職業安定法 第31条(許可の基準等)
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- 厚生労働大臣は、前条第一項の許可の申請が次に掲げる基準に適合していると認めるときは、同項の許可をしなければならない。
- 一申請者が、当該事業を健全に遂行するに足りる財産的基礎を有すること。
- 二個人情報を適正に管理し、及び求人者、求職者等の秘密を守るために必要な措置が講じられていること。
- 三前二号に定めるもののほか、申請者が、当該事業を適正に遂行することができる能力を有すること。
- 2.厚生労働大臣は、前条第一項の許可をしないときは、遅滞なく、理由を示してその旨を当該申請者に通知しなければならない。
この条文の基本情報
許可の基準等とは何ですか?
定義許可の基準等とは、職業安定法第31条に定められた規定で、「厚生労働大臣は、前条第一項の許可の申請が次に掲げる基準に適合していると認めるときは、同項の許可をしなければならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 職業安定法第31条(許可の基準等)は、日本の職業安定法に含まれる条文です。
- 職業安定法第31条の条文原文は「厚生労働大臣は、前条第一項の許可の申請が次に掲げる基準に適合していると認めるときは、同項の許可をしなければならない。」で始まります。
- 職業安定法第31条は第一節 有料職業紹介事業に置かれています。
- 職業安定法の公布日は昭和22年11月30日です。
- 職業安定法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 職業安定法第31条の前の条は職業安定法第30条です。
- 職業安定法第31条の次の条は職業安定法第32条です。
- 職業安定法第31条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
職業安定法(昭和二十二年法律第百四十一号)第31条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000141 - 本サイト収録
職業安定法(昭和二十二年法律第百四十一号)第31条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/322AC0000000141/31
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点職業安定法31条は、有料職業紹介事業の許可基準として財産的基礎・個人情報管理・適正な遂行能力の3つを定め、基準に適合すれば厚生労働大臣は許可しなければならない。
Q · 人材紹介の許可って、条件を満たしていても役所の判断で断られることがあるの?
三基準を満たせば許可は必ず出る。断るなら理由の通知が必要
職業安定法31条1項は、申請が財産的基礎・個人情報の適正管理・適正な遂行能力の三基準に適合すると認めるとき、厚生労働大臣は「許可をしなければならない」と定めています。好き嫌いで断る裁量はありません。ただし32条の欠格事由に当たる場合は別です。不許可にするときは、31条2項により遅滞なく理由を示して通知しなければならず、理由が抽象的すぎれば行政手続法8条違反として争う余地があります。
解説
厚生労働大臣は、気に入らないという理由だけで人材紹介の許可を断ることはできない。条文は「適合していると認めるときは、許可をしなければならない」と書いている。基準を満たせば、許可は出さなければならないということだ。基準は三つある。一つ目は、事業を続けられるだけのお金があること(財産的基礎)。二つ目は、求職者の履歴書や年収、転職理由を外に漏らさない仕組みがあること。三つ目は、その他の面でも事業をきちんと運営できる能力があること。基準の中身は、厚生労働省の業務運営要領で数字まで決められている。たとえば、事業所1か所あたり基準資産額500万円以上、自己名義の現預金150万円以上といった水準である(最新の改正状況をご確認ください)。審査は「熱意」ではなく決算書と社内規程で決まる。さらに第2項がある。許可しないときは、理由を示して通知しなければならない。つまり、あなたが不許可通知を受け取ったら、その理由欄が反撃の出発点になる。役所の言いなりで終わるか、争う材料を持つかは、この条文を読んだかどうかで分かれる。
法的な位置づけ
職業安定法31条は、有料職業紹介事業の許可基準を定める規定である。厚生労働大臣は、申請者が財産的基礎、個人情報の適正管理および秘密保持の措置、事業を適正に遂行する能力の三基準に適合すると認めるときは許可しなければならず、不許可とする場合は遅滞なく理由を付して通知しなければならない。
よくある質問 AI による整理
Q1有料職業紹介事業とは何ですか?
求人と求職の申込みを受けて雇用関係の成立をあっせんし、手数料や報酬を受け取る事業です。始めるには職業安定法30条の厚生労働大臣の許可が必要です。
Q2有料職業紹介の許可申請はどこに出しますか?
主たる事務所を管轄する都道府県労働局を経由して厚生労働大臣に申請します。正式申請の前に労働局で事前相談をしておくと、書類不備による差し戻しを減らせます。
Q3人材紹介の許可が下りるまでどれくらいかかりますか?
申請受理から許可まで、目安として2〜3か月程度かかるとされます。開業予定日から逆算し、決算書や規程類の準備期間も含めて計画を立てる必要があります。
Q4無許可で人材紹介をしたら違法ですか?
違法です。許可なく有料職業紹介事業を行うと、職業安定法64条により1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金の対象になります。反復継続して報酬を得ていれば名目は問われません。
Q5人材紹介の許可は個人事業主でも取れますか?
