刑事訴訟法 第316条の27
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- 裁判所は、第三百十六条の二十五第一項又は前条第一項の請求について決定をするに当たり、必要があると認めるときは、検察官、被告人又は弁護人に対し、当該請求に係る証拠の提示を命ずることができる。この場合においては、裁判所は、何人にも、当該証拠の閲覧又は謄写をさせることができない。
- 2.裁判所は、被告人又は弁護人がする前条第一項の請求について決定をするに当たり、必要があると認めるときは、検察官に対し、その保管する証拠であつて、裁判所の指定する範囲に属するものの標目を記載した一覧表の提示を命ずることができる。この場合においては、裁判所は、何人にも、当該一覧表の閲覧又は謄写をさせることができない。
- 3.第一項の規定は第三百十六条の二十五第三項又は前条第三項の即時抗告が係属する抗告裁判所について、前項の規定は同条第三項の即時抗告が係属する抗告裁判所について、それぞれ準用する。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 刑事訴訟法第316条の27は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
- 刑事訴訟法第316条の27の条文原文は「裁判所は、第三百十六条の二十五第一項又は前条第一項の請求について決定をするに当たり、必要があると認めるときは、検察官、被告人又は弁護人に対し、当該請求に係る証拠…」で始まります。
- 刑事訴訟法第316条の27は第三目 証拠開示に関する裁定に置かれています。
- 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
- 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 刑事訴訟法第316条の27の前の条は刑事訴訟法第316条の26です。
- 刑事訴訟法第316条の27の次の条は刑事訴訟法第316条の28です。
- 刑事訴訟法第316条の27には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第316条の27 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131 - 本サイト収録
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第316条の27(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/316_27
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点刑事訴訟法316条の27は、証拠開示の判断のため裁判所が証拠の提示を命じ、裁判官だけが密室で内容を確認する規定。当事者には閲覧・謄写させない。
Q · 検察が隠している証拠を、裁判で表に出させる方法はあるの?
裁判官だけが密室で証拠を確認し、開示の要否を決めます
刑事訴訟法316条の27により、裁判所は証拠開示の裁定(316条の25)や開示命令(316条の26)を判断するため、検察官・被告人・弁護人に証拠の提示を命じることができます。提示された証拠は裁判官だけが確認し、当事者には閲覧・謄写させないイン・カメラ手続です。第2項では、検察官に証拠の標目を記載した一覧表の提示も命じられます。裁判官が密室で中身を確かめ、開示すべきと判断したものだけが、当事者の目に触れます。
解説
刑事裁判で検察官が持っている証拠は、すべてが法廷に出てくるわけではない。あなたに有利な証拠が、検察官の手元で眠ったまま開示されないこともある。その不公平を正すために、裁判所には証拠開示命令(316条の26)という武器がある。だが命令を出すかどうかを決めるには、裁判官自身がその証拠を見なければ判断できない。そこで動くのがこの316条の27だ。裁判所は検察官や弁護人に証拠そのものの提示を命じ、密室(イン・カメラ)で中身を確かめる。肝心なのは、このとき裁判官以外は誰もその証拠を見られないという点。あなたが弁護人として開示を求めても、裁判官が一人で見て判断するまで、中身は闇の中だ。さらに2項では、検察官が持つ証拠の一覧表(標目のリスト)の提示まで命じられる。検察の手札の枚数を、裁判官だけが覗ける仕組みである。
法的な位置づけ
刑事訴訟法316条の27は、証拠開示に関する裁定(316条の25)または開示命令(316条の26)を判断するにあたり、裁判所が証拠または証拠の標目一覧表の提示を命じ、当事者に閲覧・謄写させず裁判官のみが内容を確認するイン・カメラ手続を定めた規定である。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.証拠の一覧表交付を請求して全体像を把握 公判前整理手続の中で、まず検察官に証拠の一覧表交付を請求する(316条の14第2項)。何が存在するのか標目を把握しなければ、的を絞った開示請求の組み立てができない
- 2.類型証拠・主張関連証拠の開示を具体的に請求 把握した一覧表をもとに、類型証拠開示請求(316条の15)と主張関連証拠開示請求(316条の20)で、特定の証拠を具体的に指定して開示を求める
- 3.検察が拒めば証拠開示命令を請求 検察官が開示を拒否したら、裁判所に証拠開示命令を請求する(316条の26)。裁判所が必要と認めれば316条の27により提示命令や一覧表提示命令を出し、裁判官が密室で内容を確認する
- 4.非開示・拒否の判断には即時抗告で争う 裁判所が開示命令を拒んだり、イン・カメラで非開示と判断した場合、即時抗告(316条の26第3項)で抗告裁判所に再審査を求める。抗告審でも316条の27の提示命令が準用される
よくある質問 AI による整理
Q1証拠提示命令とは何ですか?
