日本国憲法 第39条
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何人も、実行の時に適法であつた行為又は既に無罪とされた行為については、刑事上の責任を問はれない。又、同一の犯罪について、重ねて刑事上の責任を問はれない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 日本国憲法第39条は、日本の日本国憲法に含まれる条文です。
- 日本国憲法第39条の条文原文は「何人も、実行の時に適法であつた行為又は既に無罪とされた行為については、刑事上の責任を問はれない。」で始まります。
- 日本国憲法第39条は第三章 国民の権利及び義務に置かれています。
- 日本国憲法の公布日は昭和21年11月3日です。
- 日本国憲法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 日本国憲法第39条の前の条は日本国憲法第38条です。
- 日本国憲法第39条の次の条は日本国憲法第40条です。
- 日本国憲法第39条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
日本国憲法(昭和二十一年憲法)第39条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/321CONSTITUTION - 本サイト収録
日本国憲法(昭和二十一年憲法)第39条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/321CONSTITUTION/39
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点日本国憲法39条は、事後法による処罰の禁止と一事不再理を定める。保護が及ぶのは判決確定後であり、確定前の検察官上訴は二重の危険にあたらない。
Q · 無罪判決が出たら、もう二度と同じ罪で裁かれないの?
確定後はそう。ただし確定前は検察が控訴できる
日本国憲法39条は一事不再理を定め、確定した事件について重ねて刑事責任を問うことを禁じます。ただし保護が及ぶのは判決が「確定」した後です。確定前であれば検察官は控訴・上告でき(刑訴373条、宣告の翌日から14日)、最高裁はこの一連の手続を「一つの危険」と捉えるため二重処罰にあたりません。さらに39条は刑事責任にのみ及び、民事賠償や行政処分という別の土俵には届きません。
解説
無罪判決を勝ち取った。法廷を出て、これでようやく終わったと息をつく。だが本当に終わったのか。実は検察官は、その無罪判決に不服があれば判決の翌日から14日以内に控訴できる。日本の最高裁は、起訴から判決確定までの一連の手続全体を「一つの危険」と捉え、検察官の上訴は二重処罰にあたらないと解釈している。憲法39条があなたを本当に守り始めるのは、判決が「確定」した瞬間からだ。この条文には二つの盾が仕込まれている。一つは事後法の禁止、行為の時に適法だった行為を、後から作った法律で罰せられない。もう一つは一事不再理、確定した事件について重ねて刑事責任を問われない。どちらも「刑事責任」に限った盾であり、民事賠償や行政処分という別の土俵には届かない。盾の輪郭を正確に知る者だけが、いつ安心し、いつまだ警戒すべきかを見極められる。
法的な位置づけ
日本国憲法39条は刑事手続における二つの保障を定める規定である。前段は遡及処罰の禁止(実行時に適法であった行為を後の法律で処罰できない)と無罪確定行為の不再訴を、後段は一事不再理(同一の犯罪について重ねて刑事責任を問えないこと)を規定する。いずれも刑事責任に限った保障であり、民事・行政上の責任には及ばない。
手順
- 1.無罪判決直後、確定までの14日を弁護人と備える 無罪判決が出ても安心せず、検察官の控訴期間(宣告の翌日から14日)が走っていることを確認する。控訴理由になりうる点を先回りで潰す弁護方針を担当弁護人とすぐ詰める
- 2.同一事件に確定判決があるなら免訴を早期に主張 過去に同一事件の確定判決があるなら、起訴後すぐに刑事訴訟法337条の免訴を主張し、本案審理に入る前の打ち切りを狙う。後出しは時間と負担が膨らむ
- 3.新法での遡及処罰には39条前段を正面から主張 行為の時点で適法だった行為を後の新法で問われている場合、39条前段(遡及処罰の禁止)を主張する。犯罪後に刑が軽く改正された場合は刑法6条で軽い刑の適用を求める
- 4.刑事と並行して民事・行政の防御を組む 刑事で無罪でも39条は民事賠償・懲戒処分には及ばない。刑事無罪に安心せず、民事(民法709条)と社内・行政手続の防御を同時に準備する
よくある質問 AI による整理
Q1一事不再理とは何ですか?
