労働組合法 第27条の14(和解)
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- 労働委員会は、審査の途中において、いつでも、当事者に和解を勧めることができる。
- 2.救済命令等が確定するまでの間に当事者間で和解が成立し、当事者双方の申立てがあつた場合において、労働委員会が当該和解の内容が当事者間の労働関係の正常な秩序を維持させ、又は確立させるため適当と認めるときは、審査の手続は終了する。
- 3.前項に規定する場合において、和解(前項の規定により労働委員会が適当と認めたものに限る。次項において同じ。)に係る事件について既に発せられている救済命令等は、その効力を失う。
- 4.労働委員会は、和解に金銭の一定額の支払又はその他の代替物若しくは有価証券の一定の数量の給付を内容とする合意が含まれる場合は、当事者双方の申立てにより、当該合意について和解調書を作成することができる。
- 5.前項の和解調書は、強制執行に関しては、民事執行法(昭和五十四年法律第四号)第二十二条第五号に掲げる債務名義とみなす。
- 6.前項の規定による債務名義についての執行文の付与は、労働委員会の会長が行う。民事執行法第二十九条後段の送達も、同様とする。
- 7.前項の規定による執行文付与に関する異議についての裁判は、労働委員会の所在地を管轄する地方裁判所においてする。
- 8.第四項の和解調書の送達及び第六項後段の送達に関して必要な事項は、政令で定める。
この条文の基本情報
和解とは何ですか?
定義和解とは、労働組合法第27条の14に定められた規定で、「労働委員会は、審査の途中において、いつでも、当事者に和解を勧めることができる。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 労働組合法第27条の14(和解)は、日本の労働組合法に含まれる条文です。
- 労働組合法第27条の14の条文原文は「労働委員会は、審査の途中において、いつでも、当事者に和解を勧めることができる。」で始まります。
- 労働組合法第27条の14は第二節 不当労働行為事件の審査の手続に置かれています。
- 労働組合法の公布日は昭和24年6月1日です。
- 労働組合法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 労働組合法第27条の14の前の条は労働組合法第27条の13です。
- 労働組合法第27条の14の次の条は労働組合法第27条の15です。
- 労働組合法第27条の14には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
労働組合法(昭和二十四年法律第百七十四号)第27条の14 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/324AC0000000174 - 本サイト収録
労働組合法(昭和二十四年法律第百七十四号)第27条の14(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/324AC0000000174/27_14
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点労働組合法27条の14は、労働委員会の審査中の和解を定める。金銭給付を含む和解は双方の申立てで和解調書となり、民事執行法上の債務名義として強制執行できる。
Q · 労働委員会で和解したら、相手が払わないとき裁判をやり直すしかないの?
金銭和解は和解調書にすれば裁判なしで強制執行できます
労働組合法27条の14により、労働委員会の審査中に金銭の支払を含む和解が成立した場合、当事者双方の申立てで和解調書を作成できます。この和解調書は民事執行法22条5号の債務名義とみなされ、相手が約束を破っても訴訟をやり直すことなく、預金や売掛金を差し押さえる強制執行ができます。執行文は労働委員会の会長が付与します(同条6項)。ただし債務名義になるのは金銭・代替物・有価証券の給付に限られ、団交応諾などの非金銭の約束は対象外です。
解説
団体交渉を拒否された、組合活動を理由に閑職へ飛ばされた。労働委員会に救済を申し立て、長い審査の末にようやく相手と和解にこぎつけた。だが、ここで多くの人が知らない分岐がある。ただ和解書にサインして解散するだけなら、相手が約束を破ったとき、あなたはまた一から民事訴訟を起こし、勝訴判決を取らなければ解決金一円も取り立てられない。ところが労働組合法27条の14は、金銭の支払いを含む和解について、双方が申し立てれば労働委員会が「和解調書」を作れると定める。そしてこの和解調書は、民事執行法22条5号の債務名義とみなされる。つまり確定判決と同じように、相手の預金や売掛金を差し押さえる強制執行ができる。裁判をやり直す必要はない。一枚の調書を作ったか作らなかったか、その差だけで、和解後にあなたが握る力はまるで別物になる。
法的な位置づけ
労働組合法27条の14は、不当労働行為の審査手続における和解を制度化した規定である。労働委員会はいつでも和解を勧めることができ、救済命令確定前の和解成立により審査は終了し、既に発せられた救済命令は失効する。金銭給付を含む和解は双方申立てにより和解調書とされ、民事執行法上の債務名義として強制執行力を有する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.審査中に和解の打診を逃さない 団交拒否や不利益取扱いで労働委員会に救済を申し立てた後、審査の途中で相手が解決金の支払に応じる姿勢を見せたら、和解は審査のどの段階でも勧告・打診できる(27条の14第1項)。有利な流れを逃さず和解協議に入る
- 2.金銭部分はその場で和解調書化を申し立てる 解決金・未払賃金など金銭給付を含む和解がまとまったら、解散する前に当事者双方の申立てにより和解調書の作成を求める(27条の14第4項)。後日では相手が翻意すると双方申立て要件が欠け、債務名義化の扉が閉じる
- 3.不払い時は執行文の付与を申請 相手が和解調書どおり履行しない場合、強制執行に先立ち労働委員会の会長に執行文の付与を申請する(27条の14第6項)。窓口・必要書類・送達手続を事前に確認しておく
- 4.預金・売掛金の差押えを申し立てる 執行文の付与を受けた和解調書を債務名義として、地方裁判所に債権差押命令を申し立て、相手の預金口座や売掛金を差し押さえる。訴訟をやり直す必要はない
よくある質問 AI による整理
Q1労働委員会の和解調書とは何ですか?