裁判所が証拠開示の要否を判断するため、検察官らに証拠そのものの提示を命じる手続です。刑事訴訟法316条の27が根拠で、裁判官だけが中身を確認します。
Q2イン・カメラ手続とは何ですか?
提示された証拠を裁判官だけが非公開で確認する手続です。当事者には閲覧も謄写もさせず、裁判官が開示の要否を中立的に選別する仕組みです。
Q3証拠の一覧表は誰でも見られますか?
見られません。316条の27第2項の一覧表提示命令でも、裁判官だけが標目を確認し、何人にも閲覧・謄写させない非開示の扱いです。
Q4証拠提示命令はいつまでに求めるべきですか?
公判前整理手続または期日間整理手続が係属している間に求める必要があります。手続が終結すると原則として新たな証拠開示請求はできません。
Q5提示命令に検察官が従わないとどうなりますか?
明文の制裁規定はありませんが、裁判所は開示命令(316条の26)で対応でき、検察側の不誠実な対応は心証や開示判断で不利に働き得ます。
Q6証拠提示命令の判断に不服があるときは?
開示命令や裁定に対しては即時抗告でき(316条の26第3項等)、抗告裁判所でも316条の27の提示命令が準用されます(同条3項)。
Q7証拠提示命令は被告人本人も請求できますか?
316条の25・316条の26の請求は被告人または弁護人ができます。それを判断するため裁判所が職権で提示命令を出す構造です。
Q8提示命令で出た証拠は最終的に開示されますか?
必ずしも開示されません。裁判官がイン・カメラで確認し、開示すべきと判断したものだけが当事者に開示されます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1検察って、自分たちに不利な証拠は隠してもいいんですか?
原則として、検察官請求証拠と一定の類型・主張関連証拠(刑事訴訟法316条の14、316条の15、316条の20)には開示義務があり、隠せばルール違反です。ただし『開示義務の範囲外』と検察が判断した証拠は、請求して争わないと出てきません。316条の27の提示命令は、その争いで裁判官に直接中身を確かめさせる最後の手段。実務のポイント:検察が『該当証拠なし』と答えても、一覧表交付請求(316条の14第2項、2016年改正で新設)で標目だけは確認でき、『無い』のか『出したくない』のかを切り分けられる
Q2イン・カメラで裁判官が見た証拠、被告人は絶対に見られないんですか?
裁判官が密室で確認し『開示不要』と判断すれば、その証拠は被告人も弁護人も見られません(316条の27第1項後段、何人にも閲覧・謄写させない)。ただし開示すべきと判断されれば、そこで初めて中身が出ます。実務のポイント:イン・カメラの判断に納得できなければ即時抗告(316条の26第3項)で上級審の再審査を求められる。密室の判断は一発勝負ではなく、もう一度上で争う余地が残されている
間違えやすい点 AI による整理
- 「刑事裁判では検察が持つ証拠は全部開示される」と思っている人が多いが、実際は違う。検察官請求証拠(316条の14)と一定の類型・主張関連証拠(316条の15、316条の20)だけが開示対象で、それ以外は請求して争わなければ出てこない。316条の27の提示命令は、その争いの最終手段だ
- イン・カメラ手続の存在は知っていても、その怖さを知らない人がいる。裁判官が密室で証拠を見て『開示不要』と判断したら、あなたはその証拠を一生見られないまま判決を受ける。中身を見ていないから、反論の組み立てようもない。密室で完結する判断の重みは、想像以上だ
- 「証拠開示を請求すれば中身が見られる」と考えて請求する人がいるが、その問いの立て方が違う。316条の27が動くと、まず裁判官だけが見る。あなたが見られるのは、裁判官が『開示せよ』と命じた後だけ。請求イコール閲覧ではなく、請求、密室審査、(場合により)開示、という二段構えだ
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 316条の27:証拠そのもの・一覧表の提示命令(イン・カメラ) | 316条の26:証拠開示命令(当事者へ開示させる) 316条の25:証拠開示の時期・方法の指定の裁定 |
| 誰が中身を見るか | 裁判官のみ(何人にも閲覧・謄写させない) | 開示が命じられれば請求側当事者も見られる 開示の段取りを定めるもので閲覧主体は別途決まる |
| 目的 | 開示の要否を裁判官が判断するための中身確認 | 争いのある証拠を実際に開示させる 開示の時期・方法をめぐる紛争を裁定する |
