要点労働組合法 19 条の 12 は、都道府県に労使紛争を扱う都道府県労働委員会を設置し、使用者・労働者・公益の三者同数の委員で組織すると定める規定である。
Q · 会社とのトラブルって、必ず裁判所に行かないとダメなんですか?
いいえ。各都道府県に無料の労働委員会があります。
労働組合法 19 条の 12 により、各都道府県には都道府県労働委員会という労使紛争専門の準司法機関が設置されています。団交拒否や組合員への不利益取扱いなどの不当労働行為(労働組合法 7 条)については、裁判所ではなくこの委員会に救済を申し立てられます。委員は使用者・労働者・公益の三者同数で構成され、無料で利用でき、裁判より迅速です。ただし救済申立てには行為日から 1 年の期限があります(労働組合法 27 条 2 項)。
組合を作った途端に閑職へ飛ばされた、団体交渉を申し入れたのに社長に黙殺された。そんなとき、いきなり裁判所へ駆け込む必要はない。あなたの都道府県には、労使紛争を専門に裁く準司法機関がある。それが都道府県労働委員会であり、本条はその設置と顔ぶれを定める。注目すべきは構成だ。使用者側の委員、労働者側の委員、そして中立の公益委員が同数ずつ並ぶ三者構成になっている。裁判官一人が判断する裁判所とは違い、労働現場を知る当事者代表が審理の席にいる。しかも公益委員は労使双方の同意がなければ任命できない。一方に偏った人選を封じる仕掛けである。さらに公益委員は同一政党への偏りまで禁じられ、抵触すれば当然退職となる。この徹底した中立設計こそ、無料で使えるこの機関が会社相手に効力を持つ理由だ。
労働組合法 19 条の 12 は、都道府県知事の所轄の下に置かれる都道府県労働委員会の設置と組織を定める規定である。使用者委員・労働者委員・公益委員を政令で定める同数で構成し、公益委員は労使双方の同意を得て知事が任命する。不当労働行為の審査と労働争議の調整を担う準司法的行政委員会の基礎をなす。
各都道府県に置かれる労使紛争専門の準司法機関です。労働組合法 19 条の 12 が根拠で、不当労働行為の救済や労働争議の斡旋・調停を担います。使用者・労働者・公益の三者同数の委員で構成されます。
原則かかりません。裁判のような印紙代は不要で、弁護士をつけずに本人申立ても可能です。無料で利用できる点が、会社相手の紛争解決手段として大きな利点になります。
不当労働行為があった日から 1 年以内です(労働組合法 27 条 2 項)。継続する行為は終了日から起算します。期限を過ぎると申立てが却下されるため、早めの行動が重要です。
都道府県労働委員会は各都道府県に置かれ知事の所轄、初審を担当します。中央労働委員会は国の機関で、都道府県委員会の命令に対する再審査や全国的事件を扱います。
労働組合または組合員が申立人になれます。社内に組合がなくても、一人で加入できる合同労組(ユニオン)を通じれば、団体交渉や不当労働行為救済の当事者になれます。
確定した救済命令に違反すると過料の制裁があります(労働組合法 32 条)。さらに緊急命令や行政訴訟を通じた強制もあり、命令の実効性が担保されています。
使用者・労働者・公益の各委員が、各 13 人・11 人・9 人・7 人・5 人のうち政令で定める数で同数です。条例で各 2 人ずつ加えることもできます(本条 2 項)。
都道府県労働委員会の命令に不服なら中央労働委員会へ再審査を申し立てるか、取消訴訟を提起できます。二段三段の不服申立てが用意されています。
不当労働行為(団交拒否、組合員への不利益取扱いなど、労働組合法 7 条)であれば、まず都道府県労働委員会への救済申立てが王道です。無料で、労働者側委員が審理に加わり、裁判より迅速。一方、賃金未払いや解雇無効そのものを争うなら裁判所や労働審判が向きます。業界裏話ヒント:委員会と裁判所は二者択一ではなく、委員会の命令に不服なら中央労働委員会へ、さらに行政訴訟へと進める二段三段構えになっている。最初に委員会を通しておくと、和解の土俵が一段有利になることが多い
不当労働行為の有無を最終的に判定するのは公益委員です。その人選を使用者委員と労働者委員の両方の同意にかからせ(本条 3 項)、さらに同一政党への偏りも禁じている(本条 4 項、5 項)。どちらかに傾いた審判官を排除する仕組みです。業界裏話ヒント:この中立性の担保があるからこそ、委員会の命令は会社側も飲みやすい。「身内が出した判断」と言い逃れできない構造になっており、和解交渉でこの点を突くと相手の抵抗が弱まる
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|---|---|---|
| 設置主体・所轄 | 都道府県労働委員会:都道府県知事の所轄(本条 1 項) | — |
| 委員の任命権者 | 都道府県知事が任命(本条 3 項) | — |
| 主な役割 | 初審:不当労働行為の審査・救済命令、労働争議の斡旋 | — |
| 不服申立先 | 中央労働委員会への再審査または取消訴訟 | — |
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