医療法 第38条の3
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国は、第三十八条第一項又は第二項の規定による指示に従つて重要供給確保医薬品等の供給不足の発生を未然に防止するために必要な措置を行う製造販売業者又は製造業者及び前条第一項又は第二項の規定による指示に従つて重要供給確保医薬品等の製造又は輸入を行う製造販売業者又は製造業者に対し、必要な財政上の措置その他の措置を講ずることができる。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 医療法第38条の3は、日本の医療法に含まれる条文です。
- 医療法第38条の3の条文原文は「国は、第三十八条第一項又は第二項の規定による指示に従つて重要供給確保医薬品等の供給不足の発生を未然に防止するために必要な措置を行う製造販売業者又は製造業者及び前…」で始まります。
- 医療法第38条の3は第五章 医療提供体制の確保に置かれています。
- 医療法の公布日は昭和23年7月30日です。
- 医療法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 医療法第38条の3の前の条は医療法第38条の2です。
- 医療法第38条の3の次の条は医療法第38条の4です。
- 医療法第38条の3には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
医療法(昭和二十三年法律第二百五号)第38条の3 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000205 - 本サイト収録
医療法(昭和二十三年法律第二百五号)第38条の3(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000205/38_3
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点医療法第38条の3は、国の指示に従い重要供給確保医薬品等の供給不足防止や製造・輸入を行う業者に、国が財政上その他の措置を講ずることができると定める。
Q · 国の指示で薬を増産した会社は、国から必ずお金をもらえるの?
国は支援できるが義務ではなく、業者に請求権はない
医療法第38条の3は、第38条または第38条の2の指示に従って重要供給確保医薬品等の供給不足防止措置や製造・輸入を行った製造販売業者・製造業者に対し、国が財政上の措置その他の措置を「講ずることができる」と定めています。これは国の裁量規定であり、支援の有無・範囲・方法は予算措置で決まります。指示に従った事実とそれにかかった費用を記録しておくことが、支援を受けるための前提になります。
解説
咳止めや抗菌薬が薬局の棚から消えた数年間、「メーカーにもっと作らせればいい」と誰もが思った。だが、製薬会社から見れば事情は違う。薬価が低い後発品を増産しても赤字が膨らむだけで、原薬の調達先を変えれば設備投資がかさむ。医療法第38条の3は、この行き詰まりに国の財布を差し込む条文である。第38条第1項・第2項の指示に従って供給不足を防ぐ措置をとった製造販売業者(薬を市場に出す責任を負う会社)や製造業者、第38条の2第1項・第2項の指示に従って製造や輸入をした業者に対し、国は財政上の措置その他の措置を講ずることが「できる」。ここで押さえるべきは二点。支援の対象は「指示に従った」業者に限られること。そして「できる」は国の裁量であり、業者の側に補助金を受け取る権利が生まれるわけではないこと。指示と支援はセットで設計されているが、自動的に連動するわけではない。この構造を知っていれば、指示を受けた会社は最初から支援の交渉材料を準備でき、患者側は「国が本気で動いているのか」を予算措置で確かめられる。
法的な位置づけ
医療法第38条の3は、重要供給確保医薬品等の供給確保に関する国の支援規定である。第38条または第38条の2に基づく指示に従って供給不足防止措置、製造または輸入を行った製造販売業者・製造業者を対象として、国が財政上の措置その他の措置を講ずることができる旨を定める。支援を実施するかどうかは国の裁量に属する。
手順
- 1.指示内容を社内で一元管理する 第38条または第38条の2に基づく指示を受けたら、指示の日付・内容・根拠条項を一つの管理台帳に記録し、関係部署で共有する
- 2.指示に基づく費用を区分して記帳する 設備投資・原薬調達・輸入費用など、指示に従った措置によって生じた追加コストを通常業務と区分して会計記録に残し、指示との対応関係を明確にする
- 3.支援措置の有無を早期に確認する 本条は裁量規定のため、支援が自動的に届くことはない。厚生労働省に支援措置の有無、対象となる予算事業、申請方法を早い段階で問い合わせる
- 4.履行困難な事情は書面で説明する 指示の全部または一部の履行が困難な場合は、理由と代替策を書面にまとめて行政に説明し、その記録を保存する
よくある質問 AI による整理
Q1重要供給確保医薬品とは何ですか?
