日本国憲法 第36条
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公務員による拷問及び残虐な刑罰は、絶対にこれを禁ずる。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 日本国憲法第36条は、日本の日本国憲法に含まれる条文です。
- 日本国憲法第36条の条文原文は「公務員による拷問及び残虐な刑罰は、絶対にこれを禁ずる。」で始まります。
- 日本国憲法第36条は第三章 国民の権利及び義務に置かれています。
- 日本国憲法の公布日は昭和21年11月3日です。
- 日本国憲法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 日本国憲法第36条の前の条は日本国憲法第35条です。
- 日本国憲法第36条の次の条は日本国憲法第37条です。
- 日本国憲法第36条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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- 正式書式
日本国憲法(昭和二十一年憲法)第36条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/321CONSTITUTION - 本サイト収録
日本国憲法(昭和二十一年憲法)第36条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/321CONSTITUTION/36
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点憲法36条は、公務員による拷問及び残虐な刑罰を絶対に禁じる規定である。例外を一切認めない絶対的禁止であり、暴行や脅迫で得られた自白は刑事訴訟法319条で証拠能力を否定される。
Q · 取調べで殴られて『やった』と言わされた自白は、裁判で証拠になるの?
なりません。憲法36条と刑訴法319条が排除します
憲法36条は公務員による拷問及び残虐な刑罰を絶対に禁じます。暴行・脅迫・不当に長い身柄拘束のもとで得られた自白は、たとえ内容が真実でも、刑事訴訟法319条1項により任意性を欠くものとして証拠能力が否定されます。さらに拷問を行った公務員自身が、刑法195条の特別公務員暴行陵虐罪に問われる可能性があります。重要なのは、自白の真偽ではなく『どのように得られたか』が問われる点です。
解説
取調べ室の中で、警察官に机を叩かれ、深夜まで帰してもらえず、「やったと言えば楽になる」と迫られる。やってもいないのに、心が折れて「はい」と言ってしまう。この瞬間、憲法36条があなたの盾になる。「公務員による拷問及び残虐な刑罰は、絶対にこれを禁ずる」。注目すべきは「絶対に」という言葉だ。憲法の中で「絶対」が使われているのは、ここだけに近い。公共の福祉による制限すら受け付けない、例外のない禁止である。暴行や脅迫で引き出された自白は、刑事訴訟法319条で証拠能力を否定され、拷問をした公務員自身が刑法195条の特別公務員暴行陵虐罪に問われる。一行の条文が、あなたの背後に三段構えの防御線を張っている。多くの人は、この盾が自分の手の中にあることを知らないまま取調べ室に座っている。
法的な位置づけ
日本国憲法36条は、公務員による拷問及び残虐な刑罰を絶対的に禁止する人権保障規定である。条文中の「絶対に」という文言は、公共の福祉を理由とする制限すら受け付けない例外なき禁止を意味し、刑事手続の入口(取調べ)から出口(刑罰の執行)までを一本の線で貫く憲法的歯止めとして機能する。
手順
- 1.当番弁護士を呼んで弁護人を確保する 取調べで暴行・脅迫・不当な長時間拘束を受けたら、まず当番弁護士制度を使って弁護人を呼ぶ。初回接見は無料。早く弁護士が入るほど、その後の取調べが慎重になる
- 2.身体の傷を証拠として保全する 顔や身体に傷・痣があれば、面会時に弁護士・家族が写真を撮り、可能なら医師の診断書を取る。証拠保全が遅れるほど後で「転んだ」と片付けられるため、時間との勝負
- 3.取調べ状況を時系列でメモする 取調べの日時・内容・言われた言葉・室温・休憩の有無・深夜に及んだかまで、記憶が新しいうちに具体的に記録する。この一枚のメモが半年後の任意性争いの最大の武器になる
- 4.公判で自白の任意性を争点化する 起訴後の公判で、刑事訴訟法319条に基づき自白の任意性を争点化する。証拠調べ前に主張を準備し、違法な取調べをした公務員には刑法195条での告訴も検討する
よくある質問 AI による整理
Q1憲法36条とは何ですか?
公務員による拷問及び残虐な刑罰を絶対に禁じる人権保障規定です。「絶対に」という文言により、公共の福祉を理由とした制限すら認めない例外なき禁止とされています。
Q2拷問の禁止は憲法のどこに書いてある?
日本国憲法第36条に「公務員による拷問及び残虐な刑罰は、絶対にこれを禁ずる」と明記されています。自白強要の禁止は38条が補完します。
Q3残虐な刑罰の基準は何ですか?
最高裁は、刑罰の執行方法が著しく非人道的であれば残虐に当たるとします。火あぶりや磔のような方法が例で、死刑制度そのものは残虐に当たらないとされています。
Q4取調べの録音録画は義務ですか?