確定した刑事事件について、同一の犯罪で重ねて刑事責任を問われない原則です。憲法39条後段が根拠で、確定判決があれば免訴判決(刑訴337条)となります。
Q2遡及処罰の禁止とは何ですか?
実行の時に適法だった行為を、後から作った法律で処罰できないという原則です。憲法39条前段が定め、罪刑法定主義の核心の一つです。
Q3無罪はいつ確定しますか?
検察官の控訴・上告期間(宣告翌日から14日)が満了するか、上訴が棄却された時に確定します。確定までは「一つの危険」が続きます。
Q4確定した無罪は新証拠で覆りますか?
覆りません。日本の再審は無罪・減刑方向(利益再審)にしか開かれず、確定無罪者を有罪にする不利益再審は禁止されています。
Q5加算税は二重処罰になりませんか?
なりません。最高裁は脱税の罰金と加算税の併科を行政上の制裁として、39条の二重処罰禁止に反しないとしています。
Q6刑事で無罪なら行政処分も受けませんか?
受ける場合があります。39条は刑事責任にのみ及び、懲戒解雇や免許取消などの行政・社内処分は別の土俵で判断されます。
Q7判例変更による処罰は遡及処罰ですか?
原則あたりません。最高裁は判例の変更で従来合法だった行為が違法とされても、判例は「法律」でないため遡及処罰の禁止は及ばないとします。
Q8免訴判決とは何ですか?
確定判決を経た事件などで、本案審理に入らず手続を打ち切る判決です(刑訴337条)。一事不再理を手続上で実装するものです。
この条文についての質問 AI による整理
Q1無罪になったのに、検察がまた控訴するって本当ですか?
本当である。日本では検察官も無罪判決に控訴・上告できる(刑事訴訟法373条、控訴は判決宣告の翌日から14日)。最高裁は起訴から確定までを「一つの危険」と捉え、上訴は二重処罰にあたらないとする。実務のポイント:だから無罪判決の日は終点ではない。弁護人が確定まで気を抜かず、検察の控訴理由を先回りで潰せるかが、その後の数か月の運命を分ける
Q2昔は合法だったことを、後からできた法律で罰せられることはありますか?
原則として罰せられない。これが39条前段の事後法の禁止だ。逆に犯罪後に刑が軽く改正されたときは、軽い方が適用される(刑法6条)。実務のポイント:盲点は判例変更である。最高裁が解釈を変えて従来合法だった行為を違法としても、判例は「法律」ではないため遡及処罰の禁止は及ばないとされる。法改正には強い盾が、解釈変更には効きにくい
Q3刑事で無罪になれば、会社のクビや損害賠償も無効になりますか?
無効にはならない。刑事の無罪と、民事賠償・懲戒処分はそれぞれ別の土俵で判断される。刑事は「合理的な疑いを超える」立証を要するが、民事は「証拠の優越」で足り、基準が低い(民法709条の不法行為など)。実務のポイント:だから刑事無罪でも民事で賠償を命じられる例は珍しくない。刑事の勝訴に安心して民事の準備を怠ると、別の土俵で足をすくわれる
間違えやすい点 AI による整理
- 「無罪判決が出たら検察はもう手出しできない」と思っている人が多いが、実は確定するまでは検察官が控訴・上告でき、上級審で逆転有罪もありうる。本当に39条が守るのは判決が確定した後の話だ
- 「新しい証拠が出れば、無罪が確定した人をもう一度有罪にできる」と考える人がいるが、問いの前提が逆である。日本の再審は無罪・減刑方向(利益再審)にしか開かれず、確定無罪者を有罪に覆す不利益再審は禁止されている。これは一事不再理の裏面だ
- あなたから見れば「無罪になったのだから潔白だ」だが、法律から見れば刑事責任を免れただけ。同じ行為で民事賠償も命じられ、懲戒解雇も有効とされうる。この落差が、無罪なのに職も財産も失う事態を生む
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 保護の内容 | 39条:遡及処罰の禁止+一事不再理(確定後の蒸し返し防止) | 31条:法定手続の保障(適正手続) 38条:自己負罪拒否・自白法則 |
| 働く局面 | 判決の「確定」前後という時間軸の境界線 | 刑事手続全般の適正さ 取調べ・公判での供述・自白 |
