職業安定法 第32条の10(名義貸しの禁止)
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有料職業紹介事業者は、自己の名義をもつて、他人に有料の職業紹介事業を行わせてはならない。
この条文の基本情報
名義貸しの禁止とは何ですか?
定義名義貸しの禁止とは、職業安定法第32条の10に定められた規定で、「有料職業紹介事業者は、自己の名義をもつて、他人に有料の職業紹介事業を行わせてはならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 職業安定法第32条の10(名義貸しの禁止)は、日本の職業安定法に含まれる条文です。
- 職業安定法第32条の10の条文原文は「有料職業紹介事業者は、自己の名義をもつて、他人に有料の職業紹介事業を行わせてはならない。」で始まります。
- 職業安定法第32条の10は第一節 有料職業紹介事業に置かれています。
- 職業安定法の公布日は昭和22年11月30日です。
- 職業安定法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 職業安定法第32条の10の前の条は職業安定法第32条の9です。
- 職業安定法第32条の10の次の条は職業安定法第32条の11です。
- 職業安定法第32条の10には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
職業安定法(昭和二十二年法律第百四十一号)第32条の10 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000141 - 本サイト収録
職業安定法(昭和二十二年法律第百四十一号)第32条の10(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/322AC0000000141/32_10
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点職業安定法32条の10は、有料職業紹介事業者が自己の名義で他人に紹介事業を行わせる名義貸しを禁止する。違反すると罰則と許可取消しの対象になる。
Q · 人材紹介の許可番号を知り合いに貸して、紹介をやらせてもいいの?
いいえ。名義貸しは禁止され、許可取消しの対象です
職業安定法32条の10は、有料職業紹介事業者が自己の名義で他人に有料の職業紹介事業を行わせることを禁じています。違反すると刑事罰(64条)の対象となるほか、許可の取消し(32条の9)を受けるおそれがあり、取消し後は原則5年間許可を受けられません(32条)。借りた側も許可を持たない以上、無許可の有料職業紹介(30条1項違反)と評価されえます。
解説
有料職業紹介の許可番号は、店の看板というより運転免許証に近い。厚生労働大臣は「この事業者になら求職者の個人情報と転職という人生の分岐点を預けてよい」と審査したうえで許可を出す。審査では資産要件、事業所、職業紹介責任者まで、すべてが許可を受けた本人に紐づけて確認されている。そのため、他人に「うちの許可番号を使って紹介していいよ」と貸すことは、免許証の又貸しと同じ扱いになる。貸した側は本条違反として刑事罰と許可取消しの対象になり、借りた側は無許可営業(30条1項違反)になる。しかも許可を取り消されると、原則として5年間は許可を取り直せない。「許可不要、成功報酬で紹介パートナー募集」という誘いを見かけたら、その仕組みのどこで名義が貸し借りされているかを確かめてほしい。それを見抜けるかどうかが、あなたの身を守る分かれ目になる。
法的な位置づけ
職業安定法32条の10は、有料職業紹介事業者が自己の名義をもって他人に有料の職業紹介事業を行わせることを禁止する規定である。厚生労働大臣の許可が資産・事業所・職業紹介責任者等の審査を経て特定の事業者に与えられることを前提に、許可の実質的な譲渡・貸与を防ぎ、許可制度の実効性を担保する機能を持つ。
よくある質問 AI による整理
Q1人材紹介の名義貸しとは?
有料職業紹介の許可を持つ事業者が、自社の名義で他人に紹介事業を行わせることです。職業安定法32条の10で禁止されています。
Q2人材紹介の名義貸しは違法?
違法です。貸した事業者は職業安定法32条の10違反として罰則と許可取消しの対象となり、借りた側も無許可営業と評価されえます。
Q3名義貸しの罰則はどのくらい?
職業安定法64条により1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金の対象となりえます。法人は67条の両罰規定で罰金刑を受けえます。
Q4人材紹介の許可を取り消されたら、いつまで再取得できない?
