外国為替及び外国貿易法 第69条の8
クイックジャンプ
- 次の各号のいずれかに該当するときは、その違反行為をした者は、五年以下の拘禁刑若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。ただし、当該違反行為の目的物の価格の五倍が千万円を超えるときは、罰金は、当該価格の五倍以下とする。
- 一第二十五条第二項の規定に基づく命令の規定による許可を受けないで特定技術の提供を目的とする取引をしたとき。
- 二第二十五条第三項の規定に基づく命令の規定による許可を受けないで同項第一号に定める行為をしたとき。
- 三第四十八条第二項の規定に基づく命令の規定による許可を受けないで貨物の輸出をしたとき。
- 四第四十八条第三項の規定に基づく命令の規定による承認を受けないで貨物の輸出をしたとき。
- 五第五十二条の規定に基づく命令の規定による承認を受けないで貨物の輸入をしたとき。
- 2.前項第二号(第二十五条第三項第一号イに係る部分に限る。)の未遂罪は、罰する。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 外国為替及び外国貿易法第69条の8は、日本の外国為替及び外国貿易法に含まれる条文です。
- 外国為替及び外国貿易法第69条の8の条文原文は「次の各号のいずれかに該当するときは、その違反行為をした者は、五年以下の拘禁刑若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。ただし、当該違反行為の目的物の価…」で始まります。
- 外国為替及び外国貿易法第69条の8は第九章に置かれています。
- 外国為替及び外国貿易法の公布日は昭和24年12月1日です。
- 外国為替及び外国貿易法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 外国為替及び外国貿易法第69条の8の前の条は外国為替及び外国貿易法第69条の7です。
- 外国為替及び外国貿易法第69条の8の次の条は外国為替及び外国貿易法第70条です。
- 外国為替及び外国貿易法第69条の8には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
外国為替及び外国貿易法(昭和二十四年法律第二百二十八号)第69条の8 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/324AC0000000228 - 本サイト収録
外国為替及び外国貿易法(昭和二十四年法律第二百二十八号)第69条の8(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/324AC0000000228/69_8
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点外為法69条の8は、許可や承認を受けずに特定技術を提供する取引や貨物を輸出入した者を、5年以下の拘禁刑または1,000万円以下の罰金に処す。価格の5倍が上回るときは、罰金の上限は価格の5倍になる。
Q · 国の承認を受けずに輸出や輸入をしたら、どんな罰を受けるの?
5年以下の拘禁刑か1,000万円以下の罰金、または両方
外為法69条の8により、25条2項・3項に基づく特定技術の許可、48条2項の輸出許可、48条3項の輸出承認、52条の輸入承認を受けずに取引や輸出入をした者は、5年以下の拘禁刑もしくは1,000万円以下の罰金に処され、両方が科されることもあります。目的物の価格の5倍が1,000万円を超えるときは、罰金の上限は価格の5倍まで上がります。承認が必要な対象は政令や省令の別表で決まります。
解説
日本から物を送り出す行為も、日本に持ち込む行為も、大半は自由である。ただし一部の荷物と技術は、経済産業大臣の「許可」や「承認」がなければ動かせない。北朝鮮向けの全面禁輸、ロシア向けの高級品や一定の中古車の輸出禁止、ワシントン条約の対象動植物、特定の国へ渡す技術データなどである。その線を越えたときの刑罰を定めるのが本条で、五年以下の拘禁刑か千万円以下の罰金、または両方が科される。見落とされがちなのは罰金の上限だ。品物の価格の五倍が千万円を超える場合、上限は価格の五倍まで上がる。しかも、何が承認の対象になるかは条文に書かれていない。中身は政令と省令の別表に任されており、制裁が強化されるたびに書き換わる。去年は合法だった取引が、今年は犯罪になることもある。あなたが確認すべきなのは条文ではなく、出荷日時点の別表である。
法的な位置づけ
外国為替及び外国貿易法第69条の8は、同法25条2項・3項、48条2項・3項、52条に基づく命令で定められた許可または承認を受けずに、特定技術の提供を目的とする取引や貨物の輸出入を行う行為を処罰する罰則規定である。法定刑は5年以下の拘禁刑または1,000万円以下の罰金で、併科もある。罰金には価格の5倍を上限とする特例がある。
よくある質問 AI による整理
Q1外為法違反の罰則はどのくらい重い?
承認を受けない輸出入(69条の8)は、5年以下の拘禁刑か1,000万円以下の罰金、または両方です。リスト規制品の無許可輸出(69条の6)はさらに重く定められています。
Q2無承認輸出とは何ですか?
