要点地方自治法199条の3は、識見を有する監査委員の一人を代表監査委員に選び、監査委員の庶務と訴訟事務を集約する規定。監査委員の処分に関する訴訟では代表監査委員が自治体を代表する。
Q · 市の監査を相手に裁判になったら、法廷で市を代表するのは市長ですか?
監査委員の処分が争点なら、代表監査委員が市を代表します
地方自治法199条の3第3項により、代表監査委員または監査委員の処分・裁決に係り自治体が被告となる訴訟では、市長ではなく代表監査委員が当該自治体を代表します。代表監査委員は識見を有する監査委員の一人から選任され(1項)、監査委員の庶務と訴訟事務を処理します(2項)。ただし執行機関の財務行為そのものを争う通常の住民訴訟では長などが代表するため、争点が監査委員の処分にあるか財務行為にあるかで代表者が変わります。
市役所の不正な公金支出を止めようと住民監査請求を出し、それでも収まらず争いが法廷に持ち込まれたとする。監査委員の処分や裁決をめぐって自治体が被告として訴えられたとき、その自治体を代表して法廷の被告席に立つのは、市長でも総務部長でもない。監査委員のトップである「代表監査委員」だ。199条の3は、複数いる監査委員の中から、識見を有する者(議員出身ではなく専門知識で選ばれた委員)の一人を代表監査委員に選ぶことを義務づけ、この一人に監査委員の庶務(日常の事務処理)と、住民訴訟に関わる訴訟事務、さらに監査委員の処分・裁決に関する訴訟での自治体代表を集約させる。監査委員は本来、一人ひとりが独立して職権を行う(独任制)が、対外的な事務と訴訟だけは代表者に束ねる。あなたが自治体の監査を相手取って動くなら、窓口は誰で、法廷で誰が出てくるのか、その見取り図がこの一条に書かれている。
代表監査委員とは、地方自治法199条の3により、識見を有する者から選任される監査委員の一人として、監査委員に関する庶務および一定の訴訟事務を処理し、監査委員の処分・裁決に係る訴訟で当該普通地方公共団体を代表する者をいう。監査委員が独任制で職権を行使する一方、対外的な事務と訴訟代表のみを一点に集約する役職である。
地方自治法199条の3に基づき、識見を有する監査委員の一人が選ばれ、監査委員の庶務と訴訟事務を処理し、監査委員の処分に係る訴訟で自治体を代表する役職です。
自治体が監査委員のうち識見を有する者の一人を代表監査委員に選任します。定数2人で1人が議員選出の場合、識見委員側が自動的に代表になります(199条の3第1項)。
監査委員は独任制で各自が独立して監査します。代表監査委員はその一人ですが、加えて庶務と訴訟事務を集約処理し、一定の訴訟で自治体を代表する点が異なります。
選べません。代表監査委員は識見を有する者から選任される監査委員に限られ、議員のうちから選任された監査委員は代表になれません(199条の3第1項)。
定数が3人以上なら代表監査委員が指定する監査委員が、2人なら他の監査委員が職務を代理します(199条の3第4項)。代表が不在でも機能は途切れません。
できません。監査委員は独任制で、代表監査委員も他の委員の監査内容に命令はできません。集約されるのは庶務と訴訟事務という事務的・対外的機能だけです。
2人のうち1人が議員選出の場合、識見を有する者から選任された監査委員が代表監査委員になります(199条の3第1項括弧書き)。
監査委員の処分・裁決に係り自治体が被告となる訴訟、および4号請求後に長が職員へ賠償請求する訴訟(242条の3第5項)の事務を代表監査委員が処理します。
偉い人という意味ではない。監査委員は一人ひとりが独立して職権を行う独任制で、代表監査委員も他の委員の監査内容に指示はできない(199条の3第1項)。代表が担うのは庶務と訴訟事務という事務的・対外的な機能だけだ。業界裏話ヒント:代表監査委員は必ず「識見を有する者」から選ばれ、議員出身の監査委員はなれない。専門性で選ばれた委員に事務と訴訟代表を集約する設計であり、政治的な議員委員を対外代表から外している点に制度の意図が表れている
争点が監査委員の処分・裁決に関わる訴訟なら、自治体を代表するのは市長ではなく代表監査委員だ(199条の3第3項)。一方、執行機関の財務行為そのものを争う通常の住民訴訟では長などが代表する。誰が代表になるかは訴訟の対象で変わる。業界裏話ヒント:4号請求で勝訴したあと、自治体の長が職員に賠償請求する後続訴訟の事務は代表監査委員が処理する(2項、242条の3第5項)。住民訴訟は一回で終わらず段階的に進み、各段階で自治体側の事務を握る人物が変わることを知っておくと、長期戦の全体像が描ける
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 対外的代表の範囲 | 代表監査委員:監査委員の処分・裁決に係る訴訟で自治体を代表(199条の3第3項) | — |
| 庶務・訴訟事務 | 代表監査委員:監査委員の庶務と訴訟事務を集約処理(2項) | — |
| 選任の限定 | 代表監査委員:識見を有する者から選任、議員委員は不可(1項) | — |
| 不在時の代理 | 代表監査委員:3人以上は指定委員、2人は他の委員が代理(4項) | — |
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