医療法上、供給不足を防ぐため国が指示の対象とする医薬品等を指します。第38条・第38条の2の指示と、本条の財政支援はこの医薬品等を軸に設計されています。
Q2医療法38条の3の財政上の措置とは?
指示に従って供給不足防止措置や製造・輸入を行った業者に対し、国が講ずることができる補助などの支援です。具体的な中身は個別の予算事業で決まります。
Q3医薬品の供給確保の指示を受けたら断れる?
指示の根拠は第38条・第38条の2です。本条は支援規定であり、拒否の可否は定めていません。履行が難しい事情があれば、理由を書面で説明し記録に残すことが重要です。
Q4薬の供給不足で国の支援を受けられるのは誰?
第38条または第38条の2の指示に従って措置・製造・輸入を行った製造販売業者または製造業者です。薬局や患者個人は本条の支援対象に含まれていません。
Q5指示前に自主的に増産した分も支援対象になる?
本条の文言上、対象は「指示に従って」行った措置に限られます。指示前の自主的な増産は本条の射程に直接は入らず、別の予算事業で扱われるかどうかが問題になります。
Q6医療法38条の3の支援はいつ申請する?
本条自体に申請期限の定めはありません。実際の申請手続と期限は個別予算事業の要綱で決まるため、指示を受けた時点で厚生労働省に確認するのが確実です。
Q7輸入を指示された場合の追加費用は補填される?
第38条の2の指示に従って輸入を行った業者は、本条の支援対象になり得ます。ただし補填は国の裁量で、確実ではありません。指示と費用のひもづけが鍵です。
Q8薬不足について患者が国に補償を求められる?
本条は業者への支援を定める規定で、患者個人に補償請求権を与えるものではありません。薬が手に入らない場合は、処方医や薬剤師に代替薬を相談するのが現実的です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1国の指示で増産して赤字になったんだけど、国に補填しろって請求できるの?
医療法第38条の3は国が財政上の措置を「講ずることができる」と定めるだけで、業者に請求権を与える条文ではない。支援の有無と中身は国の予算措置次第である。実務のポイント:実際に支援が出るかどうかは、条文より予算事業の要綱で決まる。指示と措置とコストの対応関係を記録していた企業ほど、要綱の要件にすんなり乗れる。記録を後から作るのはほぼ不可能だ
Q2薬が足りないのは結局メーカーが作らないからでしょ? 国は何してるの?
医療法は国に指示の権限(第38条・第38条の2)を与え、本条で指示に従った業者を財政面で支える道を開いている。不足の原因には低い薬価や原薬の海外依存といった、企業努力だけでは解けない構造がある。実務のポイント:供給が回復するかは指示の有無より、それを裏付ける予算がついたかで見るほうが正確である。厚生労働省の予算資料で供給確保関連の事業を探すと、国がどこまで本気かが数字で分かる
間違えやすい点 AI による整理
- 「国が指示したのだから、損失は当然国が補填する」と考える経営者は多い。条文は「講ずることができる」であり、支援の有無・範囲・方法は国の裁量に委ねられている。指示に従うことと補填を受ける権利は、法律上は別の話である
- 支援があることは知っていても、その範囲の狭さを知らない人が多い。対象は第38条・第38条の2の「指示に従って」措置をとった業者に限られる。指示が出る前に自主的に増産した努力は、本条の射程に直接は入らない。別の予算事業で拾われる可能性はあるが、本条の文言だけでは根拠にならない
- 「薬不足は製薬会社の怠慢」という見方は、患者から見れば自然だ。だが法律は、不足の原因が企業の努力だけでは解決できない構造(低薬価・原薬の海外依存)にあることを前提に、国が費用を分担する回路を組み込んでいる。怒りをぶつける相手を間違えると、改善を求める声が届くべき場所に届かない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の性質 | 第38条の3:国の支援(財政上の措置その他の措置) | 第38条:供給不足防止措置の指示 第38条の2:製造・輸入の指示 |
