要点地方自治法 251 条の 2 は、自治体間や機関間の紛争について自治紛争処理委員による調停を定める。全当事者が受諾文書を提出して初めて成立する合意型の手続で、裁判所は関与しない。
Q · 市と市が揉めたら、まず裁判所に訴えるんですか?
いいえ。まず自治紛争処理委員による調停という行政手続が用意されています
地方自治法 251 条の 2 により、普通地方公共団体相互間や機関相互間の紛争は、まず自治紛争処理委員の調停に持ち込めます。総務大臣(都道府県が当事者の場合)または都道府県知事が委員を任命し、当事者の文書による申請または職権で手続が始まります。委員は調停案を作成して受諾を勧告し、理由を付してその要旨を公表します。ただし強制力はなく、全当事者が受諾文書を提出して初めて調停が成立します(7 項)。受諾されなければ打ち切られ、審査や機関訴訟へ進みます。
隣り合う二つの市が、ゴミ処理場の費用負担をめぐって何年も対立している。住民であるあなたのゴミ収集にしわ寄せが来る。だが、市と市の喧嘩には民事裁判所が最初に出てこない。地方自治法 251 条の 2 が用意するのは、総務大臣または都道府県知事が任命する自治紛争処理委員による「調停」だ。当事者の文書による申請、または役所側の職権で手続が始まり、委員は調停案を作って受諾を勧告し、その要旨を公表する。全当事者が受諾文書を出して初めて調停が成立する(7 項)。押さえるべき点は三つ。第一に、これは強制力のある裁定ではなく、当事者が受諾しなければ成立しない合意型の手続だということ。第二に、委員は出頭・陳述・記録提出を求める調査権(9 項)を持つこと。第三に、調停案の作成や打切りといった重要な決定はすべて委員の合議によること(10 項)。役所同士の争いをどう解くか、その全体図がここに描かれている。
地方自治法 251 条の 2 は、普通地方公共団体相互間または機関相互間の紛争を解決するための調停手続を定める規定である。総務大臣または都道府県知事が任命する自治紛争処理委員が調停案を作成し受諾を勧告するが、全当事者が受諾文書を提出して初めて調停が成立する合意型の手続であり、裁判所は関与しない。
AI 輔助整理,以條文原文為準
自治体間や機関間の紛争を調停・審査するため、総務大臣または都道府県知事が任命する委員です。地方自治法 251 条に基づき選任され、調停案の作成や調査を合議で行います。
当事者が文書で申請します。都道府県が当事者なら総務大臣、その他は都道府県知事が宛先です。申請がなくても役所側の職権で調停に付すこともできます(1 項)。
ありません。調停案は受諾を勧告するもので、全当事者が受諾文書を提出して初めて成立します(7 項)。一つでも受諾しなければ不成立で終わります。
できます。市町村の境界に関する争論には地方自治法 9 条が本条の調停手続を準用しており、関係市町村の申請で自治紛争処理委員の調停に持ち込めます。
自治紛争処理委員(251 条の 2)は自治体間・機関間の紛争を扱い、国の関与をめぐる争いは別組織の国地方係争処理委員会(250 条の 7 以下)が扱います。対象が異なります。
取り下げられますが、総務大臣または都道府県知事の同意が必要です(2 項)。相手方の同意ではなく、手続を主宰する役所側の同意が要る点に注意が必要です。
委員は調停案を示し受諾を勧告する際、理由を付してその要旨を公表できます(3 項)。透明性を高めるとともに、受諾を促す事実上の圧力としても機能します。
解決の見込みがないと認められると、総務大臣等の同意を得て打ち切られ、事件の要点と経過が公表されます(5 項)。その後は 251 条の 3 の審査や機関訴訟へ進みます。
そう単純ではない。自治体間・機関間の紛争には、まず 251 条の 2 の自治紛争処理委員による調停という行政手続が用意されている。国と地方の関与をめぐる争いは別組織(国地方係争処理委員会、250 条の 7)が扱う。業界裏話ヒント。自治体は安易に相手を訴えられない。機関訴訟は法律に定めがある場合しか起こせないため、現場ではまず調停や審査で着地点を探るのが定石だ。だから「訴える前にどの手続か」を見極める初動が、勝負を分ける
全当事者が受諾文書を出さなければ調停は成立せず(7 項)、委員は解決の見込みなしと判断すれば総務大臣等の同意を得て打ち切れる(5 項)。その先は是正要求等に関する審査(251 条の 3)や、法律に定めのある機関訴訟へ進む。業界裏話ヒント。調停案の要旨は理由付きで公表される(3 項)。受諾を拒んだ側は「公表された案を蹴った当事者」として議会や世論の圧力を受ける。法的強制力がなくても、公表という仕組み自体が当事者を受諾へ押す静かな圧力になっている
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 対象となる紛争 | 251 条の 2:自治体相互間・機関相互間の紛争 | — |
| 担い手 | 総務大臣・知事が任命する自治紛争処理委員 | — |
| 効力・終わり方 | 強制力なし。全当事者の受諾文書で成立(7 項) | — |
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