職業安定法 第29条の8(準用)
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第二十条の規定は、特定地方公共団体が無料の職業紹介事業を行う場合について準用する。この場合において、同条第一項中「公共職業安定所」とあるのは「特定地方公共団体」と、同条第二項中「公共職業安定所は」とあるのは「公共職業安定所は、その旨を特定地方公共団体に通報するものとし、当該通報を受けた特定地方公共団体は、」と読み替えるものとする。
この条文の基本情報
準用とは何ですか?
定義準用とは、職業安定法第29条の8に定められた規定で、「第二十条の規定は、特定地方公共団体が無料の職業紹介事業を行う場合について準用する。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 職業安定法第29条の8(準用)は、日本の職業安定法に含まれる条文です。
- 職業安定法第29条の8の条文原文は「第二十条の規定は、特定地方公共団体が無料の職業紹介事業を行う場合について準用する。」で始まります。
- 職業安定法第29条の8は第二章の二 地方公共団体の行う職業紹介に置かれています。
- 職業安定法の公布日は昭和22年11月30日です。
- 職業安定法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 職業安定法第29条の8の前の条は職業安定法第29条の7です。
- 職業安定法第29条の8の次の条は職業安定法第29条の9です。
- 職業安定法第29条の8には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
職業安定法(昭和二十二年法律第百四十一号)第29条の8 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000141 - 本サイト収録
職業安定法(昭和二十二年法律第百四十一号)第29条の8(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/322AC0000000141/29_8
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点職業安定法29条の8は、自治体の無料職業紹介にも争議不介入ルールを及ぼし、ストやロックアウト中の事業所への求職者紹介を禁止する規定です。
Q · ストライキ中の会社に、市役所の就職窓口が人を紹介してもいいの?
できない。争議中の事業所への自治体紹介は禁止
職業安定法29条の8は、同法20条を特定地方公共団体の無料職業紹介に準用します。そのため、同盟罷業(ストライキ)や作業所閉鎖(ロックアウト)が行われている事業所に、自治体は求職者を紹介できません。争議前の段階でも、労働委員会の通報がハローワーク経由で自治体に届けば、争議前の通常人数を維持する範囲を除き紹介は止まります。ただし、使用者が自分で代替要員を募集すること自体は本条の対象外です。
解説
市役所や県の就職支援窓口は、ストライキ中の工場に人を送り込んではならない。職業安定法29条の8は、ハローワーク向けの20条(労働争議に対する不介入)を、無料の職業紹介を行う自治体(特定地方公共団体)にもそのまま当てはめる条文である。中身は二段になっている。第一に、同盟罷業(ストライキ)や作業所閉鎖(ロックアウト)がすでに行われている事業所には、求職者を一人も紹介できない。第二に、まだストに至っていなくても、労働委員会が「ストに至るおそれが大きく、無制限に紹介すると争議の解決が妨げられる」とハローワークに通報し、ハローワークがそれを自治体に伝えた場合も紹介が止まる。ただしこの第二段には例外があり、争議前に普段雇っていた人数を維持する範囲までなら紹介できる。押さえておくべき核心は、縛られているのが「紹介する側」だという点である。使用者が自分で求人広告を出し代わりの要員を雇うことまでは、本条は禁じていない。だから組合側が狙うべき相手は会社ではなく、公的な紹介ルートである。
法的な位置づけ
職業安定法29条の8は、特定地方公共団体が行う無料職業紹介に同法20条(労働争議に対する不介入)を準用する規定である。同盟罷業または作業所閉鎖が行われている事業所への求職者紹介を禁じ、労働委員会から公共職業安定所を経由した通報を受けた場合には、争議前の通常人数を維持する限度を除き紹介を停止させる。
手順
- 1.紹介ルートを特定する 争議中の事業所に来た代替要員について、紹介元が自治体窓口、ハローワーク、民間紹介事業者、派遣会社、使用者の直接募集のいずれかを確認し、日時・事業所名とともに記録する
- 2.自治体へ書面で紹介停止を求める 自治体経由の紹介であれば、職業安定法29条の8と20条を根拠として明記した書面を担当課に提出し、紹介の停止と経緯の説明を求める
- 3.スト前なら労働委員会に状況を伝える まだ争議行為に入っていない段階では、争議の実態を労働委員会に伝え、20条2項(29条の8で読替え)の通報ルートが動く余地を探る
- 4.改善されない場合は専門家に相談する 紹介が続く場合は弁護士に相談し、国家賠償法1条に基づく請求を含めた対応を検討する。損害と加害者を知った時から3年の期間制限に注意する
よくある質問 AI による整理
Q1職業安定法29条の8とは?