| 主体と相手方 | 国 → 指示に従った製造販売業者・製造業者 | 国 → 製造販売業者・製造業者 国 → 製造販売業者・製造業者 |
| 規範の強さ | 「講ずることができる」=国の裁量 | 指示の根拠規定(本条支援の前提) 指示の根拠規定(本条支援の前提) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は必要医薬品の供給短缺について事業者の事前通報義務と主管機関の対応を定める。国の財政支援を条文で明示する日本の構造とは力点が異なる
ドイツは製薬企業に適切かつ継続的な供給確保義務を課す。義務づけが中心で、日本のような指示と財政支援を組み合わせた構造とは異なる
フランスは製薬企業に供給途絶の予防と対応を義務づけ、重要医薬品について不足管理計画を求める。義務と罰則が中心
米国は生命維持に必要な医薬品の製造中止・中断について FDA への事前通知を義務づける。情報把握が中心で、財政支援は別の法令・予算で対応
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 製薬会社の生産管理部で働くあなたの会社に、厚生労働大臣から第38条の2に基づく増産の指示が届いた。ラインを増やせば原価割れになる。役員会は「国から補填は出るのか」と聞いてくる。答えは「出る可能性はあるが、保証はない」。その差を埋めるのは、指示に従った事実とかかったコストを示す記録である
- 子どもの処方薬が三軒回っても手に入らなかったら、誰が責任を負う? 本条は国がメーカーを支える道を開いているが、個々の患者が国に補償を求める根拠にはならない
- 海外の原薬工場が止まり、代替の輸入ルートを開くよう指示を受けた。あと二週間で在庫が尽きる。輸入費用の上乗せ分は、指示の日付・内容・実施記録とひもづけて残しておかないと、後から支援を申請する場面で「指示との関連」を示せなくなる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 必要な薬が入手できない患者・医療機関は、まず処方医や薬剤師に代替薬の可否を相談する2. 本条は患者個人に補償を求める権利を与えるものではないため、国への直接請求ではなく、自治体の相談窓口や業界の供給情報を確認する3. 医療機関であれば、卸売業者に出荷調整の状況を書面で問い合わせ、患者説明の根拠として残す4. 継続的な不足が続く場合は、医師会・薬剤師会を通じて行政に実情を伝える
訴えられた側:1. 第38条または第38条の2の指示を受けた企業は、指示の日付・内容・根拠条項を社内で一元管理する2. 指示に基づく措置とその追加コスト(設備・原薬調達・輸入費)を、他の通常業務と分けて会計記録を残す3. 支援措置の有無と申請方法を厚生労働省に早い段階で確認する。本条は裁量規定なので、待っていても支援が自動的に来るとは限らない4. 指示の履行が困難な事情があれば、書面で理由を説明し記録に残す(最新の改正状況をご確認ください)
時効(請求できる期限):特定の時効はないが、一般消滅時効(民法166条、債権5年または10年)が適用される。ただし本条の財政措置は国の裁量であり、支援を受ける権利そのものが生じるわけではない。実際の申請期限は個別の予算事業の要綱で定められるため、指示を受けた時点で確認すること
学説
立法技術上の一般的理解:「講ずることができる」という文言は国に権限を与える裁量規定であり、支援の実施を義務づけるものではない。したがって指示に従った業者であっても、本条を直接の根拠として国に財政支援を請求することはできないと解される
- 医療法 第38条供給不足防止措置の指示、本条支援の前提
- 医療法 第38条の2製造・輸入の指示、本条支援の前提
- 医療法 第1条医療提供体制確保という法目的
- 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律 第12条製造販売業の許可、支援対象業者の地位
- 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律 第13条製造業の許可、支援対象業者の地位
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