要点裁判所法 27 条は、判事補が原則として一人で裁判できず、複数の合議体への加入や裁判長就任も禁じると定める。特例判事補に指定されれば例外的に単独裁判が可能になる。
Q · 若い裁判官が一人で判決を出すことってあるんですか?
原則できないが、特例判事補なら単独で裁判できる
裁判所法 27 条により、判事補は他の法律に特別の定めがある場合を除き、一人で裁判をすることができません。また同時に二つ以上の合議体に加わることや、裁判長となることも禁じられています。例外として、判事補の職権の特例等に関する法律により 5 年以上の経験を積んだ判事補が「特例判事補」に指定されると、判事と同じ権限で単独裁判ができます。特例指定のない判事補が単独で下した判決は、構成の瑕疵として上告で破棄され得ます。
地方裁判所で民事裁判を起こした。法廷に座っている裁判官はたった一人。あなたはその人を当然「一人前の裁判官」だと思っている。だが裁判所法 27 条はこう定める。判事補、つまり司法修習を終えてまだ 10 年に満たない見習い段階の裁判官は、原則として一人で裁判をすることができない。許されるのは合議体(裁判官 3 人のチーム)に加わることだけで、裁判長にもなれず、二つの合議体を掛け持ちもできない。ではなぜ若手の裁判官が単独で法廷に座っているのか。答えは「他の法律に特別の定のある場合」、すなわち判事補の職権の特例等に関する法律で、5 年以上の経験を積んだ判事補が「特例判事補」に指定され、判事と同じ権限を与えられるからだ。逆に言えば、その指定を受けていない判事補が単独であなたを裁いたなら、その判決は「法律に従って裁判所を構成しなかった」という重大な瑕疵を抱える。あなたが知るべきは判決の中身ではなく、誰がどんな資格で裁いたのかという入口の話だ。
裁判所法 27 条は判事補の職権制限を定める規定である。判事補は、他の法律に特別の定めがある場合を除き単独で裁判をすることができず、同時に二つ以上の合議体に加わることや裁判長となることも許されない。司法修習を終えてから判事となるまでの経験 10 年未満の裁判官の権限を限定する。
司法修習を終えてから判事になるまでの、経験 10 年未満の見習い段階の裁判官です(裁判所法 5 条、43 条)。原則として一人で裁判をすることができません。
判事補の職権の特例等に関する法律により、5 年以上の経験を積んだ判事補が指定を受けると判事と同じ権限を持ち、単独で裁判ができます。地裁の単独事件の多くを担っています。
判事補は経験 10 年未満で原則単独裁判ができず裁判長にもなれません。判事は通算 10 年以上の経験者で単独裁判も裁判長就任も可能です(裁判所法 42 条)。
判決書に裁判官の氏名が記載されます。その氏名で任官年や経歴を調べれば、判事補か特例判事補か判事かを推測できます。官報の人事異動も手がかりになります。
特例指定のない判事補が単独で下した判決は、構成の瑕疵として上告で破棄され得ます(民訴 312 条 2 項 1 号、刑訴 377 条 1 号)。内容の当否を問わない絶対的上訴理由です。
なれません。裁判所法 27 条 2 項が、判事補は裁判長となることができないと明文で定めています。合議体の構成員にとどまります。
判事補の職権の特例等に関する法律で「特例判事補」に指定された判事補は、判事と同じ権限を与えられ単独裁判ができるためです。地裁の事件処理量を支える仕組みです。
上訴期間内に上告・控訴理由として主張します。第一審判決の上告期間は判決送達から 2 週間と短いため、判決書を受け取ったらすぐ裁判官の資格を確認する必要があります。
肩書きは「判事補」と表示され、判事とは区別されます(裁判所法 5 条、43 条)。ただし特例判事補は単独で裁けるため、見た目では一人前の判事と区別がつきません。判決書には裁判官の氏名が記載されるので、その氏名で任官情報を調べるのが確実です。業界裏話ヒント:裁判所の人事異動は官報などで追えます。弁護士は事件を受けると担当裁判官の経歴を調べ、判事補か判事か、どんな事件傾向かを把握してから戦略を立てることがある。依頼者から「担当裁判官の経歴は?」と聞かれて答えられる弁護士を選ぶといい
特例指定のない判事補が単独で判決を下した場合、「法律に従って判決裁判所を構成しなかった」として、内容の当否を問わず破棄されます(民事は民事訴訟法 312 条 2 項 1 号、刑事は刑事訴訟法 377 条 1 号の絶対的上訴理由)。ただし実務では特例判事補が単独審理をしているケースがほとんどで、純粋な瑕疵は稀です。業界裏話ヒント:この論点は教科書に載っていても、実際に主張される場面は少ない。だからこそ万一本当に構成に瑕疵があれば、相手も裁判所も見落としていることがある。判決を争うなら、中身だけでなく「誰が裁いたか」を最初に点検する習慣が、まれに決定打になる
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 単独裁判の可否 | 判事補:原則不可(他の法律に特別の定めがある場合のみ。裁判所法 27 条) | — |
| 経験年数 | 判事補:通算 10 年未満 | — |
| 裁判長就任 | 判事補:不可(裁判所法 27 条 2 項) | — |
| 根拠規定 | 裁判所法 27 条 | — |
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