自治体(特定地方公共団体)が無料職業紹介を行うときに、ハローワーク向けの争議不介入規定(同法20条)を読み替えて当てはめる条文です。
Q2特定地方公共団体とは何ですか?
職業安定法に基づき、無料の職業紹介事業を行う都道府県や市町村を指します。ハローワークとは別の、自治体独自の紹介窓口です。
Q3ロックアウト中の会社に職業紹介できる?
できません。作業所閉鎖(ロックアウト)も同盟罷業と同じく紹介禁止の対象で、締め出した従業員の代わりを自治体経由で集めることは許されません。
Q4スト中の事業所への職業紹介は違法?
ハローワーク、自治体の無料職業紹介ともに、同盟罷業が行われている事業所への紹介は職業安定法20条(29条の8で準用)により禁止されています。
Q5労働委員会の通報とは何ですか?
争議発生のおそれが大きく、無制限の紹介が争議解決を妨げると労働委員会が判断した場合に、ハローワークへ行う通報です。自治体にも伝えられます。
Q6争議前の通常人数までの紹介はできる?
できます。通報による紹介停止には例外があり、争議発生前に通常使用されていた労働者の員数を維持する限度までは紹介が認められます。
Q7自治体の職業紹介で違反があったらどこに相談?
まず紹介を行った自治体の担当課に書面で申し入れ、改善がなければ都道府県労働局、労働委員会、弁護士への相談を検討します。
Q8民間の職業紹介会社もスト中は紹介禁止?
職業紹介事業者についても、同法34条が20条を準用しており、同様の争議不介入ルールが及ぶとされます。最新の条文は e-Gov で確認してください。
この条文についての質問 AI による整理
Q1ストやってる会社に市の窓口が人を紹介してたんですけど、違法じゃないんですか?
自治体が無料職業紹介として紹介していたのであれば、職業安定法29条の8が準用する20条1項に反する可能性が高い。実務のポイント:自治体の就職支援は、移住支援や地域雇用事業として外部に委託されていることがある。その場合、委託先が自治体の名義で紹介しているのか、独自の職業紹介事業として紹介しているのかで適用される条文が変わる。最初に「誰の事業として紹介したのか」を確かめる
Q2まだストに入ってない段階でも、自治体に紹介を止めさせられますか?
止めさせられる場面がある。20条2項を読み替えた結果、労働委員会がハローワークに通報し、それを受けた自治体は紹介を止めなければならない。ただし争議前の通常人数を維持する範囲までの紹介は許される。実務のポイント:組合が直接自治体に頼んでも2項の効力は発生しない。効力が生じるのは労働委員会からの通報ルートを通った場合だけである
Q3会社が自分で求人サイトに広告を出してスト要員を集めるのは止められないんですか?
本条が縛っているのは紹介する側であり、使用者自身の募集までは禁じていない。判例上も、スト中の操業継続は原則として使用者の自由とされている(最決昭和53.11.15)。実務のポイント:止められないルートに体力を使うより、紹介・派遣といった止められるルートを確実に塞ぎ、そのうえで団体交渉に集中する方が、結果として交渉力が残る
間違えやすい点 AI による整理
- 「ストライキ中は会社が新しい人を雇うこと自体が違法だ」と思われがちだが、本条が禁じているのは自治体による紹介である。使用者が自ら募集して代替要員を雇うことは、判例上、操業継続の自由の範囲として原則として許されている。怒りの矛先を間違えると、打てる手を見落とす
- 「自治体の就職支援はハローワークとは別物なので、労働法上の制約はゆるい」というイメージが前提として誤っている。自治体が無料職業紹介を行うとき、ハローワーク向けの争議不介入ルールが読替えによってそのまま適用される。窓口の看板が市役所でも、守るべき中立のラインは国と同じである
- スト前なら何をしても自由だと考える自治体担当者は、2項の重さを分かっていない。労働委員会からハローワーク経由の通報が届けば、まだストが起きていない事業所への紹介も止めなければならない。通報の受け手は自治体自身であり、「知らなかった」では済まない立場に置かれる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規制される主体 | 職安法29条の8:無料職業紹介を行う特定地方公共団体(自治体) | 職安法20条:公共職業安定所(ハローワーク) 職安法34条:職業紹介事業者(20条を準用) |
| 争議中の紹介 | 同盟罷業・作業所閉鎖中の事業所への紹介禁止(20条1項の読替え) | 同盟罷業・作業所閉鎖中の事業所への紹介禁止 同旨の準用 |
