労働組合法 第27条の12(救済命令等)
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- 労働委員会は、事件が命令を発するのに熟したときは、事実の認定をし、この認定に基づいて、申立人の請求に係る救済の全部若しくは一部を認容し、又は申立てを棄却する命令(以下「救済命令等」という。)を発しなければならない。
- 2.調査又は審問を行う手続に参与する使用者委員及び労働者委員は、労働委員会が救済命令等を発しようとする場合は、意見を述べることができる。
- 3.第一項の事実の認定及び救済命令等は、書面によるものとし、その写しを使用者及び申立人に交付しなければならない。
- 4.救済命令等は、交付の日から効力を生ずる。
この条文の基本情報
救済命令等とは何ですか?
定義救済命令等とは、労働組合法第27条の12に定められた規定で、「労働委員会は、事件が命令を発するのに熟したときは、事実の認定をし、この認定に基づいて、申立人の請求に係る救済の全部若しくは一部を認容し、又は申立てを棄却する命令…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 労働組合法第27条の12(救済命令等)は、日本の労働組合法に含まれる条文です。
- 労働組合法第27条の12の条文原文は「労働委員会は、事件が命令を発するのに熟したときは、事実の認定をし、この認定に基づいて、申立人の請求に係る救済の全部若しくは一部を認容し、又は申立てを棄却する命令…」で始まります。
- 労働組合法第27条の12は第二節 不当労働行為事件の審査の手続に置かれています。
- 労働組合法の公布日は昭和24年6月1日です。
- 労働組合法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 労働組合法第27条の12の前の条は労働組合法第27条の11です。
- 労働組合法第27条の12の次の条は労働組合法第27条の13です。
- 労働組合法第27条の12には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
労働組合法(昭和二十四年法律第百七十四号)第27条の12 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/324AC0000000174 - 本サイト収録
労働組合法(昭和二十四年法律第百七十四号)第27条の12(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/324AC0000000174/27_12
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点労働組合法27条の12は、労働委員会が不当労働行為の救済命令等を書面で発し交付すると定める。命令は交付の日から効力を生じ、使用者が争っても効力自体は発生する。
Q · 労働委員会の救済命令が出たら、会社はすぐ従わないといけないの?
会社が争っても、命令は交付された日から効力を持ちます
労働組合法27条の12第4項により、救済命令等は交付の日から効力を生じます。会社が中央労働委員会への再審査や裁判所への取消訴訟で争っても、命令の効力そのものは発生しています。ただし確定するまでは罰則による直接強制は留保され、会社が履行しなければ労働委員会が裁判所に緊急命令(27条の20)を申し立てます。命令が確定すれば違反には過料・罰金が科されます。「争えば止まる」のではなく、強制が確定まで保留されているだけ、という点が要点です。
解説
組合の役員になった途端に閑職へ飛ばされた、会社が団体交渉を「忙しい」とのらりくらり拒み続ける。こうした不当労働行為と戦うとき、あなたが最初に立つ舞台は裁判所ではない。労働委員会という行政機関だ。そして27条の12は、その戦いの決着がどう書面になり、いつ効力を持つかを決める条文である。労働委員会は事件が「熟した」と判断すると事実を認定し、あなたの請求を全部または一部認める救済命令を出すか、棄却する。鍵は4項だ。救済命令は「交付の日から効力を生ずる」。つまり会社が不服でも、命令を受け取った瞬間から、解雇された組合員を戻せ、団交に応じろという効力が走り出す。ただし確定するまで罰則で直接強制されるわけではなく、会社が無視を続けるなら委員会が裁判所に緊急命令を求める。この二段構えを知らないと、命令が出ても「まだ争えるから」と会社に何年も時間を稼がれる。
法的な位置づけ
労働組合法27条の12は救済命令等の発令手続を定める規定であり、労働委員会は事件が命令を発するのに熟したとき事実を認定し、申立人の請求の全部もしくは一部を認容する救済命令、または申立てを棄却する命令を発する。命令は書面により使用者および申立人に交付され、その効力は交付の日から生ずる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.不当労働行為の証拠を時系列で固める 異動・解雇の通知書、団交申入書と会社の回答、面談での発言メモや録音を日付順に整理する。立証の核心は、不利益取扱いの本当の動機が組合活動だったと示せるかどうか
- 2.都道府県労働委員会に救済を申し立てる 不当労働行為があった日から1年以内に救済申立書を提出する(労働組合法27条)。請求の趣旨に原職復帰・団交応諾・ポストノーティスなど求める救済を明記する
- 3.調査・審問で労働者委員に実情を伝える 審査手続に参与する労働者委員は命令前に意見を述べられる(本条2項)。命令が出てからでは遅いため、出る前の参与委員ルートで実情を丁寧に伝える
- 4.救済命令の交付日を確認し履行を確保する 命令を受け取ったら交付日を確認する。命令は交付の日から効力を生ずる(4項)。会社が履行しなければ、緊急命令(27条の20)の申立てを労働委員会に求める
よくある質問 AI による整理
Q1救済命令とは何ですか?
