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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年9月5日読了 7 分7 分7 分

刑事訴訟法 第316条の20

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  1. 検察官は、第三百十六条の十四第一項並びに第三百十六条の十五第一項及び第二項の規定による開示をした証拠以外の証拠であつて、第三百十六条の十七第一項の主張に関連すると認められるものについて、被告人又は弁護人から開示の請求があつた場合において、その関連性の程度その他の被告人の防御の準備のために当該開示をすることの必要性の程度並びに当該開示によつて生じるおそれのある弊害の内容及び程度を考慮し、相当と認めるときは、速やかに、第三百十六条の十四第一項第一号に定める方法による開示をしなければならない。この場合において、検察官は、必要と認めるときは、開示の時期若しくは方法を指定し、又は条件を付することができる。
  2. 2.被告人又は弁護人は、前項の開示の請求をするときは、次に掲げる事項を明らかにしなければならない。
  3. 一開示の請求に係る証拠を識別するに足りる事項
  4. 二第三百十六条の十七第一項の主張と開示の請求に係る証拠との関連性その他の被告人の防御の準備のために当該開示が必要である理由

この条文の基本情報

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 刑事訴訟法第316条の20は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
  2. 刑事訴訟法第316条の20の条文原文は「検察官は、第三百十六条の十四第一項並びに第三百十六条の十五第一項及び第二項の規定による開示をした証拠以外の証拠であつて、第三百十六条の十七第一項の主張に関連する…」で始まります。
  3. 刑事訴訟法第316条の20は第二目 争点及び証拠の整理に置かれています。
  4. 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
  5. 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
  6. 刑事訴訟法第316条の20の前の条は刑事訴訟法第316条の19です。
  7. 刑事訴訟法第316条の20の次の条は刑事訴訟法第316条の21です。
  8. 刑事訴訟法第316条の20には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第316条の20
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131
  • 本サイト収録刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第316条の20(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/316_20
裁判例 4件に引用されています

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わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点刑事訴訟法316条の20は、被告人側が示した主張に関連する検察手持ち証拠の開示を請求できる規定。検察官が関連性・必要性と弊害を衡量し相当と認めれば開示する。

Q · 検察が握っている証拠は、こちらから請求すれば見せてもらえるの?

主張を示して関連性を具体的に示せば開示を請求できる

刑事訴訟法316条の20により、被告人・弁護人がまず316条の17で主張を明示すると、その主張に関連する検察手持ち証拠の開示を請求できます。ただし無条件ではなく、検察官が関連性の程度、防御準備上の必要性、開示による弊害(証人威迫・罪証隠滅の危険)を比較衡量し、相当と認めるときに速やかに開示します。検察官が拒否・限定した場合は、裁判所に開示の裁定や開示命令を求めることができます(316条の25、316条の26)。

解説

刑事裁判というと、検察と被告人が対等に証拠を出し合う場だと思っていないだろうか。現実は違う。捜査機関が集めた証拠の大半は、最初は検察官の手元にあり、被告人側はその中身を知らない。刑事訴訟法316条の20は、その非対称を一部だけ崩すための条文だ。公判前整理手続のなかで、あなたの弁護人が「こういう主張をする」と先に手の内を示す(316条の17)。すると、その主張に関連する証拠の開示を検察官に請求できるようになる。検察官は、関連性の程度、防御準備のための必要性、開示で生じうる弊害(証人への威迫や証拠隠滅の危険)を天秤にかけ、相当と認めれば速やかに開示しなければならない。ポイントは「黙っていれば一枚も出てこない」こと。日本にはアメリカのような全面証拠開示はない。請求して、証拠を識別する事項と必要な理由を示して初めて、有利な一枚が表に出る可能性が生まれる。

法的な位置づけ

刑事訴訟法316条の20は、公判前整理手続における主張関連証拠の開示を定める規定である。被告人側が316条の17で明示した主張に関連する証拠について、関連性・必要性と開示による弊害を検察官が比較衡量し、相当と認めるときに開示する。検察官請求証拠の開示・類型証拠の開示に続く第三段階を構成する。

手順・フロー

AI による整理。効力は条文原文が基準です

手順

  1. 1.316条の17で示す主張を固める 弁護人とともに、アリバイ・正当防衛・人違いなど、どの主張を公判前整理手続で明示するかを先に決める。手の内を見せる範囲がそのまま証拠請求の射程を決めるため、必要十分な範囲に絞る
  2. 2.開示を求める証拠を識別して特定する 請求する証拠を識別できる事項(種類・作成者・作成時期など)を、捜査の流れから推認して名指しできるよう特定する。漠然と「全部見せろ」では通らない
  3. 3.関連性と必要性の理由を書面化して請求する 示した主張と請求証拠との関連性、防御準備のために開示が必要である理由を具体的に記載し、316条の20第2項に従って書面で開示を請求する
  4. 4.拒否されたら放置せず裁定・開示命令を申し立てる 検察官が「証人威迫のおそれ」等の弊害を理由に拒否・限定したら間を置かず、関連性と必要性を具体的事実で塗り固め、裁判所に開示の裁定・開示命令を申し立てる(316条の25、316条の26)

よくある質問 AI による整理

Q1証拠開示とは何ですか?

