労働者が重大な過失によつて業務上負傷し、又は疾病にかかり、且つ使用者がその過失について行政官庁の認定を受けた場合においては、休業補償又は障害補償を行わなくてもよい。
要点労働基準法 78 条は、労働者の重大な過失について使用者が行政官庁の認定を受けた場合に限り、休業補償と障害補償を免除する。療養補償は免除されない。
Q · 仕事中のケガでも、自分の不注意なら会社は補償しなくていいの?
重大な過失かつ役所の認定がある場合だけ一部補償が免除されます
労働基準法 78 条により、労働者が重大な過失で業務上負傷・疾病にかかり、かつ使用者がその過失について行政官庁(労働基準監督署長)の認定を受けた場合に限り、使用者は休業補償又は障害補償を免れます。免除されるのは休業補償と障害補償の二つだけで、治療費にあたる療養補償(75 条)は重大な過失があっても払われ続けます。会社が「自己責任だ」と言うだけでは効力はなく、役所の認定がなければ補償は止まりません。
仕事中にケガをしたら会社はあなたに補償する。これは労働基準法の大原則で、あなたに落ち度があろうがなかろうが関係ない、いわゆる無過失責任だ。ところが、その鉄壁の原則にたった一つだけ穴が開いている。それが 78 条である。あなたが「重大な過失」によって業務上ケガをし、しかも会社がその過失について労働基準監督署長の認定を受けた場合、会社は休業補償と障害補償を払わなくてよくなる。だが、ここで勘違いしてはいけない二点がある。第一に、消える可能性があるのは休業補償と障害補償だけで、治療費にあたる療養補償(労働基準法 75 条)は重大な過失があっても消えない。第二に、会社が「お前の不注意だ」と勝手に言うだけでは穴は開かない。役所の認定という鍵がなければ、会社は補償を拒めない。さらに今の日本ではほとんどの労災が労災保険でカバーされ、そこでは重過失でも全額カットではなく最大で一定割合の減額にとどまる。穴の本当の大きさを知る人は少ない。
労働基準法 78 条は、災害補償の免除(補償の例外)を定める規定である。労働者が重大な過失により業務上負傷又は疾病にかかり、かつ使用者がその過失について行政官庁の認定を受けた場合に限り、使用者は休業補償又は障害補償を免れる。免除対象は休業補償と障害補償に限定され、療養補償(75 条)には及ばない。
わずかな注意で結果を回避できたのに、著しく注意を欠いた状態をいいます。日常的なうっかりや一時の油断は通常これに届かず、認定のハードルはかなり高いとされます。
免除されるのは休業補償(76 条)と障害補償(77 条)の二つだけです。治療費にあたる療養補償(75 条)は重大な過失があっても免除されません。
労働基準監督署長が行います。会社が社内で「重大な過失だ」と判断しても効力はなく、監督署長の認定がなければ 78 条の免除は発動しません。
支払われます。78 条が免除を認めるのは休業補償と障害補償のみで、治療費にあたる療養補償(75 条)は重大な過失があっても止まりません。
災害補償等の請求権は 2 年で時効消滅します(労働基準法 115 条)。休業補償は休業した日ごと、障害補償は傷病が治って障害が確定した時から進行します。
会社の判断に法的拘束力はありません。労働基準監督署へ労災保険給付の申請を行い、必要に応じて労働組合や弁護士に相談します。申請は労働者本人からもできます。
78 条は休業・障害補償の全額免除ですが、労災保険の給付制限(労災保険法 12 条の 2 の 2)は重過失でも全額不支給ではなく一定割合の減額にとどまります。
会社に安全対策の不備があれば、補償とは別に安全配慮義務違反として民法上の損害賠償(415 条・709 条)を請求できます。重大な過失があっても過失相殺で減額されるにとどまります。
そうとは限りません。補償が止まるのは『重大な過失』があり、かつ会社が労働基準監督署長の認定を受けた場合だけで、しかも止まるのは休業補償と障害補償の二つです。治療費にあたる療養補償(労働基準法 75 条)は重大な過失があっても支払われ続けます。業界裏話ヒント:『重大な過失』のハードルは想像以上に高く、うっかりや一時の油断ではまず認定されません。会社が『自己責任だから』と口にした時点で、認定を本当に取ったのかを確認するだけで、話が一気にこちら有利に動くことがあります
打ち切れません。78 条が会社に免除を認めるのは『使用者がその過失について行政官庁の認定を受けた場合』に限られます。会社の一存や社内判断では効力がなく、労働基準監督署長の認定という公的手続が必須です。業界裏話ヒント:実務では会社がこの認定をきちんと取っているケースは多くありません。認定なしに補償を拒んでいるなら、それは法的根拠のない通告です。『認定書を見せてください』の一言が効きます
労災保険は仕組みが違います。労働者災害補償保険法の給付制限では、重大な過失があっても給付がゼロになるのではなく、一定割合が減額されるにとどまります(労働者災害補償保険法 12 条の 2 の 2)。労基法 78 条の全額免除とは別物です。業界裏話ヒント:実際の補償は労基法ではなく労災保険から受け取る人が大半です。労基法の土俵で『全額免除』を争うより、労災保険の申請を先に動かすほうが、減額にとどめられる分だけ受取額が大きくなることが多い(最新の改正状況をご確認ください)
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 補償の性質 | 78 条:免除規定(補償の例外) | — |
| 重大な過失による免除 | 免除の要件を定める本体 | — |
| 発動の鍵 | 行政官庁(労基署長)の認定が必須 | — |
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