労働委員会が不当労働行為を認定し、原職復帰や団交応諾などを使用者に命じる行政処分です。労働組合法27条の12が発令手続を定め、書面で交付されます。
Q2労働委員会の救済命令はいつから効力が生じますか?
交付の日から効力を生じます(27条の12第4項)。会社が受け取った瞬間から、解雇撤回や団交応諾などの効力が走り出します。確定を待つ必要はありません。
Q3不当労働行為の救済申立ての期限はいつまでですか?
不当労働行為があった日から1年以内です(労働組合法27条2項)。継続する行為は終了日から起算します。期限を過ぎると申立て自体ができません。
Q4救済命令に不服がある場合どうすればいいですか?
中央労働委員会への再審査は交付の日から15日以内、裁判所への取消訴訟は30日以内に行う必要があります。期限を過ぎると命令が確定します。
Q5緊急命令とは何ですか?
使用者が確定前の救済命令に従わないとき、労働委員会の申立てにより裁判所が履行を命じる制度です(27条の20)。違反には過料が科されます。
Q6救済命令の再審査はどこに申し立てますか?
都道府県労働委員会の命令に対しては中央労働委員会(中労委)に再審査を申し立てます。交付の日から15日以内が期限です。
Q7一部認容の救済命令とは何ですか?
申立てのうち認められた部分だけに効力が生じる命令です。棄却された部分は再審査または取消訴訟で別途争う必要があります。
Q8救済命令と労働審判はどう違いますか?
救済命令は組合に対する不当労働行為を労働委員会が是正する制度、労働審判は個人の労働紛争を裁判所が解決する制度です。窓口も対象も異なります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1労働委員会の命令って、裁判所の判決と同じくらい強制力あるんですか?
発令の瞬間は違います。救済命令は交付の日から効力を生じますが(本条4項)、確定するまで罰則で直接強制されるわけではありません。会社が従わなければ、労働委員会が裁判所に緊急命令(27条の20)を申し立て、そこで初めて裁判所による履行強制と過料が動きます。実務のポイント:だから命令が出た後、会社が争う姿勢を見せたら、組合側はすぐ委員会に緊急命令の申立てを促すのが定石。これを知らずに「命令が出たから安心」と待っていると、会社に再審査・訴訟で何年も引き延ばされる。
Q2会社が命令を無視し続けたら、最終的にどうなるんですか?
命令が確定した後も従わなければ、労働組合法32条により過料、確定判決を経た緊急命令違反などには罰金が科されます。さらに確定救済命令違反は社会的信用にも直接響きます。実務のポイント:実務では金銭的制裁より「不当労働行為をする会社」というレッテルの方が効くことが多い。上場企業や公共調達に関わる会社ほど、確定命令違反の事実が取引や採用に響くのを嫌う。組合側はこの評判リスクを交渉材料にできる。(最新の改正状況をご確認ください)
間違えやすい点 AI による整理
- 「労働委員会の命令なんて、会社が裁判で争えば止まるんでしょ」と思われがちだが、4項は「交付の日から効力を生ずる」と定める。争っている間も命令の効力そのものは生きている。止まるのではなく、確定までは罰則による強制が留保されているだけだ。この違いを取り違えると、会社の引き延ばしを「命令が効いていない」と誤読する
- 救済命令が出れば一件落着、と思っている人は、その先の長さを知らない。命令から中労委への再審査、取消訴訟(地裁・高裁・最高裁)へと、会社が本気で争えば数年かかることもある。命令が出たことと、組合員が実際に職場に戻れることの間には、緊急命令という別のレバーを引かなければならない局面がある。深刻なのは「命令が出た」事実ではなく、それが履行されるまでの距離だ
- 「不当労働行為は裁判所に訴えるもの」という前提そのものがずれている。労働者個人の解雇無効を争うなら裁判所だが、組合に対する支配介入や団交拒否の救済は、まず労働委員会という専門機関の判断を経る制度になっている。問いを「どこに訴えるか」ではなく「労働委員会と裁判所をどう使い分けるか」に立て直さないと、最初の一手で土俵を間違える
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 機能 | 27条の12:労働委員会が不当労働行為を是正する救済命令を発する | 27条の20:確定前の命令の履行を裁判所が確保する緊急命令 27条の13:審査手続を当事者の合意で終了させる和解 |
| 効力の発生時点 | 交付の日から効力を生ずる(4項) | 裁判所の決定により確定前でも履行強制 和解の成立日(裁判上の和解と同一効力) |
| 強制の有無 | 確定までは罰則による直接強制は留保 | 違反に過料、緊急命令で実効性を確保 和解調書は債務名義となり強制執行が可能 |
| 争訟・覆す手段 | 再審査(15日)・取消訴訟(30日) | 緊急命令への即時抗告 原則として争えない(合意による終局) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は2011年施行の不当労働行為裁決制度を持ち、労働部の裁決委員会が裁決決定を行う。日本の労働委員会・救済命令と機能的に対応し、米国 NLRB をモデルとする点も共通する。
