受講中の講座ブックマーク無料で登録

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年9月5日読了 8 分8 分8 分

刑事訴訟法 第316条の28

クイックジャンプ
  1. 裁判所は、審理の経過に鑑み必要と認めるときは、検察官、被告人若しくは弁護人の請求により又は職権で、第一回公判期日後に、決定で、事件の争点及び証拠を整理するための公判準備として、事件を期日間整理手続に付することができる。
  2. 2.期日間整理手続については、前款(第三百十六条の二第一項及び第三百十六条の九第三項を除く。)の規定を準用する。この場合において、検察官、被告人又は弁護人が前項の決定前に取調べを請求している証拠については、期日間整理手続において取調べを請求した証拠とみなし、第三百十六条の六から第三百十六条の十まで及び第三百十六条の十二中「公判前整理手続期日」とあるのは「期日間整理手続期日」と、同条第二項中「公判前整理手続調書」とあるのは「期日間整理手続調書」と読み替えるものとする。

この条文の基本情報

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 刑事訴訟法第316条の28は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
  2. 刑事訴訟法第316条の28の条文原文は「裁判所は、審理の経過に鑑み必要と認めるときは、検察官、被告人若しくは弁護人の請求により又は職権で、第一回公判期日後に、決定で、事件の争点及び証拠を整理するための…」で始まります。
  3. 刑事訴訟法第316条の28は第二款 期日間整理手続に置かれています。
  4. 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
  5. 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
  6. 刑事訴訟法第316条の28の前の条は刑事訴訟法第316条の27です。
  7. 刑事訴訟法第316条の28の次の条は刑事訴訟法第316条の29です。
  8. 刑事訴訟法第316条の28には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第316条の28
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131
  • 本サイト収録刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第316条の28(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/316_28

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点刑事訴訟法316条の27は、第一回公判期日後に事件を期日間整理手続に付す手続を定める。請求権は被告人にもあり、手続終了後は証拠請求が原則として制限される。

Q · 裁判が始まってしまった後でも、争点や証拠を整理し直す手続はありますか?

あります。期日間整理手続で審理計画を組み直せます

刑事訴訟法316条の27により、裁判所は審理の経過に鑑み必要と認めるときは、検察官・被告人・弁護人の請求または職権で、第一回公判期日後に事件を期日間整理手続に付すことができます。請求権は弁護人だけでなく被告人本人にもあります。同条2項で公判前整理手続の規定がほぼ全面的に準用されるため、類型証拠開示(316条の15)や主張関連証拠開示(316条の20)の枠組みも起動します。ただし手続終了後は316条の32の準用により、やむを得ない事由がない限り新たな証拠調べ請求ができなくなる点に注意が必要です。

解説

裁判が始まってから、検察官が突然「新しい証人を呼びたい」と言い出した。あるいは、あなたの弁護人が公判の途中で決定的なアリバイ証拠を見つけた。第一回公判が開かれた後の審理は、そのまま漫然と続けるしかないのか。刑事訴訟法316条の27は、そこに一つの装置を用意している。「期日間整理手続」である。裁判所は審理の経過を見て必要と認めれば、検察官・被告人・弁護人の請求により、または職権で、事件をこの手続に付すことができる。公判前整理手続と機能はほぼ同じで、争点と証拠を整理し、審理計画を立て直す。あなたが被告人なら、この手続を請求できる立場にある。ここで見落とされがちなのが2項の準用構造だ。期日間整理手続に付されると、公判前整理手続と同じく証拠請求の失権効(316条の32)がかかる。整理手続が終わった後、原則としてもう新しい証拠は出せなくなる。武器であると同時に、扉を閉める装置でもある

法的な位置づけ

刑事訴訟法316条の27は期日間整理手続を定める規定であり、第一回公判期日後において、裁判所が審理の経過に鑑み必要と認めるときに、当事者の請求または職権により、事件の争点及び証拠を整理するための公判準備に事件を付する手続を規律する。2項は公判前整理手続に関する前款の規定を、一部を除き準用する。

