職業安定法 第32条の9(許可の取消し等)
クイックジャンプ
- 厚生労働大臣は、有料職業紹介事業者が次の各号のいずれかに該当するときは、第三十条第一項の許可を取り消すことができる。
- 一第三十二条各号(第五号から第八号までを除く。)のいずれかに該当しているとき。
- 二この法律若しくは労働者派遣法(第三章第四節の規定を除く。)の規定又はこれらの規定に基づく命令若しくは処分に違反したとき。
- 三第三十二条の五第一項の規定により付された許可の条件に違反したとき。
- 2.厚生労働大臣は、有料職業紹介事業者が前項第二号又は第三号に該当するときは、期間を定めて当該有料の職業紹介事業の全部又は一部の停止を命ずることができる。
この条文の基本情報
許可の取消し等とは何ですか?
定義許可の取消し等とは、職業安定法第32条の9に定められた規定で、「厚生労働大臣は、有料職業紹介事業者が次の各号のいずれかに該当するときは、第三十条第一項の許可を取り消すことができる。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 職業安定法第32条の9(許可の取消し等)は、日本の職業安定法に含まれる条文です。
- 職業安定法第32条の9の条文原文は「厚生労働大臣は、有料職業紹介事業者が次の各号のいずれかに該当するときは、第三十条第一項の許可を取り消すことができる。」で始まります。
- 職業安定法第32条の9は第一節 有料職業紹介事業に置かれています。
- 職業安定法の公布日は昭和22年11月30日です。
- 職業安定法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 職業安定法第32条の9の前の条は職業安定法第32条の8です。
- 職業安定法第32条の9の次の条は職業安定法第32条の10です。
- 職業安定法第32条の9には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
職業安定法(昭和二十二年法律第百四十一号)第32条の9 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000141 - 本サイト収録
職業安定法(昭和二十二年法律第百四十一号)第32条の9(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/322AC0000000141/32_9
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点職業安定法32条の9は、有料職業紹介事業者が欠格事由・法令違反・許可条件違反に該当したとき、厚生労働大臣が許可を取り消し、または事業停止を命じられると定める。
Q · 人材紹介会社の許可はどんなときに取り消されるの?
欠格事由・法令違反・許可条件違反のとき取り消されうる
職業安定法32条の9により、厚生労働大臣は、有料職業紹介事業者が①32条の欠格事由(5号〜8号を除く)に該当したとき、②職業安定法または労働者派遣法(第3章第4節を除く)とそれに基づく命令・処分に違反したとき、③32条の5の許可条件に違反したときに、許可を取り消すことができます。②③の場合は、取消しより軽い事業の全部または一部の停止命令も選べます。
解説
人材紹介会社の看板の裏には、厚生労働大臣の許可番号が一つある。本条は、その番号を大臣が取り消せる場面と、期間を決めて事業の全部または一部を止められる場面を定めている。取消しにつながる道は三本ある。一本目は、許可の後で欠格事由(許可を受けられない人の条件、例:一定の刑に処せられた、破産して復権していない、暴力団員である)に当てはまった場合である。二本目は、職業安定法か労働者派遣法、またはそれらに基づく命令や処分に違反した場合である。三本目は、許可に付けられた条件を破った場合である。押さえておきたいのは、法律違反と条件違反には、取消しより軽い事業停止という段階があることだ。行政は『止める』と『潰す』を使い分けられる。取り消されると、その会社も当時の役員も原則として5年間は新しい許可を受けられない(32条)。派遣事業を一緒に営む会社なら、派遣法の違反が紹介事業の命取りになる。求職者にとっては、悪質な紹介会社を止めるための公的なブレーキの場所がここにあるということである
法的な位置づけ
職業安定法32条の9は、有料職業紹介事業の許可取消しおよび事業停止命令を定める規定である。厚生労働大臣は、事業者が32条所定の欠格事由(5号から8号を除く)に該当したとき、同法または労働者派遣法等に違反したとき、許可条件に違反したときに許可を取り消すことができ、後二者の場合は期間を定めて事業の全部または一部の停止を命ずることができる。
よくある質問 AI による整理
Q1有料職業紹介の許可取消しとは?
