要点地方自治法 252 条は、市町村が是正の要求や指示に従わないとき、国の指示を受けた都道府県が高等裁判所に対し市町村の行政庁を被告として不作為の違法確認訴訟を提起できると定める。
Q · 市が県や国の是正の要求を無視し続けたら、最終的にどうなるの?
都道府県が高等裁判所に不作為の違法確認訴訟を起こせます
地方自治法 252 条により、市町村が是正の要求や指示に従わず措置を講じない場合、国の大臣の指示を受けた都道府県の執行機関は、高等裁判所に対し市町村の行政庁を被告として不作為の違法確認訴訟を提起できます(第 2 項は義務、第 3 項は任意)。これは国・県という行政機関が市町村を訴える『機関訴訟』で、第一審が高等裁判所という特別な類型です。訴えは第 5 項の定める期間が経過するまで提起できず、判決は不作為が違法だと確認するにとどまり、作為を強制するものではありません。
あなたの住む市が、法律上当然すべき処分を放置しているとする。県が「是正しなさい」と要求しても、市は無視を決め込む。ここで多くの人は「上が命令したのだから市は従うしかない」と考える。違う。この条文が突きつけるのは、国も都道府県も、市町村を『命令だけでは動かせない』という地方自治の現実だ。県が市の不作為を違法だと判断しても、最後は高等裁判所に訴えを起こし、『この不作為は違法だ』という確認判決を取りに行くしかない。しかも訴える先は地裁ではなく高裁、提訴できる時期にも手続上の制限がある。市町村は、たとえ県や国を相手にしても、裁判所の判断を経ずに頭を押さえつけられることはない。地方自治の本旨は、理念ではなく、こうした訴訟手続の壁として現実に組み込まれている。
地方自治法 252 条は、市町村の不作為に係る違法確認訴訟を定める規定であり、是正の要求又は指示を受けた市町村がこれに従わず措置を講じないとき、国の大臣の指示を受けた都道府県の執行機関が、高等裁判所に対し市町村の行政庁を被告として、当該不作為の違法の確認を訴えにより求めうる手続を規律する。第一審を高等裁判所とする機関訴訟である。
AI 輔助整理,以條文原文為準
行政機関が、他の行政庁が法律上すべき処分をしない不作為について、その違法を裁判所に確認してもらう訴えです。地方自治法 252 条では都道府県が市町村の不作為を高等裁判所で争います。
国や地方公共団体の機関相互間の権限の存否や行使をめぐる争いについての訴訟です。行政事件訴訟法 6 条が定め、法律に特別の定めがある場合だけ提起できます(同法 42 条)。
『市』そのものではなく『市町村の行政庁』です。是正の要求後に権限が他の行政庁に承継されたときは、承継した行政庁が被告になります。
251 条の 3 の審査の申出をするか、要求に応じた措置を講じるかを判断します。動かないまま放置すると、都道府県が高等裁判所に提訴できる状態になります。
国の関与に不服のある地方公共団体が審査の申出をする総務省の第三者機関です。251 条の 3 の申出をするか否かで、その後の提訴可能時期が変わります。
是正の要求(245 条の 5)は大臣が都道府県を通じ又は直接、是正の指示(245 条の 7)は法定受託事務について都道府県が市町村に対して行うもので、本条訴訟の前提となる関与の段階が異なります。
高等裁判所です。通常の行政訴訟が地方裁判所から始まるのと異なり、地裁を飛ばして高等裁判所が第一審の専属管轄となります。
助言・勧告には従う義務はなく、是正の要求・指示にも 251 条の 3 の審査の申出で争えます。最終的に従わせるには裁判所の違法確認判決が必要で、命令だけで押さえつけることはできません。
原則できません。国や県の関与には限界があり、市町村の自律的な権限を裁判所の判断なしに覆すことはできません。市が是正の要求に従わない場合でも、県は第252条に基づき高等裁判所に不作為の違法確認訴訟を起こす必要があります。業界裏話ヒント:国・県が出せるのは助言・勧告・是正の要求・指示までで、強制力は裁判所の確認判決を経て初めて働く。実務では、提訴前の段階で政治的・行政的な調整で決着するケースが大半で、訴訟まで進む例は極めて少ない。だからこそ訴訟に踏み込まれた自治体は、すでに調整が決裂した非常事態にいると読める
市民が国・自治体を訴える通常の取消訴訟・義務付け訴訟と違い、これは国・県という行政機関が市町村の行政庁を訴える『機関訴訟』です。行政事件訴訟法第6条・第43条が定める特別な訴訟類型で、第一審が高等裁判所という点も通常と異なります(地裁を飛ばす)。業界裏話ヒント:機関訴訟は法律に特別の定めがある場合だけ提起でき、誰でも自由に起こせるものではない。主張・証拠提出の時期にも最高裁判所規則で制限がかかり、審理促進が制度的に組み込まれている。普通の行政訴訟の感覚で時間をかけると不意を突かれる
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 252 条:市町村の不作為の違法確認訴訟(高裁へ提訴) | — |
| 主体 | 大臣の指示を受けた都道府県の執行機関 | — |
| 性質 | 機関訴訟(行訴法 6 条)、第一審=高等裁判所 | — |
| 効果 | 不作為の違法を確認するにとどまる(作為強制ではない) | — |
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