| 争議前の紹介停止の発動 | 労働委員会→ハローワーク→自治体への通報を受けて停止 | 労働委員会からハローワークへの通報で停止 準用の読替え内容に従う |
| 根拠となる紹介事業 | 職安法29条:特定地方公共団体の無料職業紹介 | 職安法8条以下:国の公共職業安定所の業務 職安法30条以下:有料・無料の職業紹介事業 |
他国ではどう定めているか 3 か国
韓国も職業安定機関に対し、争議行為が行われている事業所への求職者紹介を禁じる規定を置いている
ドイツの連邦雇用エージェンシーは、争議の直接影響下にある領域では、求職者と使用者の双方が争議の告知を受けたうえで求めた場合に限り紹介できる
米国の州雇用サービスは、ストライキにより空いた職の補充につながる紹介を行わないよう規制されている
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 組合がストに入って三日目、工場の門の前で、見慣れない新人たちが「市の就職相談窓口で紹介された」と話しているのを聞いた。自治体の紹介であれば29条の8違反の疑いがある。その日のうちに市の担当課へ、日時と事業所名を書いた書面を出す
- もし移住支援の一環で自治体の窓口から地元企業を紹介され、初出勤の日に構内でピケが張られていたら、どうなるか? あなた自身が違法行為をしたわけではない。ただ、紹介した自治体の側に紹介禁止違反の問題が生じる
- あなたは県の無料職業紹介窓口の担当者で、求人企業から「急ぎで20人ほしい」と電話を受けた。実はその企業では、組合が来週からのスト通告を出したばかりである。まだストが始まっていない段階の扱いは、労働委員会からの通報があるかどうかで変わる
- 団体交渉が決裂し、ストまで残り一週間。組合としては、ストが始まった後に穴埋め要員が公的ルートで流れ込む事態を防ぎたい。ここで効いてくるのが2項の通報ルートである。労働委員会がハローワーク経由で自治体に通報すれば、スト前でも紹介を止められる
- ロックアウトは会社側が仕掛ける争議行為だが、これも紹介禁止の対象に入る。締め出した従業員の代わりを自治体経由で集めることはできない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 代替要員が来たら、本人から紹介元(自治体窓口、ハローワーク、民間紹介、派遣)を確認し、日時とともに記録する2. 自治体経由なら、担当課へ29条の8と20条を挙げた書面で紹介の停止を求める3. スト前であれば、争議の実態を労働委員会に伝え、2項の通報が出る余地を探る4. 紹介が続くようなら、労働委員会の相談窓口や弁護士に相談し、国家賠償法1条に基づく請求も含めて検討する(実務上の先例は少ない)
訴えられた側:1. 自治体の紹介担当者であれば、求人企業でストやロックアウトが行われていないか、紹介前に確認する手順を作る2. ハローワークから労働委員会の通報が転送されてきたら、即日で対象事業所への紹介を止め、職員間で共有する3. 例外(争議前の通常人数を維持する範囲)を使うときは、争議前の在籍人数の根拠資料を残す4. 誤って紹介してしまった場合は、速やかに紹介を中止し、経緯を記録したうえで組合側に説明する
時効(請求できる期限):特定の時効はないが、一般消滅時効(民法166条、債権5年または10年)が適用される。紹介禁止はストライキや作業所閉鎖が行われている間ずっと続く。自治体の違法な紹介で損害を受けたとして国家賠償を求める場合は、国家賠償法4条により民法724条が適用され、損害と加害者を知った時から3年である
学説
通説的理解:職業紹介機関の争議不介入は、行政が争議の一方当事者に人材を供給して労使の力関係を左右しないための中立義務と理解される。規制対象は紹介機関であり、使用者の直接募集は別問題とされる。
- 職業安定法 第20条準用元の争議不介入規定
- 職業安定法 第29条特定地方公共団体の無料職業紹介
- 職業安定法 第34条職業紹介事業者への同旨準用(現行効力を要確認)
- 労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律 第24条派遣事業への争議不介入準用(通称 労働者派遣法)
- 労働関係調整法 第7条同盟罷業・作業所閉鎖等の争議行為の定義
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