裁判員裁判対象事件と検察独自捜査事件では取調べの録音録画(可視化)が一部義務化されています。それ以外の事件では必須ではありませんが、要求すること自体に意味があります。
Q5違法な取調べを受けたらどうすればいい?
まず当番弁護士制度で弁護人を呼び、身体に傷があれば写真と診断書で保全します。取調べの日時・言われた言葉を記憶が新しいうちに時系列で記録することが重要です。
Q6自白を後から撤回することはできますか?
撤回は可能で、公判で自白の任意性を争点化できます。暴行・脅迫・不当に長い拘束の後の自白は、刑訴法319条1項で証拠能力が否定される余地があります。
Q7取調べで弁護士を呼べますか?
呼べます。逮捕・勾留された人は当番弁護士制度を使え、初回接見は無料です。被疑者国選弁護制度の対象になる場合もあります。
Q8特別公務員暴行陵虐罪の公訴時効は何年ですか?
刑法195条の法定刑(7年以下の拘禁刑)に応じ、刑訴法250条で原則7年です。致死の結果が生じた場合(196条)はさらに長くなります。最新の改正状況をご確認ください。
この条文についての質問 AI による整理
Q1ずっと帰してもらえなくて、根負けして認めた自白も無効にできますか?
争えます。暴行や脅迫だけでなく、不当に長い身柄拘束の後の自白も、任意になされたものでない疑いがあるとして刑事訴訟法319条1項で証拠能力が否定されえます。憲法36条と38条がその憲法的根拠です。実務のポイント: 任意性は「あったか・なかったか」の白黒ではなく、取調べの総合的状況で判断されます。だからこそ、取調べ時間・休憩の有無・深夜に及んだか、といった一見ささいな事実の積み重ねが勝負を決める。記憶が新しいうちの具体的メモが、後で効く
Q2死刑って、これこそ残虐な刑罰じゃないんですか?
最高裁は昭和23年の判決で、死刑制度そのものは憲法36条の禁ずる残虐な刑罰には当たらないと判断しました。一方で、火あぶりや磔(はりつけ)のように執行方法が著しく非人道的であれば残虐になりうる、とも述べています。実務のポイント: 「死刑は合憲」と「執行方法によっては残虐」は別の話で、この区別を押さえている人は少ない。死刑存廃の議論をするとき、制度の合憲性と執行方法の人道性を分けて語れるかどうかで、議論の精度がまるで変わる
Q3拷問で得た自白でも、結局その人が犯人だったなら証拠になりますよね?
なりません。刑事訴訟法319条は自白の真偽を問わず、任意性を欠く自白を証拠から排除します。内容が事実かどうかではなく、どのように得られたかが基準です。実務のポイント: これは「真実発見」より「適正手続」を優先する設計です。違法な手段を許せば、警察が拷問で自白を取るインセンティブを持ってしまう。だから真犯人の自白でも、違法に取ったなら捨てる。この一見不合理な仕組みこそが、無実の人を守る防波堤になっている
Q4取調べで怒鳴られたくらいで、拷問だと言えるんですか?
一回声を荒げた程度で直ちに36条違反とは言えませんが、継続的な威圧・長時間の追及・休憩を与えない取調べなどが重なれば、自白の任意性を疑わせる事情になります。憲法38条と合わせて評価されます。実務のポイント: 弁護士は「拷問」という強い言葉を法廷で振りかざすより、取調べ状況の不当性を一つずつ積み上げて任意性を崩す戦略を取ることが多い。劇的な一撃ではなく、地味な事実の集積が現実の法廷を動かす
間違えやすい点 AI による整理
- 「拷問なんて昔の話で、今の日本では起きない」と思われがちだが、問題は肉体的な拷問だけではない。長時間の取調べ、睡眠を奪う深夜の追及、自白するまで帰さない圧迫、これらも36条が射程に入れる「自白の強要」につながる。あなたが想像する拷問より、その範囲はずっと広い
- 36条は被告人や容疑者だけを守る条文だと誤解されている。実は「残虐な刑罰の禁止」は、有罪が確定した受刑者の処遇にも及ぶ。刑罰の内容そのものへの憲法的な歯止めであり、刑事手続の入口から出口まで一本の線で貫いている
- 「拷問で得た自白でも、内容が真実なら証拠になる」と考える人がいるが、これは前提から誤っている。刑訴法319条は自白の真偽を問わない。任意性を欠く自白は、たとえ内容が事実でも証拠から排除される。真実かどうかではなく、どう得たかが問われる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 守る対象・場面 | 36条:拷問及び残虐な刑罰の禁止(取調べから刑の執行まで) | 38条:自白強要の禁止・任意性なき自白の証拠排除 18条:奴隷的拘束・苦役からの自由 |
| 禁止の強さ | 「絶対に」禁ずる=例外・制限なしの絶対的禁止 | 自己負罪拒否権の保障(黙秘権の憲法的根拠) 犯罪による処罰を除き身体的拘束を禁止 |