許可取消しの日から原則5年を経過するまでは欠格事由に該当し、新たに許可を受けられません(職業安定法32条)。
Q5許可なしで人材紹介の副業はできる?
報酬を得て求人者と求職者をあっせんする行為を業として行うなら、原則として有料職業紹介の許可が必要です。他社の許可を借りることもできません。
Q6紹介会社の許可番号はどこで確認できる?
厚生労働省の「人材サービス総合サイト」で許可番号と事業者名を確認できます。ただし担当者がその事業者の従業者かまでは分かりません。
Q7名義貸しを見つけたらどこに通報する?
事業所を管轄する都道府県労働局の需給調整事業担当部署へ情報提供できます。契約書や請求書など不一致を示す資料を添えると有効です。
Q8フランチャイズ型の人材紹介は名義貸しになる?
加盟店が自ら許可を取得していれば問題になりにくいですが、本部の許可だけで加盟店が独自に紹介を行う形は名義貸しと評価されるおそれがあります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1業務委託の紹介パートナーって、全部名義貸しになっちゃうんですか?
全部ではない。許可事業者が自らの事業所で、職業紹介責任者(32条の14)の指揮のもとに紹介を行っている実態があれば、適法に組み立てる余地はある。ただ、境界は解釈が分かれる。実務のポイント:労働局の調査で最初に見られるのは契約書より、求人・求職管理簿に誰が記録を残しているかである。帳簿がパートナーの手元にしかなければ、名義貸しを推認されやすい
Q2名義を借りて紹介した側も、捕まるんですか?
借りた側は自分では許可を持っていないので、有料職業紹介を無許可で行ったことになり、30条1項違反として64条の罰則の対象になりうる。法人なら67条の両罰規定で会社も罰金の対象になる。実務のポイント:本人は「許可のある会社の下で働いていた」と思い込んでいることが多い。しかし報酬の流れが案件ごとの歩合だけだと、従業者ではなく独立事業者と見られやすい
Q3名義貸しの業者に払った紹介手数料、取り返せますか?
当然に取り返せるわけではない。本条や30条に違反した契約の私法上の効力をどう扱うかは、事案によって判断が分かれる。それでも、実際の契約当事者が誰か、紹介の実態があったかを争う材料にはなる。実務のポイント:返還交渉では、名義人である許可事業者に直接照会するのが効く。許可取消しを恐れる名義人は、早期解決に動くことが多い
間違えやすい点 AI による整理
- 「契約書の名目を業務委託にしておけば名義貸しにはならない」と考える人は多い。しかし判断の基準は名目ではなく実態である。許可を持つ事業者が求人の受付、求職者とのマッチング、紹介の判断を自ら指揮監督しているかどうかが見られる。委託先が独自の判断で紹介を完結させていれば、契約書の表題が何であっても名義貸しと評価されうる。どこまでの業務委託が許されるかの境界は、実務上、解釈が分かれている
- 名義貸しは「借りた側だけの問題」だと思われがちだが、問題の重さは貸した側のほうが大きい。本条の名宛人は許可を受けた有料職業紹介事業者そのものであり、違反すれば刑事罰に加えて許可取消しの対象になる。取消し後は原則5年間、許可を取り直せない。小遣い程度の上納金と引き換えに、会社の存続を賭けている構図になる
- 求人企業の側は「紹介会社の許可番号は厚労省のサイトで確認したから大丈夫」と安心しがちである。しかし確認できるのは、その番号の許可が存在することだけだ。目の前の担当者が本当にその事業者の従業者として動いているかまでは分からない。見るべきなのは番号ではなく、契約の当事者、請求書の発行者、職業紹介責任者が誰かという点である
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 32条の10:許可事業者が自己の名義で他人に事業を行わせること | 30条:許可を受けずに有料職業紹介を行うこと 32条の9:違反事業者に対する許可取消し・事業停止 |
| 名宛人 | 許可を受けた有料職業紹介事業者(貸す側) | 有料職業紹介を行おうとする者(借りる側を含む) 厚生労働大臣(行政処分の権限) |