厚生労働大臣が職業安定法32条の9に基づき、人材紹介会社の事業許可を失わせる行政処分です。欠格事由・法令違反・許可条件違反が取消し事由になります。
Q2人材紹介会社の事業停止命令とは何ですか?
法令違反や許可条件違反があったとき、期間を定めて紹介事業の全部または一部を止めさせる処分です(32条の9第2項)。取消しより軽い段階です。
Q3人材紹介会社 行政処分 公表されますか?
厚生労働省は職業紹介事業者に対する行政処分の情報を公表しています。処分歴は取引先や求職者からも確認されうる状態になります。
Q4許可取消し 何年で再申請できる?
原則として取消しの日から5年を経過するまで許可を受けられません(32条)。法人だけでなく、当時の役員も同様に欠格事由に該当します。
Q5転職エージェント 違法行為 どこに通報する?
管轄の都道府県労働局(需給調整事業部門)に申告できます。やり取りの記録を時系列で整理して持参すると、事実確認が進みやすくなります。
Q6許可取消しの前に聴聞はありますか?
あります。許可取消しは不利益処分として行政手続法上の聴聞の対象です。事業停止命令の場合は弁明の機会の付与が原則です。
Q7役員が刑事罰を受けたら紹介許可はどうなる?
役員が32条の欠格事由に該当すると、法人自体が欠格事由に当たり、許可取消しの対象になりえます。速やかな役員体制の見直しが重要です。
Q8事業停止命令に違反して営業したらどうなる?
停止命令違反は職業安定法の罰則の対象となりうるうえ、さらに重い許可取消しの理由にもなります。停止期間中の営業は避けるべきです。
この条文についての質問 AI による整理
Q1取り消される前に会社をたたんでしまえば、また別会社で始められますよね?
そうはならない。聴聞の通知を受けた後に廃止の届出をした者は、届出から5年間は欠格事由に当たる(32条)。取消しで終わった場合も、法人と当時の役員は5年間は許可を受けられない。実務のポイント:申請時には役員全員の欠格事由が審査されるため、名義だけ別人を立てても、実態が同じなら実務上は見抜かれやすい。たたむより、指導段階で是正するほうが安くつく
Q2派遣部門でちょっとミスがあっただけなのに、紹介の許可まで危ないんですか?
条文上は危ない。本条1項2号は労働者派遣法の違反も取消し事由に含めている。ただし実際は違反の重さと是正の状況を見て判断され、軽い違反でいきなり取り消される例は多くない。実務のポイント:派遣と紹介の両方の許可を持つ会社では、労働局の担当部署が同じことが多く、一方の指導歴はもう一方の審査でも参照される前提で動いたほうがよい
間違えやすい点 AI による整理
- 紹介事業の許可は職業安定法の違反でしか取り消されないと思われがちだが、条文は労働者派遣法の違反も取消し事由にはっきり含めている(労働基準法等の適用の特例を定めた第3章第4節は除く)。派遣部門の不祥事が会社全体の存続にかかわる
- 行政処分が怖いのは知っていても、取消しの後に何が続くかまで知る人は少ない。法人も当時の役員も5年間は再び許可を受けられず、厚生労働省は処分を受けた事業者の名前を公表している。看板を替えて出直す道は、役員の個人単位でふさがれている
- 『違反したら即、許可取消し』と身構えるのも的外れである。本条は『取り消すことができる』『停止を命ずることができる』と定めており、行政にどこまで重くするかの裁量を与えている。実務では指導や改善命令(48条の3)を経るのが通常の流れで、そこでの対応が処分の重さを左右する
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 処分の性質 | 32条の9:許可取消し・事業の全部または一部停止 | 48条の3:改善命令(業務運営の改善を命じる) 32条:欠格事由(許可を受けられない者の要件) |
| 発動の場面 | 欠格該当・法令違反・許可条件違反 | 法令違反があり業務運営の改善が必要なとき 新規・更新の許可審査時、および取消し事由の前提 |
| 事業への影響 | 事業継続そのものが止まる・失われる | 事業は継続しつつ是正が求められる 該当すれば許可を受けられない(取消し後5年など) |