手順・フロー

AI による整理。効力は条文原文が基準です

手順

  1. 1.第一回公判で検察官の立証構造を検証する 第一回公判期日で提出された証拠等関係カードと冒頭陳述を突き合わせ、事前の見立てと争点がずれていないか、開示された証拠が防御に足りているかを弁護人と洗い出す。ずれの内容を書面でメモ化しておく
  2. 2.失権効の代償を先に棚卸しする 請求する前に、手元の証拠を全部出し切れる態勢かを確認する。期日間整理手続が終了すると316条の32の準用により、やむを得ない事由がない限り新たな証拠調べ請求ができなくなる。未収集の証拠があるなら先に収集を終える
  3. 3.期日間整理手続請求書を書面で提出する 「審理の経過に鑑み必要」と言える具体的事情(争点のずれ、証拠開示の不足、審理計画の破綻)を特定して記載し、裁判所に書面で提出する。却下されても請求した事実が調書に残り、控訴審での主張の基礎になる
  4. 4.証拠開示請求をセットで組み立てる 手続に付された後、類型証拠開示請求(316条の15準用)と主張関連証拠開示請求(316条の20準用)を行う。開示を単独で求めるより、整理手続という構造ごと起動させる方が裁判所は動きやすい
  5. 5.予定主張を明示し、審理計画を確定する 整理手続では予定主張の明示義務が生じる。防御方針を先に開示する不利益と、争点を明確化して不意打ちを防ぐ利益を天秤にかけ、開示する範囲を決める。最後に新たな公判期日と証人尋問順序を確定させる

よくある質問 AI による整理

Q1期日間整理手続とは何ですか?

第一回公判期日後に、事件の争点と証拠を整理し審理計画を立て直すための公判準備手続です。刑事訴訟法316条の27が根拠で、裁判所の決定によって開始されます。

Q2期日間整理手続は誰が請求できますか?

検察官、被告人、弁護人のいずれも請求できます。条文は「被告人若しくは弁護人」と並列で規定しており、弁護人を通さずに被告人本人が請求することも可能です。裁判所の職権発動もあります。

Q3期日間整理手続はいつまでに請求すべきですか?

法定の期限はありませんが、第一回公判期日後かつ弁論終結前でなければ機能しません。実務上は争点のずれが表面化した直後が最も通りやすく、審理終盤の請求は必要性なしとして却下されやすくなります。

Q4期日間整理手続は公開されますか?

公判期日とは異なり、期日間整理手続期日は公開が保障された手続ではありません。傍聴人が中身を直接確認することはできず、経過は期日間整理手続調書に記録されます。

Q5期日間整理手続で証拠開示を請求できますか?

できます。316条の27第2項の準用により、類型証拠開示請求(316条の15)と主張関連証拠開示請求(316条の20)の枠組みが期日間整理手続でも正式に起動します。

Q6期日間整理手続に被告人は出席する必要がありますか?

被告人の出頭は必須ではなく、裁判所が必要と認めるときに出頭を求める建て付けです。ただし予定主張の明示など防御方針に直結する事項が扱われるため、弁護人との事前打合せは不可欠です。

Q7期日間整理手続に付されると裁判は長引きますか?

一時的に公判期日の間隔は空きますが、争点が絞られる分その後の審理は集中します。争点未整理のまま公判を重ねる場合より、総期間が短くなることも珍しくありません。

Q8期日間整理手続の内容はどこに記録されますか?

期日間整理手続調書に記録されます。316条の27第2項の読替規定により、公判前整理手続調書に関する規定が期日間整理手続調書として読み替えて適用されます。

この条文についての質問 AI による整理

Q1公判前整理手続と期日間整理手続って、結局なにが違うんですか?

タイミングだけがほぼ唯一の実質的な違いである。公判前整理手続は第一回公判期日の前、期日間整理手続は第一回公判期日の後に行う。中身は本条2項で前款の規定がほぼ全面準用されるため、争点整理・証拠開示・審理計画策定の機能は同等である。実務のポイント:弁護人の間では、公判前整理手続に付されなかった否認事件で証拠開示を引き出す実務的な突破口として意識されている。証拠開示だけを単独で求めるより、手続そのものを起動させる方が裁判所は動きやすい

Q2被告人が請求したのに裁判所が却下したら、争えますか?