外為法48条3項に基づき経済産業大臣の承認が必要な貨物を、承認を受けずに輸出することです。対象は輸出貿易管理令の別表などで指定され、制裁強化のたびに変わります。
Q3外為法違反 罰金 価格の5倍 とは?
目的物の価格の5倍が1,000万円を超える場合、罰金の上限が価格の5倍まで上がる仕組みです。高額な貨物ほど上限が上がり、不正な利益を吸い上げる狙いがあります。
Q4外為法違反 会社も処罰される?
処罰されます。両罰規定(外為法72条)により、従業員が業務として違反した場合、行為者本人に加えて法人にも罰金が科されうるためです。
Q5外為法違反 時効は何年?
本条の罪の公訴時効は5年です(刑事訴訟法250条2項5号)。通常は、輸出または輸入が完了した時点から数えます。
Q6ロシア 中古車 輸出 違法?
対象条件に当たる中古車を、承認を受けずにロシアへ輸出すれば違法となりえます。対象の範囲は告示で決まるため、出荷日時点の経済産業省の最新情報で確認が必要です。
Q7技術データを海外に送るのも外為法違反になる?
なりえます。外為法25条に基づき許可が必要な特定技術を、許可を受けずに提供すれば本条1項1号・2号の対象です。メール送信や記録媒体の持出しも問題になります。
Q8外為法違反 未遂でも罰せられる?
本条2項により、1項2号のうち25条3項1号イに関する部分に限って未遂も処罰されます。そのほかの号では、未遂を処罰する規定はありません。
この条文についての質問 AI による整理
Q1北朝鮮に直接じゃなくて、中国の会社に売っただけでも捕まるんですか?
最終的な仕向地が北朝鮮で、あなたがそれを認識していれば、北朝鮮向けの無承認輸出(外為法48条3項、本条1項4号)として立件されうる。中国経由の迂回輸出で摘発された事例は複数ある。実務のポイント:捜査で見られるのは契約書よりも、相場より高い代金、不自然な梱包の指示、宛先変更の依頼といった「普通の取引ではない兆候」である
Q2罰金の上限って、結局いくらなんですか?
個人は千万円以下である。ただし目的物の価格の五倍が千万円を超える場合は、価格の五倍以下になる(本条1項ただし書)。会社には両罰規定(72条)によって別枠の罰金が科されうる。実務のポイント:実務で本当に重いのは罰金よりも、経済産業大臣による最長3年の輸出禁止などの行政制裁(53条)と、取引先の審査にいつまでも残る「違反歴」である
Q3ワシントン条約の動物をペット用に個人輸入するだけでもダメなんですか?
対象種によっては、個人のペット目的でも輸入承認(外為法52条、輸入貿易管理令)が必要になる。承認なしで持ち込めば、本条1項5号の射程に入りうる。実務のポイント:海外の販売サイトが「輸出許可書付き」とうたっていても、それは相手国側の書類にすぎない。日本側で承認や通関手続が別に要るかどうかは、買う前に経済産業省の窓口に確認するのが唯一の安全策である
間違えやすい点 AI による整理
- 「この商品は輸出していいか」と品物だけを見て判断しようとすること自体が、問いの立て方として誤っている。承認が要るかどうかは、品物、仕向地、取引の相手、用途の組み合わせで決まる。同じ中古冷蔵庫でも、行き先が変われば適法な取引が犯罪に変わる
- 罰金千万円なら大企業には痛くない、と考えるのは浅い。本当の打撃は別のところにある。経済産業大臣は違反者に対し、最長三年間の輸出禁止などの行政制裁を命じることができる(外為法53条)。輸出で売上を立てている会社にとっては、罰金よりはるかに致命的である
- あなたから見れば「中国の会社に売っただけ」でも、捜査機関が見るのは最終的な仕向地である。メールの文面、梱包の指示、代金の流れは、仕向地をどう認識していたかを示す証拠として読まれる。この見方の差が、弁解を一気に崩す
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規制の対象 | 69条の8:25条2項・3項の特定技術、48条2項・3項の輸出、52条の輸入(制裁・ワシントン条約等の承認型規制) | 69条の6:25条1項・48条1項の安全保障貿易管理(リスト規制等)違反 53条:刑罰ではなく、経済産業大臣による輸出禁止等の行政制裁 |
| 制裁の重さ | 5年以下の拘禁刑または1,000万円以下の罰金(価格の5倍特例あり)、併科あり | 本条より重い法定刑(具体額は現行条文で要確認) 最長3年の輸出・輸入の禁止など |
| 法人への波及 | 72条の両罰規定により法人にも罰金 | 72条の両罰規定により法人にも罰金 違反した法人そのものが処分対象 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も戦略性高科技貨品の無許可輸出などに刑事罰を置く。規制対象の具体的な範囲を行政の告示に委ねる構造は日本と共通している