取れます。法人に限られていません。ただし財産的基礎の基準は個人にも適用され、資産と負債の状況を示す書類で基準を満たすことを示す必要があります。
Q6職業紹介責任者は誰でもなれますか?
所定の職業紹介責任者講習を受講していることなどの要件があります。31条1項3号の「適正に遂行する能力」の審査で、責任者の選任と講習受講歴が確認されます。
Q7人材紹介の許可の有効期間はいつまで?
新規許可は3年、更新後は5年です(職業安定法32条の4)。更新時にも31条の基準が準用されるため、財産要件や規程を満たし続ける必要があります。
Q8人材紹介の許可を取るのに費用はいくらかかりますか?
登録免許税と手数料がかかり、事業所数に応じて増えます。加えて財産要件を満たすための資金、社労士への依頼費用も見込む必要があります(最新の金額をご確認ください)。
この条文についての質問 AI による整理
Q1資本金ってぶっちゃけいくらあれば許可下りるんですか?
条文が求めるのは「健全に遂行するに足りる財産的基礎」(31条1項1号)で、数字は業務運営要領にある。目安は、事業所1か所あたり基準資産額500万円以上、自己名義の現預金150万円以上(2か所目以降は1か所につき60万円加算)などだ(最新の改正状況をご確認ください)。実務のポイント:見られるのは資本金ではなく、直近決算の純資産である。設立直後に役員借入金で赤字になっていると届かないことがある。増資して公認会計士の監査証明つき中間決算を出す方法で突破するケースが多い
Q2個人情報の管理って、具体的に何を見られるんですか?
31条1項2号に基づき、個人情報適正管理規程の整備、責任者の選任、求職者からの開示・訂正の申出への対応手順、苦情処理体制などが確認される。運営面では5条の5(個人情報の取扱い)と51条(秘密を守る義務)が直接かかわる。実務のポイント:規程をひな形からそのまま写すと、事業の実態(クラウドの利用、外部委託先など)と合わず、窓口で突き返されやすい。自社で実際に使っているシステム名と、データの保存場所まで書き込んだ規程の方が通りやすい
Q3不許可になったら、もう一度申請し直すしかないんですか?
再申請もできるが、不許可は行政処分なので争うこともできる。31条2項で理由の通知が義務づけられており、その理由が具体性を欠けば行政手続法8条違反として取消しを求める余地がある。実務のポイント:再申請と審査請求は並行して進められる。審査請求をしておくと、不許可理由について労働局側の詳しい説明が書面で出てくることが多い。その説明が、再申請を一発で通すための答え合わせになる
Q4社員に紹介手当を出すリファラル採用って、許可いりますか?
自社の採用のために自社の社員に紹介を頼むのは職業紹介事業ではないので、31条の許可は要らない。ただし報酬の払い方には注意が必要で、職業安定法40条は、募集に従事する者への報酬を賃金や給料などに限っている。実務のポイント:紹介手当を就業規則や賃金規程に「賃金」として定めておかないと、40条違反を指摘されるリスクがある。社外の友人にまで謝礼を払う設計にすると、一気にグレーになる
間違えやすい点 AI による整理
- 「許可は役所の裁量で、コネや実績がないと下りない」と思われがちだが、条文は「許可をしなければならない」と書いている。基準を満たした申請を拒むことは本条違反になる。審査されるのは人柄ではなく、決算書、規程類、職業紹介責任者の講習受講歴といった書類である
- 個人情報の管理体制を「プライバシーポリシーをサイトに載せればよい」程度に考えている申請者は多い。実際には、個人情報適正管理規程の整備、アクセス権限の管理、苦情処理体制などが求められ、指針や業務運営要領に沿っているか書類で見られる(最新の改正状況をご確認ください)。体制があるかどうかは許可の段階で終わる話ではない。運営中に漏えいすれば、改善命令や許可取消(32条の9)につながる
- 問題は「どうすれば許可が取れるか」だけではない。それより先に「自分のやっていることがそもそも職業紹介に当たるのか」を確かめる必要がある。求人広告の掲載、スカウトの代行、知人の紹介。どれが31条の審査対象になるかは、名目ではなく実態(あっせんの有無、反復継続、報酬)で決まる。この見極めを飛ばしたまま申請書類を整えるのは、順番が逆である
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の性格 | 職安法31条:許可の積極要件(満たせば許可義務) | 職安法32条:許可の欠格事由(該当すれば許可不可) 職安法32条の9:許可後の取消事由 |
| 審査される対象 | 財産的基礎・個人情報管理体制・遂行能力 | 前科、破産、暴力団関係、過去の許可取消歴など申請者の属性 許可後の法令違反、基準不適合、命令違反など運営実態 |
| 行政の対応と手続 | 不許可なら遅滞なく理由を示して通知(31条2項) | 該当すれば許可をしてはならない 許可取消または事業停止命令(不利益処分) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も営利の私立就業服務機構は主管機関の許可制で、資本額や専任人員の要件が定められる。外国人労働者の仲介が大きな比重を占める点が日本と異なる