刑事手続で検察官の手持ち証拠を被告人側に見せる仕組みです。日本は全面開示ではなく、検察官請求証拠・類型証拠・主張関連証拠の三段階で段階的に開示されます。

Q2主張関連証拠開示とは何ですか?

被告人側が316条の17で示した主張に関連する証拠の開示で、刑訴法316条の20が根拠です。三段階開示の最終層にあたり、請求して初めて検討されます。

Q3公判前整理手続の証拠開示の流れは?

検察官請求証拠(316条の14)→ 類型証拠(316条の15)→ 被告人側の主張明示(316条の17)→ 主張関連証拠(316条の20)の順に進みます。

Q4証拠開示請求はどう書けばいいですか?

請求証拠を識別できる事項(種類・作成者・時期など)と、主張との関連性・防御準備上の必要性の理由を具体的に明らかにします(316条の20第2項)。

Q5証拠開示命令とは何ですか?

検察官が開示を拒否・限定したとき、裁判所が開示の裁定をし、必要と認めれば検察官に開示を命じる制度です(316条の25、316条の26)。

Q6検察が証拠を隠すのは違法ですか?

検察官は開示義務の範囲では開示しなければなりません。ただし全証拠の自発的開示義務はなく、被告人側の請求と裁判所の裁定で開示範囲が画定されます。

Q7証拠開示はいつまで請求できますか?

公判前整理手続(または期日間整理手続)の進行中に請求する必要があります。手続終結後は原則として新たな証拠調べ請求が制限されます(316条の32)。

Q8弁護人がいなくても証拠開示を請求できますか?

被告人本人も請求主体になり得ますが、証拠の識別や関連性・必要性の主張は専門的で、実務上は弁護人を通じて行うのが通常です。

この条文についての質問 AI による整理

Q1検察が持ってる証拠って、頼めば全部見せてもらえるんですか?

いいえ。日本に全面証拠開示制度はなく、検察官が法廷で使う証拠(316条の14)と一定類型の証拠(316条の15)以外は、被告人側が主張を示し(316条の17)、関連性と必要性を具体的に示して請求して初めて、316条の20で開示が検討されます。実務のポイント:開示請求は「あの証拠を見せろ」と漠然と言っても通りません。証拠を識別できる事項をどこまで特定できるかが鍵で、優秀な弁護人は捜査の流れから「こういう調書や報告書が存在するはずだ」と推認して名指しする。存在の見当をつける力が開示の成否を分けます

Q2証拠を見せてもらう代わりに、こっちの作戦を先に明かすって損じゃないですか?

そこが制度設計の核心です。316条の20の開示を引き出すには316条の17で主張を明示する必要があり、手の内を先に見せる取引になっています。ただし主張の示し方には幅があり、必要十分な範囲に絞る戦略がとれます。実務のポイント:主張を広く示せば多くの証拠を請求できますが、検察の反証準備も助けてしまう。逆に狭すぎると証拠を引き出せない。この匙加減こそ弁護人の経験差が最も出る部分で、同じ事件でも弁護人によって引き出せる証拠の量がまるで違います

Q3検察が『開示できない』と言ったら、それで終わりですか?

終わりではありません。検察官が拒否・限定したら、裁判所に開示の裁定を求められます(316条の25、316条の26の開示命令)。裁判所が必要と認めれば検察官に開示を命じ、検察官は従わなければなりません。実務のポイント:検察官が出す『証人威迫のおそれ』『捜査の密行性』といった弊害の主張は、しばしば抽象的です。これに対し関連性と必要性を具体的な事実で反論できれば裁判所は開示に傾く。渋られて引き下がるか裁定まで押すかで、結果が大きく変わります

間違えやすい点 AI による整理

  • 「裁判になれば証拠は全部見られる」と思っている人が多いが、日本にアメリカ式の全面証拠開示制度はない。検察官が自分の使う証拠(316条の14)と一定類型の証拠(316条の15)以外は、被告人側が主張を示し、関連性と必要性を具体的に示して請求して初めて、316条の20で開示が検討される
  • 「証拠開示を請求すれば必ずもらえる」と考えるのは、問いの立て方そのものが間違っている。316条の20は無条件の開示請求権ではない。検察官は関連性の程度、防御準備上の必要性、開示による弊害を比較衡量し、相当と認めるときだけ開示する。請求は出発点であって、到達点ではない
  • 主張を先に明示する必要があることは知っていても、その重みを軽く見ている人が多い。一度示した主張は手の内を相手に見せたことになり、後から戦略を大きく変えにくくなる。証拠を引き出す代償として、自分の防御方針を先に開示するという取引がここに埋め込まれている
比較の観点この条文ほかの条文
開示の段階316条の20:主張関連証拠(第三段階)316条の14:検察官請求証拠(第一段階)
316条の15:類型証拠(第二段階)
請求の前提316条の17で被告人側が主張を明示していること検察官が証拠調べ請求をしたこと
被告人側が証拠の類型と関連性を示すこと
検察官の判断基準関連性・防御準備上の必要性と弊害を比較衡量し相当と認めるとき請求証拠は速やかに開示(裁量の余地が小さい)
類型該当性と重要性・必要性と弊害の比較衡量
拒否されたときの手段316条の25・316条の26の裁定・開示命令316条の25・316条の26の裁定・開示命令
316条の25・316条の26の裁定・開示命令

