国家公務員法 第73条(能率増進計画)
クイックジャンプ
- 内閣総理大臣及び関係庁の長は、職員の勤務能率の発揮及び増進のために、次に掲げる事項について計画を樹立し、その実施に努めなければならない。
- 一職員の保健に関する事項
- 二職員のレクリエーションに関する事項
- 三職員の安全保持に関する事項
- 四職員の厚生に関する事項
- 2.前項の計画の樹立及び実施に関し、内閣総理大臣は、その総合的企画並びに関係各庁に対する調整及び監視を行う。
この条文の基本情報
能率増進計画とは何ですか?
定義能率増進計画とは、国家公務員法第73条に定められた規定で、「内閣総理大臣及び関係庁の長は、職員の勤務能率の発揮及び増進のために、次に掲げる事項について計画を樹立し、その実施に努めなければならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 国家公務員法第73条(能率増進計画)は、日本の国家公務員法に含まれる条文です。
- 国家公務員法第73条の条文原文は「内閣総理大臣及び関係庁の長は、職員の勤務能率の発揮及び増進のために、次に掲げる事項について計画を樹立し、その実施に努めなければならない。」で始まります。
- 国家公務員法第73条は第五節に置かれています。
- 国家公務員法の公布日は昭和22年10月21日です。
- 国家公務員法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 国家公務員法第73条の前の条は国家公務員法第72条です。
- 国家公務員法第73条の次の条は国家公務員法第73条の2です。
- 国家公務員法第73条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)第73条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000120 - 本サイト収録
国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)第73条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/322AC0000000120/73
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点国家公務員法73条は、内閣総理大臣と各庁の長が職員の保健・レクリエーション・安全保持・厚生の計画を立て、実施に努めるべきと定める。努力義務で職員の請求権はない。
Q · 国家公務員法73条を根拠に、職場の健康対策を国に直接求められる?
直接の請求根拠にはならない努力義務規定です
国家公務員法73条は、内閣総理大臣及び関係庁の長に、職員の保健・レクリエーション・安全保持・厚生に関する計画の樹立と実施に「努める」ことを求める努力義務規定です。職員個人に実施を請求する権利は定めていません。職場環境の改善を実際に求めるには、同法86条に基づく人事院への行政措置要求や、人事院規則10-4(職員の保健及び安全保持)の具体的基準を根拠にするのが実務上の経路です。
解説
霞が関の庁舎で受ける定期健康診断、共済の保養所、職場の球技大会、庁内の安全点検。一見ばらばらなこれらは、国家公務員法73条に書かれた四つの項目(保健、レクリエーション、安全保持、厚生)から枝分かれしている。ただし、あなたが見落としてはならない点が一つある。条文の結びは「努めなければならない」、つまり努力義務(「やるよう努力せよ」という責務で、守らなくても直ちに違法とはならない義務)にとどまる。計画を立てる責任を負うのは内閣総理大臣と各府省の長で、職員一人ひとりに「レクリエーションを実施せよ」と請求する権利を与えているわけではない。したがって、長時間労働や危険な職場環境を本気で改善させたいなら、73条を振りかざしても手応えは薄い。効き目があるのは、人事院規則10-4(職員の保健及び安全保持)という具体的な基準と、86条の行政措置要求(人事院に勤務条件の改善を正式に申し立てる手続)の組み合わせである。73条は「国が職員の健康に責任を持つ」という看板であり、実際に動かす力は別の条文にある。この構造を知っているかどうかで、声の上げ方がまるで変わる
法的な位置づけ
国家公務員法第73条は、職員の勤務能率の発揮及び増進を目的として、内閣総理大臣及び関係庁の長が職員の保健、レクリエーション、安全保持及び厚生の四事項について計画を樹立し、その実施に努める責務を定めた規定である。内閣総理大臣は、計画の総合的企画並びに関係各庁に対する調整及び監視を行う。
よくある質問 AI による整理
Q1国家公務員法73条とは?
職員の勤務能率を高めるため、保健・レクリエーション・安全保持・厚生の四事項について計画を立て、実施に努めるよう内閣総理大臣と各庁の長に求める規定です。
Q2国家公務員の健康診断は何に基づいて行われる?
一般職の国家公務員の健康診断は、労働安全衛生法ではなく人事院規則10-4(職員の保健及び安全保持)に基づき、各省各庁の長が実施します。
Q3国家公務員のストレスチェックの根拠は?
一般職には労働安全衛生法が原則適用されないため、人事院規則等に基づく制度として実施されています。民間とは根拠法も相談窓口も別系統です。
Q4努力義務に違反したらどうなる?
努力義務は、守らなくても直ちに違法や罰則とはならない責務です。73条も同様で、不実施を理由に職員が損害賠償や実施を直接請求することは困難です。
Q5国家公務員の福利厚生は誰が決める?
73条2項により内閣総理大臣が総合的企画と各庁の調整・監視を行い、各府省の長が自庁の計画を樹立・実施します。共済組合の福祉事業も厚生を担います。
Q6国家公務員は勤務条件の改善を正式に求められる?