| 事前手続 | 取消しは聴聞、停止は弁明の機会(行政手続法13条) | 弁明の機会の付与 申請審査の中で判断 |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾も私立就業服務機構に許可制を採り、違反の程度に応じて停業と設立許可の廃止を段階的に定める点で日本と構造が近い
韓国は有料職業紹介を登録制とし、違反時に登録取消しや事業停止を命じる仕組みを持つ
ドイツは2002年に職業紹介の許可制を廃止しており、行政による許可撤回の仕組みは主に労働者派遣の側で機能している
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 紹介と派遣の両方の許可を持つ会社で、派遣部門が日雇派遣の禁止に違反した。派遣の許可だけが危ないと思っていたら、紹介事業の許可取消しの根拠にもなりうると知り、法務担当の手が止まる
- 求職者に虚偽の労働条件を伝えて転職を急がせた紹介会社があったら、行政はどこまで動くのか? 労働局への申告(48条の4)をきっかけに指導や改善命令が出され、それでも直らなければ事業停止、最後は許可取消しへと段階的に重くなる
- 役員の一人が別件で拘禁刑の判決を受けた。法人そのものが欠格事由に当たり、許可が取消しの対象になる
- あなたは紹介会社の経営者で、労働局から聴聞の通知書が届いた。期日まで2週間しかない。この間に廃業届を出して逃げても、聴聞通知後の廃止は5年間の欠格事由になる。逃げ道として機能しないので、残った時間は反論の証拠集めに使うしかない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 紹介会社とのやり取り(メール、LINE、求人票、提示された労働条件)をすべて保存する2. 管轄の都道府県労働局(需給調整事業部門)に申告する(48条の4)。日時と内容を時系列のメモにまとめておくと受理されやすい3. 金銭的な損害があれば、行政手続とは別に民法709条に基づく損害賠償を検討する4. 厚生労働省が公表している行政処分の情報で、相手に過去の処分歴があるか確認する
訴えられた側:1. 指導文書の段階で違反事実を社内で特定し、是正策と再発防止策を文書で報告する2. 聴聞の通知が届いたら、証拠を閲覧したうえで(行政手続法18条)事実誤認や処分の重すぎを主張する3. 役員に欠格事由に当たる人がいないか点検し、該当者がいれば交代を検討する4. 処分が出た後は、審査請求か取消訴訟かを弁護士と検討する
時効(請求できる期限):処分への審査請求は、処分を知った日の翌日から3か月以内(行政不服審査法18条)。取消訴訟は処分を知った日から6か月以内(行政事件訴訟法14条)。許可を取り消された日から5年間は再取得できない(職業安定法32条)。事業停止命令に違反すると刑事罰の対象になる(同法64条、最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説(行政裁量論):本条は「できる」規定であり、取消しか停止か、停止の範囲と期間をどう定めるかについて行政庁に効果裁量を認める。ただし裁量権の行使は比例原則に服し、違反の程度に比して著しく重い処分は裁量権の逸脱・濫用として違法となりうる
- 職業安定法 第30条有料職業紹介事業の許可制
- 職業安定法 第32条欠格事由と取消し後5年の再許可制限
- 職業安定法 第32条の5許可条件の付与(2項3号の前提)
- 職業安定法 第48条の3取消し前段階の改善命令
- 職業安定法 第64条無許可営業・停止命令違反の罰則
- 労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律 第14条派遣事業許可取消しの並行規定(通称 労働者派遣法)
- 行政手続法 第13条取消しは聴聞、停止は弁明の機会
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める