労働組合法 第27条の5(審査の手続の中止)
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労働委員会は、除斥又は忌避の申立てがあつたときは、その申立てについての決定があるまで審査の手続を中止しなければならない。ただし、急速を要する行為についてはこの限りでない。
この条文の基本情報
審査の手続の中止とは何ですか?
定義審査の手続の中止とは、労働組合法第27条の5に定められた規定で、「労働委員会は、除斥又は忌避の申立てがあつたときは、その申立てについての決定があるまで審査の手続を中止しなければならない。ただし、急速を要する行為についてはこの限…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 労働組合法第27条の5(審査の手続の中止)は、日本の労働組合法に含まれる条文です。
- 労働組合法第27条の5の条文原文は「労働委員会は、除斥又は忌避の申立てがあつたときは、その申立てについての決定があるまで審査の手続を中止しなければならない。ただし、急速を要する行為についてはこの限…」で始まります。
- 労働組合法第27条の5は第二節 不当労働行為事件の審査の手続に置かれています。
- 労働組合法の公布日は昭和24年6月1日です。
- 労働組合法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 労働組合法第27条の5の前の条は労働組合法第27条の4です。
- 労働組合法第27条の5の次の条は労働組合法第27条の6です。
- 労働組合法第27条の5には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
労働組合法(昭和二十四年法律第百七十四号)第27条の5 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/324AC0000000174 - 本サイト収録
労働組合法(昭和二十四年法律第百七十四号)第27条の5(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/324AC0000000174/27_5
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点労働組合法27条の5は、除斥または忌避の申立てがあったとき、その決定があるまで労働委員会の審査手続を中止すると定める。ただし急速を要する行為は中止されない。
Q · 審査の途中で担当委員が公平でないと感じたら、手続を止められるの?
除斥・忌避を申し立てれば決定まで審査は中止されます
労働組合法27条の5により、不当労働行為審査で除斥または忌避の申立てがあったときは、その申立てについての決定が出るまで、労働委員会は審査手続を中止しなければなりません。委員を入れ替えるだけでなく、可否の判断が出るまで手続全体の時計が止まります。ただし「急速を要する行為」はこの中止の例外で、緊急の手続は申立て中でも進みます。また、本案について実質的な陳述をした後では忌避権を失う恐れがあるため、気づいた時点で動くことが重要です。
解説
会社から組合活動を理由に不利益な扱いを受けたとして、あなたが労働委員会に不当労働行為の救済を申し立てた。審査が進むなかで、担当する公益委員の一人が相手会社の顧問弁護士と古い付き合いだと知ってしまう。この人に公平な判断ができるのか。そう感じたとき、あなたには「忌避」という手がある。労働組合法27条の5は、除斥または忌避の申立てがあれば、その可否が決まるまで審査手続を止めなければならないと定める。疑わしい委員を排除する判断が出るまで、時計の針は止まる。ただし落とし穴がある。「急速を要する行為」は止まらない。緊急の手続は申立て中でも進む。この一文を知らない当事者は、不公平な委員のもとで審査が進むのを黙って見ているしかない。知っている当事者は、止めるべき場面で時計を止められる。
法的な位置づけ
労働組合法27条の5は、労働委員会による不当労働行為の審査手続について、除斥または忌避の申立てがあった場合の手続中止を定める規定である。申立てについての決定があるまで審査は中止されるが、急速を要する行為はその例外とされ、判断者の公平性の確保と救済の迅速性との調整を図る。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.担当委員の氏名と経歴を審査冒頭で確認 審査が始まったら、名簿に並ぶ公益委員の氏名・経歴と、相手方との過去の関係を確認する。元役員、元代理人、顧問など、公平を疑わせる事情がないかを点検する
- 2.除斥事由か忌避事由かを切り分ける 親族関係や代理人歴など法定の類型に当たれば除斥、それ以外の偏りの兆候なら忌避として整理する。除斥事由は時期を問わず主張でき、忌避は陳述前に出す必要がある
- 3.本案の陳述前に書面で申し立てる 事件について実質的な陳述をする前に、除斥または忌避の申立書を提出する。申立てがあれば決定が出るまで審査は中止される(27条の5)。陳述後は忌避権を失う恐れがある
- 4.中止中も急速を要する行為に対応する 申立て中でも、ただし書きにより急速を要する行為(証拠保全等)は進む。止まる手続と止まらない手続を仕分け、緊急対応すべき手続がないか並行して確認する
よくある質問 AI による整理
Q1除斥と忌避の違いは何ですか?