できます。国家公務員法86条により、勤務条件に関し人事院に行政上の措置を要求できます。手続は人事院規則13-2に定められています。
Q7国家公務員が公務でけがをしたら補償は?
労災保険ではなく国家公務員災害補償法による公務災害補償の対象となります。73条は事前の安全確保、災害補償法は事後救済という役割分担です。
Q8地方公務員の福利厚生規定との違いは?
地方公務員法42条は厚生計画を「実施しなければならない」と義務の形で定めます。国家公務員法73条は「努めなければならない」で、条文上は国の方が弱い表現です。
この条文についての質問 AI による整理
Q173条を根拠に「残業続きの職場をなんとかしろ」と上に要求できますか?
73条は内閣総理大臣と各府省の長に計画づくりを求める努力義務で、職員個人の請求権は定めていない。実効性があるのは86条の行政措置要求と、人事院規則15-14に定める超過勤務の上限(原則月45時間、年360時間。最新の改正状況をご確認ください)である。実務のポイント:上限を超えた場合、各府省は要因の整理、分析、検証を行う仕組みになっている。「上限超えの検証記録はありますか」と一言聞くだけで、管理職の反応は変わる
Q2国家公務員でも、労基署に相談すれば職場の安全を見てもらえますか?
一般職の非現業職員には、国家公務員法附則16条により労働基準法や労働安全衛生法が原則として適用されない。職場の保健と安全保持の基準は人事院規則10-4で定められ、窓口は人事院(本院および地方事務局)の苦情相談になる。実務のポイント:労基署に行っても「管轄外」と言われて帰されるだけで終わることが多い。最初から人事院に、写真や勤務記録を添えた書面で持ち込む方が、はるかに早く話が進む
間違えやすい点 AI による整理
- 「国家公務員は国に守られているから福利厚生は手厚いはず」と思われがちだが、73条そのものは努力義務であり、職員が内容の実施を直接請求する根拠にはならない。ちなみに地方公務員法42条は「実施しなければならない」と義務の形で書いており、国の方が条文上は弱い表現になっている
- 公務員の職場トラブルも民間と同じく労基署に相談すればよい、という前提そのものがずれている。一般職の国家公務員には国家公務員法附則16条により労働基準法や労働安全衛生法が原則として適用されず、監督と救済の窓口は人事院である。問いの宛先を間違えると、相談しただけで数週間を失う
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の性格 | 国公法73条:能率増進のための保健・安全・厚生等の計画樹立と実施の努力義務 | 国公法86条:職員が人事院に勤務条件の行政措置を要求できる権利 国公法71条:職員の能率が充分に発揮されるべきとする能率の根本基準 |
| 名宛人 | 内閣総理大臣及び関係庁の長 | 職員(要求主体)と人事院(審査主体) 人事行政全体 |
| 職員個人が使えるか | 直接の請求根拠にはならない | 職員が自ら申し立てる手続として使える 理念規定で個別請求の根拠にはならない |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は公務員の職務執行上の安全・衛生防護を機関の義務として定め、保障制度の中に位置付ける。日本の73条のような能率目的の努力義務とは構成が異なる。
韓国も能率増進のための保健・休養・安全・厚生の基準樹立と実施を定め、日本の73条と構造が近い。
ドイツは雇用主たる国の配慮義務(Fürsorgepflicht)として公務員の福祉・保護を定め、職員側の権利性がより強い。
米国は連邦職員向け健康サービスプログラムを各機関が設けることができると定める。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 国会答弁の準備で三週連続の深夜残業。同期が倒れても、職場の健康管理は年一回の健診案内が回ってくるだけ。「73条で国には計画を立てる責任があるはずだ」と上司に言いたくなるかもしれない。だが上司を動かすなら、人事院規則の超過勤務上限と、人事院への行政措置要求を材料にした方がはるかに早い
- 地方出先機関の倉庫で、老朽化した棚が傾いたまま半年放置されているとしたら、誰に言えばいいのか? 一般職の国家公務員には労働安全衛生法が原則適用されないため、労働基準監督署は窓口にならない。安全保持の根拠は人事院規則10-4で、相談先は人事院の地方事務局である。事故が起きる前の今週中に、写真付きで記録を残しておきたい
学説
通説:73条は内閣総理大臣と各庁の長に福利厚生等の計画樹立・実施を求める努力義務規定であり、職員の具体的請求権を基礎付けるものではない。実効的な基準は人事院規則に委ねられ、職員の救済は86条の行政措置要求等によって図られる。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和22年(1947年) 新設:国家公務員法制定時に、能率に関する規定群の一つとして置かれた。
- 国家公務員法 第71条能率の根本基準、本条の前提規定
- 国家公務員法 第72条人事評価、能率増進の並列手段
- 国家公務員法 第86条勤務条件改善の行政措置要求
- 国家公務員災害補償法 第1条公務災害の事後救済を担う特則
- 国家公務員共済組合法 第98条福祉事業による厚生の具体化(現行効力を要確認)
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める