要点地方自治法2条は、地方公共団体が処理する事務を、自らの判断で行う「自治事務」と、国等が本来担うべき役割を委ねられた「法定受託事務」に区分すると定める。
Q · 市役所の仕事って、全部同じ「役所の仕事」じゃないの?
自治事務と法定受託事務の2種類に分かれます
地方自治法2条は、地方公共団体が処理する事務を「自治事務」(自治体が自らの判断で処理する事務)と「法定受託事務」(本来は国や都道府県が果たすべき役割を委ねられた事務)に区分します(8項・9項)。どちらに当たるかで、国の関与の限界や、不服を申し立てる際の審査の系統が変わります。さらに、法令に違反して行った事務処理は、取り消すまでもなく無効です(17項)。
あなたが市役所で住民票を取る、粗大ゴミの収集を頼む、生活保護を申請する。どれも同じ「役所の仕事」に見えるが、地方自治法 2 条はこれらを「自治事務」と「法定受託事務」という二つのカテゴリに切り分けている。8 項と 9 項がその定義だ。自治事務は自治体が自分の判断で処理する仕事、法定受託事務は本来国(または都道府県)が果たすべき役割を自治体に委ねた仕事。なぜあなたに関係するか。後者に不満があるとき、最終的に判断を仰ぐ相手が国の主務大臣に及ぶことがあるからだ。さらにこの条文の隠れた爆弾は 16 項と 17 項にある。自治体が法令に違反して行った行為は「無効」。市が法律を無視して出した処分は、取り消されるまでもなく、はじめから効力がない。あなたが「その許可や処分は違法だ」と主張できる法的足場が、この一行に埋め込まれている。
地方自治法2条は、地方公共団体を法人と位置づけたうえで、その処理する事務を自治事務と法定受託事務に二分する定義規定である。自治事務は法定受託事務以外の事務を指し、法定受託事務は国又は都道府県が本来果たすべき役割に係る事務として法令で特に定められたものをいう。
地方公共団体が処理する事務のうち、法定受託事務以外のものをいいます(地方自治法2条8項)。自治体が地域の実情に応じて自らの判断と責任で処理する事務です。
法令により地方公共団体が処理するとされる事務のうち、国や都道府県が本来果たすべき役割に係り、その適正な処理を特に確保する必要があるとして法令で特に定められた事務です(2条9項)。
自治事務は自治体が自ら判断する事務で国の関与に限界があり配慮義務もあります。法定受託事務は国等の役割を委ねた事務で、より強い関与(是正の指示等)が認められます。
第一号は国が本来果たすべき役割に係る事務、第二号は都道府県が本来果たすべき役割に係り市町村・特別区が処理する事務です。具体は別表第一・第二に掲げられます。
住民自治と団体自治を内容とする地方自治制度の根本原理で、憲法92条が定めます。地方自治法2条11項・12項は、法令の解釈・運用がこの本旨を踏まえるべきと規定します。
市町村は基礎的な地方公共団体として一般的な事務を処理し、都道府県は広域にわたる事務・連絡調整・規模や性質上市町村に適さない事務を処理します(2条3項〜5項)。
地方自治法16条は法令違反の事務処理を禁止し、17条はこれに違反して行った行為を無効と定めます。取り消すまでもなく、はじめから効力がない状態になります。
平成11年(1999年)の地方分権一括法で機関委任事務制度が廃止され、平成12年(2000年)施行で自治事務と法定受託事務の二分類が導入されました。
その事務が自治事務か法定受託事務かで宛先が変わります(2 条 8 項・9 項)。多くは審査請求(行政不服審査法)を処分庁や上級庁に出しますが、法定受託事務だと審査の系統が最終的に国の大臣の判断に届くことがあります。業界裏話ヒント:窓口は「うちの決まりです」としか言わず、その処分が法定受託事務だとは教えてくれないことが多い。根拠法令を尋ね、別表第一・第二や政令に載る事務かを確認すると、争う相手のレベルが一段上がります
取り消すまでもありません。17 項は法令違反の事務処理を「無効」と定めます。無効ははじめから効力がないという意味で、取消し(取り消されるまでは有効)より強い。業界裏話ヒント:ただし実務では「重大かつ明白な違法」でなければ無効まではいかず取消し止まり、という判例法理があり、無効を勝ち取るハードルは高い。それでも無効確認訴訟には出訴期間がないので、取消訴訟の 6 か月を過ぎた後の最後の手段として残ります(最新の判例状況をご確認ください)
言いなりではありません。2 条 11 項から 13 項は、国も自治体も地方自治の本旨と適切な役割分担の枠内で動けと定め、特に自治事務では国に配慮義務を課します(13 項)。業界裏話ヒント:この役割分担の原則が現実の武器になったのが、ふるさと納税をめぐる国と泉佐野市の最高裁判決です。自治体が「国の関与は行き過ぎだ」と争って勝てる、その法的根拠がこの条文群にあります
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|---|---|---|
| 事務の性質 | 自治事務(2条8項):法定受託事務以外の事務。自治体が自らの判断と責任で処理する | — |
| 国の関与 | 是正の要求・技術的助言等にとどまり、国に配慮義務がある(2条13項) | — |
| 条例制定 | 法令の範囲内で広く条例を制定できる(14条) | — |
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