公認会計士法 第34条の58(事件記録の閲覧等)
クイックジャンプ
利害関係人は、内閣総理大臣に対し、審判手続開始の決定後、事件記録の閲覧若しくは謄写又は第三十四条の五十三第七項に規定する決定に係る決定書の謄本若しくは抄本の交付を求めることができる。
この条文の基本情報
事件記録の閲覧等とは何ですか?
定義事件記録の閲覧等とは、公認会計士法第34条の58に定められた規定で、「利害関係人は、内閣総理大臣に対し、審判手続開始の決定後、事件記録の閲覧若しくは謄写又は第三十四条の五十三第七項に規定する決定に係る決定書の謄本若しくは抄本の交付…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 公認会計士法第34条の58(事件記録の閲覧等)は、日本の公認会計士法に含まれる条文です。
- 公認会計士法第34条の58の条文原文は「利害関係人は、内閣総理大臣に対し、審判手続開始の決定後、事件記録の閲覧若しくは謄写又は第三十四条の五十三第七項に規定する決定に係る決定書の謄本若しくは抄本の交付…」で始まります。
- 公認会計士法第34条の58は第五章の六に置かれています。
- 公認会計士法の公布日は昭和23年7月6日です。
- 公認会計士法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 公認会計士法第34条の58の前の条は公認会計士法第34条の57です。
- 公認会計士法第34条の58の次の条は公認会計士法第34条の59です。
- 公認会計士法第34条の58には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
公認会計士法(昭和二十三年法律第百三号)第34条の58 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000103 - 本サイト収録
公認会計士法(昭和二十三年法律第百三号)第34条の58(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000103/34_58
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点公認会計士法34条の74は、課徴金審判の開始決定後、利害関係人が内閣総理大臣に事件記録の閲覧・謄写と決定書の謄本・抄本の交付を請求できると定める。
Q · 監査法人の課徴金審判で、金融庁が持っている証拠は見せてもらえるの?
開始決定後なら、利害関係人は請求して閲覧・謄写できる
公認会計士法34条の74により、利害関係人は審判手続開始の決定後、内閣総理大臣(実務上の窓口は金融庁)に対して事件記録の閲覧・謄写を求めることができます。審判の結論である34条の53第7項の決定については、決定書の謄本・抄本の交付も請求できます。ただし開始決定前の調査段階には及ばず、請求できるのは利害関係人に限られます。誰でも使える情報公開法の開示請求とは別の制度です。
解説
公認会計士や監査法人が課徴金(違反行為に対して行政が課す金銭的な制裁で、刑罰ではないもの)を問われると、通常の裁判ではなく、金融庁の審判手続(行政機関の内部で、審判官が証拠を調べて結論を出す準司法的な手続)にかけられる。本条によると、当局の手元にある証拠や記録は、審判手続開始の決定が出た瞬間から、利害関係人が内閣総理大臣に対して閲覧・謄写(コピー)を求められる対象になる。審判の結論となる決定(第34条の53第7項に規定する決定)の決定書についても、謄本(全文の写し)や抄本(一部の写し)の交付を求められる。要するに、開始決定の前は何も見せてもらえないが、開始決定の後は、当局がどんな材料で自分を追及しているのかを確認できる。どの調書が証拠になっているのか、どの監査手続が問題視されているのか。記録を読まずに答弁書を書けば、相手の手の内が分からないまま戦うことになる。被審人(審判にかけられた本人)だけでなく、被監査会社や、監査の失敗で損害を受けた投資家も、この窓口を使える可能性がある。ただし、誰がどこまで「利害関係人」に当たるかについては、実務上解釈が分かれている。
法的な位置づけ
公認会計士法第34条の74は、公認会計士・監査法人に対する課徴金に係る審判手続において、利害関係人が内閣総理大臣に対し、審判手続開始の決定後に事件記録の閲覧・謄写を、また同法第34条の53第7項に規定する決定に係る決定書の謄本・抄本の交付を請求できる旨を定める手続規定である。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.開始決定書を受け取ったら利害関係の根拠を整理 審判手続開始の決定書の受領日と事件の特定情報を確認し、自分が利害関係人に当たる根拠(被審人であること、監査契約、株式保有記録など)を書面で整理する
- 2.内閣総理大臣(窓口:金融庁)へ閲覧・謄写を請求 事件記録の閲覧・謄写を請求する。答弁書や審判期日までの時間が限られるため、開始決定の受領当日または直後に申請し、謄写範囲は原則として記録全体とする
- 3.記録を精査し手元の原本と照合 当局が根拠とする監査調書・供述調書を特定し、手元の監査調書原本や調査段階での提出資料・説明記録と照合して、要約のずれや事実誤認を洗い出す
- 4.争点を切り分け答弁方針を決定 反論可能な論点と争っても勝ち目の薄い論点を分け、代理人と審判での主張立証の方針を組み立てる
- 5.決定後に決定書の謄本を取得 第34条の53第7項の決定が出たら、決定書の謄本(全文)の交付を請求し、民事訴訟や協会の処分手続、被監査会社との交渉に備える
よくある質問 AI による整理
Q1公認会計士法の審判手続とは?
