受講中の講座ブックマーク無料で登録

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 最終改正 収録時点 令和8年10月2日読了 7 分7 分7 分

医療法 第38条の2

クイックジャンプ
  1. 厚生労働大臣は、重要供給確保医薬品等について、需要の増加又は製造数量の減少その他の事情により、現にその供給が不足し、又は重要供給確保医薬品等の需給の状況その他の状況から合理的に判断して、その供給が不足する蓋然性が特に高く、かつ、その供給の不足により、適切な医療の提供が困難になり、国民の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれがあると認めるときは、当該重要供給確保医薬品等の製造販売業者又は製造業者に対し、安定供給確保指針に即して、厚生労働省令で定めるところにより、当該重要供給確保医薬品等の製造又は輸入に関する計画(以下この条において「製造等計画」という。)を作成し、厚生労働大臣に届け出るべきことを指示することができる。
  2. 2.厚生労働大臣は、前項に規定する事態に対処するため特に必要があると認めるときは、同項の規定による指示に従つて届出をした製造販売業者又は製造業者に対し、安定供給確保指針に即して、その届出に係る製造等計画(次項の規定による変更の届出があつたときは、その変更後のもの。以下この条において同じ。)を変更し、厚生労働大臣に届け出るべきことを指示することができる。
  3. 3.前二項の規定による指示に従つて届出をした製造販売業者又は製造業者は、その届出に係る製造等計画を変更したときは、厚生労働省令で定めるところにより、変更した事項を厚生労働大臣に届け出なければならない。
  4. 4.第一項又は第二項の規定による指示に従つて届出をした製造販売業者又は製造業者は、その届出に係る製造等計画に沿つて当該製造等計画に係る重要供給確保医薬品等の製造又は輸入を行わなければならない。
  5. 5.厚生労働大臣は、第二項の規定による指示を受けた製造販売業者若しくは製造業者が正当な理由がなくその指示に従わなかつたとき、又は前項に規定する製造販売業者若しくは製造業者が正当な理由がなくその届出に係る製造等計画に沿つて当該製造等計画に係る重要供給確保医薬品等の製造若しくは輸入を行つていないと認めるときは、その旨を公表することができる。

この条文の基本情報

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 医療法第38条の2は、日本の医療法に含まれる条文です。
  2. 医療法第38条の2の条文原文は「厚生労働大臣は、重要供給確保医薬品等について、需要の増加又は製造数量の減少その他の事情により、現にその供給が不足し、又は重要供給確保医薬品等の需給の状況その他の…」で始まります。
  3. 医療法第38条の2は第五章 医療提供体制の確保に置かれています。
  4. 医療法の公布日は昭和23年7月30日です。
  5. 医療法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
  6. 医療法第38条の2の前の条は医療法第38条です。
  7. 医療法第38条の2の次の条は医療法第38条の3です。
  8. 医療法第38条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式医療法(昭和二十三年法律第二百五号)第38条の2
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000205
  • 本サイト収録医療法(昭和二十三年法律第二百五号)第38条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000205/38_2

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点医療法38条の2は、重要供給確保医薬品等の供給不足時に、厚生労働大臣が製造販売業者等へ製造等計画の作成・届出を指示できると定める。正当な理由なく従わなければ公表される。

Q · 薬が足りないとき、国はメーカーに増産させられるの?

製造は命じられないが、計画届出の指示と不履行時の公表はできる

医療法38条の2により、厚生労働大臣は重要供給確保医薬品等の供給不足(またはその蓋然性が特に高い場合)で国民の生命・健康に重大な影響のおそれがあるとき、製造販売業者・製造業者に製造等計画の作成・届出を指示できます(1項)。特に必要なときは計画の変更も指示でき(2項)、届出企業は計画どおり製造・輸入する義務を負います(4項)。正当な理由なく従わない場合の制裁は罰金ではなく、その旨の公表です(5項)。