| 違反時の効果 | 64条の刑事罰、許可取消し事由 | 64条の刑事罰(無許可営業) 取消し後は32条により原則5年間再許可不可 |
他国ではどう定めているか 2 か国
台湾も私立就業服務機構を許可制とし、許可を受けた機構に対する禁止行為を列挙して主管機関の処分対象としている
ドイツは2002年に民間職業紹介の許可制を廃止しており、名義貸しを独自に禁ずる構造自体がない点で日本と大きく異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- SNS で「人材紹介の許可は当社のものを使えるので不要。候補者を紹介するだけで年収の10% を報酬として支払います」という副業案件を見つけ、登録しようとしている。あなたが自分の判断で求人企業と求職者をつなぎ、報酬を得る形なら、その会社は名義を貸していて、あなたは無許可の有料職業紹介をしていることになりかねない。リスクを負うのは、会社とあなたの両方だ
- あなたは許可を持つ紹介会社の経営者で、独立した元社員から「御社の看板で動かせてほしい。売上の3割を納めます」と頼まれた。元社員は自宅を拠点に自分の顧客を相手にし、あなたは個々の案件にまったく関与しない。この形を受け入れれば、典型的な名義貸しになる。発覚すれば会社の許可そのものが飛ぶ
- もし採用した看護師の紹介元が、許可番号を借りていただけの個人だったと後から分かったら、どうなる? 支払い済みの紹介手数料、早期退職時の返戻金の約束、預けた求人情報の管理。そのどれもが、責任の所在の曖昧な相手に握られている
- 労働局の調査が来週に迫っている。業務委託の「紹介パートナー」十数名が、どの事業所に所属し、誰の指揮で動いていたのかを説明する記録が社内にない。残りは5営業日。
取るべき行動
被害を受けた側:1. 紹介を受けた企業や求職者として紹介元に不審な点があれば、厚労省の「人材サービス総合サイト」で許可番号の名義人を確認する2. 契約書、請求書、担当者の名刺、メールの送信元を突き合わせ、名義人との不一致を記録する3. 手数料の支払い前なら支払いを保留して書面で照会する。支払い後なら返還交渉に向けて資料を整理する4. 名義貸しが疑われる場合は、事業所を管轄する都道府県労働局の需給調整事業部門へ情報提供する
訴えられた側:1. 問題となった関係者が、自社の事業所に所属し、職業紹介責任者の指揮監督下にあったことを示す資料(雇用契約、指示記録、求人・求職管理簿)を直ちに集める2. 指揮監督の実態が乏しければ、その取扱いを停止し、紹介の業務フローを自社内に引き戻す3. 労働局の調査には事実を正確に説明する。隠蔽が発覚すると、許可取消しの判断が重くなりやすい4. 業務委託契約の構造そのものを、需給調整事業に詳しい弁護士や社会保険労務士とともに見直す
時効(請求できる期限):本条違反の罰則(職業安定法64条、1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金)の公訴時効は3年で、違反行為が終わった時から起算する(刑事訴訟法250条2項6号。最新の改正状況をご確認ください)。行政上の許可取消しには時効の定めがない。紹介手数料の返還請求には一般消滅時効(民法166条、知った時から5年、権利を行使できる時から10年)が適用される
学説
実務上の整理:名義貸しに当たるかは契約の名目ではなく、許可事業者が求人受付・求職者対応・あっせん判断を自らの事業所で職業紹介責任者の指揮監督下に行っているかという実態で判断される。業務委託との境界は解釈が分かれる。
- 職業安定法 第30条有料職業紹介の許可制、借りた側の違反根拠
- 職業安定法 第32条許可の欠格事由、取消し後5年の制限
- 職業安定法 第32条の9許可の取消し・事業停止命令
- 職業安定法 第64条本条違反等に対する刑事罰(現行効力を要確認)
- 職業安定法 第67条法人に対する両罰規定
- 労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律 第15条派遣事業における同旨の名義貸し禁止(通称 労働者派遣法)
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