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
中華民国刑事訴訟法第33条

台湾は弁護人による訴訟記録(卷宗)の閲覧・謄写を中心とする記録アクセス型で、日本のような『主張明示を前提とする段階的開示請求』の構造ではない。

韓国
대한민국 형사소송법 제266조의3·제266조의4

韓国も公判準備手続で証拠開示を制度化し、検察官の手持ち証拠の開示と被告人側の開示の双方を規律する。日本の三段階構造に近い発想を持つ。

ドイツ
StPO § 147

ドイツは弁護人の記録閲覧権(Akteneinsicht)を広く認める職権主義型で、原則として捜査記録全体へのアクセスが保障される点が、日本の段階的・条件付き開示と対照的。

アメリカ
Brady v. Maryland, 373 U.S. 83 (1963)・Fed. R. Crim. P. 16

米国は被告人に有利な証拠の開示義務(Brady 義務)と広範なディスカバリーを持つ当事者主義型。日本が全面開示を採らなかった点で対照的。

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • もし、あなたが裁判員裁判にかけられ、公判前整理手続が始まったとしたら? 弁護人がアリバイや正当防衛を主張すると決めた瞬間、その主張を裏づける検察手持ち証拠の開示を請求する窓が開く。だが手続には進行の節目があり、主張を示すタイミングを逃せば証拠を引き出す機会も細る
  • 痴漢の冤罪を主張する事件。あなたは犯人ではないと言うが、決め手になるのは防犯カメラの映像や被害者の供述調書で、これらは検察の手元にある。316条の17で「人違いだ」と主張を明示し、316条の20でその映像と調書の開示を請求する。請求しなければ、無実を示す証拠が法廷に出ないまま終わる
  • 共犯者が複数いる事件。あなたに不利な供述をした共犯者の、別の場面での供述調書が検察の手元にある。あなたの主張と関連すると示せば、その調書を引き出せる。
  • 検察が「開示すると証人が報復を恐れる」として開示を渋ることがある。これは弊害の主張だ。あなたの弁護人は関連性と必要性の高さを具体的な事実で示し、裁判所に開示の裁定を求める(316条の25以下)。開示するかどうかの綱引きが、ここで始まる

取るべき行動

被害を受けた側:1. あなたが被害者・証人で、自分の供述調書が被告人側に開示されることに不安があるなら、報復やプライバシーの懸念を具体的に検察官へ伝える2. 検察官はこれを開示の弊害として考慮し、開示の時期・方法の指定や条件を付すことができる(316条の20第1項後段) 3. 被害者特定事項の秘匿(刑事訴訟法290条の2等)や被害者参加(同316条の33以下)も併せて弁護士に相談4. 開示の可否は最終的に検察官の衡量と裁判所の裁定で決まるので、連絡窓口を検察官に一本化して動く

訴えられた側:1. 弁護人とともに、まず316条の17でどの主張を示すか戦略を固める。手の内を見せる範囲が証拠請求の射程を決める2. 開示を求める証拠を識別できる事項(種類・作成者・時期など)と、主張との関連性・必要性の理由を具体的に書面化する(316条の20第2項) 3. 検察官が拒否・限定したら放置せず、裁判所に開示の裁定・開示命令を申し立てる(316条の25、316条の26) 4. 公判前整理手続には進行の節目があり後出しは制限されるので、早い段階で必要な証拠を洗い出す

時効(請求できる期限):本条に固有の時効はない。ただし証拠開示請求は公判前整理手続(または期日間整理手続)の進行中に行う必要があり、手続終結後は原則として新たな証拠調べ請求が制限される(刑事訴訟法316条の32)。各期日が事実上の締切として機能し、タイミングを逃すと主張も証拠請求も封じられる

学説

通説:316条の20は無条件の開示請求権ではなく、検察官による関連性・必要性と弊害の比較衡量を前提とする段階的開示制度の最終層と理解される。被告人側の主張明示(316条の17)を引き出し条件とする点に、当事者主義と弊害防止の調整が表れているとされる。

改正沿革 AI による整理

  • 平成16年(2004年)新設 公判前整理手続の創設に伴い新設された条文(平成17年11月1日施行)。検察官請求証拠(316条の14)、類型証拠(316条の15)に続く第三段階として、被告人側の主張に関連する証拠の開示請求権を定めた。日本の三段階証拠開示制度の最終層を構成する。平成28年(2016年)の開示制度拡充改正が本条の文言に及んだか否かは、最新の改正状況をご確認ください

改正の年表

  1. 1.平成16年(2004年) 新設:公判前整理手続の創設に伴い新設(平成17年11月1日施行)。検察官請求証拠(316条の14)・類型証拠(316条の15)に続く第三段階として、被告人側の主張に関連する証拠の開示請求権を定め、日本の三段階証拠開示制度の最終層を構成した。

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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

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