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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年9月5日読了 8 分8 分8 分

労働基準法 第79条(遺族補償)

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労働者が業務上死亡した場合においては、使用者は、遺族に対して、平均賃金の千日分の遺族補償を行わなければならない。

この条文の基本情報

遺族補償とは何ですか?

定義遺族補償とは、労働基準法第79条に定められた規定で、「労働者が業務上死亡した場合においては、使用者は、遺族に対して、平均賃金の千日分の遺族補償を行わなければならない。」と規定しています。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 労働基準法第79条(遺族補償)は、日本の労働基準法に含まれる条文です。
  2. 労働基準法第79条の条文原文は「労働者が業務上死亡した場合においては、使用者は、遺族に対して、平均賃金の千日分の遺族補償を行わなければならない。」で始まります。
  3. 労働基準法第79条は第八章に置かれています。
  4. 労働基準法の公布日は昭和22年4月7日です。
  5. 労働基準法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
  6. 労働基準法第79条の前の条は労働基準法第78条です。
  7. 労働基準法第79条の次の条は労働基準法第80条です。
  8. 労働基準法第79条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)第79条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000049
  • 本サイト収録労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)第79条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/322AC0000000049/79
裁判例 10件に引用されています

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わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点労働基準法79条は、労働者が業務上死亡した場合に、使用者が遺族へ平均賃金の千日分を支払う遺族補償義務を定める。会社の過失を問わない無過失責任である。

Q · 仕事中に家族が亡くなったら、会社に補償を請求できるの?

業務上の死亡なら平均賃金の千日分を無過失で請求できる

労働基準法79条により、労働者が業務上死亡した場合、使用者は遺族に平均賃金の千日分(約2年9か月分)の遺族補償を行う義務を負います。会社の過失を立証する必要はなく、業務上の死亡という事実だけで義務が生じる無過失責任です。実務上は労災保険の遺族補償給付が支払いを肩代わりしますが(労基法84条)、過労死や安全配慮義務違反による慰謝料・逸失利益は別枠で会社に民事請求できます。災害補償の請求権は死亡日から2年で時効消滅します(同法115条)。

解説

夫が建設現場の事故で亡くなった。妻のあなたは葬儀の段取りに追われながら、収入の柱を失った不安に押しつぶされそうになる。ここで多くの人が知らないのが労働基準法79条だ。「労働者が業務上死亡した場合、使用者は、遺族に対して、平均賃金の千日分の遺族補償を行わなければならない」。千日分とは、おおよそ2年9か月分の賃金に相当する。そしてこの補償の核心は、会社に落ち度があったかどうかを一切問わない点にある。あなたが「会社の安全管理が甘かった」と立証する必要はない。業務上の死亡という事実だけで、使用者は無過失で支払い義務を負う。労災保険が普及した今、実際の支払いは保険から出ることが多いが、その制度の土台にあるのがこの条文だ。さらに重要なのは、この千日分は民事の損害賠償とは別枠の最低保障であり、過労死や安全配慮義務違反があれば、これを超える賠償を別途請求できるという点だ。

法的な位置づけ

労働基準法79条にいう遺族補償とは、労働者が業務上死亡した場合に、使用者が遺族に対して平均賃金の千日分を支払うべき無過失の災害補償をいう。使用者の故意・過失の有無を問わず、業務起因性のある死亡という事実のみによって発生する定額の最低保障であり、民事の損害賠償とは別枠で位置づけられる。

手順・フロー

AI による整理。効力は条文原文が基準です

手順

  1. 1.死亡が『業務上』かを最優先で固める タイムカード、勤務記録、業務内容、過労なら時間外労働の記録など、業務起因性を裏づける証拠を死亡直後から確保する。会社が証拠を出し渋る前に、自分の手元の資料とコピーを集める
  2. 2.労働基準監督署へ遺族補償給付を申請 労災保険の遺族補償給付は、会社の協力がなくても遺族が直接労働基準監督署に申請できる。会社が『業務上ではない』と渋っている段階で先に申請し、業務上認定を取りに行く
  3. 3.業務上認定を土台に民事の差額請求を検討 業務上認定が出たら、それを土台に安全配慮義務違反(民法415条)や不法行為(民法709条)で、千日分の定額を超える逸失利益・慰謝料の差額を会社に請求する
  4. 4.示談を急がず専門家に試算させてから交渉 会社が『労災で千日分出たでしょう』と幕引きを図ってきても示談を急がない。30代の死亡なら生涯逸失利益が1億円を超えることもあり、慰謝料・逸失利益を弁護士に試算させてから交渉に入る

よくある質問 AI による整理

Q1遺族補償とは何ですか?

