要点地方自治法 252 条の 40 は、指定都市と都道府県の事務の衝突について、市長または知事が議会の議決を経て総務大臣に調整勧告を求められる制度を定める。
Q · 市と県が似たような施設を二重に作ろうとしているとき、都構想みたいな大改革をせずに止める方法はあるの?
総務大臣に調整を求める仕組みがある(地方自治法 252 条の 40)
地方自治法 252 条の 40 によれば、指定都市の市長または包括都道府県の知事は、調整会議(252 条の 39)で協議が調わないとき、議会の議決を経て総務大臣に必要な勧告を求めることができます。総務大臣は勧告調整委員を任命して意見を聴いたうえで勧告し、その内容を公表します。これは大阪都構想のような都市の解体を行わずに二重行政を調整する仕組みで、2014 年に新設されました。ただし勧告に法的拘束力はありません。
大阪都構想という言葉を、住民投票のニュースで聞いたことがあるだろう。あの騒動の根っこには「二重行政」、つまり大阪市と大阪府が似た仕事を二重にやって税金を無駄にしているという問題があった。政令指定都市(人口 50 万以上で特に強い権限を持つ市、横浜・大阪・名古屋など 20 市)とその都道府県は、権限が重なり合い、しばしば衝突する。この条文は、その衝突を「都構想のような大改造」をせずに解くために、2014 年に国が用意した安全弁だ。指定都市の市長か知事が、調整会議(前条)でも話がまとまらないとき、総務大臣に「間に入って勧告してくれ」と求められる。ただし勝手にはできない。議会の議決を経て、相手方に通知し、第三者である調整委員の意見を聞いたうえで、総務大臣が公開の勧告を出す。あなたが指定都市に住んでいるなら、市と県のどちらに従えばいいか分からない事務の裏で、この調整装置が静かに待機している。
地方自治法 252 条の 40 は、指定都市と包括都道府県の事務処理の調整に関する規定である。調整会議で協議が調わない場合に、指定都市の市長または都道府県の知事が、議会の議決を経て総務大臣に必要な勧告を求められる仕組みを定め、総務大臣は勧告調整委員の意見を聴いたうえで勧告を行い、その内容を公表しなければならない。
政令指定都市と包括都道府県が事務処理を調整するために設置する協議の場です。地方自治法 252 条の 39 が定め、ここで調わないと 252 条の 40 の勧告の求めに進みます。
市と県が病院や産業振興施設など類似の事務・施設を重複して持ち、税金が非効率に使われる状態を指します。大阪都構想の議論の出発点になった問題です。
人口 50 万以上で政令により指定され、都道府県に準じた強い権限を持つ市です。横浜・大阪・名古屋など全国 20 市が該当します。
総務大臣が任命する第三者で、調整勧告の内容について意見を述べます。地方自治法 252 条の 41 が任命と職務を定めています。
必要です。市長または知事が勧告の求めをするには、あらかじめ当該自治体の議会の議決を経なければなりません(252 条の 40 第 2 項)。議会の賛同が前提です。
公表されます。総務大臣は勧告を行うとともに、その内容を国の関係行政機関の長に通知し、公表しなければなりません(252 条の 40 第 8 項)。
できます。都市を解体する都構想とは別に、市も県も残したまま総務大臣の調整勧告で対応する本条の回路が使えます。2015 年・2020 年に否決された大阪でも利用可能です。
大都市地域特別区設置法による都構想(住民投票が必要)と、本条の総務大臣による調整勧告があります。前者は大改造、後者は都市を残したままの軽い調整です。
都構想は市そのものを廃止して特別区に作り替える大改造で、大都市地域特別区設置法に基づく住民投票が必要です。対してこの条文(252 条の 40)は、市も県も残したまま総務大臣が仲裁役として勧告するだけで、住民投票も法改正も要りません。業界裏話ヒント:この調整会議と勧告の仕組みは、まさに大阪の二重行政論争を受けて 2014 年に作られた、いわば「都構想の穏健版」です。都構想が否決された後も、二重行政を問う住民が頼れる現実的な制度として残っている、という構図を知っている人は少ない
従う法的義務はありません。勧告には法的拘束力がなく、あくまで「こうすべき」という方向づけです。ただし第 8 項で勧告内容は必ず公表されるので、無視すれば「国の勧告を蹴った自治体」として政治的・世論的な圧力にさらされます。業界裏話ヒント:行政の世界では、拘束力のない勧告でも公表されると実質的な強制力を持つことが多い。住民や議会の目が監視装置になるからです。法的には任意でも、政治的には従わざるを得ない、という二段構えの設計だと読めるかどうかが分かれ目になる
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 役割 | 252 条の 40:協議が調わないとき総務大臣に勧告を求める | — |
| 発動の段階 | 調整会議で調わなかった次の段階 | — |
| 主体 | 指定都市の市長または都道府県の知事 → 総務大臣 | — |
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