除斥は法定の利害関係がある委員を当然に手続から外す制度、忌避は当事者の申立てで偏りのある委員を排除する制度です。労働組合法27条の5はどちらの申立てでも審査を中止します。
Q2労働委員会の委員はどう忌避しますか?
偏りの根拠を示して、本案について実質的な陳述をする前に書面で申し立てます。申立てがあれば決定が出るまで審査は中止されますが、急速を要する行為は止まりません。
Q3審査手続の中止とはどういう意味ですか?
除斥・忌避の可否が決まるまで、審査という手続全体の進行を止めることです。委員一人の交代にとどまらず、決定までは原則として手続が前に進みません。
Q4急速を要する行為とは何ですか?
証拠保全や緊急の処置など、時間を置くと目的を達せられなくなる手続を指します。労働組合法27条の5ただし書きにより、中止の例外として申立て中でも進みます。
Q5除斥事由にはどんなものがありますか?
委員が当事者と一定の親族関係にある、当事者の代理人だった、事件に関与した経歴があるなど、公平を疑わせる類型的な利害関係が除斥事由です。
Q6忌避はいつまでに申し立てる必要がありますか?
出訴期間の問題ではなく失権の問題です。事件について実質的に陳述をした後は、原則として忌避できません(原因を知らなかった場合等を除く)。早期の申立てが鍵になります。
Q7中央労働委員会と都道府県労働委員会で手続は違いますか?
管轄や事件規模は異なりますが、除斥・忌避による審査中止の枠組みは労働組合法27条の5として共通に適用されます。
Q8不当労働行為の救済申立てとは何ですか?
組合活動を理由とした解雇・配転・団交拒否などに対し、労働者や組合が労働委員会に救済を求める手続です。その審査の公平性を担保するのが27条の5です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1委員を忌避したら、その人を選んだ私が不利に扱われたりしませんか?
忌避は法が認めた正当な手続上の権利で(労働組合法27条の5)、行使したこと自体を理由に不利益を受けることはありません。申立てがあれば可否の決定が出るまで審査は中止されます。実務のポイント:実務では、明確な除斥・忌避事由があっても当事者が遠慮して言い出さないケースが多い。委員の経歴や相手方との関係に疑問があれば、早い段階で代理人を通じて確認・指摘するほうが、後から『あの委員はおかしかった』と争うより圧倒的に有利です
Q2忌避を出せば、審査をずっと止めて時間稼ぎできるんですか?
できません。遅延を目的とすることが明らかな忌避は簡易に却下されえますし、ただし書きにより『急速を要する行為』は中止されず進みます。中止されるのは可否の決定までの間だけです。実務のポイント:時間稼ぎ目的とみなされると心証を大きく損ない、その後の審査全体で不利に働く。忌避は『勝つために公平な場を確保する』道具であって、引き延ばしの道具として使うと逆効果になる、というのが審査委員側の本音です
間違えやすい点 AI による整理
- 「委員は中立だから忌避なんて要らない」と思いがちだが、労働委員会の公益委員も人間で、過去の経歴や利害関係はある。だからこそ法は除斥・忌避という排除の仕組みを用意している。使わないのは権利の放棄だ
- 忌避できることは知っていても、その効果が「審査全体の中止」だと知る人は少ない。委員一人が代わるだけでなく、可否の決定が出るまで手続全体が止まる。この時間的効果の重さを見落とすと、戦略の道具を一つ捨てることになる
- 「忌避すれば必ず止まる」と考えるのは問いの立て方が誤っている。ただし書きの『急速を要する行為』は中止の対象外で、さらに遅延目的が明らかな忌避は簡易に却下されうる。止まるかどうかは、申立ての中身と狙いで決まる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の役割 | 27条の5:除斥・忌避申立て時の審査手続の中止 | 27条:不当労働行為の審査の起点(中止の対象) 民訴26条:訴訟手続の停止(母法) |
| 効果 | 決定があるまで審査全体を中止(急速を要する行為は例外) | 審査を開始・進行させる 裁判官の除斥・忌避申立てで訴訟手続を停止 |