労働者が業務上死亡したとき、使用者が遺族へ平均賃金の千日分を支払う災害補償です。労働基準法79条が根拠で、会社の過失を問わない無過失責任です。

Q2平均賃金の千日分とはいくらですか?

平均賃金(過去3か月の賃金総額を暦日数で割った日額)の1,000倍です。月収に直すと約2年9か月分に相当します。賞与や手当の扱いで額は変わります。

Q3遺族補償はいつまでに請求すべきですか?

災害補償の請求権は労働者の死亡日から2年で時効消滅します(労働基準法115条)。労災保険の遺族補償給付の申請も早期に進めるべきです。

Q4会社が労災保険に入っていなくても補償されますか?

未加入でも79条の補償義務は使用者個人に直接生じます。さらに保険料の遡及徴収と費用徴収のペナルティが上乗せされ、未加入が免責にならない点に注意が必要です。

Q5遺族補償と労災保険は二重に受け取れますか?

二重には受け取れません。労災から遺族補償給付が支給されると、その範囲で使用者は79条の義務を免れます(労働基準法84条)。実際の支払いは保険が肩代わりします。

Q6通勤中の事故死は遺族補償の対象ですか?

労基法79条の対象は『業務上』の死亡で、純粋な通勤災害は直接の対象外です。ただし労災保険には別途『通勤災害』の遺族補償給付があり、こちらで救済されます。

Q7遺族補償は誰が受け取れますか?

受給権者の範囲と順位は労働基準法施行規則42条以下で定められ、配偶者を最優先に、生計維持関係などで順位が決まります。複数の遺族がいる場合は順位に従います。

Q8葬儀費用も別に請求できますか?

できます。遺族補償(79条)とは別に、葬祭を行う者へ平均賃金の60日分の葬祭料が定められています(労働基準法80条)。両者は併給されます。

この条文についての質問 AI による整理

Q1労災保険から遺族年金が出るのに、会社にも79条の補償を請求できるんですか?

原則として二重には取れません。労災保険から遺族補償給付が支給されると、その範囲で使用者は79条の補償義務を免れます(労働基準法84条1項)。実際の支払いは保険が肩代わりする形です。実務のポイント:労災給付がカバーするのは定型的な補償だけ。過労死や安全管理の不備があった場合の慰謝料・逸失利益は労災では出ず、会社への民事賠償でしか取れません。労災で完結させると数千万円を取り逃すことがある

Q2夫は「業務委託」の一人親方でした。それでも遺族補償は出ますか?

形式が業務委託でも、実態が会社の指揮監督下で働く労働者なら、労働基準法上の労働者と認定され79条の対象になりえます(労働基準法9条)。判断は契約書の名目ではなく勤務の実態で決まります。実務のポイント:建設業の一人親方には労災保険の特別加入という制度があり、加入していれば労働者でなくても遺族補償給付を受けられる。亡くなった方が特別加入していたか、まず確認すべきです

Q3過労でうつになって自殺した場合も「業務上の死亡」になりますか?

業務に起因する精神疾患を発症し、その結果としての自殺であれば「業務上の死亡」と認定されます。長時間労働やハラスメントと発症の因果関係が認定の鍵です。実務のポイント:自殺は「故意」だから補償対象外と誤解されがちですが、業務による精神障害で正常な判断ができない状態での自殺は故意とは扱われません。会社が「個人的な悩み」と主張しても、勤務記録で覆せる(最新の労災認定基準をご確認ください)

間違えやすい点 AI による整理

  • 「会社に過失がなければ補償は出ない」と思い込んでいる人が多い。実際は逆で、79条は無過失責任である。業務上の死亡という事実さえあれば、会社の落ち度を立証しなくても千日分の補償義務が発生する
  • 「労災保険があるから会社は関係ない」とは知っていても、その深刻さを見落としている。労災保険給付は79条の補償の範囲で使用者を免責するだけ(労働基準法84条)であり、実損害がそれを上回る部分、特に過労死・過労自殺の慰謝料や逸失利益は、会社への民事請求で別途取りに行かないと永遠に補填されない
  • あなたから見れば「千日分も出るなら十分」に映るかもしれない。だが法律から見れば、千日分はあくまで定額の最低保障にすぎない。30代で亡くなった人の生涯逸失利益は1億円を超えることもある。この落差を埋めないまま示談すると、本来取れたはずの額を丸ごと取り逃す
比較の観点この条文ほかの条文
発生原因79条:業務上の死亡77条:業務上の負傷・疾病が治った後に残る障害
80条:労働者の死亡(葬祭を行う場合)
補償の額平均賃金の千日分(約2年9か月分)障害等級に応じ平均賃金の50〜1,340日分
平均賃金の60日分(葬祭料)
受給する者遺族(施行規則42条の順位)障害を負った労働者本人
葬祭を行う者
性質無過失の定額最低保障、79条と80条は併給無過失の定額補償(生存時)
死亡時に79条と同時に発生する付随補償