公認会計士や監査法人の課徴金について、金融庁の審判官が証拠を調べて結論を出す準司法的な行政手続です。通常の裁判所ではなく行政機関の中で行われます。
Q2事件記録の謄写とは何ですか?
審判の事件記録をコピーすることです。閲覧は見るだけ、謄写は写しを取ることを指し、本条は利害関係人に両方の請求を認めています。
Q3事件記録の閲覧請求はどこに出す?
条文上の請求先は内閣総理大臣ですが、権限は金融庁に委任されており、実務上の窓口は金融庁です。具体的な提出方法は事前に窓口へ確認しましょう。
Q4決定書の謄本と抄本の違いは?
謄本は決定書全文の写し、抄本は一部の写しです。民事訴訟や協会の処分手続で使うなら、認定事実の全体が分かる謄本の取得が無難です。
Q5事件記録の閲覧請求に期限はある?
本条自体に行使期間の定めはなく、開始決定後であれば請求できます。ただし答弁書の提出や審判期日が迫るため、実質的には開始決定直後の請求が重要です。
Q6利害関係人とは誰のこと?
審判の結果に法律上の利害を持つ者を指し、被審人本人が該当することは明らかです。被監査会社などがどこまで含まれるかは事案ごとに判断されます。
Q7審判記録の閲覧は弁護士に頼める?
代理人弁護士を通じた請求が一般的です。代理人であれば記録の精査と答弁方針の検討を並行して進められるため、開始決定後すぐの依頼が有効です。
Q8事件記録の閲覧を拒否されることはある?
利害関係人に当たらないと判断されれば拒否されえます。拒否された場合は理由を記録し、情報公開法の開示請求や民事訴訟の文書提出命令など別経路を検討します。
この条文についての質問 AI による整理
Q1審判が始まる前の調査段階で、当局が何を持ってるか見せてもらえないんですか?
本条の請求権は「審判手続開始の決定後」に限られるため、調査段階では使えない。開始決定が出た時点で初めて、事件記録の閲覧・謄写を求められる(公認会計士法34条の74)。実務のポイント:調査段階で自分がどんな資料を提出し、どう説明したかは、その時点で手元に写しと記録を残しておくこと。後で事件記録と照合したとき、自分の説明がどう要約されているかのズレに気付ける
Q2監査法人の課徴金事件の記録って、株で損した投資家でも見られますか?