| 例外・限界 | 急速を要する行為は中止されない、遅延目的の忌避は簡易却下 | — 急速を要する行為は停止の例外 |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾は不當勞動行為裁決委員会の裁決委員について迴避制度を設け、公平性を担保する点で日本の除斥・忌避と機能が共通する
韓国も労働委員会の委員に除斥・忌避・回避の仕組みを置き、利害関係ある委員の関与を排除する構造は日本と類似する
ドイツは労働裁判所手続で民事訴訟法の除斥・忌避規定を準用し、判断者の排除と手続停止を定める。本条の母法系統に当たる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 審査の途中で、担当委員が相手方企業の元役員だったと判明したら? 除斥の申立てで、その委員は当然に手続から外れ、可否の決定が出るまで審査は止まる。気づいた時点で動けるかどうかが分かれ目になる
- あなたが会社側で、組合からの不当労働行為申立てに対応している。担当の公益委員が過去にその組合の顧問だったと分かった。忌避を申し立てれば審査は中止される。ただし本案について陳述を重ねた後では、忌避権をすでに失っている可能性がある
- 申立てを出した。だが急速を要する手続だけは、ただし書きにより止まらず進む。何が止まり何が止まらないかを、今すぐ仕分けないといけない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 担当委員の氏名と経歴を審査の冒頭で確認し、相手方との利害関係(除斥事由)や偏りの兆候(忌避事由)がないか点検する2. 該当があれば、本案について実質的な陳述をする前に、書面で除斥または忌避を申し立てる3. 申立て後は可否の決定が出るまで審査手続が中止される(27条の5)が、急速を要する行為は止まらない点に注意4. 却下に備え、事由を裏づける客観的資料(経歴、関係性の記録)を準備しておく
訴えられた側:1. 会社側でも同じく除斥・忌避を申し立てられる。担当委員と申立人組合との過去の関係を確認する2. ただし遅延目的が明らかな忌避は簡易に却下され、心証を悪くするだけになりうるため、根拠の有無を冷静に見極める3. 本案の陳述を始める前に判断すること、陳述後は原則として忌避権を失う4. 中止中も急速を要する手続は進むため、対応すべき緊急手続がないか並行して確認する
時効(請求できる期限):特定の出訴期間ではなく失権の問題。当事者が事件について陳述をした後は、原則として忌避できない(忌避原因を知らなかった場合、又は原因がその後に生じた場合を除く。民事訴訟法24条2項の類推)。除斥事由は時期を問わず主張できる。申立てがあれば可否の決定まで審査は中止される(ただし急速を要する行為を除く)
学説
通説:27条の5は、裁判官の除斥・忌避と手続停止に関する民事訴訟法の法理を行政審査に取り込んだ規定であり、申立てがあれば決定まで審査を中止して公平性を確保する一方、急速を要する行為を例外として救済の迅速性との均衡を図るものと解されている。遅延目的が明らかな忌避は簡易に却下されうる。
改正沿革 AI による整理
- 平成16年(2004年) 不当労働行為審査制度の大改正により新設。審査の迅速化・公正化を目的に、除斥・忌避の申立てがあった場合の審査手続の中止と、急速を要する行為の例外を明文化した
改正の年表
- 1.平成16年(2004年) 新設:不当労働行為審査制度の大改正により新設。審査の迅速化・公正化を目的に、除斥・忌避の申立てがあった場合の審査手続の中止と、急速を要する行為の例外を明文化した
- 労働組合法 第27条中止の対象となる審査手続の起点
- 労働組合法 第27条の4中止の前提となる除斥・忌避の実体規定(現行効力を要確認)
- 労働組合法 第27条の12審査を経て発せられる救済命令(現行効力を要確認)
- 労働組合法 第19条除斥・忌避の対象となる労働委員会・委員の根拠
- 民事訴訟法 第24条裁判官の忌避、本条が範とした一般法理
- 民事訴訟法 第26条除斥・忌避申立て時の訴訟手続停止の母法
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