職業安定法 第45条(労働者供給事業の許可)
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労働組合等が、厚生労働大臣の許可を受けた場合は、無料の労働者供給事業を行うことができる。
この条文の基本情報
労働者供給事業の許可とは何ですか?
定義労働者供給事業の許可とは、職業安定法第45条に定められた規定で、「労働組合等が、厚生労働大臣の許可を受けた場合は、無料の労働者供給事業を行うことができる。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 職業安定法第45条(労働者供給事業の許可)は、日本の職業安定法に含まれる条文です。
- 職業安定法第45条の条文原文は「労働組合等が、厚生労働大臣の許可を受けた場合は、無料の労働者供給事業を行うことができる。」で始まります。
- 職業安定法第45条は第三章の四 労働者供給事業に置かれています。
- 職業安定法の公布日は昭和22年11月30日です。
- 職業安定法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 職業安定法第45条の前の条は職業安定法第44条です。
- 職業安定法第45条の次の条は職業安定法第45条の2です。
- 職業安定法第45条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
職業安定法(昭和二十二年法律第百四十一号)第45条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000141 - 本サイト収録
職業安定法(昭和二十二年法律第百四十一号)第45条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/322AC0000000141/45
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点職業安定法45条は、労働組合等が厚生労働大臣の許可を受けた場合に限り、無料の労働者供給事業を行えると定める。44条の原則禁止の例外で、有料の供給は認められない。
Q · 労働組合なら、人を他社に送り込んで働かせてもいいの?
大臣の許可を受け、無料で行う場合に限り可能
職業安定法45条により、労働組合等は厚生労働大臣の許可を受けた場合に限り、無料の労働者供給事業を行うことができます。労働者供給事業は同法44条で原則禁止されており、本条はその例外です。許可を受けない供給や手数料を取る供給は認められず、44条違反として罰則(64条)の対象になりえます。なお人材派遣は労働者派遣法に基づく別の制度であり、本条の例外とは根拠が異なります。
解説
日本では、人を集めて他社の指揮命令の下で働かせ、その対価を受け取る「労働者供給事業」は、原則として誰にもできない(職業安定法44条)。人材派遣会社ですら、この枠の外にある別の制度(労働者派遣法)で例外的に認められているにすぎない。その禁止の壁に、一枚だけ扉が付いている。それが本条であり、鍵を持てるのは労働組合等だけ、しかも無料に限られ、厚生労働大臣の許可(役所が個別に出す「やってよい」という決定)が必要になる。ここで押さえておきたいのは、あなたの職場で「下請の下請」から来た人が、あなたの会社の上司に直接指示されて働いているなら、それは派遣でも組合供給でもない「違法な労働者供給」に当たりうるという点だ。そして処罰の対象は送り出した側だけではない。受け入れた側も44条違反になる。本条を知ると、「組合供給」は合法な例外の一つであり、それ以外の人の貸し借りは原則違法なのだと見分けられるようになる。
法的な位置づけ
職業安定法45条は、労働者供給事業の原則禁止(同法44条)に対する例外を定める規定である。労働組合等が厚生労働大臣の許可を受けた場合に限り、無料の労働者供給事業を行うことを認める。供給主体を労働者自身の団結体に限定し、営利性を排除することで、中間搾取の防止と就労機会の確保を両立させる趣旨とされる。
よくある質問 AI による整理
Q1労働者供給事業とは何ですか?
供給契約に基づき、自己の支配下にある労働者を他人の指揮命令を受けて働かせる事業です。職業安定法44条で原則禁止されています。
Q2労働者供給事業の許可を受けられるのは誰ですか?
職業安定法45条により、許可を受けられるのは労働組合等に限られます。株式会社などの営利企業は対象外です。
Q3労働組合の労働者供給は有料でできる?
できません。本条は「無料の」労働者供給事業に限って許可を認めています。名目を変えた実質的な手数料の受領も趣旨に反するおそれがあります。
Q4労働者供給事業の許可はどこに申請する?
