外国為替及び外国貿易法 第72条
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- 法人(第二十六条第一項第二号、第四号及び第五号、第二十七条第十四項、第二十七条の二第七項、第二十八条第九項、第二十八条の二第七項並びに第五十五条の五第三項に規定する団体に該当するものを含む。以下この項において同じ。)の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務又は財産に関し、次の各号に掲げる規定の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人に対して当該各号に定める罰金刑を、その人に対して各本条の罰金刑を科する。
- 一第六十九条の七第二項十億円以下(当該違反行為の目的物の価格の五倍が十億円を超えるときは、当該価格の五倍以下)の罰金刑
- 二第六十九条の七第一項七億円以下(当該違反行為の目的物の価格の五倍が七億円を超えるときは、当該価格の五倍以下)の罰金刑
- 三第六十九条の八五億円以下(当該違反行為の目的物の価格の五倍が五億円を超えるときは、当該価格の五倍以下)の罰金刑
- 四第七十条の二三億円以下の罰金刑
- 五第七十条又は前二条各本条の罰金刑
- 2.前項の規定により第六十九条の七又は第六十九条の八の違反行為につき法人又は人に罰金刑を科する場合における時効の期間は、各本条の罪についての時効の期間による。
- 3.第二十六条第一項第二号、第四号及び第五号、第二十七条第十四項、第二十七条の二第七項、第二十八条第九項、第二十八条の二第七項並びに第五十五条の五第三項に規定する団体に該当するものを処罰する場合においては、その代表者又は管理人がその訴訟行為につきその団体を代表するほか、法人を被告人とする場合の刑事訴訟に関する法律の規定を準用する。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 外国為替及び外国貿易法第72条は、日本の外国為替及び外国貿易法に含まれる条文です。
- 外国為替及び外国貿易法第72条の条文原文は「法人(第二十六条第一項第二号、第四号及び第五号、第二十七条第十四項、第二十七条の二第七項、第二十八条第九項、第二十八条の二第七項並びに第五十五条の五第三項に規定…」で始まります。
- 外国為替及び外国貿易法第72条は第九章に置かれています。
- 外国為替及び外国貿易法の公布日は昭和24年12月1日です。
- 外国為替及び外国貿易法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 外国為替及び外国貿易法第72条の前の条は外国為替及び外国貿易法第71条の2です。
- 外国為替及び外国貿易法第72条の次の条は外国為替及び外国貿易法第73条です。
- 外国為替及び外国貿易法第72条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
外国為替及び外国貿易法(昭和二十四年法律第二百二十八号)第72条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/324AC0000000228 - 本サイト収録
外国為替及び外国貿易法(昭和二十四年法律第二百二十八号)第72条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/324AC0000000228/72
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点外為法72条は両罰規定で、代表者や従業員が業務に関し違反すると行為者に加え法人にも罰金を科す。上限は最大10億円、目的物価格の5倍が上回ればその額となる。
Q · 社員が無許可で輸出したら、会社も罰金を払わされるの?
払わされうる。上限は最大10億円か貨物価格の5倍
外為法72条1項は両罰規定で、代表者や従業員が会社の業務に関して69条の7などの罪を犯すと、行為者本人に加えて会社にも罰金が科されます。69条の7第2項違反なら上限は10億円、目的物価格の5倍が10億円を超えればその額が上限です。判例は会社の選任・監督上の過失を推定するため、免責には注意を尽くしたことを会社側が示す必要があります。
解説
会社が払う罰金の上限は、社員個人の罰金の上限とは別に決められている。外為法72条は両罰規定(違反した本人と、その本人が働く会社の両方を罰する仕組み)である。代表者や従業員が会社の業務として無許可輸出などの違反をすると、実行した本人が罰せられるほか、会社にも罰金が科される。会社の罰金の上限は最大10億円である。さらに違反の対象になった貨物の価格の5倍が10億円を超える場合は、その5倍の額が上限になる。つまり取引額が大きい会社ほど、罰金の上限も高くなる。見落とされやすいのは、会社は「知らなかった」だけでは責任を免れないという点だ。判例(最判昭和40.3.26)は、両罰規定の事業主について、従業員の選び方や監督に落ち度があったと推定する立場をとる。責任を免れるには、注意を尽くしていたことを会社の側が示すしかない。あなたの会社の輸出管理規程と教育の記録は、法廷でその証明に使えるだろうか。
法的な位置づけ
外国為替及び外国貿易法72条は、法人の代表者または法人・人の代理人、使用人その他の従業者が、その業務または財産に関して同法の罰則規定に違反したとき、行為者を罰するほか法人または人にも罰金刑を科す両罰規定である。法人の罰金上限は違反類型ごとに定められ、一部類型では目的物価格の5倍を基準とする。
よくある質問 AI による整理
Q1外為法の両罰規定とは?
外為法72条が定める仕組みで、従業員等が業務に関し違反したとき、行為者本人だけでなく会社や事業主にも罰金を科すものです。
Q2外為法違反 会社の罰金はいくら?