韓国は労働委員会が부당노동행위に対し구제명령を発する。日本を経由してワグナー法型制度を継受した点で構造が日本と近い。
ドイツには独立の労働委員会型救済はなく、労働裁判所(Arbeitsgericht)が直接救済する。経営組織法上の妨害は délit 類似の制裁対象となる。
米国は NLRB が cease and desist order を発し、連邦控訴裁判所の enforcement order により強制される。日本の救済命令+緊急命令の原型である。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 組合の委員長になった途端に閑職へ飛ばされ、半年後「業績不振」を理由に解雇通知が届いた。労働委員会に不当労働行為の救済を申し立て、認容されれば原職復帰の救済命令が出る。命令は交付の日から効力を持つので、会社は争いながらも復帰の準備を迫られる。立証の核心は、解雇の本当の動機が組合活動だったと示せるかどうかだ
- あなたが中小企業の経営者で、組合との団交を「人手が足りない」と先延ばしにしていたら、団交応諾の救済命令が届いた。「不服だから無視」は通らない。命令は受け取った日から効力があり、無視し続ければ委員会が裁判所に緊急命令を申し立て、確定前でも履行を強制される。ここで初めて多くの経営者は、労働委員会が「話し合いの場」ではなく「処分を下す機関」だと気付く
- もし救済命令が「一部認容」だったら? あなたの請求のうち認められた部分だけが効力を持つ。棄却された部分は、再審査か取消訴訟で別途争うしかない
- 救済命令を受け取った会社に残された時間は短い。中央労働委員会への再審査申立ては交付の日から15日以内、裁判所への取消しの訴えは30日以内。この期限を一日でも逃せば命令は確定し、違反には過料・罰金が科される側に回る
取るべき行動
被害を受けた側:1. 不当労働行為の証拠を時系列で固める。異動・解雇の通知書、団交申入書と会社の回答、面談での発言メモや録音。2. 都道府県労働委員会に救済申立て(労働組合法27条)。申立期限は行為の日から1年以内。3. 調査・審問では労働者委員に実情を伝える(本条2項の意見陳述ルート)。4. 救済命令が出たら交付日を確認し、会社が履行しなければ緊急命令(27条の20)の申立てを委員会に求める。
訴えられた側:1. 救済命令を受け取ったら交付日を起点に期限を逆算。中労委への再審査は15日以内、取消しの訴えは30日以内。2. 争うとしても命令は交付の日から効力を持つ(4項)。緊急命令を出されれば確定前でも履行を強制され、違反は過料・罰金。3. 争点を絞り、和解(27条の13)による早期解決と訴訟継続のコストを試算。4. 不利益取扱いの事実関係を再点検し、組合活動と無関係な「正当な理由」を立証できるか弁護士と詰める。
時効(請求できる期限):救済命令は交付の日から効力を生ずる(本条4項)。これに対し使用者は交付の日から30日以内に取消しの訴え(労働組合法27条の19)、中央労働委員会への再審査は交付の日から15日以内(27条の15)。期限を過ぎると命令は確定し、違反は罰則(過料・罰金)の対象となる。なお救済申立て自体は不当労働行為の日から1年以内(27条2項)。(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:27条の12第4項の『交付の日から効力を生ずる』とは、命令が発令時点から行政処分としての効力を持つことを意味し、再審査・取消訴訟の係属はその効力を当然には停止しない。確定までは罰則による直接強制が留保され、強制の発動には緊急命令という裁判所の関与を要する二段構えと理解される。
改正沿革 AI による整理
- 平成16年(2004年)労働組合法改正(施行 平成17年) 不当労働行為審査制度の抜本改革により新設。従来27条に包括されていた命令手続を独立条文化し、参与委員の意見陳述(2項)、書面・交付主義(3項)、交付の日からの効力発生(4項)を明文化した
改正の年表
- 1.平成16年(2004年) 新設:不当労働行為審査制度の抜本改革(平成17年施行)により新設。従来27条に包括されていた命令手続を独立条文化し、参与委員の意見陳述(2項)、書面・交付主義(3項)、交付の日からの効力発生(4項)を明文化した。
- 労働組合法 第7条不当労働行為の禁止、救済命令が対象とする違法行為類型
- 労働組合法 第27条審査の開始と救済申立て、本条の手続の起点
- 労働組合法 第2713条和解による審査手続の終了、命令に代わる解決路線
- 労働組合法 第2719条救済命令の取消しの訴え、使用者の争訟手段(現行効力を要確認)
- 労働組合法 第2720条緊急命令、確定前の履行確保の仕組み(現行効力を要確認)
- 労働組合法 第32条確定救済命令違反に対する過料・罰金
- 行政事件訴訟法 第3条救済命令の取消訴訟(抗告訴訟)の手続的根拠
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