期日間整理手続に付すか否かの決定は裁判所の裁量であり、却下決定に対する独立の不服申立ては認められていない。ただし争点整理や証拠開示が不十分なまま審理された結果、防御権が実質的に侵害されたと言える場合は、控訴審で訴訟手続の法令違反(刑事訴訟法379条)として主張する余地がある。実務のポイント:却下されても請求した事実が公判調書に残る。この記録が控訴審での「防御の機会を求めたが与えられなかった」という主張の基礎になる。却下されそうでも書面で請求しておく実務的な意味はここにある

Q3整理手続に入ると、あとから証拠を出せなくなるって本当ですか?

本当である。本条2項の準用により316条の32が働き、期日間整理手続終了後は、やむを得ない事由によって請求できなかった証拠を除き、新たな証拠調べ請求ができなくなる。ただし裁判所が職権で証拠調べをする権限は妨げられない(同条2項)。実務のポイント:この失権効があるため、弁護人は請求前に手持ちの証拠を棚卸しする。逆に検察官側から請求されたときは、こちらの準備が整う前に扉を閉められる危険がある。同意するタイミングそのものが攻防になっている

間違えやすい点 AI による整理

  • 「整理手続は裁判所が決めるもので、被告人は待つだけ」と思われているが、条文は明確に「検察官、被告人若しくは弁護人の請求により」と書いている。請求権は被告人本人にもある。弁護人を通さずとも、被告人自身が請求できる建て付けになっている
  • 期日間整理手続は「公判前整理手続の劣化版」と誤解されがちだが、実際は2項によってほぼ全面的に準用されており、証拠開示請求権(316条の15、316条の20の準用)も含めて機能はほぼ同等である。違いは316条の2第1項(公判前整理手続に付す決定の規定)と316条の9第3項が除外されている点、そして時期が公判開始後という点だ
  • 「整理手続に入れば証拠を追加できる」と考えて請求する人がいるが、問いの立て方が逆である。整理手続は追加のための場ではなく、証拠を出し切らせて締め切るための場だ。手続終了後は316条の32の準用でやむを得ない事由がない限り新証拠を請求できなくなる。開けた扉は、閉まるときにより強く閉まる
  • 被告人の視点では「争点整理は裁判を早く終わらせるための裁判所の都合」に見えるが、法の視点では防御権の実質化装置である。争点が明示されず証拠開示も不十分なまま公判を進められることこそ、被告人にとって最大の不利益になる。この落差を理解していないと、使えるはずの手続を自分から手放すことになる
比較の観点この条文ほかの条文
実施のタイミング316条の27:第一回公判期日後(審理の途中)316条の2:第一回公判期日前(公判前整理手続)
通常の公判準備:期日と期日の間に随時(決定を要しない)
開始の要件審理の経過に鑑み必要と認めるとき+当事者の請求または職権による決定充実した公判審理を継続的・計画的・迅速に行うため必要と認めるとき(裁判員裁判は必要的)
特段の決定要件なし
証拠開示の枠組み316条の15・316条の20が準用され、類型・主張関連証拠開示が正式に起動316条の15・316条の20が直接適用
法定の開示請求権なし(任意開示の交渉のみ)
終了後の代償(失権効)316条の32準用:やむを得ない事由がない限り新証拠を請求できない316条の32直接適用:同じく失権効あり
失権効なし(弁論終結まで証拠請求は自由)

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
中華民国刑事訴訟法第273条・第279条

台湾は準備程序で争点整理・証拠能力の判断を行うが、日本のような失権効を伴う厳格な設計ではなく、審判期日開始後の再整理は運用に委ねられる部分が大きい

韓国
대한민국 형사소송법 제266조의15

韓国は2007年改正で公判準備手続を導入し、期日間の公判準備を明文化した。日本の2004年改正と構造が近く、争点整理と証拠開示を一体で運用する点も共通する

ドイツ
StPO § 212 i. V. m. § 202a

ドイツは公判開始後も裁判所と当事者が手続状況を協議できるが、日本のような証拠請求の失権効は結び付いておらず、職権探知主義の下で裁判所の解明義務が優先する

アメリカ
Fed. R. Crim. P. 17.1(Pretrial Conference)