| 実務上の主戦場 | 拷問・残虐刑そのものの違憲性、取調べの違法性 | 公判での自白の任意性・証拠能力(刑訴法319条) 強制労働・徴用の合憲性 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は憲法8条で人身の自由を厚く保障し、刑訴法98条が強暴・脅迫による訊問を明文で禁止する。日本のような単独の『拷問・残虐刑絶対禁止』条項ではなく、人身の自由保障と手続規定で分担する構造
韓国憲法12条は拷問の禁止と不利益供述の強要禁止を同一条で規定し、違法に取得した自白の証拠能力を否定する。日本が36条と38条に分けるのに対し、一体的に規定する点が異なる
ドイツは人間の尊厳(基本法1条)を最上位価値とし、104条で拘束者への身体的・精神的虐待を禁じる。拷問の絶対的禁止は人間の尊厳の核心として一切の衡量を許さないとされる
米国は修正第8条で『残虐で異常な刑罰』を禁止。何が残虐かは『進化する品位の基準(evolving standards of decency)』で判断され、死刑の合憲性も時代と州により扱いが分かれる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 深夜の取調べで「認めれば帰してやる」と言われ続け、限界が来て署名してしまった。後日その自白を撤回したい。暴行や脅迫、不当に長い身柄拘束のもとで得られた自白は、憲法36条と刑訴法319条で証拠から排除される。録音録画の有無、取調べ時間の記録、これが分水嶺になる
- もし、家族が逮捕されて連絡が取れず、面会に行ったら顔に痣があったとしたら? 取調べでの暴行が疑われる。当番弁護士を即座に呼び、医師の診断と痣の写真を残す。証拠保全が遅れるほど、後で「転んだ」と片付けられる
- あなたが死刑制度に反対していて「死刑こそ残虐な刑罰では」と考えている。だが最高裁は昭和23年に、死刑そのものは36条の残虐な刑罰には当たらないと判断している。一方で、執行方法が著しく非人道的なら残虐になりうる余地は残されている。議論の土台はこの判例にある
- 取調官として、つい机を叩き声を荒げてしまった。相手が萎縮して自白した。その自白は公判で吹き飛ぶだけでなく、あなた自身が特別公務員暴行陵虐罪(刑法195条)で被告人になりうる。あと一歩で、捜査する側からされる側に立場が反転する
- あなたに残された時間は限られている。違法な取調べを争うなら、起訴後の公判で自白の任意性を争点化する前に、取調べ状況の証拠を集めきる必要がある。記憶が新しいうちのメモ、面会時の観察記録が、半年後の法廷で効いてくる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 取調べで暴行・脅迫・不当な長時間拘束を受けたら、まず当番弁護士制度を使い弁護人を呼ぶ。初回は無料2. 身体に傷があれば、面会時に弁護士・家族が写真を撮り、可能なら医師の診断書を取る。証拠は時間との勝負3. 取調べの日時・内容・言われた言葉を、記憶が新しいうちに時系列で記録する4. 公判では自白の任意性(刑訴法319条)を争点化し、違法な取調べをした公務員には特別公務員暴行陵虐罪(刑法195条)での告訴も検討する
訴えられた側:1. 取調官の立場で過度な追及をした疑いをかけられたら、取調べの録音録画・取調べメモなど客観記録を確認2. 自分の行為が「社会通念上許される範囲の追及」だったか「暴行・陵虐」に至ったかを冷静に切り分ける3. 弁護士を通じ、取調べ時間・休憩の付与・体調配慮の記録を整える4. 組織内処分と刑事責任は別軌道で進むため、両方への対応を並行して準備する
時効(請求できる期限):特別公務員暴行陵虐罪(刑法195条)の公訴時効は、法定刑(7年以下の拘禁刑)に応じ刑事訴訟法250条で原則7年。致死の結果が生じた場合(196条)はさらに長くなる。自白の任意性を争うこと自体には期限はないが、公判の証拠調べ前に主張を準備する必要がある(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:「残虐な刑罰」とは、不必要な精神的・肉体的苦痛を内容とする人道上残酷な刑罰をいう。死刑制度自体は合憲だが執行方法によっては残虐となりうるとし、刑罰の内容・程度・執行方法を総合して判断する。
自白法則をめぐる理解:拷問・脅迫等で得た自白を排除する根拠について、虚偽排除説・人権擁護説・違法排除説が対立する。いずれの立場でも、36条・38条と刑訴法319条が連動して任意性なき自白を排除する点では一致する。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和21年(1946年) 新設:日本国憲法の制定により新設。明治憲法下で温存された拷問への反省を踏まえ、公務員による拷問及び残虐な刑罰を「絶対に」禁ずる例外なき条項として規定された。以後、改正なし。
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