要点裁判所法 75 条は、合議体の評議を非公開とし、評議の経過・各裁判官の意見・賛否の数を秘密と定める。例外は司法修習生の傍聴のみである。
Q · 判決を出した 3 人の裁判官のうち、誰が自分に味方だったか判決文で分かりますか?
地裁・高裁では分かりません。評議は秘密だからです
裁判所法 75 条により、合議体の評議は公開されず、各裁判官の意見や賛否の数は秘密として守られます。そのため地裁・高裁の判決文には、全員一致だったのか過半数だったのか、誰が反対したのかは一切書かれません。唯一の例外が最高裁で、裁判所法 11 条により各裁判官の意見が判決書に表示されます。
3人または5人の裁判官が並ぶ法廷で、判決が言い渡される。だが、その結論にたどり着くまで裁判官たちが扉の奥で何を争ったかを、あなたは決して知ることができない。裁判所法75条が、その扉に鍵をかけているからだ。合議体の評議(複数の裁判官が結論を出すための話し合い)は公開しない。司法修習生(裁判官・検察官・弁護士になる前の研修生)だけは特別に傍聴を許される。そして評議の経過、各裁判官がどんな意見だったか、賛成と反対が何対何だったか、これらはすべて秘密として守られる。なぜか。もし「あの判決であの裁判官は無罪だと思っていた」と外に漏れたら、裁判官は世間の目を気にして本音を言えなくなる。自由な討論と独立した判断を守るための沈黙だ。だからあなたの判決文に残るのは、磨き上げられた結論だけ。その奥の生々しい議論は、永遠に封印される。
裁判所法 75 条は合議体の評議の秘密を定める規定であり、複数の裁判官による評議を非公開とし、評議の経過、各裁判官の意見、および賛否の多少の数を、法律に特別の定めがない限り秘密として保持すべき旨を規律する。裁判官の自由な討論と職権の独立を担保するための制度である。
合議体の裁判官が結論を出すための話し合い(評議)を非公開とし、各裁判官の意見や賛否の数を秘密にする制度です。裁判所法 75 条が根拠です。
将来裁判官・検察官・弁護士になる研修生に評議の実際を学ばせるためです。裁判所法 75 条 1 項但書が、非公開の例外として傍聴を許しています。
最終審としての説明責任を重視し、裁判所法 11 条が各裁判官の意見の判決書への表示を義務づけているためです。地裁・高裁では 75 条により秘密です。
生涯続きます。裁判官も裁判員も、職を退いた後や事件終結後も、評議の経過と各人の意見を秘密として守る義務を負い続けます。
裁判官の場合は懲戒等の対象となり、裁判員が評議の秘密を漏らすと裁判員法 108 条により拘禁刑または罰金の対象になりえます(最新の改正状況を要確認)。
誰がどう判断したかが筒抜けだと、裁判官が世間の評価や報復を恐れて本音を言えなくなるためです。自由な討論と独立した判断を守る趣旨です。
合議体を構成する裁判官に課されるほか、裁判員法 70 条により裁判員・補充裁判員にも評議の秘密が及びます。
違います。裁判所法 75 条は合議体の評議に適用されます。1 人の裁判官が判断する単独事件では、そもそも複数人での評議自体が存在しません。
評議の中身は一生話せない。誰がどんな意見だったか、評決が何対何だったかを漏らすと、裁判員法70条の評議の秘密に反し、同法108条で6月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金の対象になりうる(最新の改正状況をご確認ください)。業界裏話ヒント:実は「全部ダメ」ではない。線引きがあって、緊張した、大変だった、勉強になったといった感想や、公開の法廷で見聞きしたことは話してよい。禁じられるのは評議室の中で交わされた意見と評決の内訳だけ。この境界を知らずに全部黙る人と、感想は語れると知っている人とでは、経験の伝え方がまるで違う
地裁・高裁では、全員一致だったのか過半数で決まったのか(裁判所法77条の評決は過半数による)を判決文に書かない。割れていたかどうかは外から永遠にわからない。一方、最高裁だけは各裁判官の意見を判決書に表示する義務がある(裁判所法11条)ので、反対意見・補足意見が公表される。業界裏話ヒント:だから判例を読むプロは、地裁・高裁の判決を「裁判所の総意」とは見ず、最高裁の反対意見の数や論調を将来の判例変更の予兆として読む。地裁で勝っても安心せず、最高裁の少数意見の動きを追うのが、流れを先読みする側の習慣だ
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 各裁判官の意見の公開 | 裁判所法 75 条:完全に秘密(地裁・高裁) | — |
| 規律の対象 | 評議の経過・各裁判官の意見・賛否の数 | — |
| 適用される審級 | すべての合議体(地裁・高裁・最高裁の評議自体) | — |
| 例外 | 司法修習生の傍聴のみ許される | — |
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