許可権者は厚生労働大臣です。実務上の窓口や必要書類は職業安定法施行規則等に定められているため、所轄の労働局で確認するのが確実です。
Q5無許可で労働者供給をすると違法?
違法です。許可のない労働者供給は職業安定法44条違反となり、64条の罰則の対象になりえます。受け入れた側も44条の禁止に触れます。
Q6労働者供給と労働者派遣の違いは?
派遣は派遣元と労働者の間に雇用関係があり、労働者派遣法で規律されます。それ以外の人の貸し借りは原則として労働者供給に当たります。
Q7組合からの供給で働く人の社会保険は誰が手続きする?
組合供給では一般に供給先と労働者の間に雇用関係が成立する運用のため、社会保険の加入手続は原則として供給先の責任となります。
Q8労働者供給事業はどんな業界で使われている?
港湾、建設、運輸(ハイヤー・タクシー乗務員など)、医療・介護分野などで、労働組合による供給が行われている例があります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1組合が無料で人を送ってくれるって、組合は何で食べていくんですか?
本条が認めるのは「無料」の労働者供給事業なので、供給先から手数料を取ることはできない。組合の運営は主に組合員の組合費で賄われる。実務のポイント:無料といっても供給先が組合に何らかの名目で金銭を払う形にすると、実質的な手数料とみなされ許可の趣旨に反するおそれがある。受け入れる会社は、組合への支払いの名目と金額を事前に確認しておくべきだ
Q2派遣会社から来た人を、取引先の手伝いに回すのはダメなんですか?
いわゆる二重派遣で、派遣先が受け入れた労働者をさらに第三者の指揮命令下に置く行為は、労働者派遣に当たらず、職業安定法44条が禁じる労働者供給に当たる。本条の例外は労働組合等にしか開かれていない。実務のポイント:罰則は送り出した会社だけでなく、受け入れた取引先にも及びうる。善意の「応援」が両社の担当者を巻き込む事件になるので、応援は自社の指揮下で完結する請負の形で組むのが鉄則だ
Q3組合からの供給で働く場合、雇用主は組合ですか、それとも働き先の会社ですか?
労働組合等による労働者供給では、一般に供給先と労働者との間で雇用関係が成立する運用であり、ここが派遣元と雇用関係を結ぶ労働者派遣との大きな違いである。実務のポイント:雇用主が供給先になるため、社会保険の加入や有給休暇の管理も原則として供給先の責任になる。日々雇用の形をとる場合も多く、受け入れ側の人事担当がこの点を見落として未加入問題を起こす例がある
間違えやすい点 AI による整理
- 「人材を紹介して手数料を取るのも、人を送り込んで働かせるのも同じ人材ビジネス」と思われがちだが、法律上は全く別物である。職業紹介は雇用契約の成立を仲介するだけ、労働者供給は自分の支配下にある人を他社の指揮命令下で働かせる。後者は原則禁止で、許可が出る主体は労働組合等に限られる
- 受け入れる側の会社は「来てもらっているだけだから責任はない」と考えがちだが、44条は労働者供給事業を行う者だけでなく、その事業を行う者から供給される労働者を自らの指揮命令の下で働かせることも禁じている。違法供給の受け入れ側も処罰の対象になりうるという深刻さが、現場では驚くほど知られていない
- 「契約書のタイトルが『業務委託』なら派遣でも供給でもない」という発想そのものが出発点を誤っている。判断基準は書面の名前ではなく、誰が作業を指示し、誰が勤怠を管理しているかという実態である。労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関する基準(昭和61年労働省告示第37号)が実務の物差しになる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規範の性質 | 職安法45条:労働組合等の無料供給を許可制で認める例外 | 職安法44条:労働者供給事業の原則禁止 労働者派遣法2条:派遣を供給概念から切り出す定義 |
| 事業主体 | 労働組合等に限る | 何人も行ってはならない(受入れも禁止) 許可を受けた派遣元事業主 |
| 有償性 | 無料に限る | 有償・無償を問わず禁止 有償の事業として可能 |