| 不服申立て | それ自体は中間処分(即時抗告審で準用・3項) | 即時抗告ができる(316条の26第3項) 即時抗告ができる(316条の25第3項) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は弁護人の閲卷権を中心に防御側の記録アクセスを保障。日本のような段階的開示・イン・カメラ提示命令の体系は弱く、閲覧権の範囲で運用される
韓国も証拠開示命令制度を持ち、検察が開示を拒む場合に裁判所が開示を命じる。日本の段階的開示・公判前整理手続と類似した構造
ドイツは弁護人の記録閲覧権(Akteneinsicht)を広く認める職権主義。日本の当事者主導の段階的開示とは異なり、捜査記録全体へのアクセスが原則
米国は検察に有利証拠の開示義務を課し、裁判所が in camera review で開示の要否を判断する点が316条の27と機能的に近い
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、あなたの弁護人が『検察はまだ何か隠している』と感じたら、どうなる? 証拠開示命令を請求し、裁判所が316条の27でその証拠を提示させる。裁判官が密室で確かめ、有利な証拠なら開示される。あなたが見たことのない一枚の供述調書が、無罪の決め手になることがある
- 公判前整理手続には終わりがある。証拠開示を争うなら、整理手続が終結する前に提示命令を求めなければ間に合わない。手続が閉じた後では、もう手札は固定される
- あなたが『検察が何の証拠を持っているのかすら分からない』と途方に暮れているとき、2項の一覧表提示命令が効く。証拠の標目(タイトル)の一覧を裁判官が確かめ、開示すべきものを選り分ける。何があるか分からなければ、的を絞った開示請求もできない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 公判前整理手続の中で、まず検察官に証拠の一覧表交付を請求(316条の14第2項)、何があるかを把握する2. 類型証拠・主張関連証拠の開示請求(316条の15、316条の20)で具体的に開示を求める3. 検察が拒めば証拠開示命令を請求(316条の26)、裁判所が316条の27で提示命令や一覧表提示命令を出すよう促す4. すべて整理手続終結前に動く。時機を逃すと手札が固定される
訴えられた側:1. 弁護人に『開示されていない証拠がないか』を必ず確認させる、特に自分に有利な目撃証言や供述調書2. 裁判所が提示命令を出してもイン・カメラで非開示と判断されたら、その判断を即時抗告(316条の26第3項)で争えるか弁護人と検討3. 一覧表だけでも入手できれば、的を絞った開示請求が可能になる4. 密室審査の結果は被告人本人も見られない前提で、弁護人の見立てを信頼して戦略を組む
時効(請求できる期限):証拠開示に関する裁定・命令の請求は、公判前整理手続または期日間整理手続が係属している間に行う必要がある。手続終結後は原則として新たな証拠開示請求はできない。提示命令・開示命令の判断に対する不服申立ては即時抗告(316条の26第3項等)で、提起期間は原則3日(刑事訴訟法422条。最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:316条の27のイン・カメラ手続は、証拠開示の必要性と弊害(罪証隠滅・証人威迫・プライバシー侵害)を裁判所が比較衡量するための制度。当事者に見せずに中立の裁判官が中身を確認することで、防御権と秘匿利益の両立を図るものと解される。
改正沿革 AI による整理
- 平成16年(2004年)新設 公判前整理手続の導入に伴い新設。証拠開示の裁定・命令(316条の25、316条の26)を判断するため、裁判所が証拠の提示を命じ、当事者に見せずに中身を確認するイン・カメラ手続を創設した
- 平成28年(2016年)改正、平成30年(2018年)施行 証拠の一覧表交付制度(316条の14第2項)の新設に対応して第2項を追加。裁判所が検察官に証拠の標目を記載した一覧表の提示を命じ、これも非開示で確認できる仕組みを整えた
改正の年表
- 1.平成16年(2004年) 新設:公判前整理手続の導入に伴い新設。証拠開示の裁定・命令(316条の25、316条の26)を判断するため、裁判所が証拠の提示を命じ、当事者に見せずに内容を確認するイン・カメラ手続を創設した。
- 2.平成28年(2016年) 改正:証拠の一覧表交付制度(316条の14第2項)の新設に対応して第2項を追加。裁判所が検察官に証拠の標目を記載した一覧表の提示を命じ、これも非開示で確認できる仕組みを整えた(平成30年施行)。
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