| 違反の効果・手続 | 免訴判決(刑訴337条)で手続打ち切り | 手続の違法・証拠の排除 自白の証拠能力否定 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も罪刑法定(不遡及)と一事不再理(確定判決を経た者の免訴)を採る。一事不再理は手続法に明文化されている点で日本と構造が近い。
韓国は憲法13条で二重処罰禁止と形罰不遡及を一体的に規定する。日本が刑事訴訟法に委ねる部分を憲法本文に取り込んでいる。
ドイツは基本法103条2項で罪刑法定(事後法禁止)、3項で ne bis in idem を定める。確定判決の効力を強く保護する点は日本と共通。
米国は修正5条の二重の危険条項と本文の事後法禁止条項に淵源を持つ。39条後段の発想は米国法から取り込まれたとされる。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- あなたの無罪判決が言い渡されて三日。喜びもつかの間、検察官には控訴期間14日が残っている。この期間、あなたはまだ「危険」の中にいる。担当弁護人と、検察の控訴可能性とその備えを今すぐ詰めるべき時だ
- もし、ある日突然「あなたが三年前にした行為は、先月成立した新法で犯罪になった」と告げられたら? 39条前段がその瞬間あなたの盾になる。実行の時に適法だった行為は、後からできた法律で処罰されない
- 痴漢で起訴され、一審無罪。検察が控訴し、二審で逆転有罪。これは二重処罰ではない。確定前は「一つの危険」がまだ続いているだけだ
- 業務上のミスで刑事は不起訴・無罪になった。安心した矢先、会社からは懲戒解雇、被害者からは民事で損害賠償請求。刑事の盾は、この二つの土俵には届かない
- 長年合法とされてきた取引が、最高裁の判例変更で違法と判断された。あなたは「遡及処罰では?」と思うが、判例の変更は事後法の禁止にあたらないとするのが最高裁の立場。盾が効かない隙間がここにある
取るべき行動
被害を受けた側:1. 加害者が刑事で無罪・不起訴になっても、それは刑事の土俵の結論にすぎない。民事の損害賠償(民法709条)は別軌道で請求できる、刑事の判決を待たずに証拠を確保する2. 検察が不起訴とした場合、検察審査会への審査申立てで再考を促せる3. 一審無罪なら、確定前に検察官が控訴できる、被害者参加制度を使い検察と連携して控訴の必要性を訴える4. 民事は「証拠の優越」で足り刑事より立証のハードルが低い、刑事で崩れても民事で勝てる事案は多い
訴えられた側:1. 同一事件で過去に確定判決を受けているなら、起訴後すぐに刑訴法337条の免訴を主張、本案審理前の打ち切りを狙う2. 行為の時点で適法だった行為を新法で問われているなら、39条前段(遡及処罰の禁止)を正面から主張3. 一審無罪を得ても気を抜かない、確定まで検察控訴の可能性が残る、控訴理由を潰す主張を弁護人と準備4. 刑事で無罪でも民事賠償・懲戒は別物、刑事と並行して民事・社内手続の防御も組む
時効(請求できる期限):一事不再理の効力は判決が「確定」した時に発生する。検察官の控訴提起期間は判決宣告の翌日から14日(刑事訴訟法373条)、上告も14日(同414条による準用)。この上訴期間が満了し、または上訴が棄却されて確定するまでは「一つの危険」が継続している
学説
通説(二重の危険説):39条後段の一事不再理は、英米法の二重の危険の禁止と同趣旨と理解する。起訴から確定までを一個の危険と捉えるため、確定前の検察官上訴は許容されるが、確定後の蒸し返しは絶対的に禁じられる。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和21年(1946年) 新設:日本国憲法制定。GHQ 草案を基に帝国議会で審議・修正のうえ可決され、11月3日公布、翌昭和22年5月3日施行。39条は英米法の二重の危険・事後法禁止と大陸法の罪刑法定主義を融合した。以後改正なし。
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