韓国の国内有料職業紹介は許可制ではなく登録制で、日本より参入の敷居が低い。国外職業紹介は別途規律される
ドイツは2002年に私的職業仲介の許可制を廃止し、営業届出で足りる。求職者からの報酬額には上限規制がある
米国には連邦レベルの統一許可制がなく、州ごとに employment agency の免許・手数料規制が置かれている
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- エージェント会社を辞めて独立し、医療職専門の紹介会社を立ち上げようとしている。資本金300万円で法人を作ったが、決算前の段階で基準資産額500万円に届かないと労働局の窓口で言われた。増資するのか、公認会計士の監査証明つき中間決算で数字を作り直すのか。どちらを選ぶかで開業日が2か月ずれる
- 知人に頼まれて看護師の友人を病院に紹介し、病院から「お礼」として30万円を受け取った。もしこれが一度ではなく三度目だったら、どうなる? 反復継続して手数料を受け取っていれば、有料職業紹介事業と評価されうる。許可なしなら職業安定法64条の罰則対象になる
- 申請から3か月待って届いたのは不許可通知だった。理由欄には「個人情報の適正管理体制が不十分」の一行だけ。審査請求の期限は、通知を知った日の翌日から3か月。もう3週間が過ぎている
- 特定技能の外国人を受け入れたい企業から「誰か良い人を紹介して」と頼まれた登録支援機関の担当者。支援業務の延長でマッチングまでやって報酬を取れば、職業紹介の許可が別に必要になる。登録支援機関の登録だけでは、紹介は許されていない
- スカウト型の転職プラットフォームを運営するスタートアップ。運営側が求職者を選んで企業に推薦する機能を追加した瞬間、「募集情報等提供」ではなく「職業紹介」と評価される可能性が出てくる。そうなれば31条の審査をくぐる必要がある
取るべき行動
被害を受けた側:1. 不許可通知を受け取ったら、理由欄が31条1項の何号に当たり、どの事実に基づくのかを特定する2. 理由が抽象的なら、行政手続法8条違反(理由提示の不備)を主張の柱にする3. 決算書、規程、講習修了証など、基準を満たすことを示す資料を整理する4. 行政不服審査法に基づいて厚生労働大臣へ審査請求するか、取消訴訟・義務付け訴訟を起こすかを、社労士・弁護士と期限から逆算して決める5. 並行して、不足部分を補って再申請するルートも用意しておく
訴えられた側:1. 無許可営業を疑われたら、まず自分の行為が「あっせん」「反復継続」「報酬」の三つに当たるかを、時系列の記録で確認する2. 求人広告の掲載だけなら募集情報等提供事業にとどまる可能性があるので、選別・推薦の有無を整理する3. 当たる可能性が高いなら、紹介を直ちに止め、受け取った報酬の記録を保全する4. 労働局の調査には弁護士を通じて誠実に応じ、許可申請の準備に切り替える5. 刑事罰(64条)の可能性があるので、供述の前に弁護人に相談する
時効(請求できる期限):不許可処分への審査請求:処分を知った日の翌日から3か月以内(行政不服審査法18条)。取消訴訟:処分を知った日から6か月以内(行政事件訴訟法14条)。許可の有効期間は新規3年、更新後5年(職業安定法32条の4)。更新申請は有効期間満了日の3か月前までが目安とされる(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説的理解(羈束処分説):本条1項は「許可をしなければならない」と定めるため、基準適合が認められる限り行政庁に許可・不許可の裁量はない羈束的な規定と理解される。ただし「適合していると認める」判断には一定の専門的判断が介在し、その当否は業務運営要領等の基準に照らして審査される。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和22年(1947年) 新設:職業安定法制定。有料職業紹介事業は原則として禁止され、限られた職種についてのみ許可制で認める構造がとられた
- 2.平成11年(1999年) 改正:有料職業紹介事業の取扱職業を原則自由化(ネガティブリスト化)し、許可基準として財産的基礎・個人情報管理・遂行能力を中心とする現行の枠組みを整備
- 職業安定法 第30条有料職業紹介事業の許可申請義務
- 職業安定法 第32条許可の欠格事由、本条基準と並ぶ消極要件
- 職業安定法 第32条の4許可の有効期間と更新時の基準準用
- 職業安定法 第32条の9基準不適合等による許可取消
- 職業安定法 第51条職業紹介事業者の秘密を守る義務
- 行政手続法 第8条申請拒否処分の理由提示の一般原則
- 行政不服審査法 第18条不許可処分に対する審査請求期間
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