要点地方自治法 252 条の 22 は、代替執行された事務をもとの自治体が自ら行ったものとして扱うと定める。実際に処理した自治体ではなく、もとの自治体が法的責任を負い、争う相手方となる。
Q · うちの町の許可を実際に出したのは隣の市。訴える相手はどっち?
実際に処理した隣の市ではなく、もとの自治体が責任主体です
地方自治法 252 条の 22 により、代替執行された事務は「もとの自治体の長が自ら管理・執行したもの」として効力を持ちます。実際に窓口で手続を行ったのが隣の市の職員でも、法的責任を負い、審査請求・取消訴訟の相手方となるのは、事務を代替執行してもらった側のもとの自治体(の長)です。これは効力がもとの自治体に残る代替執行の特徴で、効力が移る事務委託(252 条の 14)とは正反対です。相手方を取り違えると、被告適格を誤って却下されるおそれがあります。
あなたの住む小さな町が、専門職員を確保できず、建築確認や許認可の事務を隣の市に任せているとする。窓口で書類を処理しているのは隣の市の職員だ。その許可が不当だと感じて争いたいとき、あなたは隣の市を相手にすればいいのか、それとも自分の町か。地方自治法 252 条の 22 が、この問いに決着をつける。事務の代替執行(252 条の 16 の 2)では、隣の市が「あなたの町の長の名において」事務を処理する。そして本条は、その処理を「あなたの町の長が自ら行ったもの」として扱うと定める。つまり法律上の責任主体は、実際に手を動かした隣の市ではなく、あなたの町だ。これを取り違えて隣の市に審査請求や訴訟を起こせば、相手方を誤ったとして門前払いになりかねない。実務を動かす役所と、法的責任を負う主体がズレている。その隙間に本条は橋を架けている。
地方自治法 252 条の 22 は、事務の代替執行に関する効力帰属規定である。同法 252 条の 16 の 2 に基づき他の普通地方公共団体又はその長等の名において管理・執行された事務の管理及び執行は、当該もとの普通地方公共団体の長又は同種の委員会若しくは委員が自ら管理・執行したものとしての効力を有する。実際の執行主体と法的責任帰属主体を法的に一致させる規定として機能する。
AI 輔助整理,以條文原文為準
事務の代替執行の効力帰属を定める規定です。他の自治体が代わりに処理した事務を、もとの自治体が自ら行ったものとして扱い、法的責任をもとの自治体に固定します。
もとの自治体(の長)にあります。本条が処理を自治体自身の行為として扱うため、行政事件訴訟法 11 条の被告は、処分をした行政庁が所属するもとの公共団体になります。
もとの自治体の長等に対して行います。実際に手続をした自治体ではなく、本条により責任が帰属するもとの自治体が審査請求の相手方となります。
自治体間の規約で定まり、告示で公示されます。ホームページや情報公開請求で入手でき、規約の種類で責任主体と相手方が判別できます。
平成 26 年(2014 年)の地方自治法改正で新設されました。第 30 次地方制度調査会の答申を受け、252 条の 16 の 2 と効力規定の本条が同時に設けられました。
別の制度です。連携協約(252 条の 2)は自治体間の基本方針の取決め、代替執行は具体的事務の実行を他自治体に委ねる仕組みで、効力はもとの自治体に残ります。
できません。本条が代替執行された処理をもとの自治体自身の行為として固定するため、「あれは相手が勝手にやった」と効力を否定することはできません。
原則として相手方を誤った不適法な申立てとなりますが、不服申立期間内であれば補正できる場合があります。期間を過ぎると救済の道が閉じるおそれがあります。
法的な責任は、あなたの町にあります。地方自治法 252 条の 22 により、隣の市が『あなたの町の長の名において』行った処理は、あなたの町の長が自ら行ったものとして扱われるからです。審査請求や訴訟の相手方は、あなたの町(の長)になります。業界裏話ヒント:窓口の職員が隣の市の所属だと、つい隣の市を相手にしたくなりますが、それは委託(252 条の 14)と代替執行を混同した典型的な誤り。規約に『代替執行』とあれば責任主体は元の町。この一手間で相手方の取り違えを防げる
効力が帰属する相手が逆になります。委託(252 条の 14)では受託した自治体の事務になり責任もそちらに移りますが、代替執行(252 条の 16 の 2、効力は本条)では事務も責任も元の自治体に残ったまま、執行だけを他の自治体が代行します。業界裏話ヒント:どちらの仕組みかは自治体間の『規約』で決まり、告示で公示されています。住民には見えにくいですが、争うときの相手方が変わるので、規約の種類を確認するのが実務上の決め手。役所に聞けば教えてくれます
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 効力の帰属先 | 代替執行(252 条の 16 の 2 +本条):もとの自治体に帰属 | — |
| 争う相手方(被告適格) | もとの自治体(の長) | — |
| 事務の所在 | 事務はもとの自治体に残り、執行のみ他自治体が代行 | — |
| 住民から見た責任主体 | 変わらない(もとの自治体が一貫して責任) | — |
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