日本国憲法 第96条
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- この憲法の改正は、各議院の総議員の三分の二以上の賛成で、国会が、これを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない。この承認には、特別の国民投票又は国会の定める選挙の際行はれる投票において、その過半数の賛成を必要とする。
- 2.憲法改正について前項の承認を経たときは、天皇は、国民の名で、この憲法と一体を成すものとして、直ちにこれを公布する。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 日本国憲法第96条は、日本の日本国憲法に含まれる条文です。
- 日本国憲法第96条の条文原文は「この憲法の改正は、各議院の総議員の三分の二以上の賛成で、国会が、これを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない。」で始まります。
- 日本国憲法第96条は第九章 改正に置かれています。
- 日本国憲法の公布日は昭和21年11月3日です。
- 日本国憲法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 日本国憲法第96条の前の条は日本国憲法第95条です。
- 日本国憲法第96条の次の条は日本国憲法第97条です。
- 日本国憲法第96条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
日本国憲法(昭和二十一年憲法)第96条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/321CONSTITUTION - 本サイト収録
日本国憲法(昭和二十一年憲法)第96条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/321CONSTITUTION/96
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点日本国憲法96条は、憲法改正には各議院の総議員の3分の2以上の賛成による国会の発議と、国民投票での有効投票の過半数の賛成が必要と定める硬性憲法の規定である。
Q · 憲法を変えるには、結局どうすればいいの?国会だけで決められる?
国会の発議と国民投票の二段階。最終決定権は国民にある
日本国憲法96条により、憲法改正には二段階の手続が必要です。まず各議院の総議員の3分の2以上の賛成で国会が発議し、次に国民投票で過半数(有効投票総数の過半数)の賛成を得なければなりません。国会にできるのは『発議』=国民への提案までで、改正するかどうかの最終決定権は国民投票を通じて国民にあります。承認を経た改正は天皇が国民の名で公布します。
解説
日本国憲法は1947年の施行から一度も改正されていない。現存する成文憲法のなかで、これほど長く一字も変わっていない例はほかにない。なぜか。その答えが96条にある。憲法を変えるには、まず衆参各議院の『総議員』の3分の2以上の賛成で国会が発議し、さらに国民投票で過半数の賛成を得なければならない。ここで効くのが『総議員の3分の2』という数字だ。出席議員ではなく総議員。つまり欠席や棄権は事実上の反対票として働く。そして発議は国会の専権だが、最終的に憲法を変えるか否かを決めるのは、あなた、国民である。9条をめぐる長年の論争も、緊急事態条項の新設論も、すべてこの一条の関門を通らなければ一歩も進めない。あなたが投じる国民投票の一票は、国政選挙の一票とは重みが違う。代表者を選ぶのではなく、国の最高法規そのものを直接動かす一票だからだ。
法的な位置づけ
日本国憲法96条は、憲法改正の手続を定める規定である。改正には、各議院の総議員の3分の2以上の賛成による国会の発議と、これに続く国民投票での過半数の賛成が必要とされる。発議は国会の権限であるが、最終的な承認権は国民投票を通じて国民に属する。承認を経た改正は、天皇が国民の名でこれを公布する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
よくある質問 AI による整理
Q1憲法改正の手続をわかりやすく教えて
二段階です。まず各議院の総議員3分の2以上の賛成で国会が発議し、次に国民投票で過半数の賛成を得れば改正成立。最後に天皇が公布します(憲法96条)。
Q2憲法改正の発議とは何ですか?
国会が憲法改正案を確定し、国民に提案することです。各議院の総議員3分の2以上の賛成が必要で、これは国会の専権ですが、改正の最終決定ではありません。
Q3憲法改正の国民投票はいつ行われますか?
国会が発議した日から起算して60日以後180日以内の範囲で、国会の議決した期日に行われます(国民投票法)。国政選挙と同日に実施することもできます。
Q4憲法96条はなぜ改正のハードルが高いの?
硬性憲法だからです。最高法規である憲法を一時の多数派が軽々しく書き換えられないよう、通常の法律(過半数で可決)より格段に重い3分の2要件を課しています。
Q5国民投票の投票権は何歳からですか?
18歳以上です。2007年の国民投票法が18歳と定め、これがのちの選挙権年齢18歳引き下げ(2016年施行)の呼び水になりました。
Q6憲法は今まで何回改正されましたか?
0回です。1947年の施行以来一度も改正されておらず、現存する成文憲法では世界最長の無改正記録とされています。
Q7硬性憲法と軟性憲法の違いは?
硬性憲法は通常の法律より厳しい手続でしか改正できない憲法、軟性憲法は通常の立法と同じ手続で改正できる憲法です。日本国憲法は典型的な硬性憲法です。
Q8総議員の3分の2と出席議員の3分の2はどう違う?
96条は『総議員』の3分の2を要求します。出席議員ではないため、欠席や棄権は事実上の反対票として働き、要件はさらに重くなります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1憲法って、今まで本当に一度も変わってないんですか?
本当です。1947年の施行以来77年間、一度も改正されていません(最新の状況をご確認ください)。現存する成文憲法では世界最長の無改正記録です。理由は96条の3分の2要件と、9条をめぐる与野党の対立が重なっているためです。実務のポイント:『改正されていない』ことと『内容が変わっていない』ことは別物です。条文は同じでも、9条の意味は政府解釈の変更で実質的に大きく動いてきました。改正のハードルが高いほど、解釈による調整に圧力が逃げる、という構造があります
Q2国民投票の『過半数』って、国民全体の過半数のことですか?