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
中華民国労働基準法第59条

台湾も無過失の職業災害補償を採用。死亡補償は平均工資40個月分 + 喪葬費5個月分で、日額千日分とは算定方式が異なる

韓国
대한민국 근로기준법 제82조

韓国は日本と同じく『平均賃金1,000日分』の遺族補償を規定。日本法の枠組みを継受した典型例

ドイツ
SGB VII §§ 63 ff.

ドイツは一時金ではなく遺族年金(Hinterbliebenenrente)方式を採り、公的労災保険が直接給付する。使用者個別責任より社会保険化が徹底

アメリカ
California Labor Code § 4700 et seq.(州法の例)

米国は州ごとの労災補償法でデスベネフィットを定める。一時金・分割給付の組合せが多く、州により大きく異なる

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • あなたが小さな運送会社を経営している。ドライバーが配送中の事故で亡くなった。労災保険に未加入だった。この瞬間、79条があなた個人に平均賃金千日分の支払い義務を直接突きつける。労災未加入は免責にならないどころか、保険料の遡及徴収と費用徴収のペナルティまで上乗せされる
  • もし夫が残業帰りの路上ではなく、勤務時間中のデスクで心筋梗塞に倒れて亡くなったら、それは「業務上」の死亡になるのか。過労との因果関係が認められれば、79条の遺族補償と労災の遺族補償給付、その両方の入口が同時に開く
  • 労災の遺族補償給付を申請しようとしたら、会社が「業務上ではない」と主張して協力を拒む。あなたに残された時効は死亡から2年。勤務記録と証言を集めて労働基準監督署に申し立てる、その時間との戦いが始まる
  • 派遣社員が派遣先の工場で機械に巻き込まれて死亡した。補償義務を負うのは派遣元か派遣先か。労基法上の使用者責任の所在が、遺族の請求先そのものを左右する
  • 夫が過労の末に自殺した。会社は「個人的な悩みが原因」と片付けようとする。だが業務に起因する精神疾患による自殺を「業務上の死亡」と認定した例は積み上がっている。79条の補償に加え、安全配慮義務違反として会社に数千万円規模の損害賠償を請求する道も残されている

取るべき行動

被害を受けた側:1. 死亡が「業務上」かを最優先で固める。タイムカード、勤務記録、業務内容、過労なら残業時間の証拠を確保2. 労働基準監督署に労災の遺族補償給付を申請する。会社の協力がなくても遺族が直接申請できる3. 業務上認定が出たら、それを土台に安全配慮義務違反(民法415条)や不法行為(709条)で実損害との差額を会社に請求4. 示談を急がず、逸失利益と慰謝料を専門家に試算させてから交渉に入る

訴えられた側:1. まず労災保険の手続きを誠実に進める。保険給付は79条補償の範囲で免責になる(労働基準法84条) 2. 労災未加入なら79条の補償義務を直接負う上、保険料の遡及徴収と費用徴収のペナルティが科される3. 業務起因性を争う場合も遺族との対立を煽らず事実関係を整理。安全教育・設備点検など安全配慮義務を尽くした記録が民事賠償の防御材料になる4. 民事賠償は労災給付と損益相殺される部分があるため、二重払いの範囲を正確に把握する

時効(請求できる期限):災害補償(遺族補償)を請求する権利は2年で時効消滅する(労働基準法115条)。起算点は原則として労働者の死亡日。なお民事の損害賠償請求は別の時効(人の生命侵害は損害および加害者を知った時から5年、民法724条の2)が適用される(最新の改正状況をご確認ください)

学説

通説:79条の遺族補償は使用者の無過失責任に基づく定額の最低保障であり、労災保険給付による塡補(84条)と民事損害賠償が併存する三層構造の最下層を成す。実損害との差額は民事賠償に委ねられると解される。

改正沿革 AI による整理

改正の年表

  1. 1.昭和22年(1947年) 新設:労働基準法の制定により、戦前の工場法の災害扶助を継承・拡充し、業務上死亡に対する平均賃金千日分の遺族補償を使用者の無過失責任として明文化
  2. 2.昭和22年(1947年) 改正:同年制定の労働者災害補償保険法により、79条の補償が保険で塡補される仕組みが整い、84条の調整規定とあわせ実務上の支払主体が保険へ移行

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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

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