解説

薬局で「その咳止めは入荷未定です」と言われたとき、多くの人はメーカーの都合だと考えて引き下がる。しかし医療法38条の2によって、国はこの状況に手を出せるようになった。対象は「重要供給確保医薬品等」であり、次のどちらかの場合に限られる。すでに供給が足りていない場合、または不足する蓋然性(起こる可能性)が特に高い場合である。さらに、その不足で適切な医療が難しくなり、国民の生命と健康に重大な影響が出るおそれがあることも条件になる。この条件がそろうと、厚生労働大臣は製造販売業者や製造業者に対し、製造や輸入の計画(製造等計画)を作って届け出るよう指示できる(1項)。特に必要なときは、その計画を変えるよう指示することもできる(2項)。届け出た企業は計画どおりに製造・輸入する義務を負う(4項)。正当な理由なく従わない場合、大臣はその事実を公表できる(5項)。罰金や業務停止の規定はない。制裁は「社名の公表」という評判への打撃である。この仕組みを知っている医療機関は、入荷を待つだけでなく、行政に状況を伝えて動きを促すことができる

法的な位置づけ

医療法38条の2は、重要供給確保医薬品等の供給不足に対処するための規定であり、厚生労働大臣が安定供給確保指針に即して製造販売業者または製造業者に製造等計画の作成・届出および変更を指示できること、届出者に計画変更の届出義務と計画に沿った製造・輸入義務を課すこと、正当な理由のない不履行を公表できることを定める。

よくある質問 AI による整理

Q1重要供給確保医薬品等とは何ですか?

供給が途絶えると適切な医療の提供に重大な影響が出る医薬品等を指す、医療法上の概念です。具体的な範囲は安定供給確保指針などの下位ルールで確認する必要があります。

Q2製造等計画とは何ですか?

重要供給確保医薬品等の製造または輸入に関する計画です。医療法38条の2第1項に基づく大臣の指示を受けた製造販売業者・製造業者が作成し、届け出ます。

Q3医療法38条の2の指示に罰則はありますか?

本条に罰金や業務停止の定めはありません。正当な理由なく変更指示に従わない場合や計画どおり製造・輸入しない場合、大臣がその旨を公表できる仕組みです(5項)。

Q4薬の供給不足はいつから国が介入できる?

現に不足している場合だけでなく、需給状況から合理的に判断して不足の蓋然性が特に高い段階でも、生命・健康への重大な影響のおそれがあれば指示が可能です。

Q5製造等計画は後から変更できる?

変更できます。ただし指示に従って届出をした企業は、計画を変更したとき厚生労働省令に従って変更事項を届け出る義務があります(3項)。

Q6医薬品メーカーの社名公表は違法?

違法ではありません。医療法38条の2第5項が、正当な理由のない指示違反・計画不履行について大臣に公表権限を明文で与えています。

Q7薬の欠品は誰に相談すればいい?

患者はまず処方医・薬剤師に代替薬を確認します。医療機関は在庫推移と治療影響を記録し、学会や医師会・薬剤師会を通じて行政へ実態を伝えるのが有効です。

Q8海外の原薬不足でも計画違反になる?

原薬の輸入停止など正当な理由があれば公表の対象外になり得ます。調達記録を残し、計画変更を速やかに届け出ておくことが重要です。

この条文についての質問 AI による整理

Q1薬が足りないとき、国ってメーカーに作れって命令できるんですか?

製造そのものを直接命じる規定ではない。医療法38条の2で国ができるのは、製造・輸入の計画を届け出させること(1項)、特に必要なときに計画の変更を指示すること(2項)、正当な理由なく従わない企業を公表すること(5項)である。実務のポイント:製薬業界では、罰金よりも病院の採用リストから外されることの方が経営に響く。公表は実質的に強い圧力になる

Q2指示されて出した計画を守れなかったら、会社はどうなりますか?

計画に沿って製造・輸入する義務があり(4項)、正当な理由なく行わなければ公表の対象になる(5項)。本条に罰金や業務停止の定めはない。実務のポイント:後で「正当な理由」を示せるかどうかは、社内の調達記録と、変更届を早めに出していたか(3項)でほぼ決まる。黙って未達にするのが最悪の選択肢である

Q3病院側から国に「この薬が足りない」って訴える方法はあるんですか?