韓国も戦略物資の無許可輸出に刑事罰を置き、罰金を目的物価格の倍数と連動させる仕組みをとる点で日本と似ている
ドイツは EU の制裁規則への違反を AWG で刑事罰化しており、EU 法と国内罰則の二層構造になっている
米国は輸出管理違反に高額の刑事罰と民事制裁金を置き、Entity List による取引禁止という行政上の手段も併用している
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 中国の取引先から「大連まで送ってくれれば、あとはこちらでやる」と言われ、化粧品や中古家電を出荷した。荷物が最終的に北朝鮮へ渡っていた場合、書類上の仕向地が中国でも、北朝鮮向けの無承認輸出として立件された事例が実際にある。問われるのは、取引が不自然だとあなたがどこまで気付いていたかである
- 海外のオークションで落札した希少なリクガメや象牙製品を、個人輸入で取り寄せたらどうなるか? ワシントン条約の対象種は、種類によって輸入承認が要る。承認を受けずに輸入すれば、本条1項5号の射程に入りうる。税関で止められて初めて知る人が多い
- 中古車輸出業者のあなたの元に、ロシア向けの注文が三台入った。船積みは五日後である。対象となる車の条件に当たるかどうかを、今日中に最新の告示と経済産業省の Q&A で確かめなければならない。船が出てしまえば、話は刑事責任に移る
- 出張で持っていくノート PC に、社外秘の設計データが入っている。行き先が特定の国なら、それだけで許可が要るかどうかを確認すべき場面になる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 社員や代理店が無承認で輸出した疑いに気付いたら、関係するメール、インボイス、船荷証券をその日のうちに保全し、削除させない2. 当事者本人に任せず、社外の弁護士を入れて事実を調べる3. 違反が確認できたら、経済産業省の担当窓口への自主報告を検討する。会社自体も両罰規定(外為法72条)で罰金の対象になるため、放置が最悪の選択である
訴えられた側:1. 任意の事情聴取の段階から弁護人をつけ、供述する前に取引書類を時系列で整理する2. 争点になりやすいのは、承認対象だと認識していたか、最終仕向地を知っていたかの二点である。当時確認した資料、取引先の誓約書、該非判定(規制品に当たるかどうかの判定)の記録が防御の柱になる3. 行政制裁(53条)と刑事手続は並行して進むため、両方を見据えた方針を早めに決める
時効(請求できる期限):公訴時効は5年(刑事訴訟法250条2項5号、長期10年未満の拘禁刑にあたる罪)。起算点は犯罪行為が終わった時で、通常は輸出または輸入が完了した時点である。2025年6月1日より前の行為については、経過措置により旧来の「懲役」が前提になる(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:本条は白地刑罰法規であり、処罰対象の具体的な範囲は輸出貿易管理令・輸入貿易管理令などの別表に委ねられる。委任の範囲が法律で特定されている限り、憲法31条には反しないと解される。ただし、別表の改正を認識していたかどうかが故意の成否で争点になりうる。
改正沿革 AI による整理
- 令和4年(2022年)公布、令和7年(2025年6月1日)施行 刑法等の一部改正に伴う整理により、法定刑の「懲役」が「拘禁刑」に改められた。本条の成立経緯と罰金額の改正歴は人的検証が必要
改正の年表
- 1.令和4年(2022年)公布、令和7年(2025年)施行 改正:刑法等の一部改正に伴う関係法律の整理により、法定刑の「懲役」が「拘禁刑」に改められた(2025年6月1日施行)
- 外国為替及び外国貿易法 第48条輸出の許可・承認義務の根拠
- 外国為替及び外国貿易法 第52条輸入承認義務の根拠
- 外国為替及び外国貿易法 第69条の6より重い無許可輸出等の罰則(現行効力を要確認)
- 外国為替及び外国貿易法 第72条法人への両罰規定
- 外国為替及び外国貿易法 第53条輸出禁止等の行政制裁
- 関税法 第111条無許可輸出入罪との競合
- 絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律 第12条希少種の国内譲渡し等の禁止(通称 種の保存法)
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める