米国は当事者主義の下でディスカバリーが広く先行し、pretrial conference は争点と審理時間の管理が中心。日本の整理手続のように証拠開示の請求権を条文が段階的に設計する構造ではない

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • 痴漢冤罪で否認して公判に臨んだ。第一回公判で検察官が出してきた供述調書の内容が、事前の見立てと全く違っていた。弁護人が態勢を立て直すには時間が要る。ここで期日間整理手続を請求すれば、争点を再整理し、必要な証拠開示(316条の15の類型証拠開示が準用される)を求める場が正式に立ち上がる。「次回まで待ってください」と口頭で頼むのとは、手続的な重みが違う
  • 検察官の側から請求されるケースもある。公判が始まってから被告人が新たな主張を持ち出し、検察官がその反証を組み立てる必要が生じたとき。あなたが被告人側なら、この請求に同意するかどうかで戦況が変わる。整理手続に入れば相手も証拠を出し切らねばならないが、あなたも出し切らねばならなくなる
  • 審理が長期化した否認事件。公判が8回続いても争点が絞れていない。裁判所が職権で期日間整理手続に付し、審理計画を作り直す。裁判員裁判ではこれが特に重要で、裁判員の負担軽減という要請が強く働く
  • もし公判の途中で真犯人につながる新証拠が見つかったら、どうなる? 公判前整理手続を経ていた事件では、316条の32の失権効で証拠請求が制限されている。だが期日間整理手続に付されれば、その手続の中で改めて証拠請求をする道が開く。閉じた扉に、もう一度鍵が差し込まれる
  • 判決期日まであと3週間。弁護人が「この争点はまだ詰められていない」と感じている。期日間整理手続の請求は、弁論終結前でなければ意味がない。裁判所の心証がほぼ固まった段階で請求しても、必要性なしと判断されて却下される。動くなら審理の中盤までだ

取るべき行動

被害を受けた側:被害者参加人として審理を見守る立場であれば、期日間整理手続に付されると審理計画が一度リセットされ、判決までの期間が延びる可能性がある。1. 検察官に、なぜ整理手続が必要になったのか説明を求める2. 被害者参加人の意見陳述や証人尋問の予定がどう変わるか確認する3. 手続自体は非公開だが、経過は検察官経由で把握できる。損害賠償命令の申立て(犯罪被害者等保護法)を予定しているなら、刑事手続の終結時期が申立てのスケジュールに直結するため、時期の見通しを早めに握っておく

訴えられた側:1. 第一回公判で検察官の立証構造を見た直後、弁護人と「争点はずれていないか、証拠開示は足りているか」を検証する2. 不足があれば期日間整理手続の請求を検討、請求権は被告人本人にもある(本条1項) 3. 請求前に必ず確認すべきは失権効の代償。整理手続終了後は316条の32の準用でやむを得ない事由がない限り新証拠を出せなくなる。手元の証拠を全部出し切れる態勢かを先に固める4. 整理手続では予定主張を明示する義務が生じる。防御方針を先に開示することの不利益も、天秤に乗せて判断する

時効(請求できる期限):本条に法定の請求期限はないが、第一回公判期日後かつ弁論終結前でなければ機能しない。実務上は争点のずれが判明した直後が勝負どころで、審理終盤の請求は「審理の経過に鑑み必要」の要件で却下されやすい。整理手続終了後は316条の32準用により証拠請求が原則失権する点も、期限として意識すべきである

学説

通説:本条2項の準用により、期日間整理手続は公判前整理手続と機能的にほぼ同等であると解される。除外されるのは316条の2第1項(付する決定の規定、本条1項が代替)と316条の9第3項にとどまり、証拠開示および失権効の規律は同様に及ぶ。

改正沿革 AI による整理

改正の年表

  1. 1.平成16年(2004年) 新設:裁判員制度の導入と刑事裁判の充実迅速化を目的とする改正により、公判前整理手続とともに期日間整理手続が新設された。第一回公判期日後にも争点及び証拠の整理を行う枠組みが法定された。

ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。

刑事訴訟法の全文を見る所属する編章節を開く:第二款 期日間整理手続

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

次に調べる

判例を探す:条文単位の判例の紐づけは準備中です。上のカードから法令名で検索できます。裁判所「裁判例検索」で探す ›