違反類型により異なり、69条の7第2項違反で10億円以下、同条1項で7億円以下、69条の8で5億円以下が基本の上限です。
Q3外為法違反の罰金が10億円を超えることはある?
あります。1号から3号の違反では、目的物価格の5倍が固定上限を超えると、その5倍の額が上限になります。
Q4外為法違反 会社の時効は何年?
69条の7・69条の8の違反では、会社の時効期間も行為者本人の罪と同じになります(本条2項)。それ以外は罰金刑の原則どおりです。
Q5社員の独断の違反でも会社は責任を負う?
会社の業務や財産に関する違反なら対象になりえます。判例は会社の選任・監督上の過失を推定するため、注意を尽くしたことの立証が必要です。
Q6外為法の両罰規定で会社が免責されるには?
輸出管理規程、該非判定記録、研修記録などで、従業者の選任・監督に必要な注意を尽くしていたことを示す必要があります。
Q7法人格のない組合も外為法で処罰される?
本条1項は26条1項各号等に規定する団体も法人に含めます。3項により代表者または管理人が団体を代表して訴訟行為を行います。
Q8外為法違反 個人事業主も罰せられる?
罰せられえます。本条は「人」の代理人や従業者の違反についても、その事業主に各本条の罰金刑を科すと定めています。
この条文についての質問 AI による整理
Q1社員が勝手にやったことなのに、会社まで罰せられるのっておかしくないですか?
両罰規定(本条1項)は、違反が会社の業務や財産に関して行われたことを要件としている。社員の完全な私的行為であれば会社は対象外である。ただし判例(最判昭和40.3.26)は、会社に選任・監督上の落ち度があったと推定する立場をとる。実務のポイント:実際の防御で効果を持つのは「知らなかった」という主張ではなく、規程と研修が形だけでなく運用されていたことを示す日付入りの記録である
Q2罰金の「目的物の価格の5倍」って、何の価格で計算するんですか?
違反行為の対象になった貨物や技術の価格を基準にする。1項1号から3号のそれぞれで、この5倍の額が固定の上限額を超える場合は、5倍の額が上限になる。実務のポイント:装置の本体価格だけで計算するのか、付属品や保守契約まで含めるのかによって、上限が数億円単位で変わりうる。価格の評価そのものが実務上の争点になるので、契約書に価格の内訳を分けて書いておくと後で効いてくる
Q3法人格のない投資ファンドでも、刑事裁判にかけられるんですか?
かけられうる。本条1項は、26条1項各号などに規定された団体も「法人」に含めて処罰対象とし、3項でその団体の代表者か管理人が訴訟行為を行うと定めている。そのうえで、法人を被告人とする場合の刑事訴訟法の規定を準用する。実務のポイント:海外ファンドは「組合だから処罰の主体にならない」と考えがちである。対内直接投資を始める前に、誰が代表者として法廷に立つことになるのかを決めておくべきだ
間違えやすい点 AI による整理
- 違反が起きたとき「誰がやったのか」を調べれば処罰の範囲が決まる、という考えは問いの立て方がずれている。本条のもとでは、実行した本人は当然罰せられ、会社も同時に罰金の対象になる。会社にとって本当に問われるのは「誰がやったか」ではなく、「会社は十分な管理体制を用意していたか」である。判例は選任・監督上の落ち度を推定する立場をとるため、その立証は会社の側が負うことになる
- 罰金の上限が10億円であることは知られていても、「目的物の価格の5倍」という上乗せの仕組みの重さはあまり知られていない。高額なプラント設備や半導体製造装置の取引では、上限が10億円どころか数十億円に達しうる。罰金は取引額に連動して大きくなるので、大口案件ほど罰金の上限も高くなる
- 経営陣は「罰金なら払って終わり」と考えがちだが、法律の側から見ると事態はもっと長く続く。本条2項により、69条の7・69条の8の違反では、会社に対する公訴時効(起訴できる期限)が行為者本人の罪と同じ長さに延びる。通常の罰金刑の3年では終わらないため、数年前の出荷が今になって会社を被告人の立場に立たせることがありうる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 処罰の対象 | 外為法72条:行為者に加え法人・事業主(両罰) | 外為法69条の7:違反行為をした本人 外為法48条:処罰規定ではなく輸出許可制の根拠 |
| 制裁の内容 | 法人に罰金刑のみ(固定上限または目的物価格の5倍) | 行為者に各本条の刑(自由刑・罰金刑) 許可なき輸出が罰則規定の前提となる |
| 時効の扱い | 69条の7・69条の8違反は各本条の罪と同じ期間(2項) | 刑事訴訟法250条に基づき法定刑から算定 該当なし(行政上の許可要件) |
他国ではどう定めているか 4 か国
戦略的ハイテク貨物の無許可輸出等を刑事罰の対象とし、法人等にも罰金を科す両罰の定めを置く
韓国も両罰規定(양벌규정)を置き、業務主が相当の注意と監督を怠らなかった場合の免責を明文で定める