本条は「利害関係人」に閲覧等を認めているが、投資家がこれに当たるかどうかは条文上明確ではなく、実務上解釈が分かれている。被審人本人が該当することは疑いない。実務のポイント:本条の請求が通らない場合でも、損害賠償訴訟を起こしたうえで、民事訴訟法上の文書送付嘱託や文書提出命令で記録の取り寄せを試みる道がある。一つの窓口で諦めないこと
間違えやすい点 AI による整理
- 「審判は行政の中の手続だから、証拠は当局の内部資料で見られない」と思われがちだが、本条は開始決定後の閲覧・謄写請求権をはっきり定めている。見られないのではない。見に行かない人が多いだけである
- 記録の閲覧は誰でもできる「情報公開」と同じだと考えるのは前提の誤りである。本条の請求権は「利害関係人」に限られる。行政機関情報公開法による開示請求とは要件も範囲もまったく別の制度だ。どちらの窓口で何を請求するかを取り違えると、得られる資料は大きく変わる
- 被審人にとって、記録閲覧は「余裕があればやるもの」ではない。課徴金の決定が出れば、その事実と内容は民事訴訟での責任追及、日本公認会計士協会での処分、被監査会社との契約関係に連鎖していく。最初の記録確認の精度が、その後の連鎖の起点になっているという深刻さは見落とされやすい
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 請求できる者 | 公認会計士法34条の74:利害関係人に限る | 情報公開法3条:何人も請求可 金融商品取引法185条の13:利害関係人(金商法の課徴金審判) |
| 対象と時期 | 審判手続開始の決定後の事件記録・決定書 | 行政機関が保有する行政文書(時期の限定なし、不開示情報あり) 金商法上の審判手続開始決定後の事件記録 |
| 主な用途 | 被審人の防御、決定書による認定事実の確認 | 行政の透明性確保、一般的な情報入手 有価証券報告書虚偽記載等の課徴金審判での防御 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では行政手続一般のルールとして、当事者・利害関係人に卷宗の閲覧・抄写・複印を申請する権利を認める。日本のように個別法の審判手続ごとに定める形ではない
韓国も行政手続法で当事者等の文書閲覧を一般的に保障し、第三者の秘密保持との調整規定を置く
ドイツは行政手続法で関係人の記録閲覧権(Akteneinsicht)を一般原則として定め、秘密保護の必要がある場合に制限する
米国 SEC の行政審判では、手続開始後に執行部門が被審人に調査記録を閲覧・複写させる義務を負う。日本の本条と機能的に近い
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- あなたが担当した上場会社の監査で粉飾が見逃されていたとして、所属する監査法人に審判手続開始決定が届いた。期日まで約一か月しかない。最初にやるべきなのは反論を書くことではなく、事件記録の謄写申請である。当局がどの監査調書のどのページを根拠にしているのかを把握するまで、答弁の方向性は決められない
- 粉飾決算で株価が暴落し、損失を抱えた個人投資家が監査法人への損害賠償請求を検討している。審判の事件記録は、民事訴訟で使える証拠の宝庫になりうるのではないか。ただし、投資家が本条の「利害関係人」に当たるかどうかは事案ごとに判断され、拒否される可能性もある
- 上場準備中のスタートアップの CFO として。前任の監査人に課徴金の審判が始まったとの報道を見た。自社の決算に何が書かれているのか、記録で確かめる必要がある
取るべき行動
被害を受けた側:粉飾や監査の失敗で損害を受けた投資家・被監査会社の場合:1. 審判手続開始の報道や公表を確認したら、自分が利害関係人に当たる根拠(株式の保有記録、監査契約など)を書面で整理する2. 内閣総理大臣(実務上の窓口は金融庁)に対し、閲覧・謄写を請求する3. 拒否された場合も、その理由を記録しておく4. 並行して、行政機関情報公開法による開示請求や、民事訴訟での文書提出命令(民事訴訟法220条)という別ルートも検討する
訴えられた側:被審人となった公認会計士・監査法人の場合:1. 開始決定書を受け取ったら、直ちに事件記録全体の謄写を請求する2. 当局が根拠にしている監査調書・供述調書を特定し、手元の原本との違いを照合する3. 反論可能な論点と、争っても勝ち目の薄い論点を分け、審判の戦略を代理人と組み立てる4. 決定が出たら決定書の謄本を取得し、協会の処分や民事責任への波及に備える
時効(請求できる期限):本条の請求権そのものに行使期間の定めはなく、審判手続開始の決定後であれば請求できる。ただし、実質的なリミットは答弁書の提出や審判期日の日程である。また、決定に不服がある場合の取消訴訟の出訴期間(一般原則は行政事件訴訟法14条の6か月)は、本法で短縮されている可能性がある。決定書を受け取った時点で直ちに確認すること(最新の改正状況をご確認ください)
- 公認会計士法 第31条の2公認会計士の虚偽証明等に対する課徴金
- 公認会計士法 第34条の21の2監査法人の虚偽証明等に対する課徴金
- 公認会計士法 第34条の53審判の結論となる決定、決定書の根拠
- 金融商品取引法 第185条の13同型の審判事件記録閲覧規定(現行効力を要確認)
- 行政機関の保有する情報の公開に関する法律 第3条誰でも使える別ルートの開示請求権
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める