労働委員会の審査中に成立した金銭和解について、双方の申立てで作成される調書です。民事執行法22条5号の債務名義とみなされ、強制執行の根拠になります(労組法27条の14第4項・第5項)。
Q2和解調書があると何ができますか?
相手が解決金を払わないとき、訴訟をやり直さずに預金や売掛金を差し押さえる強制執行を申し立てられます。確定判決と同じ取り立て力を持ちます。
Q3労働委員会の和解はいつまでに成立させる必要がありますか?
救済命令等が確定するまでの間に成立させる必要があります(労組法27条の14第2項)。確定後は本条の和解枠組みを使えません。
Q4和解調書の執行文は誰が付与しますか?
労働委員会の会長が付与します(労組法27条の14第6項)。本来は裁判所書記官が担う執行文付与を行政委員会が行う、めずらしい設計です。
Q5団交に応じる約束も和解調書で強制執行できますか?
できません。債務名義になるのは金銭・代替物・有価証券の一定数量の給付に限られます(同条4項)。非金銭の約束は直接の差押えにはなじみません。
Q6和解が成立すると救済命令はどうなりますか?
労働委員会が和解を適当と認めて手続が終了すると、既に発せられている救済命令等は効力を失います(労組法27条の14第3項)。
Q7和解調書の執行文付与に不服がある場合どうしますか?
労働委員会の所在地を管轄する地方裁判所に異議の裁判を申し立てます(労組法27条の14第7項)。
Q8労働委員会はいつ和解を勧められますか?
審査の途中であればいつでも、当事者に和解を勧めることができます(労組法27条の14第1項)。
この条文についての質問 AI による整理
Q1労働委員会の和解って、ただの示談書と何が違うんですか?
金銭の支払いを含む和解で『和解調書』を作れば(労働組合法27条の14第4項)、それは民事執行法22条5号の債務名義とみなされます。ただの示談書だと相手が払わなければ改めて訴訟が必要ですが、和解調書なら裁判抜きで差押えができます。実務のポイント:実務では和解がまとまっても、調書まで作らないケースが意外に多い。担当者が『書面にサインしたから大丈夫』と油断するためで、後で不払いになって初めて『調書を作っておけば』と悔やむ。金銭部分があるなら、その場で必ず調書化を求めることだ
Q2和解で解決したのに、前に出ていた救済命令はどうなるんですか?
労働委員会が和解内容を適当と認めて手続が終了すると、既に発せられている救済命令等はその効力を失います(労働組合法27条の14第3項)。つまり命令で勝った内容も、和解の中身に置き換わります。実務のポイント:ここを軽視すると、命令で得た有利な地位を和解でうっかり手放すことがある。命令が出た後の和解は『命令より良い条件か』を必ず比較してから応じる。労働委員会が和解を『適当』と認める判断(第2項)には、正常な労使秩序の維持という観点が入る点も押さえておくと交渉が読める
間違えやすい点 AI による整理
- 「労働委員会の和解なんて、しょせん口約束に毛が生えた程度」と思われがちだが、和解調書を作れば民事執行法22条5号の債務名義になる。相手が払わなければ、訴訟をやり直さずにそのまま強制執行できる。確定判決と同格の効力だ
- 和解で事件が終わることは知っていても、その和解が『既に出ている救済命令を失効させる』(27条の14第3項)ことまで意識する人は少ない。命令で一度勝った内容が、和解の中身次第で上書きされる。和解条項の一語一語が、命令そのものより重くなる場面がある
- 「和解調書さえあれば何でも強制執行できる」という問いの立て方自体が誤っている。債務名義になるのは『金銭の支払、または代替物・有価証券の一定数量の給付』を内容とする合意だけ(27条の14第4項)。『誠意をもって団交に応じる』といった非金銭の約束は、調書にしても直接の差押えにはなじまない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 成立段階での効力 | 27条の14:労働委員会の審査中和解。金銭和解は和解調書で債務名義 | 27条の12:救済命令。行政処分としての履行義務 通常の示談書:当事者間の私的合意、それ自体に執行力なし |
| 不払い時の取り立て | 和解調書を債務名義として裁判なしで強制執行 | 確定後は緊急命令・過料等の履行確保。直接の差押えは別途 改めて民事訴訟を起こし勝訴判決が必要 |
| 救済命令との関係 | 和解成立で既存の救済命令は失効(第3項) | 救済命令そのもの。確定すれば公的効力が残る 命令に影響しない(手続外の私的合意) |