| 雇用関係 | 一般に供給先と労働者の間で成立 | 違法供給では雇用主が不明確になりやすい 派遣元と労働者の間で成立 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は私立就業服務機構の許可制で人材仲介を規律するが、労働組合に限定した無料供給の特別規定は置いていない
韓国も労働者供給事業を許可制とし、国内供給事業の許可主体を労働組合に限定する点で日本と構造が近い
ドイツは労働者貸与を許可制で認める一方、労働組合に特化した例外は設けていない
米国では労働組合が加盟者を使用者に紹介する hiring hall が判例法上の規律の下で運用されている
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 建設現場で一次下請から来た作業員に、元請の現場監督が毎朝直接作業を割り振っている。書類上は請負でも、実態は人の貸し借り。労働基準監督署やハローワークの調査で「偽装請負=違法な労働者供給」と判断されれば、受け入れた元請側も44条違反の当事者になる
- 派遣会社から来たスタッフを、あなたの会社がさらに取引先へ「応援」に出した。これは二重派遣と呼ばれ、労働者派遣法の枠を外れ、職業安定法44条の禁止する労働者供給に当たる。善意の人助けのつもりでも、罰則の対象になる
- タクシー会社の人手が足りない。地域の運転者組合が無料で乗務員を送り込める仕組みがあると聞いた。本当に合法なのか? 厚生労働大臣の許可を受けた労働組合等による無料供給なら、本条に基づく正規のルートである
- 労働局から「来週月曜までに請負契約書と現場の指揮命令系統を説明せよ」との通知。残り4日。誰が誰に作業指示を出していたか、日報と LINE 履歴を今夜中に洗い出さなければ説明が組み立てられない
- 組合員として供給先で働いていたら、供給先から一方的に「明日から来なくていい」と言われた。誰が雇用主なのか分からず、どこに文句を言えばいいのか分からない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 自分の雇用主が誰か、作業指示を誰から受けているかをメモし、日報やチャット履歴を保存する2. 賃金未払いや一方的な就労打切りがあれば、組合供給なら供給元の組合に、違法供給の疑いがあれば都道府県労働局の需給調整事業部門に相談する3. 未払賃金は労働基準監督署への申告も並行して行い、請求の時効を止めるため書面で請求する
訴えられた側:1. 違法な労働者供給を指摘されたら、まず現場の指揮命令系統、勤怠管理、業務の独立性を整理し、請負の区分基準(昭和61年労働省告示第37号)に照らして自己点検する2. 該当しそうなら、派遣契約への切替え、直接雇用、または許可を受けた労働組合等からの供給受入れへ速やかに切り替える3. 行政の指導段階で是正計画を示すことが、刑事事件化を避ける現実的な分岐点になる
時効(請求できる期限):違法な労働者供給(44条違反)の罰則は1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金(64条、最新の改正状況をご確認ください)。公訴時効は行為終了から3年(刑事訴訟法250条2項6号)。賃金請求権は支払期日から当分の間3年(労働基準法115条、附則143条)
学説
通説:労働者供給事業の禁止は、戦前の親方・口入れ屋による中間搾取と人身支配を排除する趣旨であり、本条は営利動機を持たない労働者の団結体に限って供給を許すことで、禁止の趣旨を損なわずに就労機会を確保する例外と理解される
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和22年(1947年) 新設:職業安定法の制定により、労働者供給事業の原則禁止とともに、労働組合による無料の供給を許可制で認める規定として設けられた
- 職業安定法 第44条労働者供給事業の原則禁止、本条はその例外
- 職業安定法 第4条労働者供給・労働組合等の定義(項番号は現行効力を要確認)
- 職業安定法 第46条供給事業への職業紹介規定の準用(現行効力を要確認)
- 職業安定法 第64条44条違反に対する罰則
- 労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律 第2条労働者派遣を供給概念から切り出す定義(通称 労働者派遣法)
- 労働組合法 第2条供給主体となる労働組合の要件
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