本条には、医療機関が申し立てる手続は書かれていない。ただし1項の要件である「適切な医療の提供が困難」になっているかを判断するには、現場の情報が欠かせない。実務のポイント:個々の病院の苦情より、学会や団体がまとめた在庫・治療影響のデータの方が行政の判断を動かしやすい。単発の電話より、数字をそろえた文書の方が効く

間違えやすい点 AI による整理

  • 「国が指示すれば薬はすぐ出てくる」と思われがちだが、本条が企業に求めるのは計画の作成・届出と、その計画に沿った製造・輸入である。工場の生産能力そのものを増やす仕組みではない。原薬が海外にしか無ければ、指示だけで不足が解消するわけではない
  • 罰則がないので軽い規定だと受け止める人もいるが、医薬品業界では公表の打撃は大きい。病院の購買部門や卸は、公表された企業を「供給が不安定なメーカー」として記録する。採用品目からの切替えはすぐに始まり、元に戻るまでに何年もかかる
  • 「供給不足はメーカーの怠慢だ」と考えると、制度の見え方を誤る。1項の要件は「需要の増加又は製造数量の減少その他の事情」であり、感染症の流行による需要急増も含まれる。誰が悪いかを決めるための条文ではない。不足そのものに国が対処するための条文である

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
藥事法第27條之2

台湾は必要薬品の供給不足・停止について事業者に事前通報を求める仕組みが中心。日本の本条は計画届出と公表まで踏み込む点が異なる

ドイツ
AMG § 52b

ドイツは製薬企業に適切かつ継続的な供給を確保する義務を課す。日本は指示を受けた後に計画義務が生じる段階的な設計

フランス
Code de la santé publique art. L.5121-29 s.

フランスは重要医薬品について欠品管理計画の策定を事業者に求め、制裁金の仕組みもある点で日本より強制力が強い

アメリカ
21 U.S.C. § 356c

米国は製造中止・中断の FDA への事前通知義務が中心で、国が製造計画を指示する仕組みではない

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • かかりつけのクリニックで「いつもの抗菌薬が入らないので別の薬にします」と言われた。子どもの中耳炎の治療が二度続けて変わった。こうした現場の声が厚生労働省に集まると、供給不足の認定と本条の指示につながる材料になる
  • あなたが後発医薬品メーカーの生産管理部長だったら、大臣から製造等計画を届け出るよう指示された場合どうなる? 届け出た時点で計画は法的な義務に変わる。原薬の調達が海外頼みの状態で数量を多めに書けば、後で「計画に沿って製造していない」と判断されるリスクを自分から背負うことになる
  • 届け出た計画の原薬がインドの工場トラブルで入ってこない。計画を変えたなら変更を届け出る義務がある(3項)。放置していると、後になって「正当な理由のない不履行」と疑われかねない。今週中に調達記録と変更届の準備を始めるべきである
  • 病院薬剤部で、手術に使う抗菌薬の在庫が残り10日分になった
  • 友人が勤める製薬会社の社名が厚生労働省のサイトで公表された。罰金はなかった。それでも翌月から、病院の採用審査でその会社の製品は「供給リスクあり」と扱われるようになった

取るべき行動

被害を受けた側:1. 患者の場合は、処方医に代替薬の有無と切替えのリスクを確認する。薬局任せにしない2. 医療機関の場合は、在庫の推移、代替薬がどれだけ入るか、治療への影響(手術延期など)を日付入りで記録する3. 所属学会や地域の医師会・薬剤師会を通じて、厚生労働省に供給不足の実態を具体的に伝える。本条の要件には「適切な医療の提供が困難」になることが含まれるため、現場のデータが判断材料になる4. 卸には、限定出荷の理由と解除の見通しを文書で求める

訴えられた側:1. 指示を受けたら、社内で実現できる製造能力と原薬調達の現実に合わせて計画を作る。楽観的な数字は書かない2. 計画を変えたときは、厚生労働省令に従い速やかに変更を届け出る(3項) 3. 未達になりそうなときは、原因(原薬の輸入停止、GMP 上の是正など)の記録を保存し、「正当な理由」を証明できるようにしておく4. 公表の前に行政と協議する場を確保する。指示が行政処分にあたるかは実務上、解釈が分かれているため、不服申立ての可否は弁護士と検討する

時効(請求できる期限):本条自体には時効や期間の定めがない。届出の期限と方式は、個々の指示の内容と厚生労働省令で決まる(最新の改正状況をご確認ください)。3項の変更届は、計画を変更したときに行う必要がある。民事上の請求は、一般消滅時効(民法166条、債権5年または10年)が適用される

ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。

医療法の全文を見る所属する編章節を開く:第五章 医療提供体制の確保

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

次に調べる

判例を探す:条文単位の判例の紐づけは準備中です。上のカードから法令名で検索できます。裁判所「裁判例検索」で探す ›