要点裁判所法 67 条の 3 は、最高裁判所が司法修習生に無利息で修習専念資金を貸与する制度を定める。修習給付金を受けてもなお不足する場合に貸与され、災害・傷病時は返還が猶予される。
Q · 司法修習生は、バイト禁止で収入がないのに、どうやって生活費を工面するの?
国が無利息で生活資金を貸す修習専念資金があります
司法修習生は修習専念義務によりアルバイトが原則禁止されます。そこで裁判所法 67 条の 3 は、最高裁判所が申請に応じて無利息で「修習専念資金」を貸与する制度を定めています。これは返済不要の修習給付金(67 条の 2)を受けてもなお不足する人への上乗せです。災害・傷病で返済が困難になれば返還期限の猶予(3 項)、死亡や心身の障害で返済できなくなれば全部または一部の免除(4 項)が認められます。単なる借金ではなく、猶予と免除の安全弁を備えた制度設計です。
司法試験に合格しても、その日から弁護士や裁判官になれるわけではない。約1年間の司法修習が待っており、この期間は修習に専念する義務を負う。原則としてアルバイトは禁止、つまり収入の道を法律で塞がれる。その穴を埋めるのが本条の修習専念資金だ。最高裁判所が、申請に応じて無利息で生活資金を貸し付ける。重要なのは、これが返済不要の修習給付金(67条の2)を受け取ってもなお足りない人への上乗せだという点。しかも災害や傷病で返せなくなれば返済期限を猶予でき(3項)、死亡や心身の障害で返済不能になれば全部または一部を免除できる(4項)。単なる借金ではなく、猶予と免除の安全弁を最初から組み込んだ設計である。あなたが知っておくべきは、この制度の背後に、修習生に給料を払っていた時代(給費制)が2011年に廃止された歴史があることだ。
裁判所法 67 条の 3 が定める修習専念資金とは、司法修習生が修習に専念することを確保するため、最高裁判所が申請に基づき無利息で貸与する生活資金をいう。修習給付金(67 条の 2)の支給を受けてもなお必要な場合に貸与され、災害・傷病等による返還期限の猶予、死亡・障害による返還免除の規定を伴う、貸付形式の修習支援制度である。
AI 輔助整理,以條文原文為準
司法修習生が修習に専念できるよう、最高裁判所が申請に基づき無利息で貸与する生活資金です。修習給付金を受けてもなお不足する場合の上乗せ措置として裁判所法 67 条の 3 が定めています。
修習給付金(67 条の 2)は返済不要の支給金、修習専念資金(67 条の 3)は無利息で借りて返す貸与金です。給付金で足りない分を専念資金で補う二段構えになっています。
額は最高裁判所が定めるところによります(2 項)。一律ではなく、必要額を超えて借りると将来の返還負担が増えるため、不足分だけを借りるのが基本です。
返還の期限は最高裁判所が個別に定めます(2 項)。通常は修習終了後の据置期間を経て分割返還となり、無利息のまま返済します。
貸与を受けた者が死亡し、または精神・身体の障害により返済できなくなったとき、最高裁判所が全部または一部の返還を免除できます(4 項)。
はい。裁判所法 67 条の 3 は「無利息で」貸与すると明記しています。さらに返還が猶予された期間中も無利息が維持されます(3 項後段)。
災害、傷病その他やむを得ない理由で返済が困難なときは、返還期限の猶予を申請できます(3 項)。滞納する前に申請するのが重要です。
給費制廃止(2011 年)後、返済不要の修習給付金が導入される(2017 年)までの間、貸与のみで修習を終えた世代を指します。給料も給付金もなく借金を背負って実務に出ました。
今は『給料』ではありません。2011年に給費制(給料を払う制度)が廃止され、一時は貸与のみに。2017年から修習給付金(裁判所法67条の2、返済不要)が導入され、それでも足りない人に本条の修習専念資金を無利息で貸す二段構えです。業界裏話ヒント:この制度変更の谷間で、給付金も給料もなく貸与だけだった世代(おおむね新65期〜70期)が存在し、多額の借金を抱えて『谷間世代』と呼ばれています。
原則ダメです。司法修習生には修習専念義務があり、兼業は厳しく制限されます(裁判所法67条)。だからこそ収入の穴を埋める本条の貸与制度が用意されているわけです。業界裏話ヒント:『修習専念資金』という名前自体が、専念義務(=働けない)の裏返しです。国が副業を禁じる以上、生活費は用意するという建付け。無断の兼業は罷免(68条)の引き金にもなりえます。
いいえ、本条には逃げ道があります。災害・傷病その他やむを得ない理由で返済が困難なら期限の猶予(3項)、死亡や精神・身体の障害で返済不能になれば全部または一部の免除(4項)が可能です。業界裏話ヒント:猶予が認められると、本来なら国の債権に課される利息規定(国の債権の管理等に関する法律26条)の適用が外れます。つまり猶予期間中も無利息のまま。一般の借金のリスケとは設計思想が違います。
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 法的性質 | 修習専念資金(67 条の 3):無利息の貸与(借りる金) | — |
| 返済義務 | あり(ただし猶予・免除の規定あり) | — |
| 利息 | 無利息(猶予期間中も無利息) | — |
| 位置づけ | 給付金を受けてもなお不足する者への上乗せ | — |
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