| 対象となる内容 | 金銭・代替物・有価証券の給付のみ債務名義化(第4項) | 原職復帰・ポスト・ノーティス等、非金銭も命令可 合意内容は自由だが執行力は伴わない |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は労働紛争の調解・仲裁が成立すると、その内容を執行名義とみなす点で日本と発想を共有する。労働事件法による調停も執行力を持つ。
韓国の労働委員会も和解を勧告でき、화해調書は裁判上の和解と同一の効力を持つとされ、日本の制度と近い。
ドイツは独立した労働委員会ではなく労働裁判所(Arbeitsgericht)で和解を行い、裁判上の和解が当然に執行名義となる。行政委員会が執行文を付与する日本型とは構造が異なる。
米国は NLRB の和解合意が制度化されており、不履行時は連邦裁判所での履行強制に進む。日本の労働委員会制度は戦後この米国モデルを範に導入された。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、団交拒否で労働委員会に申し立てて、審査の途中で会社が『解決金を払う』と折れてきたら、あなたはどう動く? ここで和解調書を作っておかないと、後で会社が払い渋ったとき、また民事訴訟を起こす羽目になる。一回の手続で終わるか、二回かかるかの分かれ道がここにある
- あなたが会社の労務担当で、組合との和解に応じた。和解調書を作れば、それは即座に債務名義になる。つまり約束した解決金を一日でも滞納すれば、会社の口座が差し押さえられる。同じサインでも、ただの示談書とは重みがまるで違う
- 救済命令が出てしまい、確定まであと数日。今のうちに和解すれば、既に出ている命令は効力を失う(27条の14第3項)。確定後では選べる手が一気に狭まる。動くなら今夜だ
取るべき行動
被害を受けた側:1. 審査の途中であれば、いつでも和解の打診ができる(27条の14第1項)、有利な流れを逃さない2. 解決金・未払賃金など金銭を含む和解は、その場で双方申立てにより和解調書を作る(同条4項)、これが債務名義になる3. 相手が履行しなければ、和解調書を使って訴訟なしで強制執行(預金・売掛金の差押え)を申し立てる4. 執行文は労働委員会の会長が付与する(同条6項)、付与申請の窓口と必要書類を先に確認しておく
訴えられた側:1. 和解は救済命令が確定する前ならまとめる価値がある、和解成立で既存の命令は失効する(27条の14第3項) 2. 和解調書にする金銭給付は、滞納した瞬間に差押えの対象になると理解し、支払能力と履行期日を現実的に設定する3. 団交応諾などの非金銭の約束は債務名義になじまないので、過度に拘束される文言は慎重に詰める4. 執行文付与に不服があれば、労働委員会所在地を管轄する地方裁判所に異議を申し立てる(同条7項)
時効(請求できる期限):和解は『救済命令等が確定するまでの間』に成立させる必要がある(27条の14第2項)、確定後は本条の枠組みを使えない。和解調書に基づく強制執行ができる権利自体は、和解で定めた履行期を起算点として消滅時効(民法166条、債権は原則5年)にかかる(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:本条の和解調書は、金銭・代替物・有価証券の給付を内容とする合意に限り民事執行法22条5号の債務名義となる。団交応諾やポスト・ノーティスなど非金銭の救済内容は、和解調書に記載しても直接の強制執行にはなじまず、性質上は履行確保の別の手段によると解される。
改正沿革 AI による整理
- 平成16年(2004年)労働組合法改正 不当労働行為審査制度の抜本改革に伴い新設。従来明文のなかった審査中の和解を制度化し、金銭和解の和解調書を民事執行法上の債務名義とみなす仕組みを導入して、労働委員会の和解に強制執行力を付与した
改正の年表
- 1.平成16年(2004年) 新設:不当労働行為審査制度の抜本改革に伴い新設。従来明文のなかった審査中の和解を制度化し、金銭和解の和解調書を民事執行法上の債務名義とみなす仕組みを導入して、労働委員会の和解に強制執行力を付与した。
- 労働組合法 第7条不当労働行為、救済申立ての対象となる行為
- 労働組合法 第27条審査の開始、和解が行われる手続の起点
- 労働組合法 第27条の12救済命令等の発出、和解成立で失効する対象(現行効力を要確認)
- 民事執行法 第22条和解調書が第5号の債務名義とみなされる根拠
- 民事執行法 第29条執行文の付与および送達の手続準用
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