ドイツは法人の刑事責任を認めず、秩序違反法30条の団体過料(Verbandsgeldbuße)で企業に制裁を科す
米国は使用者責任(respondeat superior)の法理により企業に刑事責任を認め、民事制裁金と刑事罰を併用する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 四半期の売上目標に追われた営業担当が、該非判定(輸出規制の対象かどうかの確認)を後回しにして、工作機械を海外の代理店に出荷した。本人が刑事責任を問われるのとは別に、会社にも罰金が科される。貨物が3億円の案件で69条の7第1項違反にあたる場合、会社の罰金の上限は7億円ではなく15億円になる
- 海外出張中の技術者が、現地の提携先に設計データを USB で渡したらどうなるか? 形のある貨物を送っていなくても、許可が必要な技術を許可なく提供すれば処罰の対象になりうる。技術者本人の行為であっても、会社は両罰規定によって被告人になりうる
- 社内監査で、半年前の出荷が無許可輸出だった疑いが見つかった。経済産業省への自主申告を今週中に出すか、社内調査を終えるまで待つか、経営会議の結論はまだ出ていない。捜査当局に先に見つかるかどうかで、会社の扱いは大きく変わりうる
- あなたは代表取締役で、ある朝、会社宛てに起訴状が届いた。違反をしたのは退職済みの元社員である。それでも会社は被告人として、選任・監督に落ち度がなかったことを示さなければならない
- 海外の投資組合が、事前届出が必要な日本企業の株式を届出なしで取得した。組合に法人格がなくても、本条3項により組合そのものが被告人になりうる。法廷ではその組合の代表者か管理人が、組合を代表して対応する
取るべき行動
被害を受けた側:社内で違反の疑いに気付いた社員や、取引先の違反に巻き込まれた会社の立場から考える。1. 出荷記録、メール、該非判定の書類を消さずに保全する2. 上司だけで話を止めず、法務部門やコンプライアンス窓口に書面で報告する。報告は公益通報者保護法の保護対象になりうる3. 取引先の違反であれば、契約書の法令遵守条項と解除条項を確認し、自社の出荷が関わっていないかを切り分ける4. 早い段階で輸出管理に詳しい弁護士に相談する
訴えられた側:起訴または捜査を受けた会社の立場から考える。1. 社内調査チームを立ち上げ、違反の範囲、対象貨物の価格、関与した人物を特定する2. 輸出管理の内部規程、研修記録、該非判定の手順書を提出し、選任・監督に落ち度がなかったことを主張する材料を固める3. 経済産業省への自主申告と、再発防止策の策定を並行して進める4. 対象物の価格の評価を争えるか検討する。5倍の上乗せの計算の基礎になるため、評価額が下がれば罰金の上限も下がる
時効(請求できる期限):69条の7・69条の8の違反で会社に罰金を科す場合、公訴時効は行為者本人の罪と同じ期間になる(本条2項、刑事訴訟法250条)。法定刑の上限が10年の罪なら7年、5年以上10年未満の罪なら5年で、犯罪行為が終わった時から数える。それ以外の号の違反では、罰金刑の原則どおり3年である(最新の改正状況をご確認ください)
学説
過失推定説(判例):業務主の処罰根拠を従業者の選任・監督上の過失に求め、その過失を推定する。業務主は注意を尽くしたことを示せば免責される余地があり、責任主義との調和を図る立場。
純過失説:業務主の処罰にも過失の存在を要し、その立証責任は検察官が負うべきとする立場。推定による処罰は責任主義に反するおそれがあると批判する。
改正沿革 AI による整理
- 平成29年(2017年)改正 安全保障貿易管理の違反について会社の罰金上限を大幅に引き上げ、10億円などの固定額と、目的物の価格の5倍という上乗せ方式を導入した。その後の改正で、引用される条番号や対象となる団体の規定が動いている可能性があるため、改正の経緯全体は人の手による確認が必要である
改正の年表
- 1.昭和24年(1949年) 新設:外国為替及び外国貿易管理法の制定に伴い、法人等に対する両罰規定が置かれた。
- 2.平成29年(2017年) 改正:安全保障貿易管理違反について法人の罰金上限を大幅に引き上げ、固定額と目的物価格の5倍を基準とする上限の方式を導入した。その後の条番号の変動は要確認。
- 外国為替及び外国貿易法 第69条の7無許可輸出等の罪、1号と2号の前提(現行効力を要確認)
- 外国為替及び外国貿易法 第69条の83号の前提となる罪(現行効力を要確認)
- 外国為替及び外国貿易法 第48条貨物輸出の許可制、違反の中心類型
- 外国為替及び外国貿易法 第25条技術提供の許可制、無形の輸出
- 外国為替及び外国貿易法 第26条外国投資家の定義、処罰対象の団体
- 刑事訴訟法 第27条法人被告人の代表、3項で準用
- 刑事訴訟法 第250条公訴時効の期間、2項の連動先
- 関税法 第117条密輸出入の両罰規定、並行して適用されうる
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