違います。96条の『過半数』は、国民投票法で『有効投票総数の過半数』と定められています。有権者全体でも投票者全体でもなく、有効票の過半数です。さらに最低投票率の定めがありません。実務のポイント:これは改正のハードルが見かけより低くなりうることを意味します。投票率が低ければ、賛成派が組織票を動員するだけで過半数を取りやすい。だから国民投票をいつ実施するか、選挙と同日にするか平日単独にするかという日程設定が、結果を大きく左右します
Q396条そのものを変えて、改正しやすくする案があるって聞きましたが?
実際に2013年ごろ、3分の2要件を過半数に下げる『96条先行改正論』が議論されました。ただし、改正要件を定める条文を緩い要件で先に変えるのは硬性憲法の自己否定だという強い批判があり、実現していません。実務のポイント:憲法学では、96条のような改正規定自体に『改正の限界』があるという議論があります。国民主権や基本的人権の核心に触れる改正は、たとえ手続を踏んでも無効だとする学説です。実務上、解釈が分かれている論点なので、『手続さえ踏めば何でも変えられる』とは限らない点を押さえておくとよいでしょう
間違えやすい点 AI による整理
- 「憲法改正は国会議員が3分の2で決めるもの」と思われているが、国会にできるのは『発議』、つまり国民への提案までだ。憲法を実際に変えるかどうかの最終決定権は、国民投票を通じてあなたの手にある。日本の憲法改正は、間接民主制のなかで直接民主制が発動する数少ない場面である
- 国民投票で『過半数』が必要なことは知られているが、その過半数が『有権者の過半数』ではなく『有効投票総数の過半数』である重大さは見落とされがちだ。さらに最低投票率の定めがないため、投票率が極端に低くても、投じられた有効票の過半数さえ取れば改正は成立しうる(最新の改正状況をご確認ください)
- 政治家から見れば『3分の2』は改正を阻む高い壁だが、国民主権の立場から見れば、それは一時の多数派が憲法を軽々しく書き換えるのを防ぐ安全装置だ。この落差を理解しないと、『ハードルが高すぎる』という議論と『硬性憲法の意義』という議論が、なぜ噛み合わないのかが見えてこない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 成立に必要な賛成 | 憲法改正:各議院の総議員3分の2以上で発議+国民投票で過半数 | 通常の法律:各議院の出席議員の過半数で可決(憲法59条) 予算・条約承認:両院の議決(衆議院の優越あり、憲法60・61条) |
| 最終決定権の所在 | 国民(国民投票による承認が必須) | 国会(国民投票は不要) 国会(国民投票は不要) |
| 母数の取り方 | 総議員(欠席・棄権は事実上の反対票) | 出席議員 出席議員 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は立法院による発議(立法委員4分の1提議・4分の3出席・出席4分の3決議)の後、自由地区の国民投票で複決する点が日本と類似。発議のハードルは日本より重い
韓国は国会在籍議員3分の2以上の賛成に加え国民投票での過半数を要する。発議要件と国民投票の二段階構造は日本ときわめて近い
ドイツは連邦議会・連邦参議院各3分の2で改正でき、国民投票は不要。一方で Art. 79(3) の永久条項により人間の尊厳・連邦制などは改正不能とする明文の改正限界を置く点が特徴
米国は連邦議会両院の3分の2または州の請求による発議の後、4分の3の州議会または州憲法会議による承認を要する。国民投票ではなく州による承認である点が日本と大きく異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし来年、初めての国民投票が実施されると決まったら? あなたに残された判断期間は、国会発議から最短60日、最長180日(国民投票法)。その間にテレビ広告が賛否双方から流れ込み、賛成か反対か、あなた一人の一票が、77年動かなかった憲法を動かす側に回る
- あなたが18歳の高校3年生だとする。次の国民投票では、あなたも一票を持つ。2007年の国民投票法が投票権年齢を18歳と定めたことが、のちの公職選挙法の選挙権年齢18歳引き下げ(2015年改正、2016年施行)を引っ張った。憲法を変える権利が、政治家を選ぶ権利より先に18歳に開かれていた
- 友人が『憲法改正は国会の3分の2で決まる』と言い切った。あなたは指摘できる。国会の3分の2は『発議』まで、決定権は国民投票にある。この二段階を取り違えると、ニュースの解釈をまるごと誤る
学説
通説(憲法改正限界説):96条の手続を経ても、国民主権・基本的人権の尊重・平和主義といった憲法の核心的価値に触れる改正はできないとする立場。改正規定自体に内在的限界があり、これらを否定する改正は手続を踏んでも無効と解する。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和21年(1946年) 新設:日本国憲法の制定・公布に伴い96条を新設。明治憲法73条(天皇の発議+帝国議会の議決)から、国会の発議+国民投票という国民主権型の改正手続へ転換した
- 2.平成19年(2007年) 改正:96条そのものの改正ではないが、改正手続を具体化する『日本国憲法の改正手続に関する法律(国民投票法)』が制定され、投票権年齢を18歳と定めるなど96条1項後段の運用が初めて整備された
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