残るか消えるかが分かれます
Q2警察が違法なことをしたわけじゃないと、補償はもらえないんですか?
もらえます。刑事補償は捜査機関の故意・過失を問わない無過失補償です。捜査が完全に適法でも、無罪が確定し身柄拘束があったなら、拘束日数に応じて補償を請求できます(刑事補償法第1条、第4条)。違法性を立証する必要があるのは別制度の国家賠償です。実務のポイント:違法な捜査があった場合は、刑事補償(無過失・定額・確実)と国家賠償(要立証・上振れ可能)の両方を組み合わせられます。刑事補償だけで満足して帰る人が多いですが、自白を強要された、別件逮捕だったといった事情があるなら、国賠を重ねないと実損が埋まらないケースは少なくありません
Q3勾留が1か月でした。だいたいいくらもらえる計算ですか?
刑事補償法第4条は、拘束1日あたり1,000円以上12,500円以下と定めています(最新の改正状況をご確認ください)。30日なら上限額で計算して最大37万5千円ほど。金額は裁判所が拘束の種類・期間・被った財産上の損失や精神的苦痛などを考慮して決めます。実務のポイント:上限額が自動的に適用されるわけではなく、裁判所が事情に応じて1日あたりの単価を判断します。拘束によって失った収入や精神的損害を具体的な資料で示せるかどうかで、認定される単価が上限寄りになるか下限寄りになるかが変わってきます
間違えやすい点 AI による整理
- 「無罪になれば国が自動的に補償してくれる」と思われているが、40条は「求めることができる」と書く。これは請求主義であって、あなたが裁判所へ請求書を出さなければ一円も動かない。何もしなければ3年で権利ごと消える
- 「警察や検察に違法があったから補償される」という考え方は、問いの立て方そのものが間違っている。刑事補償は捜査機関の故意・過失を一切問わない無過失補償だ。捜査が完全に適法でも、無罪が確定し身柄拘束があったなら補償の対象になる。だから「違法性を立証できないと無理だろう」という心配は、そもそも的外れである
- 刑事補償で全部取り戻せると考えている人は多いが、補償は1日あたり上限12,500円の定額制。失職・信用毀損・弁護士費用といった実損がこれを大きく超えるケースでは、刑事補償(確実な下限)と国家賠償(違法捜査があった場合の上振れ)を二段構えで請求しないと、損失の大半が手元に残らない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 請求の根拠 | 憲法40条・刑事補償法(無過失補償) | 憲法17条・国家賠償法(違法・過失責任) 被疑者補償規程(法務大臣訓令) |
| 故意・過失の要件 | 不要(無過失でも補償) | 必要(違法・過失の立証が前提) 不要(嫌疑なし等の不起訴が前提) |
| 対象 | 無罪の裁判を受けた者の身柄拘束 | 公務員の不法行為による損害一般 嫌疑なし・嫌疑不十分で不起訴の被疑者 |
| 算定 | 1日1,000〜12,500円の定額(死刑執行は3,000万円以内加算) | 実損に応じた賠償(上振れ可能) 拘束日数に応じた定額補償 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も無罪確定者等への国家補償を法定し、拘束日数に応じた算定を採る点で日本と類似。憲法第24条の国家責任規定が背景にある
韓国は憲法28条で刑事補償請求権を明文化し、刑事補償法で具体化。無罪・不起訴に対する補償を定める構造が日本に近い
ドイツは勾留など刑事訴追措置による不利益を一定範囲で無過失補償する。無罪・手続打切り等を要件とする点で機能が共通
米国は連邦レベルで不当な有罪・拘禁への補償制度を持つが、無実の証明など要件が厳格。州ごとに別個の補償法があり扱いが分かれる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 満員電車での痴漢冤罪。否認を貫いて勾留が長引き、起訴された末に第一審で無罪。釈放されて安堵した夜、失った3週間と職場での立場をどう取り戻すか途方に暮れる。だが拘束日数 × 1日最大12,500円の刑事補償を、無罪確定後に裁判所へ請求できる。安堵で終わらせた人と、すぐ動いた人で、手にする金額が変わる
- もし、あなたの家族が誤認逮捕で60日間勾留され、無罪判決を勝ち取ったとしたら? 補償の上限は60日 × 12,500円で最大75万円。だが請求しなければゼロ。判決が確定したその日から、時計は3年でカウントダウンを始める
- 再審で何十年も前の有罪判決が覆り、無罪となった元死刑囚。長年の拘束に対し、刑事補償法は1日上限額 × 拘束日数を補償し、もし死刑が執行されていれば3,000万円以内の加算がある。冤罪事件の報道で出てくる「国家からの補償」は、この40条が根拠だ
- あなたが詐欺の容疑で10日間勾留されたが、検察が「嫌疑なし」で不起訴にした。裁判まで行っていないから40条の「無罪の裁判」には当たらない。しかし被疑者補償規程(法務大臣訓令)による別ルートの補償が用意されている。裁判前に終わった人が最も見落としやすい入口
- 起訴後、保釈もされず半年勾留され、結局無罪。勾留中に支払った弁護士費用や、休業で消えた収入は刑事補償の定額では到底埋まらない。捜査に違法(自白の強要、見込み捜査)があったなら、刑事補償とは別に国家賠償も走らせないと損失は回収しきれない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 無罪判決が確定したら、まず確定日を正確に記録する。ここが3年の起算点だ2. 身柄拘束の全日数を確定させる。逮捕日から釈放日まで、留置・勾留・拘置の日数をもらさず積算する3. 無罪の裁判をした裁判所に対し刑事補償請求書を提出(刑事補償法第6条)。弁護人がいるなら同じ流れで依頼する4. 捜査に違法(自白強要、別件逮捕、見込み捜査)があったかを並行して検証し、あれば国家賠償(民法709条、国家賠償法第1条)を二段構えで準備する
訴えられた側:1. もし「無罪の裁判」ではなく不起訴で終わった場合でも諦めない。嫌疑なし・嫌疑不十分での不起訴なら、被疑者補償規程に基づき検察庁へ補償を求める道がある2. 不起訴の理由(起訴猶予か嫌疑なしか)を検察庁に確認する。理由によって補償の可否が分かれる3. 拘束日数と、その間に生じた具体的損失を整理しておく4. 判断に迷えば、刑事事件に強い弁護士に補償請求の見込みと手続を相談する
時効(請求できる期限):無罪の裁判が確定した日から3年以内に請求しなければならない(刑事補償法第7条)。起算点は無罪判決の確定日であり、判決言渡日ではない点に注意。この期間を過ぎると、補償を受ける権利自体が消滅する
学説
通説:憲法40条・刑事補償法に基づく刑事補償は、国家の無過失補償責任であり、捜査機関の違法・過失を要件とする国家賠償(憲法17条・国家賠償法1条)とは法的性質を異にする。両者は被害者救済の網を二重に張る関係にあり、要件を満たせば併用できる。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和21年(1946年) 新設:日本国憲法の公布(1946-11-03)により刑事補償請求権を憲法上の権利として新設。翌1947年施行
- 2.昭和25年(1950年) 新設:憲法40条を具体化する刑事補償法(昭和25年法律第1号)を制定。補償の要件・金額算定・請求手続・消滅時効を法定
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